ふたつ
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ある人は争いの無意味さを説いた。

 

ある人はこの争いは必然だと主張した。

 

言い争う2人には、どんな意味があるのだろう。

 

 

 

 

ある人は知らず知らず蟻を踏み殺した。

 

ある人は旅行中蚊に刺され、マラリアで死んだ。

 

どちらも罪には問われない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く別の場所で、非情の選択を迫られた二人がいた。

 

1人は選んだ。

 

1人は拒んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとりが正義を主張した。

 

もう一人も主張した。

 

相反する、2つの正義がそこに生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1つの事柄について、

 

信じる者にとって、信じない者は悪だった。

 

信じない者にとって、信じる者は悪だった。

 

 

知らない者は、どちらにとっても悪だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今を楽しむ人がいた。

 

将来を見据えた人がいた。

 

その代わりに苦しみ、その代わりに楽しんだ。

結局、どちらも同じだけの時間を楽しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乞食を助けた人がいた。その人は乞食に殺された。

 

乞食を見捨てた人がいた。乞食はその人に殺された。

 

どちらも等しく被害者であり、加害者だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある人が虫ケラのように人を殺した。彼にとって人も虫ケラも同じだった。

 

その後、彼は殺された。彼女には虫ケラの気持ちは分からなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正義を掲げる人がいた。その人は、悪を拒絶した。

 

悪を掲げる人がいた。その人は、全てを受け入れた。

 

2人がいなくなったとき、同時に2つの概念が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色んな矛盾があり、

それはいつ我が身に降りかかるかも知れない。

 

僕は、苦しみながら決断すると思う。

辛いかも知れない、泣きたいかも知れない、

逃げたいかも知れない。

でもいつか、決断を下すと思う。

 

 

それはいつ友達の身に降りかかるかも知れない。

 

僕は友達ほど苦しくはない。

辛くもない、泣きたくもない。

逃げたければ、逃げられる。

 

僕はその友達の結末を、受け入れられるのだろうか。

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ごらん。せかいはきっと美しい。
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