英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 外伝〜不審商人の調査〜後篇(前半)
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〜アルモリカ村〜

 

「よかった、間に合ったようですね。」

「デリック……」

「…………………」

ロイド達を見たハロルドは安堵の表情をし、村長はデリックを見つめ、ジョゼットはミンネスを黙って睨んでいた。

「親父に、ハロルドさん……!?」

「バ、バカな……!?何故お前がこのクロスベルにいる……!?」

ハロルド達を見たデリックは驚き、ミンネスは信じられない表情でジョゼットを見つめていた。

「へえ〜……………てっきり”初めまして”と言われるかと思ったよ。」

ミンネスの言葉を聞いたジョゼットは不敵な笑みを浮かべ

「……………!!」

「まさか……!」

ジョゼットの言葉を聞いたミンネスは表情を青褪めさせ、リィンは驚きの表情で口元に笑みを浮かべてミンネスを見つめるジョゼットを見つめていた。

「キミは、たしか法律事務所の……」

一方ロイドは驚きの表情で子供を見つめ

「イアン先生の助手のピートといいます。本来なら先生が来るはずでしたが、憲法草案の作成の関係でどうしても出かける必要があったので……」

見つめられた子供―――ピートは答えた。

「証拠……ですか?」

「ええ、先程先生が言っていた”ダメ押しの証拠”だそうです。」

「みなさん、これを見てください。」

ピートは一枚の写真を取り出し、その場の皆に確認できるようにかざした。写真には、ミンネスと同じ顔をした商人風の男が写っている。

「そ、その写真に写っているのは……」

写真を見たロイドは驚き

「な、なぜだ……なぜお前達が、そんな写真を持っている!?」

ミンネスは信じられない表情で叫んだ。

 

「この写真は、イアン先生が昔、エレボニアの知り合いの記者から資料として譲り受けたものです。ですが、写真の男の名前は……”ミンネス”ではなく、”リドナ―”だったそうですが。」

「リドナ―……?その名前、最近どこかで聞いたような気が……」

ピートの説明を聞いたノエルは考え込み

「……あっ!確かそれって……」

ある事に気付いたエリィはジョゼットに視線を向け

「そう。ボク達――――元カプア男爵家から土地を奪い、ボク達の人生を滅茶苦茶にした男の名前だよ!」

視線を向けられたジョゼットは頷いた後怒りの表情でミンネスを睨み

「ぐっ……!」

睨まれたミンネスは唸った。

「おお、確かにそんな名前だったな。」

ジョゼットの言葉を聞いたランディは納得した様子で頷き

「ええ……イアン先生にも改めてお話を聞いてきましたし、間違いはないと思います。」

ハロルドは真剣な表情でミンネスを見つめて言い

「ついでにもう必要ない情報とは思うけど、ボク達をいつも利用してくれている取引先の中に『クインシー社』の役員がいてさ。……君達と別れた後、その役員に連絡を取って『ミンネス』って男が役員にいるか確認した所……そんな男の名前は知らないってさ。」

「いえ……助かりました。おかげで最大の矛盾点がまた一つわかりました。」

「―――『クインシー社』の役員でない最大の矛盾点の一つですね。なんせ”本物”の役員が否定していますものね。」

「ぐ、ぐぐっ………!」

ジョゼットの説明を聞いたロイドとティオは口元に笑みを浮かべ、ミンネスは悔しそうな表情で唸った。

「ふむ……だとすると、なかなか面白い事実が見えてきそうだね。ロイド、彼……ミンネスに突き付けてやりなよ。この写真が持つ意味を、ね。」

「……ああ、わかった。この写真に写った人物”リドナ―”と今この場にいる”ミンネス”が同じ顔をしている理由、それは……ミンネスとリドナ―は同一人物……そうとしか考えられない。詐欺の手口が酷似していたのも、同一人物だったから、というわけだ。」

そしてワジに促されたロイドはミンネス―――リドナ―の正体を言い当てた!

 

「イアン先生も言っておった……おそらく、それがこの男の最も得意とする詐欺の手口なんじゃろう。」

「”詐欺師”―――ミンネス。あなたの詐欺容疑は明白だ。その上、エレボニアで詐欺を働いた容疑者と同一人物である可能性も高い。」

「叩けばいくらでもホコリがでそうじゃねえか。」

「その男がリドナ―って事を証明したいなら、そいつに騙されたボクやドルン兄達が証明してもいいよ。」

「是非、詳しく話を聞かせていただきましょう。……警察本部の取調室で。」

そしてロイド達がリドナ―を睨んだその時

「……クッ……お……おのれ……おのれええええええええええっ…………!私が……完璧な仕事を信条とするこの私が……こんな……青二才どもにッ!!」

「ミ、ミンネスさん……」

リドナ―は怒りの表情で叫び、デリックは驚きの表情でリドナ―を見つめていた。

「……フン、いい気にならないでいただきましょうか。悪いが、こんなことで捕まってやるつもりは毛頭ないのでね。」

少しの間黙っていたリドナ―は鼻を鳴らした後不愉快そうな表情で答え

「なに……!?」

「……………!」

リドナ―の答えを聞いたロイドが驚き、ジョゼットが警戒したその時!

「―――来い、獣ども!」

リドナ―は大声を上げた!すると運搬車から数体の装甲を身に纏い、さらに口に短剣を加えた大型の犬が現れ、ロイド達を包囲した!

 

「う、うわあああ!?」

それらを見たピートは悲鳴を上げ

「ま……魔獣!?」

「しかもかなり訓練されているみたい……!」

ロイドやエリィは仲間達と共に武器を構えて驚き

「メンフィル軍の情報にあった”結社”が連れていたという装甲獣とどこか似ているぞ……!?」

「しかもこいつら……”結社”が連れていた魔獣より強そうだよ!?」

剣を構えたリィンは厳しい表情で言い、導力銃――――『ワイルドキャットΩ』を構えたジョゼットは警戒した様子で言い

(こいつら、まさか……!?)

ランディは目を細めて犬達を睨んだ。

「……う、あ………」

一方デリックは恐怖のあまり、動けなくなり

「デ、デリック!!」

「そ、村長!危ないです!!」

デリックの様子を見た村長は声を上げ、ハロルドは村長に警告した。

「あなたは……自分がなにをしているかわかっているのですか!?」

「ええ、わかっていますとも。ああ、間違っても戦おうなどと考えないことですな。デリックさんや村人たちに怪我をさせたくなくばね。」

「くっ………」

「さあ、道を空けたまえ。」

リドナ―の言葉を聞いたロイド達は悔しそうな表情をしながら道を空け、リドナ―はロイド達の横を通り過ぎ

「ふふ、それではおさらばです。もう会う事もありますまい。」

ロイド達に捨て台詞を吐いた後去っていった。

「デ、デリック……!」

「うう……」

そして村長はハロルドやピートと共にデリックにかけより

「くそっ、逃がすかッ……!」

「行きましょう……!」

ロイド達はリドナ―の後を追ったが、リドナ―は運搬車に乗って逃げ去って行った!

「ああっ……!」

「まんまと逃げられてしまいましたね……」

「うう……悔しいです!あんな卑怯な輩を取り逃がしてしまうなんて……!」

それを見たエリィは声を上げ、ティオとノエルは悔しそうな様子で呟き

「――――ドルン兄、キール兄!今、村を出て行った運搬車がボク達を騙したあの男が乗っている!ちょっとの間、足止めをお願い!」

ジョゼットはエニグマを出して誰かに伝え

「ジョゼットちゃん……?」

ジョゼットの行動を見たランディは不思議そうな表情をし

「フフ、こんな時の為にルファディエルさんが空で待ち構えていたんじゃないのかい?」

「――――!ルファ姉!!」

静かな笑みを浮かべて言ったワジの言葉を聞いたロイドは目を見開いた後、エニグマで通信をし

「わかっているわ。――――!あら……どうやら今回は私の力は必要なかったみたいよ。」

「へ………」

通信相手――――ルファディエルの答えを聞いたロイドが呆け

「―――とにかく急ぐよ!今ならまだ、あの男を捕まえられるよ!」

ジョゼットはロイド達を促した後、ロイド達と共にリドナ―が逃げ去った方向へと走りだした。

 

〜アルモリカ古道〜

 

リドナ―が運転する運搬車がアルモリカ村を去りかけたその時、空にいた小型の飛行艇が急降下して、運搬車の行く道を塞ぎ

「何ィィィィィイッ!?」

それを見たリドナ―は驚きながらハンドルを切り、近くの岩にぶつかり、ぶつかった運搬車は前方部分から煙を上げて動かなくなった!

「こ、これは一体……!?」

その時リドナ―に仲間達と共に追い付いたエリィは戸惑い

「ひ、飛行艇………?」

「目の前の飛行艇を避ける為にあんな事になったと思うが………なんでこんな道のど真ん中に停泊しているんだ……?」

リィンとランディは目の前にある飛行艇を見て戸惑い

「!!あの飛行艇は……――――”山猫号”……!」

同じように飛行艇――――カプア”特急便”の飛行艇である”山猫号”を見たティオは驚いた。

「い、一体何が……起こったというのだっ……!?」

するとその時、運搬車からリドナ―が出て来て、信じられない表情で呟いた。

「フン………まさかテメエを一発ぶん殴る機会が訪れるとはな……」

リドナ―が呟くと、飛行艇のハッチが開いて一人の大男が現れ

「やれやれ……いきなり急降下だなんて、無茶言ってくれるぜ。威嚇射撃をするだけでも充分足止めになるってのによ……」

さらに続くように青年が苦笑しながら現れた。

「ナイスだよ、ドルン兄、キール兄!」

男性――――ジョゼットの一番上の兄、ドルンと青年――――ジョゼットの2番目の兄、キールを見たジョゼットは口元に笑みを浮かべ

「え………」

「まさかジョゼットさん……いや、”カプア特急便”の飛行艇……!?」

ジョゼットの言葉を聞いたエリィは呆け、ロイドは驚きの表情でジョゼットを見つめた。

「フフ。まさかこんな援軍が来るなんて、私も予想していなかったわ。」

その時、ルファディエルが微笑みながらロイド達の傍に着地し

「へへっ、たまたま運が良かっただけさ。君達の仲間がアロンの依頼を終えて、次の仕事場に向かうついでにアルモリカ村によってもらって、リドナ―を逃がさないようにドルン兄達には空で待機してもらっていたんだ。」

ルファディエルの言葉を聞いたジョゼットは口元に笑みを浮かべて答え

「あ、ありがとうございます……!おかげで助かりました……!」

「フフ、まさかこんな予想外な人物達に美味しい所を取られちゃうとはねぇ。」

ジョゼットの話を聞いたロイドは明るい表情をし、ワジは静かな笑みを浮かべた。

「ま、俺達も因縁の相手に一矢報いる機会をもらえたから、お互いさまさ。」

そしてキールは口元に笑みを浮かべて答え

「久しぶりだな、リドナ―……………よくも俺達を騙してくれたなあ……?」

「しかも俺達を騙した手口と全く同じ手口とはな……ジョゼットから”特務支援課”が受けているお前の調査を聞いてピンと来たぜ。絶対お前が関わっているってな。………俺達がいるからには二度目は通じさせねぇぜ?」

ドルンとキールは不敵な笑みを浮かべてリドナ―を見つめ

「お、お前達はカプア家の……!?クッ……!借金で逃げ回っているはずのお前達がどうしてこんな所に……!」

見つめられたリドナ―は信じられない表情でドルン達を見つめた。

「へっ。”空の女神(エイドス)”はまだ俺達を見捨てていなかったって事さ。」

リドナ―の言葉を聞いたキールは口元に笑みを浮かべて答え

(この場合、あの人外ノーテンキ娘に感謝すればいいのかな……?いやいや!そんなの、ありえないから!感謝するとしたら、リベール王家だね、うん!)

ジョゼットはエステルの姿を思い浮かべた後、自分の考えをすぐに止めて、すぐに思い浮かんだ他の理由で納得し

「これでテメエも年貢の納め時だ!大人しくお縄につきなっ!!」

ドルンはリドナ―を睨んで叫んだ!

「……………クククッ………ククククッ……………!クハハハハハハッ………!」

一方リドナ―は黙り込んだ後凶悪な笑みを浮かべて大声で笑い

「……いいでしょう……私もいよいよ女神(エイドス)に見放されたようだ。しかし……私は転んでもただでは起きないタチでしてね。こうなったら、貴方方も地獄の道連れにして差し上げましょう!」

そして運搬車の後部の扉を開け、そこから装甲を身に纏った魔獣達が次々と現れて、ロイド達を包囲した!

「さっきの……!」

「赤い星座のクーガー……!気を付けろ、この数は油断できねえぞ!」

「なっ!?赤い星座の!?」

魔獣達を見たノエルは厳しい表情をし、ランディは目を細めて警告し、警告を聞いたリィンは驚き

「クハハハッ………食われろ、食われてしまえっ……!」

リドナ―は凶悪な笑みで笑い続けた。

「クッ………なんとか、ジョゼットさん達だけでも避難を……!」

ロイドは表情を歪めて呟いたが

「そんなの必要ないよ!」

「俺達はこれでも”結社”の連中とやり合った事があるし、リベールの”異変”の最終決戦にも参戦し、生き残った!自分の身は自分で守れるぜ!」

ジョゼットは銃を、キールはやや長めの短剣を構えて共闘の意志を伝え

「俺達を騙して親父が遺した遺産や小麦畑を奪い、俺達の人生を滅茶苦茶にした事の落とし前………今ここで付けさせてもらうぜっ!!」

ドルンは導力砲を構えて叫んだ!

 

そしてロイド達はジョゼット達と共に戦闘を開始した……………!

 

 

 

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という訳で!原作と違い、この戦闘のみジョゼット達が特別参戦です!!なお、山猫号が現れた時のBGMは空の”Challenger Invited”か”The Fate Of Fairies”で戦闘BGMもイベントと同じBGMだと思って下さい♪……感想お待ちしております

説明
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 ここでも影の国の影響が出て来ています♪(sorano)
おぉ、ジョゼット達が参戦ですか、良いですね♪ 一発どころか何発でもぶん殴ってほしいですww(本郷 刃)
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