悪魔 |
悪魔は人の魂を狩る。極上の魂を。
昔おじいちゃんに借りたに書いてあった言葉。ほんとかどうか誰にもわからない。
おじいちゃんが言っていた。
「あの教会には近ずくなあの教会には悪魔がすんでいる。」
馬鹿馬鹿しい、悪魔なんているわけない。もしいるとしても
私の魂が極上なわけない。 そう思っていた。
ある日、その教会に行くことになった。
おじいちゃんが死んだのだ。
その日はちょうど、私の誕生日だった。私の誕生日はおじいちゃんの命日にもなったのだ。
その教会は森の奥にあった。教会に進むための道は一本だけ。近道をしようとすると、森にすむ狼に食われてしまう。
そんな道を車で進むと、何分かして教会についた。
ぼろい外見とは裏腹に、庭はきれいに手入れされていて、血のように赤い真赤な薔薇も咲いていた。
ああ・・・おじいちゃんはここで最後を飾るんだ・・・
そう思うと、今まで涙が出なかったのに、急に泣けてきた。
大粒のしずくを薔薇の花弁にこぼしながらふいに耳元に聞きなれない声が聞こえてきた。
「きれいな薔薇でしょう」
後ろを振り返ると、そこには薔薇が似合いそうな黒髪の青年がいた。
白く透き通りそうな肌、きれいに整った顔立ち。
その姿はまるで
「悪魔・・・・」
「えっ」
その青年は、目を丸くして私を見つめていた。
「あっす、すいません!!」
急いであやまると青年はにっこりと笑った。
「いえ、いいんですよ、よく言われますから。『悪魔が本当にいたらお前みたいな容姿だな』
と。貴女のおじい様、ウォル様にも言われました。」
「へ?」
今度は私が目を丸くする。
「申し遅れました。私、ここの教会の神父、ベルと申します。」
「きっ今日はよろしくお願いします、ベル神父。私はウォルの孫、ワルツと言います。えっと、ウォルとはどうゆうご関係で・・・」
「ウォル様は私のおじい様の戦友でして、昔よく、かまってもらってました」
「そうなんですか・・・。」
何を言っていいか迷っていると、ベルが口を開いた。
「でわ、もう時間ですので中にお入り下さい。
「はっはい!!」
教会の中はそれほど汚くなく、教会らしいくらいに手入れがされている。
式はサクサクと進み、死者に最後の祈りを捧げた。
「さようなら、おじいちゃん・・・」
ウォルが入った棺桶の上に土をかぶせて式は終り、一粒の涙を流した。
「ありがとうございました」
ワルツは、ベル神父に礼を言い車に乗った。
教会がどんどん小さくなってゆく。
今度くる時はお墓参りか・・・
そう思いながらワルツは眠りについた。
「あれ・・ここどこ・・?」
ワルツが目を覚ますとそこは教会の中のベットの上だった。
「何で教会に・・・」
「ねえ・・・知っています・・・?」
「なに・・・!?」
聞こえてきたのはベル神父の声だった。
「悪魔は魂を狩るんですよ・・・極上の・・・」
「ベル・・・神父・・・?」
ベル神父はベットの上にのり、ワルツにかるくキスをした。
「ベル神父、お父さんたちは?」
「ああ・・・あいつらなら殺しました」
頭が真っ白になった。
「え・・・な・・んで・・」
ベル神父はにっこり笑った。
「悪魔は極上の魂しかいりません。それ以外は殺します。」
「あ、貴方はいかれてる!!!」
「悪魔はもともといかれてます。」
ベル神父はワルツに顔を近づけ、ワルツの頬に手をやった。
「では」
「あ・・・!!」
「いただきます」
私の誕生日はおじいちゃんの命日とお父さんたちの命日であると同時に、
私の命日にもなった。
「御馳走様」
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