真・恋姫†無双 〜孫呉千年の大計〜 第2章 拠点ー雪蓮編 |
第2章 拠点ー雪蓮編 『 一刀と雪蓮の新婚旅行編 』
「あ〜〜〜〜〜〜ん もう! 一刀と結婚したというのに、前と全然ッ変わんないじゃない!」
そうこの日もお互い仕事・仕事の毎日で、一刀といちゃつくことの出来る時間は、食事時間、休憩時間、就寝時間と限られていた
執務室で叫んでいたのだから、当然近くにいて雪蓮を諌める立場である緋蓮はというと、この時間は華陀の診察を受ける為、留守だったのだ
そんな訳で雪蓮の叫びというか愚痴は、猶も数刻の間響き渡ることとなるが
仕舞いには冥琳や紅が聞いたなら、被害妄想ねと一蹴されそうな事を終始喚いていたのだった
「キィーーーー これはきっと冥琳や紅の嫉妬による陰謀だわ! そのつもりなら私にも考えがあるわ!」
そう被害妄想も甚だしい一言を呟いた雪蓮は、仕事をする手を休めず更に速く動かしていた
それはいつもの3倍に迫るスピード(雪蓮比)であったと、自身で後々回顧していたのだった・・・
本来の雪蓮ならば、この時間になると寝室へヘトヘトになりながらもただいまぁ〜〜〜と
寝具か一刀へダイブしてくる時間なのだが・・・今日は帰ってこない事に心配しつつも
仕事柄、急に仕事が舞い込むことなど多発する事もあり、少しの間起きて待っていたのだが
疲れが溜まっていたこともあり、堪り兼ねて寝てしまったようである
明け方目を覚ました一刀は、自身の横でスヤスヤと眠る雪蓮の髪を整えてあげると、再度眠りについた一刀であったのだが
いつの間にか目覚めたのであろう雪蓮は、寝ている一刀の身体を激しく揺さぶって起こし、何かをしきりに耳打ちしていた
寝ぼけながら聞いていた一刀であったが、ある事に話が及ぶと・・・
ガバっと信じられないくらいの反応で身体を起こし、唖然とする雪蓮を置き去りにし、服を着て何処かへと颯爽と出かけていったのだった
その一刀の一連の様子を見届けた雪蓮はニヤっと微笑んだかと思うと
何事もなかったかのように月を呼び寄せ、髪などを整え支度を済ませ玉座へと向かった
途中、月がご主人様は?と行方を何度か聞いていたようにも思うが
今後の予定を考えていた雪蓮には正確には届いておらず、生返事を返されていただけであった
「冥琳! 一刀と新婚旅行に行ってくるわ!」
冥琳が玉座に来ていたのを良いことに、一刀に耳打ちしていた内容を即実行に移すべく言葉を発していた
雪蓮の気まぐれなとも思えるこの一言が発端となり、騒動は始まりを告げたのであった
「新婚旅行!? ハァー 雪蓮が張り切って深夜までかかって仕事を終らせていた理由が漸く理解できたわ・・・」
そう言っていつもの如く、額を押さえコメカミ辺りがぴくぴくさせて、頭を抱えている冥琳であった
「冥琳の了承も出たので行って来るわ! 月ぇ! 出て行った一刀を至急呼んで来てちょうだい」
「ごっご主人様ですね! 承知致しました」
一刀が天皇という最高位についてから、二人の御側付きである月は一刀の呼び名を”ご主人様”と言葉を改めていた
今では咲と供に侍従長という役職に就いており、メイド服も板についている月であった
が一方でドジっ娘の詠の方はというと・・・ その後も言葉遣いが変わらず、アイツとかあれ呼ばわりではあるが・・・
月がそれを窘めると、ふんだっと頬を染めながらそっぽを向くので、今では照れ隠しなんだろうと諦めてしまっている
月のぱたぱたと可愛い音を立てて玉座から走り去ると、玉座に静けさが戻るものの・・・
次は雪蓮と冥琳がお互いの言い分を譲らず、珍しく声を荒げた口論となっていたのだ その内容とは・・・
「一刀の”青”に漸く騎乗を認めてもらったから、”二人”でそのまま父さまのお墓参りを経由して新婚旅行と洒落込むわ」
※青=白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前
といった内容で、”青”は白蓮から譲られる前から非常に気位が高い馬なので、一刀以外の騎乗を基本誰1人として認めない
他人が乗ろうとしたり、鞍を着用させようとすれば、容赦なく暴れ振り落とそうとするし、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない
食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどなのである
今回雪蓮が認めてもらえたとは言っているが、一刀がここ数日何度となくなだめすかして
漸く”青”が鼻息荒くも諦めたような格好で決着をつけた訳なのであるが・・・
強敵と呼んで友と呼ぶと同義の内容であったのだが
それは兎も角、雪蓮は一刀と二人きりで、”青”に乗ってノンビリ新婚旅行をしたいと主張し出したのである
冥琳としては新婚旅行に行くのを反対している訳ではない
呉公への結婚の報告も兼ねてと聞いているので、冥琳が反論するような内容でもない
むしろどうぞと送り出してもいいくらいなのであるが・・・
一刀、雪蓮、二人とも万夫不当であるのは承知してはいるが、今や二人は孫呉の御旗 以前より二人の重要性は増しているとも言える
そんな二人に今、もしもの事があっては、孫呉の屋台骨を揺るがしかねない事態を引き起こしかねないのである
だから思春、明命のどちらかに陰で供をさせろと言っているのだが
雪蓮としては一刀と”二人きり”に拘っている為、頑として受け付けようとしなかった為、両者譲らず声を荒げ口論となっていたのだった
本来、二人を仲裁するべき人物の一刀はというと・・・
朝起きたと同時に雪蓮から新婚旅行の事を聞き、慌てて琥珀から出来上がった”ある物”を受け取りに行っていた為
この場にいなかったというオチで、雪蓮の命を受け探し足跡を辿って来た月と、建業城の入り口辺りで会っていたのである
琥珀に依頼していた”ある物”とは、エンゲージリング、結婚指輪のことを指していた
孫呉は今、階級社会となっていると言っても過言ではない
一刀はここへ飛ばされて来た初期の頃、功などを平等に配するべきだという共産主義的な主張であったのだが
これだとどうしても査定に不平不満の声とサボる者達が多発と争いの元が尽きなかったのだ
そうした中、事件は起こった ワイン酒造の製造工程を盗み、華琳の下へと亡命しようとした輩が出たのである
その頃の華琳は、ワインの製造工程を知る為、大金を積んで躍起になって技術を盗もうと企んでいた時期であった
その時は思春の活躍もあり、事前に阻止する事が出来たのだが・・・
功という名の欲望は、人を良くも悪くも突き動かすのだ それをいかに上手にコントロールする事が一番大事なことだと悟ったのだ
それからというもの、孫呉では軍の階級に応じて、”特権”が開放される仕組みとなったのである
特権の一例を挙げると、ワイン、ラガー酒といった孫呉産の希少酒の優先配布
一刀くん抱き枕、武器、装具、絹、塩、お茶(緑茶、紅茶)、希少本、家屋、空き地(農地含)といった
専売品、特産品、国が占有する物などの割安提供などがそれに当る
後々には蜂蜜、蝋燭、化粧品、スキンケア製品といった多岐にわたる製品が、リストに多く名を連ねることとなるのだが
一軍を率いる将ともなれば、望めばほとんどの品を優先的に入手可能となる為、軍に関係する皆から羨望の的であったのだ
また、抜け道となりかねない代理購入などすれば、罰則規定等もちゃんと厳しく規定されてあるので
腐敗の温床とならないよう一切の誤魔化しを許さない方向であった
孫呉に新たに加入した者達にも、当然の事ながら例外なく”特権”はすぐさま与えられた
霞は、早くもその特権を利用して、毎月給料の半額分を希少種の配布に回しているほどなのだ
月は山越や英徳から取り寄せた高級茶葉(玉露茶、紅茶)を、詠は軍関連書庫に回るような希少本を割安価格で取得しているのだ
そうした特権は、呉のTOPでもある『 天皇 』となりし一刀も『 皇后 』となりし雪蓮もまた、同様の特権が与えられている
面白い事に『 天皇 』の一刀も『 皇后 』となりし雪蓮も可笑しな事であるが、”給与”を戴いている身の上なのである
雪蓮は言わずとも知れよう、霞と同様の使い方をしていたのだが
対して一刀は、特権を使うことなど皆無であり、三羽烏達や他のみんなにご飯を奢ったりと
今まではそういったお金の使い方しかしていなかったのだが、ここにきて初めてその”特権”を利用したのであった
雪蓮へのエンゲージリングは”金剛石”をふんだんにあしらった結婚指輪であった
この当時の金剛石は、安価な人工の工業用金剛石がある筈もないので、全て天然石である
孫呉で採掘される金剛石と言えどもその希少さは変わらず、しかも琥珀の手により加工・仕上という過程を経ることもあり
一刀はこの”特権”を利用したのである
もちろんこの事は、未だに雪蓮には秘密事項とされているのだが
未来でも給料の三ヶ月分が大体の相場と言われているが、一刀の給金であろうと到底3ヵ月分などで済む筈もなく
特許料などの貯蓄資産の殆どを使った豪華な代物となっていた
呉公の墓参りもすると雪蓮に聞いていたので、急いで琥珀の元へと出かけ、引き取りに行った訳であるが
琥珀や自身の武器の製作状況を確かめに来ていた霞達にからかわれる一幕もあり
時間を経過してしまうというアクシデントもあったものの・・・
城門前に戻ってきた時には、ちょっと精神的に参っていた一刀であった
月から雪蓮が呼んでいると聞きつけ、玉座へと足を運んでみると・・・
激論が交わされ、どちらも退かない2人の仲裁に入るハメとなった訳である
一刀から新婚旅行すら危ぶまれる点を指摘されると、冥琳の提案を渋々飲んだ格好の雪蓮であった
本来の陰の護衛役に仰せ付けられる筈の明命は、こうした趣向の陰の護衛に向かない
というのも祭や紅などに追求された時、秘密事が表情に出やすく容易く読まれてしまうのだ
ならば一刀直属の瑠璃に頼みたい処であったのだが、例の骨折から完全に癒えておらず
未だに華陀から任務に復帰するのを止められている状態であったのだ
そんな事情も重なった事もあり、すぐさま陰の護衛を思春に頼むと、眉間に皺を寄せすご〜く嫌な顔をされたが
冥琳直々に頼まれてしまってはしょうがなく、こちらも渋々ながら急遽人数を選抜する準備へと走る羽目に陥った訳である
一足先に準備を終えた一刀と雪蓮は、青がいる厩舎へと足を運んでいた訳なのだが、出かけ際の騒動はこれにて終了とはいかず・・・
「こら! 青!」
「ぶるるるる」
と首を振り”青”の鼻息は荒くすこぶる機嫌が悪かった 何度も一刀に制され怒られ様とも、顔をあさっての方向へ向けとぼける”青”であった
それからも少しも悪びれる様子もみせず、怒られようとも一刀に甘え顔を寄せたり((鬣|たてがみ))を撫でられ、大変気持ち良さそうにしているが
少しでも隙があれば、雪蓮を蹴飛ばそうと後ろ足を踏ん張る仕草を解こうとしないのだから、油断も隙もありゃしない
馬の分際で一刀を独占とかどんだけよ!と時折”青”と視線をバチバチと火花を散らせ
がるるるっと唸りながら睨み合い、馬に嫉妬している雪蓮さんも雪蓮さんなのだが・・・
なんとか機嫌の直らない”青”に騎乗し、建業城入り口付近で思春を含めた護衛の者達6名と合流を果たし
暇だったのか、見送りに来た緋蓮、シャオ、祭の見送りを受け、一路、呉公が眠る墓の方角へと進路をとる
一番先頭を思春が、2時、4時、6時、8時、10時の方角にそれぞれ散って護衛の任に就いていた
一刀と雪蓮も思春達、護衛陣を信じていない訳ではなかったが、心配させないよう円を張って万全を期していたのだった
さすが”青”というべきかもしれない 一刀と雪蓮の二人を乗せて走ろうとも、普段駆けている速度と大差なく
太陽が中天を差す頃には、第一の目的地である呉公の墓がある、川のせせらぎが聞こえてくる近くまで来ていたのだった
思春達護衛班は森の各所へと散らばり警戒任務に当り、一刀と雪蓮は花や供物をお供えしたり、呉公の墓石の掃除などを行う
孫呉が独立して改葬してからそんなに経っていないにも関らず、苔が少し生えてきていた ※第1章 拠点ー緋蓮編参照
この静けさ溢れる場所が、いずれ孫家代々の者達が自然へと回帰し、先祖代々の者達を回顧する場となるのであろう
母さんや雪蓮、蓮華、シャオそして俺もまたここに眠ることになるだろう
そんな事を漠然と考えつつ雪蓮と言葉を交わす
「先の事は分らない・・・けれど心の拠り所、そんな場所になればと思うわ」
とにこやかにウインクする雪蓮でありました
掃除が終わると二人して手を合わし黙祷を捧げた
一刀は呉公様、雪蓮を妻に娶りました これから一生をかけて幸せに致しますと心に誓い
雪蓮が黙祷を終え瞳を開くと、手を合わせていた雪蓮の左手を静かに取り、薬指に金剛石があしらわれた指輪をはめてあげる
「こっこの指輪は!?」
驚きのあまり目を白黒させつつ、薬指にはめられた指輪と一刀を交互に見遣る
「俺のいた世界ではエンゲージ・リング 結婚指輪と呼ばれる物で結婚した女性に贈る指輪の事さ
婚約指輪なんてものもあったけどな」
「結婚指輪・・・ 綺麗・・・光を通す度に色が変化してキラキラ輝いてる」
一刀の解説を聞きつつも嬉しさのあまり、左手を太陽へとかざしたり、くるくる回って金剛石の輝きを楽しんだり
そうかと思えば、左手の薬指のリングをじっと優しげな瞳で、しばしの間見つめている雪蓮
「反董卓連合が始る前に洛陽のお土産で指輪もらったけれど、あの時はぐらかされちゃったけれど、あの時にもらったのは婚約指輪ね!」
「アハハ それでいいよ」
「フフフ やった!」
雪蓮の子供のようにはしゃぐ笑顔が見れたのだから、苦労して隠していた甲斐があったというものだと
一刀もまた密かに喜びを噛み締めるのであった
・
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呉公への挨拶の終えた二人は、最終目的地である山越へと進路をとっていた
思春は明命を通じて、他国の動向にも念のため気を配っていたものの・・・ 平穏そのもの変わりないとの報告で
この新婚旅行に関しては、冥琳の取り越し苦労に終わりそうで、護衛の者達も幾分緩んでいる感じがしている
それというのも、主である雪蓮が困った表情をしている一刀の後ろから
遠慮なく抱きついて甘えている様子が、皆に伝染したと思える節もあった
堪り兼ねた思春が一刀へもうちょっと自制しろと進言し、一刀を介して雪蓮へ伝わるものの
雪蓮としては、いちゃつきたくて新婚旅行に出かけたのだから、何が悪いと態度が改まる様子は全くなく
護衛としてはどうかと思うが、思春はもはやこのバカップルに付き合いきれないと、2人を視界に入れないように動いているようであった
明命であったなら、眼を手で覆い隠しつつも隙間から覗いて一部始終を観察していたであろうと予想できたことからも
人選はこれで良かったのかもしれない、そう思っていた一刀と雪蓮である
立ち寄った途中の村で大いに歓待され一泊した後、漸く最終目的地である山越へと到着した
「ようこそ この度の両陛下の御婚礼おめでとうございます ようこそ はるばるおいでくださいました
それではお部屋までご案内いたします」
そう挨拶を終えた潘臨さんが宿泊する部屋まで先導する
移動途中に一刀は、今まで通りの対応で構わない事を伝えると共に
他の2首領の費桟と尤突の姿が見えないことに疑問を感じ、潘臨に質問をする一刀
「費桟は英徳へ来年の紅茶の作付けの為の視察、尤突は交州に買い付け行っており、共に留守にしておりますわ
あと”例の物”尤突より届いておりますわよ」
「一刀、例の物って?」
雪蓮の鼻がもう嗅ぎつけたのだろうか? それともただの勘なのだろうか?
どちらにしても、その鋭き嗅覚にはいつも感心させられる一刀であった
「御遣い様がいらっしゃるとお聞きしまして、間に合うよう急いで買い付け先から届けられたものがこれって訳です」
雪蓮の目の前に突き出された瓶は、雪蓮の予想通りのお酒のようであるが
琥珀色をしており一見麦酒?と見間違えそうなものなのだが、麦酒を他国から態々仕入れるというのもありえない
よほど珍しいモノ?とは思えなかったからだ・・・
雪蓮が首を捻るのも分らないではない、というのも今や呉は、エールやラガーといった麦酒の1大輸出国となっていたのだから
そうした雪蓮の疑問をよそに、一刀がその正体の解を答えていた
「これが蜂蜜酒か」
琥珀色の液体の正体は”蜂蜜”だったのだ
「蜂蜜酒? 一刀はこれを知ってるの?」
こうした目新しい物に関して、9割は未来の知識がある一刀絡みである事が多い
現にエール酒やラガー酒、ワインといった大陸には存在していないお酒を導入した実績があったからだが
雪蓮は”蜂蜜酒”に関しても、一刀が関係しているのかと思い、詳細を聞いてみたくなったのだ
「ああ 冥琳から聞いてはいたんだがね 俺自身も初めてみるよ
雪蓮には内緒だったけど、今回の旅行はこれの視察も兼ねてたんだよ
製法がワインに似てて、『ハニーワイン』とも呼ばれている一品なんだけどね
ただ未来と違って、この世界では養蜂技術が確立されている訳でもないから、ワインと同じくらい貴重な品ともいえるんだけどね」
「結婚後に新婦が部屋に篭って作り、新郎に蜂蜜酒を飲まして子作りに励んだっていう民間伝承もあるそうですよ?」
一刀の蜂蜜酒の説明に、潘臨が補足説明を付け加える
「これってワインなの? へぇ〜 それにしても潘臨 それってホントなの? もしかして冗談?
視察ってこのお酒を飲むこと・・・な訳ないわよね?」
「雪蓮様 伝承に関しては冗談ではありませんよ?」
「ああ もちろん 飲むだけだったら建業に取り寄せればいいからね
養蜂が山越の地で出来るかどうかといった場所の選定、それと管理者を誰にするのかといった問題もあるんだけどね
山越で養蜂が確立されたら、莫大な利益と特産品が見込まれるからね
ただ、まぁ今日のところは”味見”が主だけど」
「やった! さすが私の旦那様」
「ちょっ 雪蓮ホント調子よ・す・ぎ!」
「きゃん! もういいじゃない! お酒は百薬の長!」
一刀の呑み宣言に嬉しさの余り抱きつく雪蓮に対し、照れ隠しでデコピンを食らわせる一刀でありました
「お酒と俺・・・ どっちが大事なんだか・・・」
「もしかして〜 やいてくれてる? も・ち・ろ・ん! か・ず・と」
一刀が焼きもちを焼いてくれた事に、雪蓮のボルテージが更にあがったのだろう
怪しげな笑みを浮かべながら、一刀の鼻を一定の間隔でつんつんとつついた
「はいはい ありがとーございますー それじゃ夕暮れで時間的に早いが飲もうか」
「わ〜い それじゃいただきま〜す!」
一刀は照れ隠しで、通り一辺倒の返答を返しつつ、雪蓮に蜂蜜酒の酌をする
雪蓮の艶のある唇から喉元へと、蜂蜜酒を美味しく飲み込む度に激しく上下に揺れ
その美味しさのあまり少しの雫すらも惜しかったのだろう 舌なめずりする雪蓮
その色っぽさを表現するのが難しいほど、雪蓮の表情は艶やかでさも満足げな表情に彩られたのであった
「ハァ〜〜」
一刀は雪蓮が飲む様子をみて溜息をつきつつも
結婚しようとも以前と変わりなく、コロコロと表情が変わり掴み所がなく、人の心を惑わす雪蓮であり
きっといつまでも俺を夢中にさせ、飽きさせないんだろうと
しみじみと思いつつ雪蓮の酌にて、自身も初めての蜂蜜酒を堪能する一刀であった
「星が綺麗だからちょっと外に出てみないか?」
夜も更け、ライチ酒を口にしていた一刀が、ふいに雪蓮にそう問いかけてきたので
「一刀からのお誘い・・・ってどういう風の吹き回しなのかしら?」
夕暮れから月や星々が煌々と彩られる時間まで、こうして飲んでいられるのだから、二人ともかなりの酒豪といえた
「ちょっと気分転換も兼ねてだよ」
「じゃ 少しだけ」
一刀の誘いに興が乗ったこともあり、頬を二人とも赤く染めているものの・・・
しっかりとした足取りで一刀に続いて部屋を出る雪蓮
日本式庭園に出た二人は、酒を手に空を見上げながらゆっくりと散策する
「あれが北極星の筈だから・・・ あれが冬の大三角か」
「一刀が昔言っていた”学校”で学んだという?」
「だけどこんなのは基礎的な学問さ こんな無数に点在しているようでいて季節によって見せる顔が違うんだ
しかもそれぞれの星々に逸話まであるんだぜ?」
「そうなの?」
一刀が何を私に伝えたいのだろうか? そう探りを入れながら一刀が話す話にのっている雪蓮
「ああ 妹が小さい頃、夜に和葉がグズると二人よく夜空を見上げていたんだ」
「・・・そう」
一刀のその言葉を聞いた時に、自分は責められる為に、ここに呼ばれたんだと雪蓮は思った しかし・・・
「時は移ろい易く・・・想いもまた流され易い
けれどその中で失ってはダメなモノ 普遍でなくてはならない想い、意思もあると思うんだ
雪蓮にも母さんや呉公さんを始めとした意思を継いだ だから王として今までいたんだろう?
俺はふと夜空を眺めるとこうして思い返すことがある
俺は幼いあの頃抱いた自身の誓いを守れているのだろうか?ってね」
「で? どうなの?」
雪蓮は自身が誤解していた事を少し恥じた 一刀は他人を責める様な言はしない 常に自身に問いかけ内々に向く習性なのだろう
他人であるのにも関らず、全幅の信頼を預けて送り出す ダメだったら自身の責任を問う そうした人間だった
だからこそ、皆が一刀の命に対して真剣に取り組もうと全力で試みる
それは直属の部下である瑠璃や珊瑚、ちょっといい加減な子虎をみていてもわかる
上司である一刀の信頼に応える事が何よりも嬉しいのだ だからこそ 時には命さえ顧みず彼女達は戦うのだ
そしてこうした未来の家族の事を話し、自身の”弱み”を時折みせるのは
もっぱら緋蓮や雪蓮、冥琳、祭、紅といった孫家に連なる重鎮達にだけに明かす事が多い
年上の心を((擽|くすぐ))るのが上手いと言ってしまえばそれまでだが
皆が総じて明かされた瞬間、一刀を愛おしく感じ母性本能を擽られてしまうのだろう
今日は”自身の弱み”の方なのかな? そう感じた雪蓮の瞳がすごく優しく一刀を捉え、一刀の次の言葉を待つのであった
「誓いはもう守れそうにもない それが残念で堪らないんだ 未来にいる家族を守る手段を、俺は永遠に閉じたのだから・・・」
「それは一刀のせいじゃない! 私が閉じさせたのだから・・・」
悲痛な一刀の言葉に対し、すぐさま反論の意を唱える雪蓮 一刀は雪蓮の言に寂しげな表情で笑うと静かに首を左右に振った・・・
「雪蓮 決めたのは俺だよ この世界に放り出された俺を拾い育ててもらった恩義もある
そして今や妻となった雪蓮や孫呉の皆を見棄てて、1人未来へと帰るなんて選択も出来るはずもない
これまで自身が決めた事象に対して、俺は後悔はないと断言できる
言いたい事はその点じゃないんだ 雪蓮!」
「どういう事?」
後悔という名の”自身の弱さ”でもなければ、何を私に伝えたいというの? 雪蓮は一刀の思考を終に計り兼ねてしまったのだ
「俺は虎牢関で大怪我をして寝込んでいた時に、ずっと考えていたことがある
思い返すとどうも・・・未来の母さんは、俺がこの時代に飛んでいく事を予期していたと思える節がある」
「!? それってどういう事?」
この世界に一刀が飛ばされてきた事が必然であったと? 一刀から衝撃の言葉を聴いた雪蓮であった
けれどそういえば・・・雪蓮にも少し思い当たる節があった
「俺を強くしてこの大陸で生きる術を爺ちゃんと共に身に付けさせた そう考えれば辻褄が合ってしまうんだ
雪蓮や冥琳達には予め前にも言ったけれど、俺が住んでいた未来の国は戦争なんてない平和な国だった・・・
そこで郷流なんて殺人剣術を習得させ強くなる必要なんてなく、礼儀、精神修養が主であってもおかしくなかった
けれど俺の周りだけが”異常”だったんだ 本当の父と母は俺が小さい頃に亡くなったことは、成長する過程でなんとなくだが気づいていた
俺の記憶の断片が”殺された”と今も尚執拗に叫んでいるからな
その頃の記憶を引き出そうとすると、途端に頭痛に襲われ本能的に逃げてしまうんだ
そして俺がこの大陸へ飛ばされる前に、母さんから聞いた言葉だ 今でもハッキリと覚えている
・・・参りました 強くなりましたね一刀 ・・・これなら合格でしょうという言葉を ※序章 第1話参照
あの時の俺は”合格”という言葉に、とても違和感を感じてたんだ
郷流の正統継承者である爺ちゃんに”合格”と言われるのなら分かるんだけど
母さんは何を”物差し”にして合格と言ったのかが、心の何処かにずっと引っかかっていた
その意味は”飛ばされた先であるこの世界で生き抜ける”という確信を得たからだと思っている
これはすべて俺の推測の域だが、十中八九間違いないと思っている 俺がこの世界に飛ばされた事に母さんは関っていると
おそらく俺が皆の所に落ちてきたのは、母さんが計ったように思えるんだ」
「ええっ! じゃ 母さまも!?」
「それも少し疑ってみたけれど、俺が最初に会った時の反応といい、こちらの母さんが関っているとは到底思えない
ただ未来の母さんの名前も緋蓮だった そして瓜二つのこちらの世界の母さん 何か関係があるとしか思えないんだ
関っていたと思える人物は、今判明している時点で3人、未来の事を知っていた貂蝉、卑弥呼、未来の母さんの3人だ
彼らがきっと何らかの事情を握り知っているはず ・・・そう俺はみている」
「一刀、それを問い詰めるつもり?」
「いや それは今の所考えてはいない 話せるのならもうとっくに話しているだろう 話さないという事は話す気が無いという証左だろう
それに今更未来に帰る気はないんだ 大陸が平和になった時にでも貂蝉と卑弥呼の二人に聞きだす事にするさ」
そうあっけらかんに話す一刀に、漸く安堵した雪蓮はふと気になる事を思い出したので口にする
「一刀の推測なんとなく当ってる気がするわ だって一刀の身体の異変の事を問い詰めた際に詳細に知っていたもの
そして身体の異変の解決策に、絆を深めろなんて私にハッキリ言ったんだもの・・・」
「そうか・・・ この世界の理に貂蝉と卑弥呼の2人が関っているのは確実だな」
「そうね」
この世界の真相を暴いた所でどうなるか?それは分らない
しかし一刀がどうしてここに飛ばされて来たのか? どうしてそれが孫呉だったのだろうか?
そうした謎だけは、どうしても知りたかった一刀と雪蓮の二人であった
「とりあえず この事は俺と雪蓮の胸の内に秘めておこう 冥琳にもだ」
「わかったわ でも一刀と2人だけの秘め事なんてちょっと・・・ドキドキするわ」
すっかり酔いも醒めてしまっていたが、悪くない心地であった 寧ろ燃える展開になってきたと言っていい
力強く夜空の星々の如く輝く二人の瞳が謂わずとも物語っていた
「またそんな事言って・・・俺がこちらへ飛ばされて気を失っている事をいいことに、俺を殺そうと機会を窺っていたくせに」
「祭から聞いたの? ええ そうよ 悪い? その頃から私・・・ 一刀を殺したいほど愛していたわ」
ちょっとおちゃらけてみる一刀に対して、動揺するかとおもいきや、雪蓮はこう一刀に言い放つのであった
「嘘つけ! コイツ 詳細は母さんから聞いたんだよ しかも開き直りやがって」
「きゃん! あら? 母さまからだったの? フフフ
世界が変わらないことなんて・・・ そんな世界がないことを父さまを失ったあの戦、その後の惨めな撤退戦の時に痛切に悟ったわ・・・
そして父さまや母さまの意思を継ぐ事、王としての責任の重さ、意思を想いを背負って生きる忍従の過酷さを・・・
そして自分の力のか弱きことをつくづく思い知らされたわ
・・・だからね 私はあの時誓ったの! 後悔する生き方だけは絶対しないって!」 ※外伝 『砂上の楼閣』参照
「・・・」
こうした雪蓮の覚悟を直に聞いたのは、これが初めてかもしれない
雪蓮のこうした本音を聞けた事は、一刀にとって何より嬉しかった
「一刀があの時もし現れなければ、私達孫呉は今でもずっと・・・もがき苦しみ
袁術の下で戦いに明け暮れて転戦し、独立の機会を窺っていた筈よ
貴方と過ごした時間、日々は私にとって・・・生を実感し女に戻る事が許された貴重で素敵な時間だったわ
仮に一刀の推測が正しかったとしたなら
私は未来の義理の母さまに頭を下げただけでは足りないくらいの恩義を戴いたことになるわ」
「・・・そうか」
「ええ 一刀が仮に他の呉の誰かを好きになったとしても、私にとって貴方はずっと特別で・・・大切で・・・
時が流れ一刀が亡くなったとしても、きっと私にとっての価値は変わらないわ 永遠に
約束するわ! 私、((北郷 雪蓮| ・・・・ ))はずっと・・・ そうずーーーっと一刀だけを、貴方だけを愛し続ける事をここに誓います」
そう一刀に言った雪蓮は優しい眼差しを向けながら、一刀の頬へ手を這わせゆっくりと撫でる
「俺も雪蓮に誓うよ 北郷 一刀は生涯をかけて、北郷 雪蓮を愛し続けると・・・」
頬を撫でられていた雪蓮の手を取り、その甲にそっと口付けをする一刀
「君だけ・・・とは言ってくれないの?」
ちょっと恨みがましい声を出して一刀を非難する雪蓮
「それが無理な事は雪蓮が一番良く知っているだろう?」
「・・・ええ ちょっと言ってみたかったの! ・・・・・・今だけでいいの 私だけをみつめていて」
「ああ もちろんだとも」
抱き合った雪蓮と一刀は互いの指を深く絡ませ、瑠璃色の空に綺麗に浮かぶ月を見上げながら
それから長時間、二人は出合った頃からの事を熱く語り合い、時に強く抱擁しあい寒空の下、互いを意識しながら暖めあうのであった・・・
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●『真・恋姫†無双 − 真月譚・魏志倭人伝 −』を執筆中
※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を
人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております
上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ
お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします<(_ _)>
■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン)
春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し
『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた
優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた
容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である
祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか
○張紘 子綱 真名は紅(コウ)
呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程c(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる
張昭と共に『江東の二張』と称される賢人
※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。
呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です
容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである
髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが
その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである
服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている
○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)
普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う
発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する
このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される
※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです
容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている
背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている
○張昭 子布 真名は王林(オウリン)
呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる
張紘と共に『江東の二張』と称される賢人
妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか
容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである
眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から
姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている
○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)
緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名
祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする
部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている
真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・
容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている
均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである
○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ)
荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると
知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる
以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま
呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている
容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女
(背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます
○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族
槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす
容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ
胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている
○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)
弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で
徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる
容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである
二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える
○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)
朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される
その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される
天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる
初期には転属させられた事に不満であったが
一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に((蟠|わだかま))りも消え、一刀に絶大な信頼を寄せるようになる
後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している
容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである
服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・
と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)
○太史慈 子義 真名を桜
能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者 桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し
騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)
本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という
両者の良い処をとった万能型である
武器:弓 不惜身命
特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く
隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった
容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子
眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める
一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる
○高順
「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年
以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた
高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた
○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)
緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし
緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある
この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・
正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして
気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが
この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・
○青(アオ)
白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前
白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない
他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない
食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き
雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様
○狼(ラン)
珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが
子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す
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【あとがき】
常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます
いつも大変お世話になっております
前回各勢力の動向をカキコ致しましたが、みなさんの先読みが鋭くタジタジ状態でありました
いや〜 これ答えたら第3章面白くないしね〜(汗
でも質問受けたからには答えちゃいたいジレンマと闘っておりました(滝汗
話はこの度の拠点 雪蓮SS に移りまして、いかがでございましたでしょうか?
この度の初期構想段階では、新婚旅行の夢オチ→実行に移すも皆に阻まれ、行けずぶ〜たれるという一連の流れだったのですが
さすがに結婚したのに夢オチは酷すぎるかと思いなおし、掲載した感じに手直しUPする運びとなりました
どちらが良かったのか?までは分りかねますが、幸せ一杯の雪蓮さんも時には制作しておかないとと思いつつ
いつもオチ要員でエライ目に遭う事が多いですしね?(汗
そんな目に遭わせるのも制作者である私の責任なのですが(滝汗
個人的本音を言わせて戴きますのならば、一刀モゲ〇なんてゲスな感情は余りありません
本編では毒で短い生涯を終えて亡くなってしまうだけに、一刀といつまでもお幸せに〜なんて見守りたい心境であります
それと先に謝らせて戴きます 本当にごめんなさい<(_ _)>
拠点というにはかなり苦しいかなと思ったり 本編の謎解きまで会話に少し混ぜちゃいました(滝汗
本来は第3章の拠点辺りで使おうと用意してたものだったのですが、制作した文章が短かった事もありついつい入れちゃいました(汗
そして長くなるというオチだったりします・・・(汗
まっ まぁ〜 なんとかなりますよね? ねっ?
え〜(誤魔化す) 拠点次話に関しましては、蓮華編SSとなります
あとがきにてカキコしてます時点では、まだ蓮華編の構想も全く浮かんでいない白紙状態なのですが・・・
第3章の構想は色々湧き上がって来てるので、すぐにでも制作出来るのですけれどね
皆様が満足して戴ける拠点話を制作出来れば良いのにと願わずにはいられません
面白ネタよ〜 降臨してくだされ〜〜(-人-)
これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想を、制作の糧にすべくコメント等でお聞かせ下さいませ
それでは次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ〜♪
説明 | ||
常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております 主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております ※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと ついに結婚を果たした一刀と雪蓮ではあったものの・・・ 結婚・・・とは名ばかりで、普段とそう変わらない生活に業を煮やした雪蓮はついに行動へと移した 新婚旅行 雪蓮の甘い幻想は果たして現実と成りえるのか!? かくして雪蓮の新婚旅行という名の騒動がここに幕を開ける! それでは心の赴くままに・・・作品をごゆっくり堪能くださいませ どうぞ! |
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コメント | ||
>以後も皆様からのコメントお待ちしております ご批判でも結構ですので、お気軽にカキコくださいませ いつもコレクション並びに支援ボタンを押してくださる皆様、ツイートしてくださる皆々様、厚く御礼申し上げます<(_ _)> (雪月) >バズズ様 コメントカキコありがとうございます 原作では確かに蓮華に譲る格好でしたからね 今一歩さらに踏み込んだ事によって、良き事にしろ悪しき事にしろ、雪蓮の一刀への想いが周りに波及する事でしょう 今後にご期待くださいませ(雪月) 甘い!そしてもっと甘くなっていくんだろうなぁ・・・原作の雪蓮が一刀に対してすこし引いた立場だっただけに、一刀を真っ直ぐ愛する雪蓮はとてもよい!ニヤニヤしちゃう(バズズ) >禁玉⇒金球様 自身の意見を他人に押し付け又は強要されるのは困りモノですが、観珪様の場合、私の考え方に関する疑問なのでしょうし この件に関しまして全く気にもしておりません 寧ろ有り難いことです 観珪様、禁玉⇒金球様も、お気になさらずこれからもドシドシカキコくださいませ(雪月) >Alice.Magic様、禁玉⇒金球様 返信&コメントありがとうございます<(_ _)> >Alice.Magic様 (`・v・´)ゞ了解であります いつも細やかなお気遣い感謝致します(雪月) 何やら物議を醸してますが補足をば、儒学の定義は存じております実際王道も覇道も言ってることは異なってもやってることは武、法、魅力をもってほぼ同じですので実質的、実践的に異音同義語ということでして。…褌や熟女やロリ娘関連のコメだけにした方が良かったかなぁ?何か申し訳ありません。応援してますよ〜。(禁玉⇒金球) なに、いずれ、という事で構いませぬ。作者様のペースで頑張って下さいませー。(Alice.Magic) >Alice.Magic様 今回の拠点では間に合いそうもありませんがって、祭さんで懲りた筈なのにまた墓穴掘ってる気がしなくも・・・(滝汗(雪月) >観珪様、Alice.Magic様 返信及びコメントありがとうございます<(_ _)> 観珪様>桃色さんは王権神授説 そうですね 拘束されている対象が違いますが良く似てますね 天皇制に移行した事でより近いというなら国家神道の方が近いのかもしれませんがね(雪月) ということは超ツンデレかつクールな『彼女』のデレ√が来るということでしょうか・・・なんという胸熱 是非とも!www(Alice.Magic) お答えいただき感謝です。 覇道も王道も儒教的観点から見た統治のあり方ではなく、統一までのあり方と日本人的考え方での統一方法……といった捉え方ですかね。 特に桃色さんの王道は王権神授説に似たようなものですし、一刀くんがいることで近代的思想が入り込んだ考え方ってことですね(神余 雛) >西湘カモメ様 今後とも一番は雪蓮です これは不動デスネ 思春さんに関しては、ヒントとして本編でデレる切欠となった”方”が妻の座に収まったのら、態度を軟化→デレへの道に至る事となるでしょう 武や将として一刀を認めておりますが、人前では節度を守れという怒りからこんな高圧的態度をとってしまっております 答え言っちゃってる気がしなくも(汗(雪月) 下記続き>なので、禁球様のおっしゃられておられます”異音同義”とまでは言い切れないどっちつかず?とも言える考えでおります これが私の考えております王道と覇道の考え方であります こんな感じですが観珪様いかがでしたでしょうか? 回答に関しまして何かありましたなら、お気軽にご指摘よろしくお願いいたします<(_ _)>(雪月) 下記続き>三つの頂ですが、前話にカキコしました通り、目指す過程において、理想と現実の隔たりは大きなモノだと思うのです 国威発揚し戦に望み領土を拡張する 理想は崇高でも理想の名を借りた悲劇は至る所繰り返される訳でして、禁球さんの発言の”侵略者は何時だってこんな飾り文句をいいます”という発言に対した回答をしました次第です(雪月) 下記続き>禁球様のコメントに関してのモノかと思われますが、王道と覇道の捉え方は観珪様の記憶で間違いはありません 異音同義という言葉の点におきまして、私は禁球様とは違った考えなのかもしれません というのも、私がお示しした、三つの道(覇道、王道、天皇制)に関しては目指す頂きの違いとして捉えております 至る過程におきまして”より重き”を置いている点と捉えて貰えますと嬉しく存じます(雪月) >観珪様 天皇制にかんする事に関しましては、第3章始めに詳しく記載つもりでおりました(姓名含めて) お答えしますと北郷 雪蓮(姓名の字なし)です さすがに第2章の拠点で説明するには、尺が短い事と来週からの拠点SSにて動きがあるからでして、制度に関してはすぐ明らかになるので、ここで明らかにしても良いとも思えるのですけどね(雪月) >観珪様、西湘カモメ様 この度も貴重なコメントを戴きましてありがとうございます<(_ _)>(雪月) 甘いですな〜。新婚旅行先で更に絆が深くなった二人。この先一刀の一番は雪蓮だな。にしても、思春はいつまで一刀に上から目線で接するつもりなのか。(西湘カモメ) 前作へのコメントに対してですが、王道と覇道とは、異音同義といえないのでは、と思いまして。 儒教社会において王道とは徳をもって治めること。 覇道とは暴君(律)によって治められることだと記憶していますが、そこらへんは詳しく掘り下げていないので、できれば教えていただければと思います。(神余 雛) 古代中国では夫婦別姓が基本ですからねー、北郷雪蓮(正確には北郷 策・伯符?)と改名したのは、独立とともに古い因習にケリを付けた、と周りに示すことができるいい機会でしたね(神余 雛) |
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