真・恋姫無双〜白き牙を持つ者〜 #104
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〜 第104話 †閑話:次代への継承† 〜

 

 

涼州に数ある城の一つであり

武威(ぶい)にあるそこは馬騰(ばとう)が主に使う主城である

そこに遠征から帰り、街での噂話を聞いた二人が急いで帰還してきた

その二人とは馬騰の娘の馬超(ばちょう)

韓遂(かんすい)の義娘の馬岱(ばたい)である

 

 

「お嬢様いけません!お館様は今安静に!」

 

「うるせぇ!娘の私が会うのに安静だろうが関係ない!」

 

「し、しかしお館様からは誰も今は通すなと・・・」

 

「そうだよぉ〜お姉様、ちょっと落ち着こうよ・・・ね?

 蒲公英(たんぽぽ:馬岱真名)達帰ったばかりだからさ〜」

 

 

二人が馬騰の部屋の前で護衛の兵と揉めている理由

それは馬騰が病気に犯され、すでに起きることもままならないという噂を聞いたからだ

自分達が反董白(とうはく)連合から帰って来た時にはまだピンピンしてたし

遠征に行く前も酒を片手に自分と手合わせもしてたから元気だったはずだ

それに噂を聞くと、遠征に行った時に言われてたが

ここ最近の遠征はずっと自分達が行ってたはずだ娘使いの荒い駄目親父だと思う

それなのに何故こんな噂が流れたのだろうか?

いや、そんな事は目の前の扉を開ければすぐに分かる事だ

そう思い馬超は護衛の兵を投げ飛ばして扉に手をかけ開ける・・・

 

 

「親父入るぞ!!」

 

 

そこに広がっていたのは寝台に横たわる馬騰

その横に祈るように座っている韓遂

向かい側には知らない女性が俯いて座っていた とかではなく

 

 

「いや〜今日もまた酒がうめぇ!!」

「そうですね、蒲公英達に仕事任せれるようになったから楽になりましたね」

「私も早めに家督譲って好き勝手にできるから今は楽しいわよ」

 

 

病気で横になってるはずの馬騰は何故か宴会をしていた

それをみた馬超はそっと扉を閉じて

再度開けると、そこに広がっていたのは寝台に横たわる馬騰

その横に祈るように座っている韓遂

向かい側には知らない女性が俯いて座っていたが

そこらへんに転がってる酒の樽と匂いが全てを台無しにしていた

 

 

「遅いから!分かってるから!!」

 

 

そして、再び酒宴が再開される・・・

 

 

「翠(すい:馬超真名)に蒲公英こっちの女性は俺と金剛(こんごう:韓遂真名)

 昔馴染みで堅さんという」

 

「馬超ちゃんと馬岱ちゃんね、噂は聞いてるわよろしくね〜」

 

「こ、こちらこそ宜しく頼む」

「は〜い、おねぇさん宜しく〜

(翠お姉様、緊張しすぎ!)」

「(いきなり綺麗な人がいたら驚くだろうが!)」

 

「まぁ紹介はこれくらいにして、翠に蒲公英

 今回の遠征はどうでしたか?」

 

 

自己紹介が終わり、皆飲み物に口をつけながら韓遂が

馬超と馬岱に今回の遠征の報告を聞く

 

 

「いつも通り、こそこそと略奪してやがってたよ

 ただ、規模が以前より大きくなってる気がする」

「今までは力押しだったけど、拙いけど陽動とかしてきてたね」

 

「そうですか・・・今回もお疲れ様でしたお二人共」

 

 

韓遂は二人から報告を聞くと義娘である馬岱の頭を撫でる

馬超はそれを見ながら、ちょっと羨ましく見ていた

馬騰と堅さんと言ってた二人は二人で昔話に花を咲かせていたが

そこで思い出したように馬超が馬騰に問いかけた

 

 

「そういや親父、街とかで聞いた噂なんだがあれはどういうことだ?」

 

「ん?どの噂か知らんが、俺が病気なのは嘘じゃないな酒で誤魔化してるがな

 ってそんな顔をするな翠、別に命が危ういわけじゃねぇ

 ちょっと戦うのが面倒だなって感じだ、普段生活する分には問題ねぇから安心しろ」

 

「知り合いからお薬を私が持ってきたから大丈夫よ馬超ちゃん」

 

 

不安そうな馬超の頭を乱暴に撫でる馬騰

それでも不安な馬超の為に堅さんが懐から薬を取り出して馬騰に渡している

それをみて馬超は安堵の息を吐く

 

「だから言ったでしょお姉様、ほんっとに慌てん坊なんだから」

 

「そりゃ親父がどうこう言われたら慌てるに決まってるじゃないか!」

 

「私だってお父さんがとか言われたら慌てるけど、もっと確認するよ!」

 

「はいはい、二人共私達が大事なのは分かったから落ち着いてください」

 

 

いい感じに熱くなってきた二人を宥める韓遂

それを肴に馬騰と堅さんは酒を飲む

おもむろに馬騰が立ち上がり、韓遂に頼みごとをした

 

 

「金剛、アレ頼むわ」

 

「そうだね、ちょうど出来上がってたしいい頃合だろう」

 

「親父、アレってなんだ?」

「お父さんアレってな〜に?」

 

 

二人の娘の問いかけに対して二人は微笑むだけで

韓遂は別の部屋にいった

 

 

「いいわねぇ・・・私は直接渡せなかったけどね」

 

 

堅さんが何かポツリと言ってたが二人には届いていない

そこへ韓遂が大きな包みを二つ持って部屋へ戻ってきた

一つを馬騰へ渡す

馬騰は包みを受取、韓遂と顔を見合わせて頷く

 

 

「翠に蒲公英、お前達の武器はずっと使い込んでて

 最近手入れをしてても切れ味落ちてんだろ?

 そんなお前達に俺と金剛からお前達に渡すもんがある」

 

「親父・・・?」

「叔父様?」

 

「俺はもう前線にたてねぇ

 だからよ、お前にこれからを託す

 だからこそそれに相応しい武器を使え

 十文字槍『銀閃(ぎんせん)』という夜空に煌く一筋の流れ星のように

 この槍で相手を一閃し涼州に煌く皆の星となってくれ」

 

「親父・・・分かった、私は皆の為に

 何より親父が守ってきたものを必ず守る!!」

 

 

「蒲公英、貴方にはこれをあげます

 片鎌槍『影閃(えいせん)』と言います

 貴方はまだまだ未熟です、それでも翠には貴方が必要です

 影日向のようにしっかりと支えてあげて下さい、貴方にはそれができると信じてます

 これからも精進し続けなさい」

 

「うん!蒲公英頑張る!絶対お姉様の力になるし

 叔父様とお父さんが守り続けてるこの土地を守ってみせるよ!」

 

 

馬超と馬岱の二人は早速もらった武器の包みを開け

お互いの獲物を穂先で交差させ、宣言する

 

 

「この馬孟起!この槍にこの地を守護することを宣言する!」

「この馬岱、姉である馬超と共にこの地を守護することを誓います!」

 

 

二人の宣言に、馬騰と韓遂は涙を流す

堅さんはそれを酒を見ながらポツリと言う

 

 

「あの二人なら、この先大丈夫だわ

 これも白ちゃんは見越してたのかしらね・・・」

 

 

こうして、非公式ではあるが馬騰から馬超へ次代のタスキは渡された

 

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〜あとがきっぽいもの〜

 

 

馬騰さん編でした

銀閃と影閃の由来は自分で勝手に書かせてもらいました

元々あった設定があったならすいません・・・

これでやりたい大まかな話は書きました、後何か加えて群雄割拠に移りたいと思います

 

今年も残すところ1ヶ月ちょいとなりましたが、これからも駄文を宜しくお願いしますm(_ _)m

説明
この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
その他にご都合主義・チート・独自ルートで書いています
苦手な人はご遠慮ください
大丈夫な人は駄文にお付き合いください、更新は基本日曜になります

今回は涼州でのお話
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コメント
nakuさん>尊敬してた親父がただのアル中だったらそうなるかもしれませんねw 自棄になったから失禁がクセになったわけじゃない!(tokkey)
禁玉⇒金球さん>飲みすぎ注意!一応薬はウ○ンとかではありませんからねw  一応病気です・・・よ?(tokkey)
観珪さん>修正しましたー何で俺って書いてたんだろうorz スキあらば酒宴を開いてどんちゃん騒ぎしないと彼らは始まらないのですw(tokkey)
アルヤさん>お酒好きは酒さえあればお友達!(tokkey)
死因ゲフン体調不良は肝硬変以外の何物でもねーーー!!!(禁玉⇒金球)
「親父・・・分かった、俺皆の為に  何より親父が守ってきたものを必ず守る!!」 → 「俺」が不要、もしくは「私」 序盤の一人称は私となっていますので、こうなりますかね。  しかし、酒好きたちが集うと、どこもかしこもこうなるのかww(神余 雛)
何だろう、一瞬で意気投合して酒飲み始めた姿が目に浮かぶ・・・・・・(アルヤ)
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