ALO〜妖精郷の黄昏〜 第0話 プロローグ
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第0話 プロローグ

 

 

 

 

 

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No Side

 

【絶剣】の異名を持つ((闇妖精族|インプ))の少女の((紺野木綿季|ユウキ))が次の世界へと旅立ち、

ほんの少しばかりの時間が流れた現実世界とアルヴヘイム・オンライン…。

 

しかし、双方の世界において暗き影が蠢き始めている…。

 

 

 

――現実世界

 

薄暗い路地裏の奥にその身を隠す1人の青年がいた。

まだらにメッシュの入った長髪、頬のこけた輪郭線は無精髭に覆われ、耳には銀のピアス、首元には太い銀の鎖、

黒のTシャツと黒い革パンツ、腰からは金属チェーンが下がっている。

 

「まったく、アイツらしつこ過ぎるっての…。ザザのやつは捕まっちまったし、ヘッドは何処に行ったのかも分かんねぇしよ〜」

 

彼は逃げているのだ。警察、防衛省の役人、果ては何処かの組織と思われる黒服の追跡者たちから。

何故彼が逃げているのか、それは彼が人を殺した犯罪者であるからだ。

けれど、それだけの人数に追われているにも関わらずに逃げ続けることが出来ているのは、

ひとえに悪運の良さと隠れることに関する忍耐強さと言える。

 

「まぁでもここいらにあるのは分かったし、あとは店の場所を突き止めるだけっと…。

 SAOじゃブッ殺せなかったんだ、今度こそオレがブッ殺してやるから待っててくれよ〜……キリト…」

 

明らかな殺意を滲ませながら呟く青年。

 

彼の名は金本敦…かつてSAOにおいてジョニー・ブラックの名を名乗り、

((殺人|レッド))ギルド『((笑う棺桶|ラフィン・コフィン))』に所属し、幹部の1人として悪名を馳せた男であった…。

 

 

 

――アルヴヘイム・オンライン 新エリア・天空世界『??????』

 

空中に浮かびながら聳える山々、その上に建ちし幾つもの宮殿。

その最高峰にして最奥にある一際大きく銀に輝く宮殿がり、その宮殿の奥の高座に座する1人の男性が居た。

男性の右眼は無いために眼帯を付け、鎧を身に纏い、

長い髭を蓄えながらも何処か若々しい雰囲気を残し、

右手には光を纏う白銀の槍を携えている。

 

「……時が、来たか…」

 

短く小さく呟いた男性。

彼の座る高座の左右にある止まり木には2羽のワタリガラス、足元には2匹の狼、

高座の下には8本脚を持つ1頭の馬が控えており、それぞれが何処か不安げな表情で彼を見つめていた。

そんな彼らの表情に気付いているのか、男性は苦笑してから言葉を紡ぐ。

 

「これもまた((運命|さだめ))なのだ……ならば、我々は我々の為に戦えば良い。

 妖精たちには申し訳ないが、私の掌の上で踊ってもらうしかあるまい」

 

彼が玉座から立ち上がると、2羽のワタリガラスは飛び立ち、2匹の狼も立ち上がり、馬は待ちわびていたかのように鼻息を鳴らした。

そして宮殿内に明かりが灯り、高座の前に居並ぶ者たちが姿を現した。

 

「同志たちよ、世界の黄昏の時だ!」

 

そう宣言する男性に異を唱える者は居らず、居並ぶ面々は深く頷いた。

 

彼の名はオーディン…北欧神話の主神にして戦神であり、居並ぶは神々とそれに仕える者たち。

神々は創られし存在でありながら、この世界で何を為すのか…。

 

 

 

――アルヴヘイム・オンライン 新エリア・地下世界『??????』

 

辺り一帯に吹雪く雪、世界そのものが厚い氷に閉ざされた世界。

あらゆるものが凍りつき、それはヨツンヘイムとは比べものにならないほどである。

そんな氷の世界の最奥には巨大な城があり、内部では2つの声が通っていた。

 

「スリュムが死んだか……まぁ当然だな」

 

声の主は若い男性であり、浮かんだ笑みは予想済みとでも言うかのものだ。

彼の顔は非常に美しく女性のようにも見え、流れるような金髪が映えている。

そんな彼の右隣には巨大な狼がその身を伏せており、背後には幾重にも蜷局を巻いている大蛇が居座り、

左隣には上半身は美しくありながら、下半身が緑がかった黒に腐敗している女性が立っている。

 

「然り。奴は自惚れが過ぎるが故」

 

男性の言葉に同意するように言葉を発したのは空気に震撼させるような重い声を発する巨大な人影。

かのスリュムをも超える巨体、まさに巨人というべきである。

 

「相手はトールと妖精。差し詰め妖精を侮った結果だろう……お前のように協力を仰がなかったのも敗因かもしれないな」

 

「我は騙したにすぎんが、それも泉の女神たちには見抜かれていた。

 されど、スリュムは慢心の塊のようなもの故、仕方がないかと」

 

まるで彼の巨人が敗北したのが当然のような会話であるが、これもまた彼らにとってはどうでもよいことなのかもしれない。

 

「ともあれ、オーディンたちが動く時が来た……僕たちも動かないと…」

 

「黄昏にて次代へと繋ぐために…」

 

互いに意を確認し、彼らはその姿を消した。

 

金髪の男性の名はロキ…北欧神話の悪神にして『((神々の黄昏|ラグナロク))』の発端者。

巨大な狼は彼の息子のフェンリル、大蛇は同じく息子のヨルムンガンド、腐敗した肉体を持つ女性は娘のヘル、

そして会話の相手は巨人である大公スィアチ。

 

悪神と巨人と怪物、元来嫌われる者たちである彼らが望む次代とは一体なんであるのか…。

 

 

 

――アルヴヘイム・オンライン ヨツンヘイム『ウルズの泉』

 

氷と闇から解放された地下世界のヨツンヘイム。

この地に伸びる世界樹イグドラシルの根が下ろしている泉。

その泉にて3人の女性の姿があった……ノルン三姉妹の女神たちである。

 

「ウルズ姉さま、ベルザンディ姉さま…」

 

「ええ、スクルド…」

 

「分かっているわ…」

 

真剣な声音で2人の姉の名を呼んだスクルド、それに優しく頷くベルザンディ、ウルズは瞳を閉じたまま応じる。

 

「神々とそれに仕える者たち、巨人とそれに仕える者たち……彼らの戦争が始まる。

 この戦争の鍵を握るのは間違いなく妖精たちのはず」

 

「「はい」」

 

ゆっくりと瞳を開いたウルズは静かに語り、2人の妹は同意して応える。

 

「神々の黄昏は古の過去より定められし運命…」

 

「現在においても逃れられぬこと…」

 

「されど未来は如何様にでも変えることができる…」

 

過去を司るウルズ、現在を司るベルザンディ、未来を司るスクルド…彼女らは何を思い言葉にしているのか。

 

「狩りし者を狩る者、『嘆きの狩人』の【((狩人の剣士|セイバー))】キリト…。

 彼こそが『((神々の黄昏|ラグナロク))』において最も重要な鍵を握っているのかもしれない…。

 そうですね、((マスター|・・・・))?」

 

ウルズの言葉は最後に何者かに投げかけるものだったが、それに答える者は居らず、

しかし誰かがその言葉に笑みを浮かべたのは確かである…。

 

 

 

――現実世界

 

「新エリアと新クエストのアップデートか……楽しみだな」

 

3つあるパソコンの画面の内、作業をしている左右の2つの画面を除き、中央にある1つの画面を眺める少年、桐ヶ谷和人。

彼が見ているのはつい先程更新されたMMOトゥモローの記事である。

だが、突如として和人の表情に翳りが現れ、瞳からは楽しげなものが消えた。

 

「なんだ、いまの感覚は…?」

 

彼は何かを感じ取ったようで、その表情はその何かの感覚を訝しんだままである。

するとそこで携帯端末にメールが届き、確認したことで表情が綻んだ。

 

「少なくとも、今すぐ何かがあるわけじゃないか……いまは、明日奈との逢瀬が大事だし」

 

思考の片隅に感じ取ったものを追いやり、後々で考えることにした和人。

そして彼は恋人である明日奈へのメールの返信を行った。

 

 

 

現実と仮想、2つの世界に蠢く影は和人に何を齎し、巻き込んでいくのか…。

 

No Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

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あとがき

 

はい、というわけでSAO二次創作である『黒戦』シリーズの新編を開始しました。

 

今回はALOを中心としたゲーム世界でありながらもファンタジー色がかなり濃いものにしました。

 

まぁ折角のファンタジー系のゲームなのに少ないというのもアレなのでw

 

コメディあり、シリアスあり、イチャラブありの何時も通りでいきたいとは思っていますが・・・w

 

なお、アリシゼーション編無しのオリジナルストーリーとなりますので、ご理解ください。

 

それと本作の更新は最低でも週に1話で行こうと思っております、偶に早く更新するかもしれませんが。

 

さすがにオリジナルストーリーですので毎日の更新は無理という・・・(苦笑)

 

それでは、次回の更新をお楽しみに・・・ではでは〜w

 

 

 

説明
どうも、お久しぶりでございます。
本日より、SAOの二次創作である『黒戦』シリーズの新編を投稿させていただきたいと思います。

お楽しみいただければ幸いです、どうぞ・・・。
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コメント
からかん様へ 最新話まで頑張ってください!(本郷 刃)
やっとここまで到達した…。あと何話で最新話だ?(からかん)
スネーク様へ はい、オリジナル編を楽しんでください・・・ジョニーくんはキリトのリアル戦闘能力を知りませんww(本郷 刃)
とうとうオリジナルのラグナロク編ですな…ところでジョニーくんってキリトのリアルでの強さ知ってたっけ?(スネーク)
アサシン様へ どこまでもしぶとい奴らですからね・・・(本郷 刃)
ラフコフはしぶといですね〜・・・・・例えるなら黒光りするG並みに(アサシン)
華?踰紅-かざゆく-様へ はい、新編の始まりですとも!(本郷 刃)
新編キターーーーッ??では、不埒な輩の討伐を再開しますかww(華?踰紅-かざゆく-)
雷光夢幻様へ よろしくお願いします〜!(本郷 刃)
お待ちしてましたよさーてこれからも不純な輩たちの制圧などの働きをさせてもらいますね(雷光夢幻)
ロスト様へ お待たせしました! 準備を着々とすすめるように・・・w(本郷 刃)
待ってました!新編、しかもオリジナルとは!戦闘準備は怠らずに・・・(ロスト)
やぎすけ様へ テストお疲れ様でした!(本郷 刃)
ウィングゼロ様へ なんでかこうなるんですよね〜・・・(本郷 刃)
待ってました!ちょうどテストから解放されたので、じっくり読ませていただきます(やぎすけ)
…二日見てないだけで…な、なんだこのコメントの数値は…羨ましすぎる…(´;ω;`)(ウィングゼロ)
レイクリッド様へ お願いしますw(本郷 刃)
本郷 刃様 なるほど・・・w では、、自分もレスキューの仲間と武器と物資諸々の調達してきます・・・w(レイクリッド)
FALKEN様へ 勿論、雑魚的も数多出現しますのでご安心をw(本郷 刃)
レイクリッド様へ みなさん準備に抜かりがないようにしたいんですよw(本郷 刃)
ディーン様へ アスナ「わ、わたしもキリトくんの汗かきシャツの匂いを…!」 ユイ「ケイタさんとサチさんは仲良しですね♪」 キリト「サンタに変装してプレゼントか、いいかもな」 刃「イチャつく年上組ですねw 評価はSSですw」(本郷 刃)
正直ラグナロクだと火力不足が深刻な問題になりそう… 安定したダメージが与えられるのが最低でも古代級〜伝説級は必要になりそうだし…(ガルム)
↓だってラグナロクの時点で大戦争確定ですしおすし。w  さてギャラルホルンが鳴る前に準備終えないと…(工房にこもる)(ガルム)
なにやら早くも戦闘態勢の方々がwこちらも担架と物資諸々の確認しとこうか・・・(レイクリッド)
これから映像の方を送ります、内容は「シノンがハジメの汗をかいた服を匂っている所にハジメがやってくる」と「ケイタとサチが互いにプレゼントを手作りする」と「クラインとカノンがサンタになって近所の子供達にプレゼントを渡す」と「シャインとティアがふたりで雪遊びをしている」の4作品です、シリーズ物は後々復活します、評価お願いします。(ディーン)
しんらのキット様へ お楽しみに〜w(本郷 刃)
ディーン様へ キリト「にゃ……」 アスナ&ユイ「「にゃ〜ん♪」」 ヴァル「サイズが少し大きいかな?」 シリカ「そうかも(ヴァルくんの香りがする///)」 リズベット「お、おねがいします//////」 ハクヤ「任された(黒笑)」 ルナリオ「準備OKっすね(黒笑)」 リーファ「あ、あぅ…//////」(本郷 刃)
いやぁ〜、楽しみ(しらたき)
今から写真を送ります、内容は「キリトとアスナとユイが猫になってじゃれあう」と「シリカがヴァルの服を着させられる」と「ハクヤがリズのバストアップの手伝いをする」と「ルナリオがリーファをクリームまみれにする」の4枚以上です。(ディーン)
ディーン様へ 正反対の環境での戦いですね(本郷 刃)
遼東半島様へ 一応、黄昏における主要な神々や巨人は登場させるつもりです(本郷 刃)
トレーニングが終わった後、そのまま、仕事で氷雪地帯と灼熱地帯にいってきました、そこで氷のライガーいて、炎のシャチがいるという、情報をアルゴさんに聞きましたので、戦ってきます。(ディーン)
神々の黄昏……未だ姿を見せない全てを焼き尽くす炎の巨人スルトの存在が気がかりですね…楽しみにしてます!!(遼東半島)
観珪様へ 確かにキリトが鍵にはなってきますが、イチャラブがまったくないわけでもないんですよ・・・w(本郷 刃)
ジン様へ まぁ戦争までは時間がまだまだありますがw(本郷 刃)
サイト様へ 神話に関係する事が多いのでそれも楽しめる要素だと思いますよ(本郷 刃)
魅沙祈様へ 波乱の幕開けです・・・(本郷 刃)
ディーン様へ トレーニングファイトですw(本郷 刃)
ラグナロク → 世界の終焉と創世 → キリトくんを中心とした、新たな国家体制ってところまで妄想して、イチャラブ要素が何もないことに絶望した←(神余 雛)
自分も戦争の準備でもしますかね、(神殺剣チェンソーソードを肩に担ぐ)(ジン)
ラグナロク、世界の終わりにして始まりですか神話読み直そうかな〜・・・男「いつまで執事の真似事をしていればいいのかね?」 女「もちろん私が満足しよいというまでです♪」(サイト)
新編来たぁ!ラグナロク…神々の黄昏ですか。一波乱も二波乱もありそうですね。戦争の準備をしておかないと…(ジャキッ)(魅沙祈)
ALOに久しぶりに戻ってきました、、最近こっちにきていなかったから、これからトレーニングがてらに改造超獣50体と戦ってきます、少し腕が鈍っていないか心配ですか、久しぶりの仕事ですので、頑張ってきます。(ディーン)
ディーン様へ どうもお待たせしました〜・・・って、走馬灯は駄目ですよ!?(本郷 刃)
やっときた、待ってました、キリト達の活躍する姿が目に浮かびます、そう、それは走馬灯のように(アカン、アカン)と冗談はさておき、さてと今から写真と映像の編集作業を行います、明日にはそちらに贈りますので楽しみにしていてください。(ディーン)
ウィングゼロ様へ お待たせしました、キリトたちの活躍をお楽しみに!(本郷 刃)
影図書様へ メインはALOですが一波乱はありますとも(本郷 刃)
南無さん様へ 自分のペースで頑張りますw(本郷 刃)
FALKEN様へ ええ、神話の戦争ですとも・・・(黒笑)(本郷 刃)
レイクリッド様へ 体調管理をしっかり行いつつ、頑張っていきます!(本郷 刃)
続編キタァ!待ちに待ってましたよ!キリト達は今度はどんな伝説を産み出すのか楽しみです!それといつも自分が作ってますSAO二次小説のコメント投稿ありがとうごさいます(ウィングゼロ)
続編楽しみにしていました。ゲームの世界でもリアルでも一波乱ありそうですね(影図書)
続編おめでとうございます〜。今作も無理せず頑張って下さいね(南無さん)
続編キターー( ゜∀゜ )ーー!!! 神話の再現…ですか。戦争の準備しときます。(←ゑ)(ガルム)
更新お疲れ様ですw 新章開幕待ってましたw更新楽しみにしていますw冬も本番となります体調管理には十分おきお付けくださいw(レイクリッド)
Kyogo2012様へ タイトル通りということですw 北欧がメインですがその他もチラホラと出てきます・・・ではお楽しみにw(本郷 刃)
ジン様へ お待たせしました! オリジナルですが、是非お楽しみに♪(本郷 刃)
ほほぉ。ラグナロク編ですか。神々の黄昏ですね。ということはフレイアとか、レナスとかも参戦してくるのでしょうか。あと、ラフコフのほうもなにやら、蠢いていますね。楽しみなストーリですね。(Kyogo2012)
おぉ!新編待ってました^^ 遂にオリジナルストーリーラグナロク編ですね^^ この物語がどのように進んでいくのかとても楽しみです。 更新楽しみに待っているので頑張ってください。(ジン)
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