【真・恋姫†無双】桂花との甘い食事(後編) |
「貴方が作った麻婆豆腐を桂花を除いた全員に食べさせなさい」
「え?食べさせる?俺が?」
予想外の言葉に俺はオウム返しに答えてしまった。
いや、だって、しょうがないだろ。予想の範疇を超えてたんだから。
「そうよ。これは命令、拒否する選択肢なんてないから。
ちなみに、一刀は桂花に食べさせた事があるかしら?」
「いわゆる『あ~ん』だろ?一度もないな。
…華琳、何で桂花だけ除外するんだ。仲間外れは可哀想だろ」
「聞いてたでしょ、桂花は貴方を何とも想ってないの。
なら、する必要が無いじゃない」
華琳は勝ち誇った顔で俺と桂花を見てきた。桂花は今にも、
泣きそうな表情を浮かべている。こういう、桂花を見るのは
心苦しい、どうにかして、参戦させてあげられないものか。
……まてよ
「…なぁ、華琳に食べさせるって事は
少なからず俺を想っているのか?」
「なっ!?なななな!!!!」
ふと、俺はそう思い、皆が聞こえない様に華琳に耳打ちした。
すると、華琳は見る見るうちに顔を赤らめ…
「ば、馬鹿な事を言ってないで、急いで準備しなさい!!」
「はいーーーーーーっ!!」
どうやら俺は逆鱗に触れてしまったらしい。
…急いで準備に取り掛かろう。…ごめん、桂花。
俺は皆に料理を食べさせ終えた。顔を赤らめる者、天真爛漫に喜ぶ者。
反応は様々だった。俺はその間、桂花が気になったものの、
華琳から釘を刺されていた為に、見ることすら叶わなかった。
そして、今現在の桂花というと猫耳フードを深々と被っており、
小刻みに震えている。
「桂……」
掛ける言葉がみつからない。俯いている為、顔色を窺えないが、
明らかに落ち込んでいる。自業自得とはいえ、
こんな桂花を見るのは初めてだ。華琳も桂花を見て、
度が過ぎたと反省している様に見える。
空気も相当どんよりとしてる中、その時、桂花が…
「もう、我慢できない!一刀!私にも『あ~ん』して!!」
堪忍袋の緒が切れたのだろう。重い空気が雲散し、桂花は俺に食べさせて欲しいと、
願望を高らかに宣言してしまった。さらに、その様子は飢えた獣が解き放たれた如く、
眼光が鋭い。正直、少しだけ怖く感じる。
「どうやら、まだ躾が足りないようね。桂花」
華琳はいつの間にか普段通りの雰囲気を醸し出していた。
どうやら、桂花を確認してホッとしたようだ。
だが、次の瞬間。
「華琳様は黙っていて下さい!私は今、一刀と話しているんです!!」
桂花が華琳に口答えしたのである。これには、俺を含め皆が、
あまつさえ言い放った華琳も驚いた。
まさに、青天の霹靂とはこの事。只々びっくり。
「ねぇ。一刀。早く『あ~ん』してよ」
「…あ、ああ」
俺は戸惑いながら麻婆豆腐を散蓮華に装い桂花に食べさせる。
「……えへへ。凄く美味しい♪」
今までの事が嘘の様に、桂花は大輪の笑顔を咲かせる。
しかし、俺はと言うと、まだ混乱している。
うーむ、あの桂花が、華琳に楯突くとは…。
「食べさせてくれたから、お返しするね、一刀」
「…はい?」
お返しとはなんだろう?と、思っていたら桂花がトコトコと
歩いてきて俺の方膝に座ってきた。そして、散蓮華に麻婆豆腐を装い、
零れない様に手を添えながら…
「はい、あ~ん」
「…あの、桂花さん。皆の前ですよ?」
「そんなのもう関係ない。だから早く、はい、あ~ん」
「……あ~ん」
桂花が枷を外してしまった為、俺は気にせず好意に甘えた。
口の中一杯に広がる麻婆豆腐の風味。
しかし、辛いものを食しているのに、とてつもなく甘く感じる。
まるで、大量の砂糖を口にしている様な感覚。…何故だ。
「おや、これはこれは、桂花ちゃんはとんだ雌猫になってしまいましたねー。
というか、お兄さんの膝は風の特等席です。どいて下さいー」
「あの、兄様。私も『あ~ん』して、いい…ですか?」
「隊長。私も、その、したい…です」
「まさか、桂花が私に楯突くとは、貴方はどんな魔法をかけたのよ、一刀」
「……ハッ!。け、桂花!!華琳様に向かって何たる物言い!そこへ直れ!!」
「落ち着け姉者。とは言え私も驚いたがな」
「兄ちゃん、お替りないのー?」
「なんや、桂花も一刀を好いとったんか。中々、おもろい事になっとるやんか、一刀~♪」
「一刀殿が既に桂花殿を服従させていただなんて。
きっと、夜な夜な桂花殿を無理矢理にあんな事やこんな事をして………ブハッ!!!!」
「うわあ、稟様が鼻血を噴きよったで!!」
「衛生兵、衛星兵なの~~~!!」
「ちょ、ちょっと!!一刀はちぃのモノなんだから離れなさいよ!!」
「みんな、一刀が大好きなんだね~。お姉ちゃんも負けてられないな~」
「…桂花さんがここまで様変わりするだなんて。これも種馬の実力かしら」
一部を除き、驚いて生体活動を停止していた皆が息を吹き返すと、
願望や疑問を語気を強めて投げつけてきた。
まずい、このままだと矛先が俺に集中してしまう。
落ち着け、冷静に対処するんだ。
小学生の時の通知表にやれば出来る子と書かれたじゃないか。
必ず巧くいく、自分を信じるんだ。
「お、落ち着いてくれ皆!!桂花も一端離れよう。な?」
「…………やだ。離れない」
その上目遣いは反則だあああああああああぁぁ!!!!
「一刀!!」
「北郷!!」
「隊長!!」
「兄ちゃん!!」
「兄様!!」
「お兄さん!!」
「((ふぁじゅほほの|一刀殿))」
「おおお、落ち着こう!落ち着くんだ!落ち着きたまえ皆の者!!
そ、そうだ素数、素数を数えよう!!素数は孤独の、って!?
流琉、凪、二人一遍は無理だから!桂花と風も膝の上で争わない!
……あの、春蘭さん。どうして大剣を携えて此方に、うぎゃああああああああ!!」
こうして俺と桂花の関係が皆に知れ渡ったのだった。
そして後日、桂花が…
「華琳様からのお仕置きがなくて安心したわ。
これなら、もっと早く皆に伝えれば良かったね」
と、眉を逆八の字にしながら息を洩らし、胸の前で手をギュッと握りながら、
可愛らしく言ったのだった。
俺はと言うと、未だに動かぬ身体を見つめながら、力無く同調したのでした。
最後に謎かけを一句。
『ちくしょう』とかけまして『天使の様な人の妬きもち』と解きます。
その心は『((Holy shit!|聖なる嫉妬))』でしょう。
……お後がよろしくないと思いつつ、また次回。
さようなら~
………はぁ、身体が痛え。
説明 | ||
こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。 皆に嫉妬し仲間外れにされた桂花がとった行動とは!? 最後に、稚拙な文章、口調がおかしい所があるかもしれません。 それでも、暇な時間に読んで頂けたら嬉しいです。 よろしくお願いします。 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
11292 | 9404 | 23 |
コメント | ||
へいしさん>確かに桂花ならではの殺傷力ですね。特に二次創作の桂花は凄いです。コメントありがとうございます。(南無さん) この殺傷能力!!!(へいし) 桂花ならではの(へいし) レヴィアタンさん>そうか、寒いと思ったら砂糖が降る季節になったのか……アレ? コメントありがとうございますw(南無さん) yutapiさん>ハハハ、こやつめw愛いやつめwコメントありがとうございます!(南無さん) 禁玉⇒金球さん>山田く~ん。禁玉⇒金球さんにも座布団を~。コメントありがとうございますw(南無さん) 風見海斗さん>関係ない、吐き続けろ。コメントありがとうございますw(南無さん) D8さん>まだ、終わらないからSSSランクを考えねばwコメントありがとうございます~(南無さん) TAPEtさん>落ち着こう、落ち着きましょうwコメントありがとうございます!(南無さん) naoさん>それほど我慢が出来なかったのでしょうwコメントありがとうございます~(南無さん) 本郷 刃さん>一刀酸成分が足りなくて、思わず…ねwコメントありがとうございます!(南無さん) nakuさん>見事に鼻血でアーチを描いたそうですwコメントありがとうございます~(南無さん) 劉邦柾棟さん>解禁です。オープンです♪コメントありがとうございます!(南無さん) げんぶさん>まだ、続きますから安心してください♪コメントありがとうございます~(南無さん) 桂花かわいいよ、桂花!・・・(・д・)アレ、ソトニフッテルノコナユキカトオモッタラサトウジャン(レヴィアタン) !?・・・これ、ゴーヤじゃなくて砂糖菓子だ・・ort(yutapi) インシュリンが必要になって…、holy shitときたか座布団二枚!!。個人的にはi'm gonna come his f○ckin'di○k offって感じですが。(禁玉⇒金球) あ、ありのままに今起こったことを話すぜ・・。普通に小説を見ていたら、いつのまにか砂糖をはいていた。デレデレだとか、ラブラブだとか、そんなチャチなモンじゃ断じてねぇ・・。もっと胸焼けするような空気を味わったぜ・・・。(風見海斗) よっしゃ!SSランク到達!!デレ桂花が降臨なっさったわーーーー!!(D8) 結局のろけてるじゃないですか!(激怒)(TAPEt) 吹っ切れすぎだろw華琳に楯突くってw(nao) 吹っ切れば華琳様でも怖くないということですかww(本郷 刃) 『デレ桂花』解禁!?(劉邦柾棟) |
||
タグ | ||
真・恋姫†無双 恋姫†無双 北郷一刀 桂花 華琳 流琉 凪 風 甘いシリーズ | ||
南無さんさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |