英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 903
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〜戒の領域・最奥〜

 

「風よ……我が力となれっ!!」

ヴィクターと対峙したアリオスの分け身はクラフト―――軽功で身体能力を上昇させ

「コォォォォォ……ハアッ!!」

対するヴィクターもクラフト―――洸翼陣で自らの身体能力を上昇させた!

「斬ッ!!」

そしてアリオスはクラフト―――洸破斬による衝撃波を放ち

「フンッ!!」

ヴィクターはクラフト―――洸迅剣を放って相殺した!

「二の型―――疾風!!」

攻撃が相殺されたアリオスは電光石火の速さで強襲し

「―――閃!!」

対するヴィクターも電光石火の速さで強襲して互いの攻撃を相殺した!攻撃が相殺されたアリオスはすぐさま剣を引いてヴィクターから距離を取り

「秘技――――裏疾風!!」

再び電光石火の速さで強襲した!

「甘い!」

しかしヴィクターはアリオスの攻撃を見切っていたのか、アリオスの強襲攻撃を剣を振るって相殺し

「ハァァァァァ……!!」

「フン!!」

さらに自分の背後に回って放ったアリオスの斬撃による衝撃波をすぐさま振り向いて真っ二つに切り裂いた!

「逃がさぬぞ……!」

衝撃波を切り裂いたヴィクターは自分の足元に光の渦を発生させ

「何……!?」

光の渦によってアリオスは引き寄せられ

「斬!!」

「…………!」

ヴィクターの斬撃を正面から刀で受け止めた!

 

「……なるほど。さすがは”剣仙”殿が褒め称えているだけあって、技のキレも中々のものだ。」

アリオスと鍔迫り合いの状態になっているヴィクターは静かな口調で呟き

「…………師とは面識が?」

アリオスは静かな表情で尋ねた。

「―――以前レグラムに訪れた時に仕合った事はある。……まあ、決着はつかなかったが……」

「フッ……さすがは”光の剣匠”か……まさか師と互角とは…………」

ヴィクターの説明を聞いたアリオスは静かな笑みを浮かべ

「……だが、それでも己の道を行かせてもらう!例え相手が”光の剣匠”と言えど!」

すぐに真剣な表情になってヴィクターを見つめて呟くと同時に刀に力を入れた。

「……ならば私はそなたのその考えが間違っている事を”剣仙”殿に代わり、教えてやろう……!」

対するヴィクターも真剣な表情で答えた後大剣に力を入れた。そして鍔迫り合いの状態になっていた二人の武器だったが、刀では大剣に敵わず、徐々にアリオスが圧され始め、その事に気付いたアリオスは鍔迫り合いを止めると共に後ろに跳躍した。

「フンッ!!」

アリオスの行動を見たヴィクターはクラフト―――洸迅剣による凄まじいスピードの衝撃波を放ち

「ハアッ!!」

アリオスは刀を振るって衝撃波を切り裂いた。

「甘い!洸閃剣!!」

しかしその時ヴィクターが突きの構えで電光石火の速さで強襲した!

「!!」

アリオスは空に向かって跳躍して回避し

「大雪斬!!」

剣に膨大な闘気を纏わせて落下しながら刀をヴィクターに叩きつけた!しかし

「何っ!?」

なんとヴィクターはアリオスの刀を大剣で受け止め

「我が渾身の乱舞………喰らうがよいっ!奥義!洸刃乱舞!!」

大剣に巨大なエネルギーをまとわせた状態で連続で怒涛の乱舞攻撃を放ち始めた!

「クッ…………!」

アリオスは唇を噛みしめてヴィクターの乱舞攻撃を刀で捌き始めた。ヴィクターの乱舞攻撃は”光の剣匠”の異名を大陸中に轟かせているだけあって、まさに光の速さのように早く、アリオスでも見切れない攻撃が多く、アリオスは徐々に傷ついて行った。

「グッ……!?速すぎる……!これが”光の剣匠”の剣か……!」

ヴィクターの攻撃によって次々と傷を作っているアリオスは表情を歪め

「止めだっ!………――――鉄閃刃!!」

乱舞攻撃から続くようにヴィクターは跳躍して膨大な闘気が纏った大剣をアリオス向かって叩きつけ

「ハッ!!」

アリオスは後ろに跳躍して回避した。

 

「風巻く光よ、我が剣に集え!」

ヴィクターから距離を取ったアリオスは抜刀の構えで膨大な闘気を纏い

「………おおおおおっ!」

ヴィクターに向かって飛び込むと共に抜刀をして無数の斬撃を放った。しかし

「オォォォォォォッ!!」

なんとヴィクターは大剣を光の速さで怒涛に振るって無数の斬撃を全て打消し

「奥義!風神烈破!!」

「フンッ!!」

なんと膨大な闘気や風を纏ったアリオスの一撃を正面から受け止めた!

「!?なっ…………!」

攻撃を受け止められたアリオスは目を見開き

「――――八葉一刀流”二の型”の奥義、”風神烈破”か。初見であったならば私も受けたかもしれぬが……既にその奥義は”剣仙”殿との仕合で見ている上……”剣仙”殿が放つ”風神烈破”と比べればまだまだ精進が足りぬな。」

ヴィクターは静かな表情で答えた。

「クッ…………!」

一方アリオスは表情を歪めた後再び後ろに跳躍してヴィクターから距離を取り

「―――ならば、この一撃で決めさせてもらう!受けて見よっ!滅びの太刀!!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」

全身に膨大な闘気を纏って跳躍した!

「ほう……?まさか”絶技”も習得しているとは…………ならばこちらもアルゼイドの真髄……お見せしようっ!!」

対するヴィクターは感心した後大剣に膨大な闘気による光のエネルギーを纏わせた!

「絶!黒皇剣!!」

「絶!洸凰剣!!」

そして二人の”絶技”がぶつかり合った瞬間、ヴィクターの大剣がアリオスの刀を真っ二つに破壊すると共にアリオスの全身を一刀両断し、一刀両断されたアリオスの分け身は消滅した!

 

「風よ、我が力となれ!!」

フェミリンスと対峙したアリオスの分け身もヴィクターと対峙している分け身のように”気功”で自らの身体能力を上昇させ

「光よ、行けっ!!」

フェミリンスは片手を振るって魔術――――嵐光弾を放った。

「!!」

フェミリンスが放った怒涛の光の魔力弾を見たアリオスは跳躍して回避し

「大雪斬!!」

そのままフェミリンスに刀を叩きつけた。しかしフェミリンスは咄嗟に槍でアリオスの刀を受け止め

「吹き飛びなさい!!ハイロウスピン!!」

「グアッ!?」

槍全体から衝撃波を発生させてアリオスを吹っ飛ばした!そしてフェミリンスはオーブメントを駆動させた後一瞬で吹っ飛ばされたアリオスに詰め寄り

「―――参ります。五連聖印突!!」

膨大な光の魔力を纏わせた槍で次々と突きを連続で放った。

「ハァァァァァ……!」

フェミリンスの連続攻撃をアリオスは刀を振るい続けて攻撃を相殺していたが

「ハアッ!!」

「なっ!?ぐっ!?」

突きの連携攻撃から薙ぎ払い攻撃に連携したフェミリンスの攻撃は見切れず、フェミリンスの槍はアリオスの胴を薙ぎ払い、胴を薙ぎ払われ、斬られた部分から血を流しているアリオスの分け身は後ろに跳躍した。するとその時

「―――エニグマ駆動!クリムゾンレイ!!断罪の炎に焼き尽くされなさい!贖罪の聖炎!!」

「ガアアアアアアアアア―――――――ッ!?」

フェミリンスが放ったアーツと魔術による2種類の炎をその身に受け、悲鳴を上げた!

 

「――――止めです。ルン=アウエラ!!」

そしてフェミリンスは片手に溜め込んだ膨大な魔力を解放した。するとアリオスを中心点に超越的な大爆発が起こった!そして爆発の煙が晴れるとそこには、満身創痍のアリオスが息を切らせてフェミリンスを見つめていた。

「―――”闘気”を防御に回して、致命傷を避けましたか……………手加減しているとはいえ、女神たる私の魔術に耐えられた事……誇りなさい。」

アリオスの状態を見てすぐに状況を把握したフェミリンスは静かな表情で呟き

「……”手加減”か。セリカ殿と言い、神は俺達”人間”をどこまで愚弄するつもりだ!?」

フェミリンスの言葉を聞いたアリオスは静かな表情で呟いた後怒りの表情で叫んだ。

「……”神殺し”と同等の扱いにされるのは非常に不愉快ですが……貴方は決定的な勘違いをしていますわ。」

「何……!?」

しかしフェミリンスが呟いた言葉を聞いたアリオスは驚き

「元々”神”と”人”は”存在自体”の”次元”が違うのです。そして人は”絆”を結んでこそ”真の力”を発揮する……その力はまさに文字通り無限。時には”神”をも超えますわ。―――かつてエステル達が協力して私を破ったように。」

「なっ……!?」

「―――対する貴方は絆を裏切り、下らぬ妄執の為に悪の道へと走った愚者…………墜ちてしまった愚者の剣が”神”に届くと思う事自体がそもそもの間違いなのですよ。”神”は”墜ちた人”を”裁く立場”なのですから。その”墜ちた人”である貴方が”裁く立場”である私に勝てる可能性は全くありえませんわ。」

「……………………」

フェミリンスの話を聞いたアリオスは厳しい表情でフェミリンスを睨み

「―――ならば、我が全力を持ってその傲慢を打ち砕き……我が剣にて神に届かせる!ハアアアアアアアア――――――ッ!!」

全身に膨大な闘気を纏って跳躍し

「絶!黒皇剣!!」

フェミリンスに向かって突撃すると共に刀を叩きつけた!しかしアリオスが刀を叩きつける瞬間、フェミリンスはドーム型の結界を展開してアリオスの攻撃を防いでいた。

「オオオオオオオオオオオオオ―――――――――――――ッ!!」

攻撃を結界に受け止められたアリオスは結界を破壊する為に刀に闘気を流し続けていたが、フェミリンスの結界はあまりにも強固で罅すら入らなかった。

「――――そろそろ終わらせてもらいますわ。神技!イセリアルブラスト!!」

アリオスの様子を見ていたフェミリンスは背中に光の翼を具現化させた後、膨大な神力や魔力がこもったエネルギーをアリオスに向かって放った!

「な―――――」

そしてアリオスの分け身は光に呑みこまれ、塵も残さず消滅した…………!

 

 

 

説明
第903話


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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様&Kyogo2012様 そりゃ神なんですから当然の結果ですww(sorano)
ありゃりゃ。風の剣聖が消滅しちゃったね。ま、神にかかれば、たやすいことだと思うけどね。(Kyogo2012)
ヴィクターは良い感じに戦って勝利しているけれど、フェミリンスが圧倒的すぎて笑えたww(本郷 刃)
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