真・恋姫†無双 魏の三剣人(第十四章) |
刹那「判ったのはそこまで」
桂花「袁紹・袁術・孫策・劉備・公孫賛・西方の馬騰まで居るなんて、すごい顔ぶれね」
華琳「今戻ったわ」
桂花「お帰りなさいませ華琳様。如何でしたでしょうか?」
華琳「・・・秋蘭」
秋蘭「はっ、総大将は袁紹に決まった。命令は後で出すそうだ」
桂花「そう」
春蘭「うん?一刀はまだ戻らんのか?」
桂花「ええ、まったくあの馬鹿、何処で時間つぶしてるのかしら」
華琳「あら、一刀なら貴方の後ろに居るわよ桂花」
桂花「えっ?」
桂花が後ろを向くと、後ろの木箱に隠れて一刀が寝ていた
桂花「恩!!」
一刀「うん?何だ桂花か、孟徳は戻ってるか?」
桂花「戻ってるならさっさと報告しなさいよ!!どんだけ寝るのよあんたは!!」
一刀「報告といっても、刹那とそう変わらないからな。必要ないと思って」
華琳「そう変わらないって事は、違う物もあるって事よね?」
一刀「ああ、刹那・翼」
刹那・翼「「はい」」
一刀「春日に会った」
刹那・翼「「!?」」
華琳「それって確か貴方の弟子よね、確か一番弟子」
一刀「ああ、今は劉備の配下だと、会わなかったか?」
華琳「もしかして、姜維?」
一刀「ああ、それが春日の名だ」
刹那「一刀様じゃなくて劉備を選ぶなんて!」
翼「信じられないわ、あの貧乳チビ!」
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桃香「春日ちゃん如何したの?」
春日「いえ、何か悪口を言われてる気がして#」
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一刀「しかし参ったな、春日が劉備の部下だと、劉備もかなり力がある事になる」
翼「華琳様より、劉備の名が大陸中に知れ渡る事になるって事ですか?」
華琳「そんなにすごい子なの?」
一刀「そうだな、麒麟児とでも評価しようか」
秋蘭「一刀にそこまで言わせるか」
桂花「でも所詮武官でしょう?高が知れるわ」
一刀「春日は元々軍師に成りたかったみたいでな、恐らく、勇将と認識して置いた方が良い」
刹那「知識なら、翼と良い勝負が出来るでしょうね」
華琳「知識なら?」
一刀「柔軟性に掛けてるからな、知略は翼が上だ」
華琳「そう・・・欲しいわね、その子」
一刀「たく、関羽だけじゃ足りないか?」
華琳「ええ、私は欲しい物は必ず手に入れる、それが私よ」
春蘭「か、華琳様・・・また悪い癖が」
一刀「それで、孟徳。先陣は誰だ?」
華琳「劉備よ」
華琳の答えを聞いた一刀は、怒りに顔を歪ませる
一刀「袁紹の奴、捨て駒にする気か」
華琳「元からそう言う人間なのよあれは、一刀。手出しは出来ないから、判るわね?」
一刀「・・・そうか、なら俺は、弟子の成長を見極めますか」
翼「チビの成長なんか見ても仕方ない気がするけど、まあ時間潰しには良いか」
刹那「そうね」
一刀は進軍の其の時まで話し合いをしていたが、命令が出た為配置に付いた
春日「氾水関と虎牢関・・・両方とも崖に囲まれた難攻不落の門」
鈴々「おっきいのだ」
愛紗「難攻不落の氾水関と虎牢関。我々が超えねば行けないのが氾水関だ」
朱里「敵は確実に守りを固めるでしょう。それを破るのはまず無理と見るのが普通です」
春日「そうですね、壊して良いなら私が何とかしますが」
鈴々「壊せるの?」
春日「全部は無理だけど、穴を開ける位なら」
???「それは無謀と言う物だ、そんな事をすれば敵が逆上し死兵に変わる」
雛里「星さん」
春日「ああ、そうですね、すみません」
愛紗「そもそも簡単に穴を開けられても困る」
春日「こんな時、お師匠様なら如何するでしょうか・・・」
雪蓮「師匠?」
桃香「春日ちゃんのお師匠様は、夏候恩さんなんです
雪蓮「・・・なんですって?」
春日「・・・私が学べたのは武のみです、知は己が蓄えろと言われました」
冥琳「奪えではなく蓄えろか、確かに己が知に蓄え使い所を理解してなければ意味が無いからな」
雪蓮「話を戻しましょうか、氾水関の攻略法だけど」
朱里「敵は守りの構えです、成らばそれをまず崩さねば成りません」
春日「上兵(じょうへい)は謀(はかりごと)をうつ。ですね」
※意味 戦争において最善の方略は、敵の企図・政戦略を無力化させることである
朱里「じゃあ春日ちゃん。この場で私達が取る手は何が一番良いと思う?」
春日「えっ?うーん・・・策で敵を出す事ですかね」
朱里「じゃあその策は?」
春日「えっ!?う、うーん」
雛里「春日ちゃん。あの旗見える?」
春日「旗ですか?はい、見えます」
雛里「敵の旗は華と張の二つ。と言う事は、華雄さんと張遼さんの二人」
春日「あっ!そうか、華雄は猛将だから、罵倒に弱い」
朱里「そう、だからそこを利用するの」
春日「じゃあ、孫策さんが此処に居るのって?」
雛里「孫策さんの親である孫堅さんに負けた事を、華雄さんは覚えてるはずだから、華雄さんは怒りを顕にする筈だよ」
春日「そして出て来た所をそこを討つ」
朱里「そう、私達が一番取れる手だよ、覚えておいてね春日ちゃん。相手の事を知っていれば、その性格を策の材料に出来る事」
春日「はい、朱里先生」
雪蓮「ホントにあの死神の弟子?」
愛紗「武に関しては問題ない、知略がまだ疎いだけなので」
冥琳「方針は決まったな。頼んだわよ伯符」
雪蓮「ええ、任せなさい」
雪蓮は、愛紗の後に続いて前に出た
一刀「関羽が出てきたか、どうせ罵倒するんだろうけどな」
翼「一刀様もそうするんですか?」
一刀「俺だけじゃなく、お前もだろう翼。攻撃だけが戦いじゃない、でも一味足りないね」
刹那「一刀様なら如何します?」
一刀「そうだな、堪忍袋に穴を開けるかな?」
翼「なるほど、そう来ますか」
刹那「なら、穴を開ける為に必要なのは、あれかな?」
刹那が指を指したのは、華雄の旗であった
愛紗「出て来ないのか?」
春日「愛紗さん」
愛紗「春日?何をしに来た?」
春日「華雄に、最後の一押しをしに」
雪蓮「どうやって?」
春日「こうします」
ギーン!
雪蓮「それは!?」
愛紗「氣功術。春日が身に付けた武術です」
春日は手に雷の氣を溜める
春日「迅雷一閃・千鳥!」
春日の放った閃光は、華雄の旗を焼き払う
一刀「あっはははは!やっぱりそうしたか」
翼「門が開かれます」
刹那「流石にここまでやられたら黙っていられないか」
一刀「・・・まあ、よくやったて所かな」
翼「一刀様。孫策はもしかして?」
一刀「劉備と手を組むだろうな、虎は檻の中が嫌いの様だからな」
刹那「大地を駆けてこそ虎は命を感じられるって訳ですね」
一刀「さて、俺達は戻るか。まあまあ良い暇つぶしになったし」
一刀が本陣に戻り報告すると、華琳は見れなくて残念と呟いたのだった