魔導師シャ・ノワール月村偏 第三十一話 ウェイターの確立は1/6 |
数日後....
その日ノワールは、翠屋の手伝いをしていた。もちろんウェイター姿で(頻度的にはかなり珍しいが)
「ノワール。テーブルを一つ空けておきなさい」
「なんだ士郎?予約でも入ったのか?」
3時ごろもやや過ぎた時間。お茶を飲みに来るお客もそこそこ増えてくる時間帯だ。
翠屋では基本的にテーブルの予約はやっていない筈だが。
「なのはとそのお友達がお店に来るから空けておいてほしいんだよ」
「へぇ。なのはの友達ねぇ・・・」
平然を装いつつも内心穏やかではない。変装はしていたが、完璧とはいいがたい。
正体がばれる可能性は高い。時が立てば記憶も曖昧になるだろうが、まだ数日しか立っていない。ここは....
「士郎、上がってもいいか?」
仕事を終わっていいか士郎に聞いてみるが。意外なことに
「ああ、別に構わないよ」
「あ?ああ、別にいいのか」
止められず、家に帰れるかと思いきや「ただし...」と言葉を続ける士郎。
「ただし、なのはのお友達が帰ってからなのはと一緒に家に帰ってくれよ?」
「それって、なのはの友達と一緒に寛げとか言ってないか?」
「そうとも言うね。おや?意外と早いお着きのようだ」
士郎が見せの入り口に視線を向けると《カランッカランッ♪》という鈴の音と共に
なのはとあの二人が小学校の白い制服姿でお店に入って来た。
「いらっしゃい」
「おじゃまします」「こ、こんにちは」「ただいまー」
「さてと・・・」
「どこへ行くのかな?お客さんをテーブルまで案内してね。ノワール」
自然を装って店の奥へ引っ込もうとしたが士郎に回りこまれた。
「チッ・・・わかったよ」
仕方がなく。入り口で待っているなのは達の下に歩いて行く。
「あ、ノワールくん今日はメイド服じゃないんだ」
具体的に示せばウェイター姿の確立は1/6程度でしかない。だが....
「黙れなのは。誰が好き好んでメイド服なんて着・・・お二人さん、俺の顔になにか付いてるか?」
「「・・・」」
なのはの後ろにいる二人がすごく俺の顔を凝視していた。それもただの視線ではない。
相手に興味があるというより。何かを思い出してびっくりしているような目だ。
「あ、え〜と・・・この子が家の家族になったノワールくんだよ?」
なのはからは俺の事はある程度、説明がなされているようだったが。
このまま見詰め合って考えさせるのは良くない
「まあ、奥の空いてる席に座っててくれ。すぐにお冷持ってくから」
「う、うんっ!行こうアリサちゃんすずかちゃん」
「「う、うん・・・」」
渋々といった様子で二人がなのはと共に空いている奥のテーブルに向った。
俺もカウンターへ向い。お冷を三つ用意して銀のトレーに乗せてテーブルへ向う。
「お冷です」
テーブルにお冷を配るが相変わらず視線は俺に釘付けで。
置かれていたメニューに目すら通していない。常連ならば必要もなきしもあらずだが。
「ねぇ?」
「なにか?」
ついには、アリサという少女が俺に声を掛けて来た。
「あんた・・・あたし達を助け「ノワールくんッ!今日のオススメは!?」ちょ、なのは!」
「今日は桃子さん特製のシフォンがいい出来だったぞ「待てい!」・・・」
なのはの援護があったがあまりに不自然で強引すぎた。
バタッと音を立ててアリサは立ち上がり。抱きつくかのように体を近づけながら胸倉を掴まれる。
俺よりやや背が小さいのでやや下から《ギッ》と睨まれる。
「あ、アリサちゃん?」
「あんた・・・やっぱりあの時の人だよね?」
「あの時?なんの事か分かりかねます」
目を瞑り紳士に振舞うが、腕のシャツ袖を取られた。
握ったのはすずかだった。
「あ、あの・・・本当のこと教えてくれませんか?」
「ですから自分は「ああッ!貴方様は!!」あ?」
渋い男性の声が聞えて思わず店の入り口に視線を向けると
そこにはセバスチャン(仮)が驚いてこちらを見ていた。
「さ、鮫島?」
アリサがセバ...鮫島の反応に驚いている間に。鮫島が俺に駆け寄って来て。
両手を取られて腰が90度きっちりと曲がり頭を下げられる。
「お嬢様方を助けていただきありがとうございます!あの時は自分の作り出した妄想かと思っていました。
ですが、あの時、残された買い物袋と。後に助け出されたお嬢様からの説明で夢とは思えず!
まさか高町様の喫茶店に居ろうとは。この鮫島、夢にも思いませぬでした。
真に、お嬢様並びにすずか様を助けていただきありがとうございます!」
「あ・・・ぅ」
遇の音も出ずに鮫島に頭を何度も下げられながら後ろを見ると不機嫌そうな表情をしたアリサと
とても嬉しそうに微笑んでいるすずかの姿が見えた。なのはは一人、苦笑いだ。
この鮫島がどこまで事情を聞いているかわからないが。
助けた二人には俺が魔導師だということがばれている。
銃を持った大人相手に圧勝してしまう子供なんてどう思われるか想像に難くない。
なのはもそういう人だと知られてはかなり不味い・・・。
「はぁ・・・ここじゃあれだ。二人とも、奥の部屋で話そうか」
「別に構わないわよ」
「私もいいよ」
「なのはもー」
ああもう・・・状況を理解してないバカ(なのは)が入いる。
「なのは、お前はここに入ろ」
「なんでなの?」
「この・・・」
口頭では上手く伝えられないので念話で会話を続ける。
『俺はこの二人に魔導師ってばれてる。それも戦闘を直で見られた』
『それって不味いの?アリサちゃんもすずかちゃんも口は堅いから平気だとは思うんだけど』
『アホか。子供が大の大人を。それも銃を持った相手を簡単に倒せるような戦闘能力持ってたら普通引くだろ?』
『確かにそうかも知れないけど。ノワールくんは二人を助けたんだし。きっと大丈夫だよ。それにわたしも居たほうが二人も話しやすいと思うし』
『お前も魔導師ってばれるんだぞ?』
『構わないよ。いつかは話そうと思ってたし。それに....』
『それに?』
『ノワールくんが心配だから』
まっすぐとそんな言葉を掛けて来られるとどうにも恥ずかしいな。
『そっか・・・ありがとうな。なのは』
『・・・(恋敵が増えるというのも心配なんだけど)』
なのはの思いも知らずに素直な心配という意味を受け取った俺は二人に向き直る。
「あの?」
「なんだ?」
すずかがなにかを言いかける。
「どうせなら私の家でお話しませんか?お姉ちゃんも居ないとその・・・」
「はぁ・・・いいだろう」
面倒な事になりそうだ・・・。
いい訳がましいが、遭えて言おう...............................PCが吹っ飛んだと!!!
ええ、もうHDDが寿命を迎えたようでして。ネット上に小説のバックアップもあるにはあったのですが....中途半端な保存の為、書き直しなどで時間が掛かったり。
さらに仕事で部下が付いたり。帰宅中に車の交通事故に遭遇しして人命救助したり。プライベート&仕事のトラブルなどなどが重なり。大分、SAN値ピンチでした。
申し訳ないです、はい。
今年こそAS編まで終わらせたい・・・。ノワールを大人にしたいぜ・・・。
※読んでくれてありがとうございます!感想などなどはお気軽に!
※誤字脱字などの指摘もどんどんお願いします。
※また誤字脱字や妙な言い回しなど見つけ次第修正しますが特に物語りに大きな影響が無い限り報告等は致しませんのであしからず。
説明 | ||
神様などに一切会わずに特典もなくリリカルなのはの世界へ転生した主人公。原作知識を持っていた筈が生まれ育った厳しい環境の為にそのことを忘れてしまい。知らず知らずの内に原作に介入してしまう、そんな魔導師の物語です。 ※物語初頭などはシリアス成分が多めですが物語が進むにつれて皆無に近くなります。 ※またハーレム要素及び男の娘などの要素も含みます。さらにチートなどはありません。 初めて読む方はプロローグからお願いします。 | ||
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コメント | ||
なんと申しますか。お疲れ様です(苦_労)次回作も楽しみにしています(アサシン) これは面白いですよ。次も楽しみにしています。(Fols) |
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