三国同盟 第弐話 ~初戦~
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敵軍が進軍を始めた事を受けておかれた魏の前線の陣営では凪、沙和、真桜の部隊がこれからの行動について話し合っていた。

 

 

 

「なんとか間に合ったな…しかし、もうあそこまで進んでいたとは…これではここを突破されたら、後は魏の領内に攻め込まれてしまう。こうなったら増援が来るのを待つか、こちらから偵察を行かせるか…」

 

 

 

敵軍は凪達が前線の陣を張ったところからさほど離れていないところに陣を張っており、立ち上る黒煙などでその距離の近さがうかがえた。

 

 

 

「でも、相手の規模が500以下なら仕掛けても良いと思うのぉ〜」

 

 

 

「せやかて、沙和…あれだけ近くに来たのにこっちに何もしかけてこんし、規模が小さいかて弱いとは限らんやろ…ここは凪の言うとおり様子を見るか、斥候を送った方がええで」

 

 

 

真桜の提案に凪は同意し、斥候を放ち報告を待つことにした。

 

 

 

「いずれにせよ、こちらはいつでも攻撃などが出来るように準備をしておく事にしよう。華琳様に増援はお願いしてあるし、もう少しで私たちの部隊の本体も来るはずだ」

 

 

 

魏で最も機動力がある凪達の部隊でも速さを中心としていたために、こう言った場合では300にも満たない兵力しか今は動かす事が出来なかった。

相手の規模が少ないと言っても、うかつな行動は命取りになる事を凪は心得ていた。

 

 

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一方、前線に居る凪達の部隊からの報告を受けた華琳たちは城内で軍議を開いていた。

 

 

「さすが凪達ね、あれだけの動きの速い奴らでもなんとか陣を張る事が出来たみたいだし、いつ戦闘になっても大丈夫なように支度は整えたみたいね。それにしても、ここまでの侵攻を許してたなんてね。」

 

 

「報告だと敵は進軍する際に現在地からに行くまでにあった村はすべて壊滅状態にさせて女と若い男は連れ去られ、後はすべてを破壊して行ったそうです」

 

 

「おのれぇ〜好き放題暴れおってぇ〜」

 

 

「落ち着きなさい春蘭。これは手勢をほとんど連れて蜀に行った私の失態でもあるのよ。」

 

 

頭の血管が今にも切れそうなほどに怒っている春蘭を華琳がなだめる。

 

 

「稟、敵の事について村の人は何か言っていたの?」

 

 

「はい、生き残った者の話では襲ってきた者たちはどうも近隣の国の人間に見えたそうです。それとその中にどうやら、見た事のない姿をした者や、顔も三国を含め近隣の国とは違った特徴があったそうです。おそらく、この者たちが指示をしていたと思われます。」

 

 

「だとすると敵は捕虜を使ってる可能性が高いですね〜そうすれば、兵を無駄に使わずに済みますし、すでに訓練もされてますから鍛えること必要もなく、機動力があるのもうなずけますねぇ〜」

 

 

桂花の言葉から自身の推測を風が話した。

 

 

「仮にそうだとするとその見た事のない姿をしているのが指示役で本当の敵と言ったところでしょうね。そうなるとやっかいね…」

 

 

「か、華琳様…何が厄介なのか私にはさっぱり…?」

 

 

そんな事を唐突に言い出した春蘭に一同は深いため息をつく。

 

 

「あのねぇ〜敵が捕虜を使ってるってことは自分たちの戦力を消費しないうえに、自分たちの装備や手の内を明かさなくて済むし、何よりもその捕虜たちがこっちの事を知っていればこっちの手の内が読まれることだってあるの!そんなことも分からないの?脳筋!!」

 

 

「な、なんだとぉ〜〜〜〜!!!」

 

 

「はいはい、そこまでにして!」

 

 

いつもの様な言い合いが始まりそうな時に華琳が間に割って入る。

 

 

「とにかく、今は敵の侵攻を食い止めるのが優先よ。凪達のところが突破されたら、敵は一気に雪崩れ込んでくるかもしれないんだから、ここは増援を送って絶対に守りなさい。」

 

 

「では、こちらで増援の手配をしておきますね〜あと、その事を凪ちゃんたちにも伝令を頼んでおきますね〜」

 

 

「えぇ、そうして頂戴。編成は任せるけど、流々を中心に隊を組んでちょうだい」

 

 

「わかりました〜」

 

 

 

こうして決まったことや分かっている事をその日のうちに伝令で凪達に伝えられた。

その伝令を呼んだ3人は…

 

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「そしたら、増援が来るまで待機しとった方がええな。相手が捕虜かも知れんとしたら変に動いたらあかんな。」

 

 

「その方が良いと思うの〜それにそろそろ偵察に出した斥候も戻ってくるころだと思うの〜」

 

 

そう言っているうちに斥候が戻って来て3人に分かった事の限りを報告する。

その内容は軍議で予想されていた事とほぼ一致していたのだが、想定外の事も含まれていた。

 

 

「敵の陣営付近にはほとんど人が居ないだと!!!どういうことだ!まだ陣を張って間もないと言うのに…一体何を考えているんだ…。」

 

 

「凪ちゃん、陣営には明かりもほとんどないって言ってたの、これっておかしいと思わない?」

 

 

「ま、まさか!!!」

 

 

その頃、凪達の陣営と敵の陣営のちょうど中間あたりの林の中では…

 

 

「おい、どうした?大丈夫か?」

 

 

ボロボロの服装で体の至る所に擦り傷を付けている若い女が倒れているのを魏の兵士が見つけ駆け寄って声を掛けていた。

 

 

「た、助けてください…見たこともない男たちに襲われて追いかけられてて…」

 

 

「なに!分かった。今助けてやるぞ。」

 

 

そう言って倒れていた女を抱き抱えようとした時に女は服の中から小刀を取りだし兵士の首を刺して口を塞いで声が漏れないようにした。

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…こ、これで…」

 

 

女が合図をすると後に続くように林の中から30人位はいるであろう同じように擦り傷やボロボロの布をまとった姿をした女たちが出てきて魏兵の背後に静かに忍び寄っていた。

 

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「おい、あっちの方を見に行ったあいつはどこ行った?」

 

 

「そういや、おせえな…もしかしたら逃げたのかもな」

 

 

「おいおい、まだ本格的な戦にもなってねえし、こんな暗いなかで林の中を逃げたら見つかって殺されるか、迷って飢え死にしかないだろ」

 

 

「それもそうだな〜はっはっは〜!」

 

 

「ん??おい、あそこ誰かいるぞ!」

 

 

10人くらいの魏兵たちが談笑をしながら周囲の警戒をしていると先頭を歩いていた男が前方で明らかに魏の兵士とも聞いている敵の兵士とも違う出で立ちの男を見つけて…

 

 

「貴様…何者だ!!!」

 

 

「これから死ぬ奴に言う事はない!!」

 

 

そう言った瞬間、さっきの30人位の女たちが魏兵たちの背後に一斉に襲いかかり、あっという間に魏兵たちを仕留めていた。

この時、この女たちは既に最初にいたお互いの陣営の中間の位置から一気に目と鼻の先にまで迫っていた。

 

 

「よし…残りの奴らを呼べ。集まり次第一気に仕掛けろ!」

 

 

「わ、わかりました…」

 

 

そう指示するとすぐに何十人もの男女が集まり、既にいる女30人位を合わせて100人ちょっとの人数がすぐに集まった。

 

 

「よし……行けぇ〜〜!!!魏の兵をみなごろにして、すべて破壊しろ〜!!」

 

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号令が掛かると同時に魏の陣営に一気に襲いかかって行った。

その声は当然、凪達の耳にも聞こえて始めてきて…

 

 

「た、大変なの〜!敵の奇襲なの!!」

 

 

外の警戒をしていた沙和が真桜と凪の居る所に駆け込んでくる。

 

 

「な、なんやて!居ないかもっちゅう報告受けて間もない時になんでここまで来とんのや!!」

 

 

「真桜!今はそんな事は良いから、ここまで来られた以上は守りを固めてここを守るんだ!」

 

 

凪がそう言うと真桜は正門と飛び出していき、それに続いて沙和と凪も正門へと向かっていった。

 

 

「こ、こいつら!倒れないぞ!くっそぉ〜〜!」

 

 

魏兵に向かっていく敵の男たちはたとえ斬られても弓で撃たれても倒れることなく進んでいき…その結果、凪達の居る門ではなく壁の一部を攻撃し始めて、後続のいた男たちの働きによってその壁が破壊されてしまった。

 

 

そして、とうとう魏の陣の中へと侵入していき、それに続くように敵軍の女たちが続いて行った。

 

 

「い、いかん!中に侵入された!!」

 

 

「壁を壊すってなんちゅう奴らや!!」

 

 

「こ、これ以上は持たないの…凪ちゃん、撤退するしかないの…」

 

 

「まだだ!!せめて増援が来るまでは持ちこたえ…っく!!」

 

 

言いかけた凪の横から最初に魏兵を仕留めた女が襲いかかった。

凪は何とかその攻撃を受け止めて、鍔迫り合いの様な状態になりながらも襲ってきた相手の姿を見ると愕然とした。

 

 

「お、女!!今の攻撃…並みの兵士の強さではない…」

 

 

事実、これまでの動きを見ても女や男たちがとても襲われた村の人間達とは思えない行動であるのは明白だった。

 

 

「お、お願いだから…死んで…でないとみんなが…こ、殺されちゃう…」

 

 

「みんな?殺される?お前たちは襲われた村の人間じゃないのか?!」

 

 

「違う…私たちは…!」

 

 

何か言おうとした女の背中を沙和が切りつけ、その女はその場に倒れてしまった。

 

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「凪ちゃん、大丈夫なの?」

 

 

「あ、あぁ…この人たちは一体…」

 

 

「凪!このままだと押し込まれるで!もうあかん、撤退するしかないで!」

 

 

凪は無言のまま首を縦に振ると、その反応を見た沙和や真桜達は兵士たちに撤退の指示を出しに行った。

 

 

「う、うおぉ〜〜!!」

 

 

そして、敵兵たちは次々と後続が攻め込んできたのだが、敵兵が破壊した壁から侵入してきているところを沙和と真桜で何とか食い止め、凪が陣内に侵入した敵兵を次々と討ち取っていった。

 

 

「本隊が来た…沙和、真桜!!撤退するぞ!!」

 

 

秘密裏に襲撃されていた事を凪は本隊に伝令するように伝えていたため、ギリギリのタイミングで凪達の本隊は陣から少し離れた所に布陣して撤退してくる兵たちを保護していった。

 

 

「よっしゃ!行くでぇ〜沙和!!」

 

 

「はいなの〜!」

 

 

こうして3人もなんとか本隊に合流して本国へと後退していった。

 

 

「追わんで良いが、生き残りはすべて始末しろ。こちらの死にかけの奴らも一緒に始末しておけ」

 

 

そう兵に指示すると敵軍は凪達の居たところを自分たちの陣地に作り替え始めた。

 

 

そして、初戦は魏の大敗という形で幕を閉じた…。

 

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あとがき

 

 

ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!

こ、こんなに長くなるとは…分けて書くべきだったかもしれないです…

 

 

今回はちょっと色々と無理矢理や意味不明なところが多々あるかと思いますが、温かい目で見てもらえると嬉しいです。

(実は最近ハマってるアニメがいくつかあって…そっちの方に気を取られてマス)

 

 

次回も魏になると思いますが、今回ほどのではないと思います。多分…(自信なし)

 

 

ニートを長い事やってると妄想する力だけは信じられないくらい上がってるので、色々と頭の中の構想があふれてて…

 

 

それでは次のお話も読んで頂けると嬉しいです!

 

説明
続いて2話目を書いてみました〜なんとなく、自分でも話を理解出来てきた気がする(笑)
でも、やっぱり長編ってホントに難しいです…(オリキャラがいると特に…)


まだまだ引っ張って行こうかなと思っています。なので、今回は魏を中心に書いてみましたので、一刀の出番はなしです(笑)
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コメント
ご指摘ありがとうございます。修正しました…(クライシス)
誤字情報です。 「真桜」が『美桜』になってますよ?(劉邦柾棟)
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長編  真・恋姫無双 恋姫†無双 

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