真・恋姫†無双 〜孫呉千年の大計〜 第3章 22話 |
第3章 群雄淘汰・天下三分の計編 22話 『 逃れられぬ運命 』
「者共かかれぇーーーーー!」
「「オオォォォーーーーーーーーー!!」」
緋蓮を大将にした第1軍8000名は、祭を先陣に江陵へと進軍し
緋蓮の号令が江陵城周辺へと轟くや、皆武器を手に喊声をあげ突撃を敢行する
同時刻、楓を大将にした第2軍7000名もまた江夏へと攻めかかる予定でいた
江陵を守備する劉j側の将は、黄祖の子の黄射、江夏を守備するのは孫呉と長きに渡る因縁の主である黄祖であった
やはり、反董卓連合時に受けた水軍の被害が回復していなかったようで
江陵、江夏両守備隊とも、孫呉に対して水上戦を仕掛けるのは不利と判断したのだろう
水軍を出しての抵抗は皆無で、劉j軍は篭城戦をメインに戦う姿勢をみせている
「黄祖の小童相手で少々歯応えはないが、さぁて一丁派手にブチかましてやるかね」
大きいたゆんたゆんと揺らす胸の前で、バキン!ボキン!と凄い音を響かせ
大胆不敵な笑みを浮かべながら騎乗しつつ、指を豪快に鳴らしていた
「ふっ 祭 この戦いはまだ”前哨戦”という事を、くれぐれも忘れんようにな?」
意気盛んすぎて、今にも燃え尽きてしまいそうな祭へ
緋蓮は少しばかり冷静さを取り戻すよう促してはみるものの・・・
「はっはっは! 堅殿! そんな心配は無用じゃ!」
祭にとって何の足しにもならなかったようで
ほらな?と苦笑をまじえた困った表情で穏へと目配せする
「後々統治することをお忘れなく、やりすぎぬようく〜れ〜ぐ〜れ〜も御願いしますよ?」
緋蓮が祭へと注意喚起したのは、穏の要請によって仕方なくといった感じがありありと見て取れた
いつも蔑ろな態度で煙に巻かれる穏としては、緋蓮の言葉で改心して欲しい所であったのだが
矢張り一筋縄ではいかないのが祭である
祭を沈黙させる師匠である冥琳が、この戦に帯同していない以上
穏自身がコントロールするしかないのであるが、祭とはどうも相性というか分が悪い穏である
それもこれも、すぐ手を抜いたりサボろうとして他人を利用する穏こそが、そもそもの原因なのであるが
今回も師匠譲り手管を使い、緋蓮の裏で祭をコントロールしようとしたのだが、あえなく撃沈したもようだ
ならば仕方ないと、穏自身が重い腰をあげ祭へと近づいていき
甲高い調子の声をあげ、師匠である冥琳を思い起こさせるかのように
くだくだと念入りに祭を注意するに到り、余程煩わしく感じたのか
手のひらでしっしと犬でも追い払うかのような仕草をする祭
「穏の奴め まるで冥琳のような小姑っぷりじゃ! ぶちぶちと五月蝿い奴じゃわい」
そんな子供のような愚痴を緋蓮へと吐いてみせる祭
穏の目の前で堂々と呟いているのだから、軍への影響を鑑みれば始末が悪いったらありゃしない
しかも祭は呉の宿将であり柱石、この度の戦では先陣を任させている将だというのにこの態度
何時もはお気楽・極楽・手抜きがモットーの穏であるが、今日ばかりは容易に引き下がらなかったのである
周りで見ていた皆はどっちもどっちといった感想で
正直な所、祭と穏の争いに巻き込まれ、苦笑交じりの乾いた笑いをうかべていたのである
こうした些末な齟齬はあったものの・・・
江陵で戦闘が開始されれれば、祭も穏もキチンと宿将や軍師の顔をみせたのだから、さすがといえた
こうして江陵で戦闘が開始された頃、江夏の方でも戦闘が開始されようとしていた
緋蓮率いる江陵の軍勢は、一度陸地へと上陸してからの城攻めにかかっていたが
楓率いる江夏の軍勢は、城が長江すぐ横に面していること、思春や琥珀が直接水軍を指揮していた事から
陸地へと下船せずに、そのまま戦闘行為へと及び、次々と江夏城へと乗り込んでいく作戦を実行に移していたのだった
敵の出足が鈍いと感じ、これは篭城戦が主となるな
そう戦いの早期に判断を下した思春は、次なる行動を開始すべく、独り早々に準備に入っていた模様で
次に船倉から出てきた時には、様々な武具を腰にぶら提げ、腰に佩く鈴音の状況を確かめ終えるや
「琥珀、我が因縁に終止符をうってくる」 ※外伝「砂上の楼閣」参照
いつものぶっきらぼうな調子で、そう副将であり軍師である琥珀へと吐露したみせたのである
水軍を率いる大将なのだから、少しは個人行動を慎み、軍を率いてみせなよ思春
本来なら、そう悟らせねばならない立場である筈の琥珀であったが・・・
この度の全軍を率いる緋蓮自身が、過去の因縁に決着をつけるべく、軍を動かしているのだから
準備万端整え終わり、言葉と裏腹に甘えてきた思春にそう請われれば、ダメだと強く拒否できる筈もなく
「はぁ〜 わかった 後は任せて行って来なよ
そこっ!ぼやぼやするんじゃない! 味方の兵を戦う前にむざむざ溺死し失う気か! もっと丁寧に静かに漕ぎだせ!」
金輪際にしてくれよ?そんな諦めにもにた長い溜息を1つついた後
琥珀は味方を叱咤する声を飛ばしつつ、思春の背中を押し送り出したのであった
「・・・ああ 頼んだ」
去り際に言葉少なげに笑顔までみせた思春は、琥珀へと感謝の言葉を述べ終えるや、用意していた赤馬(せきば)に素早く飛び移った
思春の並々ならぬ決意と緊張が部下達にも伝わったのだろう
艪の漕ぎ手が必死の形相と掛け声をのせ、川面を滑る様に勢い良く赤馬を奔らせるのであった
※赤馬(せきば) 馬のように速く進む小舟 船体が赤く塗られていたために赤馬と呼ばれた
長さ7m前後、艪の数は片舷2-3前後 Captain Fleet様HPより引用
「実に愚かしい 相手の力量すら見抜けぬとは・・・親が親なら子も子か
大人しく往生して、あの世で黄祖と会うが良かろう!」
先程まで震えていたみすぼらしい姿は何処へやら
「父上を馬鹿にするなぁーーーーーーーー! キイェェェーーーーーーーーーーー!!」
父である黄祖を馬鹿にされ、怒りのままに奇声を発し、何度も何度も祭へと斬りかかる黄射であったが
今まで剣をろくすっぽ振ることすらなかったのだから、祭にこうして数度斬りかかっただけで
息は荒れ、剣を振るたびに重く感じられるようになり、身体がその度よろけ流されていく
蛮刀を手にしつつ、先程まで狂おしいほど燃え盛っていた筈の祭のテンションはダダ下がり
黄射をキッと睨みつけていた祭であったが、今では哀れみの視線を投げかけていた
「フンッ! 温い剣筋じゃ! 日頃の訓練を怠っているからそうなるんじゃ!
あの世へ逝ってから深く反省せい! この馬鹿もんがっ!!」
だからといって祭とて武人である 手心を加え逃したりする筈もなく
蛮刀を振るい黄射の首を一瞬にて天高く跳ね飛ばしていた
首を失いし胴体から、噴水の如く吹き上がる血飛沫に
黄射を警護をしていた筈の敵兵達は恐れ戦(おのの)くばかりで、今や逃げ腰、及び腰である
「我が手柄とするのも呆れるくらい、実に不甲斐ない敵じゃったのう
次こそ、魂を焦がし熱く燃え滾るような戦をしたいもんじゃ」
さすがに祭の興が醒めたのであろう その他大勢を相手をするのを面倒に思ったのか
そう愚痴を溢すと、さっさと江陵城内の制圧へと向かう祭でありました
・
・
・
「おのれぇ〜〜〜蔡瑁!! 援軍をすぐにも寄越すと言っておったのにもかかわらず・・・
奴め! さては我ら親子を謀りおったか!!」
祭によって息子である黄射の首を刎ね落されたほぼ同時刻
黄祖は江夏城に篭城する部下、妻子を棄てて、独り襄陽への道を只管馬を必死に駆り逃亡を謀っていた
必死に逃亡すべく馬を駆る中、後方へ視線を向けると
江夏の街から昇る煙を、憎々しげに睨みつけながら、愚痴を溢していた
ここまで来ればもう安全だろう 詰めが甘い奴らよそんな思考をはしらせつつも
陥落しそうな江夏の街並みを見下ろすことも出来る小高い丘に流れる小川で
水をがぶ飲みし一息入れていたその矢先
「逃げぬのか? 貴様はどこまで昇進しようと、所詮蔡瑁の捨て駒にすぎまい?」
黄祖の背後から、ゾクリと背筋が凍るような声をかけてくる人物がいたのだ
周囲へ視線を忙しなく奔らせるものの・・・発した人物の姿を捉える事が出来ず
「誰だ! 偉そうな口を叩きおって! 姿をみせんか!」
未だに見つけられない焦りからか、語気を荒げそんな間抜けな言葉を発するしか出来ない黄祖であった
「ふんっ 声を聞いて分らん馬鹿に、姿を見せてろと言われてもな」
そう答えた声の主は、黄祖が睨む視線の端の木からすっと姿を現した
「・・・・・・ほう? 甘寧であったか 久しいの
そうじゃ! 襄陽へと退却する我を護衛せい! 好きな役職へと就けてやろう どうだ?」
先程までの焦りは何処へやら、下卑た気色の悪い笑いを浮かべつつ、そんな愚かな提案をしてのける黄祖に
「随分間があったが、姿を見てやっと思い出しただけマシといった所か
やれやれ・・・ ほんと変らぬ屑で安心したよ 黄祖
韓当殿との一騎討ちを邪魔し汚した罪 今こそ貴様のその命で贖(あがな)ってもらうぞ?」
鈴音を静かに鞘から抜き放つ思春の鋭き視線は、黄祖の行動を絡みつくように捉え逃がさない
「はぁ〜? そんな昔の話なんぞとうに忘れたわ!
この裏切り者風情が舐めた口を利きおって! 我に受けた恩を仇で返しおってからに!」
とことん空気の読めない男らしい方言に
「・・・とことん救えぬ屑っぷりだな 逝く前に言いたい事はそれだけか?」
思春の眼に侮蔑の色を滲ませ皿のように細められた瞬間
「はんっ! ぬかせ! 貴様な・・・ん・・・・・・ぞ・・・・ガハァーーーーーーーー」
思春は残像を残し、鈴音を素早く振りぬく
黄祖の言葉が最後まで紡がれることなく、ブシュッ、ザシュッという鈍い音と血飛沫が舞う中
黄祖の右腕はあらぬ方向へと天高く宙を飛んでいった
「一息には殺さん! 韓当殿へ働いた非礼を悔い、詫びながら逝くがいい」
右腕を思春に斬り落され、本来ならあまりの激痛に叫び声をあげた所なのであろうが
右腕を斬り落し、返す刀で喉元を斬り裂かれていたことから、叫ぶ事もままならなかったのだろう
キュィィーーーーと甲高い不気味な血飛沫音を立てながら、自身が作りだす血溜りの中へ倒れ沈み込んだ
血液が呼吸器官に入り、話すことも息する事も困難となっていた黄祖は
金魚が盛んに空気を求めるかのように、盛んに口を開けたり閉じたりしていた
自身が死にゆく様を、出血に伴う痛み、死神に取り付かれた恐怖を感じつつ
抵抗虚しく逝くことしか許されていないのだから・・・今の黄祖には、お誂え向きの死に様といえるのかもしれない
地面へ這い蹲り、顔を歪め何かに縋ろうと左手を伸ばす黄祖を、寡黙なまま憎々しげに見つめ続ける思春
思春の黄祖へ向けた当事の憎悪の程がとても理解できる無惨で残酷な有様であった
時間としては四半刻ほどであろうか
大量の血を吐きつつ、黄祖が無惨に死に逝く様を最後まで見届け終わった思春は
首だけを素早く斬り落とすと、黄祖の髪の毛を無惨に掴みあげ、江夏の街へと戻っていく
今の思春の胸中に、黄祖を見事討ち取ったという喜びが湧く筈もなく
「韓当殿は喜んでくれただろうか・・・」
虚空を見上げながら呟いた思春の言葉に答える者などいる筈もなく
その呟きは江夏の宙へと儚く溶けていった
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劉表の甥である劉磐、実はこの人物、以前は勇将として知られ、黄忠と共に長沙防衛に就いていたのである
だが、長沙防衛時に全く存在感を出せず、陥落時に武陵へと命からがら逃げ延びたという経緯の持ち主だったりする
「のこのこと今頃やってきおったか 随分遅い援軍だったな
で? 来て早々悪いが、こちらも暇ではないのでな? 覚悟は出来ておるのであろうな?」
腰に佩いた古錠刀をスラリと抜き放つや
せっかち星人?の緋蓮の凄まじいまでの鋭い視線を浴びせられ、劉磐は出会い頭で完全に飲まれてしまった
蛇に見込まれた蛙、又は蛇に睨まれた蛙、マングースに睨まれた蛇、貂蝉と卑弥呼に熱い視線を送られる男
といった様々な適切な表現方法があるだろう
ここまで幸運にも生き長らえてきた劉磐の命の灯火は、緋蓮に睨まれ飲まれた時点で潰えていた
「うわぁぁぁーーーーーーー!!」
ど素人のような喚き声を発しつつ、部下達を放置してもと来た道を必死で逃亡を図る劉磐に
勇将と謳われた面影は微塵もなかった
「大将が部下を放り出し、いの一番に逃げ出すとは何様だ! 無様にも程があろう!
あの世へ逝って兵達に詫びるがいい!」
迫り来る緋蓮に対し、劉磐が命乞いの言葉を紡ごうとするものの・・・
緋蓮の出鱈目な膂力による古錠刀が一閃し、次の瞬間には首と胴が綺麗に別れを告げていたのだった
「愚か者め・・・」
そう吐き棄てるや、緋蓮は劉磐の死体をそのまま討ち棄て、援軍に来た軍勢1500名を容赦なく根こそぎ薙ぎ払っていく
大将のいなくなった軍隊に、明るい未来など待っている筈もなく
四分五裂して八方に背を向けた死体が散乱する酷い有様であった
散々に追い散らし終えた緋蓮は、江陵を制圧している筈の祭達と合流すべく
粛々と早急に軍を纏め上げ、撤収作業へと入っていくのであった
ねねはカイエツたちの姦計に屈し、襄陽の地下牢へと幽閉されていた
本来なら見張りを立てる筈だが、そんな素振りは一切みえず
ねねも最初は拍子抜けして、いつか抜け出してやる、そんな気概をみせていたのだ
しかしそんな気概も徐々に失われていく、食事も風呂も投獄されてからというもの一切与えられなかったのだ
地下牢ゆえに太陽の陽を浴びることもなく、時間、日数の経過もすぐに判らなくなってしまった
自身から酸い臭いが漂い始めていることからも、かなりの日数を経たのかもしれないと感じていた
恋殿は皆はどうしているだろうか? 未だに救われぬという事は、ねねは恋殿に捨てられたのだろうか?
イジメられていた所を恋に助け出されて以降、つねにねねは恋に付き従い従軍してきた
恋の軍師となったのも、恋に恩を返したいが為、褒めてもらいたい一心であった
いや、そんな薄情な恋殿ではない、そんなジレンマに苛まれ続けたねねは、牢を忙しなくうろうろし歩き回る
ねねが投獄されてから、実は2週間ほどしか経っていないのだが
牢へと流れ込む汚い水を啜(すす)り、空腹を耐えこうして生き長らえているねねにとって
この幽閉されていた間は、気が触れそうになるほど、果てしなく長く感じられたのであった
最初は恋殿や皆が助け出してくれる、そんな楽観した見方もねねはもっていたが
そんな願望は、最初の数日が経てしまうと、儚くも霧散してしまっていた
牢へと訪れる者が一切ないまま・・・
ねねは少しでも体力を温存しようと身を横たえ、小さく丸まって時を過ごす事が多くなっていった
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闇が支配する空間で、ねねはただただじっと息をひそめ、ひたすら脱獄する機会を狙っていた
牢へと入ってきた途端に、”ちんきゅーきっく”か密かに編み出した”ちんきゅーとるねーど”を食らわしてやろう
追い詰められていたねねにとって、崩壊しようとする精神を止める唯一の方法だったのだ
そうした思いを秘め、体力温存に務めていたねねへ、声をかけてきた人物が現れたのである
「チビ 生きてるか?」
どこかで聞いた事があるような声であったが、ねねは声の主が浮かばず全く思い出せなかった
チビにチビなどと言われたくないです! 普段のねねならそう即座に脊髄反射し反論したことだろう
男じゃなく女の声だった事もあって、密かに練っていた”ちんきゅー攻撃ばりえーしょん”を封印せざるを得なかった
憔悴しきって気力だけでもっていた今のねねには、土台無理な攻撃方法であったのだが・・・
逆光でこの敵か味方か判別のつかない相手だが、捕まっているねねにとっては今後の分岐点といえた
ねねもそれを感じ取っていたのだろう 反論したい想いをグッと堪え言葉を紡ぎ出した
「呂布殿のもとへと連れて行って欲しいのです 報酬は・・・あまり出せないのです」
普段から苦しい台所事情だけに、正直に話すべきか誇張すべきかで一瞬迷ったのだ
だがねねは、敵か味方か判別のつかぬ相手に対し、正直さを優先したのだった
土壇場というのに、潔さを貫こうとする精神
幼さが勝って小ズルイ所はあるが、芯に一本筋が通る本来の力強さは、まだまだ健在のようであった
そんな殊勝な態度をとるねねに対して、正体不明の人物はこう言い放ったのである
「最初からこのような殊勝な態度をとれば良いものを・・・
お前、煙玉の件覚えているか? 私は虎牢関の脱出時に使えと説明した筈だぞ?
おかげで私は一刀しゃまに”お尻ぺんぺん”の刑に処せられるかと肝を冷やしたのだからな?
これは使用方法を誤ったおしおき、お前への罰だよ!」
牢の石床に寝転がるねねへと、容赦なく一発蹴りをお見舞いする瑠璃
瑠璃の蹴りに対して、ねねは受身を取ることも出来ず、牢の壁隅へと見事なまでに吹っ飛ばされることとなる
身体を小さく丸めたまま、ごほっごほっとむせ、涙を浮かべるねねを見下ろす瑠璃
極限まで追い込まれていたねねにとって、一見瑠璃は招かざる客と思える構図である
だがねねは次の瞬間、瑠璃の思いも寄らない行動へと移っていたのである
「どうか・・・どうか御願いするのです! どうせ死ぬのなら、恋殿と呂布殿と共に・・・逝きたいのです」
瑠璃に縋りつき、必死に願い請うねねの姿がそこにあったのである
瑠璃がこうして、投獄されているねねの前に現れたのは
何も虎牢関での仕返しの為でも、気が向いたからという気まぐれでもなかった
「何でこんな使えないヘボ人種を、一刀しゃまを始めとした月や詠が見捨てようとないのか 不思議でたまらない」
そう口では罵り愚痴った瑠璃であったものの・・・
先程今際の際に見せた、敬愛する主の下で共に死にたいという心意気に
自身と想いが重なる部分を見つけ、素直に感動もしていた瑠璃なのであった
そこへ瑠璃の部下がちょうど牢屋前まで帰ってきたのだろう
「凌統様、時間がありませぬ お早く!」
と警戒した声がかけられた
ねねは見張りがいないと思っていたのだが、実はちゃんといたのである
もし、ちんきゅー攻撃ばりえーしょんのどれかを見舞っていたなら、きっと再度捕まえられていたに違いない
「解っている いま少し持ちこたえてくれ
聞いただろう? 背へと乗れ 外へと運んでやる 生きていたらこの貸しを生涯をかけて返せよ?」
そんな心にもない事を偉そうに呟く瑠璃に対しても
すまぬ・・・恩にきると掠れた声で紡ぐのが、憔悴しきったねねにとって精一杯の感謝の印であった
憔悴し切った痛々しいねねの体を、瑠璃は楽々と抱えおんぶ態勢へと移行すると
音も立てず牢から滑り出し走り出す 襄陽の地下牢からの脱出を試みる2人でありました
・
・
・
「ここは?」
目を覚ましたねねは開口一番瑠璃にそう聞いていた
「一刀さまに報告してくる」
「瑠璃ちゃん いってらっしゃい ここは新野と襄陽の中間地点ぐらいだって
だから安心してねねちゃん もう大丈夫だからね お水だよ 口に含んでからゆっくり飲んでね」
瑠璃がねねの問いに答える間もなく、馬車から勢い良く飛び出して行ったこともあって
ねねの問いには、枕元で看護に当っていた月が答えてくれたのである
「瑠璃から目を覚ましたって聞いたけど・・・ ゆ〜え〜 おかゆ持ってきたけど、ねね食べれそう?」
そうすると馬車の入り口から静かに顔を覗かせ気配を探る詠
「詠ちゃんありがとう 今水飲んでる所だから、もう少し後がいいと思う」
「そう、でもまぁ・・・ 簡単に死ぬタマじゃないとは思ってたけどね」
どれほど詠のこんな強がりを何度となく聞いたことだろう
ねねはふとそんな事を思い出し、懐かしさの余り自然とこんな言葉が漏れ出していた
「月に詠・・・ ホントに生きてやがったのです」
ねねなりの強がる詠への挨拶であった
恋が大切にしていた董卓軍という名の家族
暫しの別れが永遠に絆を断つことなどある筈もなく、一度繋がる事があればこうして元通り
ねね自身もまた、大切な家族の一員であった事を
身をもって思い出させてくれた月と詠に頭が下がる想いのねねであった
「なんで泣いてるのよ こっちまで泣きそうになるじゃない!」
「ふふ 詠ちゃんね さっきまでアタフタしながら、馬車の周りをウロチョロ歩き回ってたんだから」
「月! ねねにいらないこと一々吹き込まなくてもいいから!」
馬車内に懐かしい雰囲気が醸し出されている中
「お取り込み中の所すまないが、話出来そうか?」
出口にいた詠の隣にひょこっと顔を覗かせる一刀
ねねと月が頷くのを見ると、一刀は話を切り出した
「君が投獄されてからの事情なのだが・・・
君を人質にした劉j軍に脅される形で、恋が北上してくる我が軍に対し、攻撃を開始する手筈を進めているようだ
恐らく明朝には開戦の運びとなるだろうとみており、今からどう動こうとも間に合わないだろうが
君を救い出した以上、両軍が戦う理由も必要もないからね
そういう事情もあって、これから急いで向かい両軍の停戦の為の仲介をしようと考えている
その際には、君にも助力を頼みたいと思っているのだが、協力してくれないか?」
「ううっ・・・やはり恋殿はねねを見捨てきれなかったのですね
此度の戦いは、全てねねの落ち度なのです 呉の皆さんにも本当に申し訳ないことを・・・」
「もう起こってしまった事だし、身体に差し障りがあっても困るので、あまり気落ちしないでくれ
それと衰えた身体には少々酷だと思うのだが、先を急ぐので馬車を奔らせることとなる、少しの間我慢してもらいたい
それと月、詠 あちらに着くまで世話よろしく頼むよ」
「わかりました」
「承知したわ」
ねねが頷き、月、詠の了承を得ると
「霞、瑠璃! 先行して母さんか紅さんに急ぎ停戦するよう伝えてくれ」
馬車の外で一刀が周りにいる者へと指示を出したようである
その中には、虎牢関で袂を別った懐かしい霞の名前も含まれていた
「任しとき!」
「わかった」
霞もいたんだ・・・ 董卓軍が瓦解して別れ別れとなってからというもの
恋もねねも家族の安らぎというものを忘れてしまっていたように思う
その時の絆は違う勢力に属する今となっても、しっかりと皆の中で息づいていた
「雪蓮、蓮華、ここからちょっと急ぐから、それぞれの馬に乗って着いてきて」
「ええ」
「はい 兄さま!」
「全員騎乗! 騎乗! これから急ぎ北上してくる母さん達の軍と合流する
遅れる者は何も焦って急ぐ事はないぞ? 後からゆっくり来るがよい」
一刀の号令に、皆の頷きを代弁したかのように、青が甲高い嘶き声を漆黒の闇へと響かせ応えると
皆が一斉に鐙で愛馬の腹を蹴り気合を乗せると、一路南下すべく勢い良く奔らせるのであった
「バカ者共めがっ! だからあれほど警戒を厳重にせいと命じておったというのに・・・」
警備をしていた者達は幸いにも死人がいなかったものの・・・
大事な人質である陳宮をまんまと逃がしてしまい
蔡瑁は血相を変えて、警備に当たっていた者達を怒鳴りつけている
その声は襄陽城の玉座の間一杯にまで響き渡る大きさであった
「まぁ〜まぁ〜蔡瑁殿、少し落ち着きなされい」
蔡瑁とは実に好対照、普段から表情を変える事が滅多にないカイエツは、最初から落ち着きを払ったままである
「じゃがカイエツよ これで北上する孫呉と呂布軍を相手にしなくてはならなくなったぞ?」
蔡瑁の怒りの矛先がカイエツへと向けられるものの、やはり能面のような表情は崩れず平然としたままであった
「だから落ち着きなされいと先程から再三再四忠告しておりますじゃろうに・・・」
能面のカイエツに何度も言われれば、怒っている自分が馬鹿に思えてきたのだろう
「カイエツよ、我に落ち着けとはどういう意味だ?」
蔡瑁はカイエツへ落ち着けという”真意”を問いただす
「今回人質を奪い去った者達は、十中八九孫呉の手の者でしょう」
蔡瑁が落ち着いた頃を見計らって、そうカイエツは”答え”を切り出したのである
「してその根拠は?」
「呂布軍には優秀な軍兵はいても、敗残兵ゆえに斥候が存在しない点
呂布軍に潜り込ませている我が軍の斥候から、明朝攻撃を行う旨の書簡が届いておった点において推測したまで」
「ふむ・・・指摘されればそうかもしれぬが、呂布からの頼みで孫呉の斥候が解放したのやもしれぬぞ?」
「そこまで呂布軍が孫呉と密ならば、おそらく手を貸す相手は我らではなく、孫呉だったのではありませんかな?」
「なるほどな さすがはカイエツである じゃが万一・・・」
「その時は”当初の計画通り”、両軍を共に血祭りにあげればよろしいでしょう?」
策に絶対はない、けれど対処はしてある
カイエツの見つめる先にいる蔡瑁の表情は、口の端を歪め不敵な笑みを浮かべていたのであった
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●『真・恋姫†無双 − 真月譚・魏志倭人伝 −』を執筆中
※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を
人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております
上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ
お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>
■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン)
春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し
『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた
優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた
容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である
祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか
○張紘 子綱 真名は紅(コウ)
呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程c(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる
張昭と共に『江東の二張』と称される賢人
※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。
呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です
容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである
髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが
その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである
服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている
○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)
普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う
発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する
このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される
※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです
容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている
背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている
○張昭 子布 真名は王林(オウリン)
呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる
張紘と共に『江東の二張』と称される賢人
妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか
容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである
眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から
姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている
○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)
緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名
祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする
部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている
真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・
容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている
均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである
○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ)
荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると
知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる
以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま
呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている
容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女
(背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます
○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族
槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす
容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ
胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている
○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)
弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが
一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し
後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる
容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである
二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える
○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)
朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される
その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される
天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為
未熟であった一刀の補佐にと転属させられる
初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に((蟠|わだかま))りも消え
一刀に絶大な信頼を寄せるようになる
後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している
容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである
服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・
と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)
○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)
能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者 桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し
騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)
本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という
両者の良い処をとった万能型である
武器:弓 不惜身命
特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く
隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった
容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子
眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める
一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる
真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである
一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為
仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである
○高順
「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年
以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた
高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた
○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)
緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし
緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある
この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・
正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして
気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが
この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・
○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)
一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』
”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた
また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある
緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ
”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる
○孫登 子高 真名を桜華(おうか)
一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり
早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる
そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる
一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り
後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる
●その他武将
蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将
歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将
○青(アオ)
白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前
白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない
他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない
食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き
雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様
○狼(ラン)
珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが
子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す
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【あとがき】
常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます
いつも大変お待たせし、お世話になっております
いや〜暑い、熱すぎやっちゅ〜ねん! 完全に殺しにきてるでしょ 何度気を失いかけたことか。。。
台風来る前の方が過ごし易かったというオチに、少々グロッキー気味の雪月であります
話は突然変りまして、この度の荊州編の中心は、あくまでも戦いが殆どを占めておりますけれど
その水面下ではいろいろな動きがあるという点も描いております
こっそり?とではありますが、いろいろな面々が揃い、次回更新はどうなりますことやら?
これからも、皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です
今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ
それでは完結の日を目指して、次回更新まで(´;ω;`)ノシ マタネ〜♪
説明 | ||
常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております 主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております ※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと 江夏・江陵の戦いが遂に始まりを告げた 過去に抱きし想いを胸に秘め、江夏、江陵それぞれの地での戦いに邁進する孫呉の面々 思春は古き因縁を断つべく戦いへと赴いていく 見事禍根を断つ事が出来るのか!? それでは心の赴くままに・・・ 作品を心行くまで、ごゆるりとご堪能くださいませ どうぞ! |
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コメント | ||
以後も皆様からの御感想、ご指摘など、コメントカキコお待ちしております またコレクション・御支援をしてくださる皆々様、本当にありがとうございます 引き続き御支援よろしく御願いいたします<(_ _)>(雪月) >下記続き 一騎討ちに関する是非を問うというより、上司が部下が立てようとした手柄を横から射殺してかっさらっちゃいかんでしょう!人として(外伝:砂上の楼閣参照) せめて思春が韓当さんに負けてからにせいと言いたい これはあくまでも個人的意見でございますが (雪月) >naku様 コメントカキコありがとうございます<(_ _)> 瑠璃の場合、ねねを罰するというより、気をつけろという腹いせが大部分の蹴りです それほど一刀さんによるお尻ぺんぺんの刑が怖いということなのですが(代表犠牲者として美羽さん) 黄祖に関しては孫呉と対をなす組織という事で、故意に下衆に狡賢く描いちゃってます(雪月) >観珪様 ぉぅ。。。 引き続き犠牲者の方ががが・・・ なんとも罪作りな漢女ですねぇ げっぷっ(雪月) >たっつー様 □ヾ(・ω・o)フキフキ ( ^-^)o旦~~ どぞ ♪ たしかに悪役2名がどういうリアクションと結果になるのかみてみたいような・・・気がおえっぷ 私の気のせいでした(ぇ(雪月) >たっつー様、観珪様 いつもコメントカキコ戴きまして、誠にありがとうございます<(_ _)>(雪月) たっつーさんと全く同じところで吹いたww アクエリアス返せww とりまねねちゃんが無事でなにより。 これから蔡なんちゃらとカイなんちゃらは俺の手によって血祭りにしてやる←(神余 雛) |
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