蒼い鬼は魔を清める |
二之巻「日常」
そうしてたちばなの面々と過ごすこと早五年、八歳になりました。ここでようやく鬼の修行に入る、と思いきや、吉備団子をお店にきたお客さんに配っている今や俺は店のマスコットになってしまった。
どうしてこうなった。
まぁ、鬼の修行はしているんだけども、みどり師匠と音撃棒やらなんやらをを作るのが楽しくて楽しくて。
え?なんで師匠って呼んでいるかって?そりゃあ、俺がみどり師匠の弟子にしてもらったからだよ。
え?鬼の師匠は?って?それは関東の十一鬼全員さ。
いやぁなかなかハードでっせ。
あぁ、猛士には入ってますぜ。
さてとお客さんに最高の笑顔で迎えましょうか。
「いらっしゃいませ!!お客様!」
そしてたちばな営業終了
「いやぁ、今日も疲れたよ」
「蒼太郎、よく頑張りましたね。偉いですよ」
「本当によく働くわねぇ、ありがとうね蒼太郎」
「今日は、みどりのところに行くんだったね?」
「あぁ、うん義父さん今日はみどり師匠と新型のディスクアニマルの開発にいくよ」
「まぁ、ほどほどにね、蒼太郎?毎日働いているんだから、休んだっていいのよ?」
「そうですよ?蒼太郎、そのうち倒れちゃいますよ?」
「うんわかってるよ、香須実姉ちゃん、日菜佳姉ちゃん。じゃあ行ってくるね。」
「あぁ、行ってらっしゃい」
そうして俺はみどり師匠の部屋に行くのであった
みどりの研究室
「あ、蒼太郎君きたね。今日は確か…、そうだ君専用のディスクアニマルの開発だったね。で、どんなのにするの?」
「実はもう考えてあるんですよ」
「そうなの?で、名前は?」
「それは…「葵シリーズ」です」
「葵シリーズ…ね、シリーズってことは何種類か作るつもりなの?」
「はい、そうですね。作るのは今のところ、葵鷹、葵鯨、葵鮫、葵狼の4種類ですね。」
「そっか?。じゃ、気合いれて作らないとね。」
「はい、じゃああれがそれで、ここがこうなって…」
「ほうほう、それで?」
「これこれがこうなって、あれこれ…」
こうして、みどりと、蒼太郎のディスクアニマル開発は進んで行くのだった。
そして一ヶ月後…
「出来た!出来ましたよ!みどり師匠!」
「そうね、やっと出来たわね!じゃあこれを吉野に送って後はできるのを待つばかりね。」
「そうですね。さてどんな風になるんだろう。楽しみだなぁ」
そしてさらに一ヶ月後…
「お?い、蒼太郎!吉野から荷物が届いているぞ?、何々新型のディスクアニマルだそうだ」
それを聞いた途端わくわくした、なのでまず、みどり師匠を呼んだ
「ついについにこの日がきましたね、みどり師匠!」
「えぇ、そうね!」
と、二人で興奮していると、そこに…
「お?みどりと蒼太郎!なにしてんだ?」
「あれ?蒼太郎、その箱は吉野から?」
「あ!響鬼さんと、威吹鬼さん!」
「ちょうど良かった!今から俺とみどり師匠とで作った俺専用のディスクアニマルが吉野から届いたんで早速開けてみようと思ってたところなんです!良かったら一緒にみますか?」
「お、蒼太郎の専用ディスクアニマルか、じゃあ見てみようかな」
「そうですね、僕も見ますよ」
「そうですか!じゃあ早速開けます!」
そうして届いた箱を開けると、その中には、銀色に輝くCDのディスクのようなものが4種類入っていた。
その瞬間俺は、一瞬気絶しそうになるくらい喜んだ。
自分が設計したディスクアニマルがここにあるのだ、喜ばないはずがない。
「すごい…これが俺のディスクアニマル…、ごくり、じゃ、じゃあ起動させますよ」
そう言っておれは左腰にある練習用音叉を取った。
そしておれは一気にディスクアニマルを音叉で叩いた。
すると4枚のディスクは青色に波紋状になって行きそしてひとりでにそれぞれの魂の姿になった。
それは、鷹、鯨、鮫、狼の形に似ており、それぞれ変形し、おれの前にその姿を現した。
「おお…これが俺のディスクアニマルなんですね」
「すごいわね」
「へ?、これが蒼太郎のディスクアニマルか、なかなかいいな!」
「そうですね、でもこの茜鷹に似たこのディスクアニマルは何ですか?」
「よくぞ聞いてくれました!!」
「え、蒼太郎?」
「これはですね、威吹鬼さん!茜鷹をベースに、水中用に改造した特別なものなんですよ。基本設計はそのままに、水中での行動も可能にした特別なディスクアニマルなんです、そしてこの瑠璃狼に似たこの葵狼はこれまた、水中用に改良した特別製で………」
「も、もういいよ、蒼太郎、十分だよ」
「え、まだ半分も終わっていませんよ?威吹鬼さん」
「もういいよ…蒼太郎わかったから…」
「そうですか…。まぁいいでしょう、それにしても、かっこいいなぁ」
「あ、ダメだこの状態になったら蒼太郎君は後1時間はこのままだよ。」
「そ、そうか、じゃあ威吹鬼、俺たちは店の手伝いでもするか!」
「そ、そうですね、響鬼さん」
「終わったら、上にきてね、蒼太郎君」
そう言って響鬼達は店の手伝いをするべく、上の会に上がって行った。
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