超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス
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今日のレイス・グレイブハードの気分はあまりいい物ではなかった。

期待していた物を待ちに待って夢膨らませていた物を実際に見て所、創造と全く異なっていて様にショックを隠せない様子だ。深い黒色のフードで顔は隠されているので、その表情を確認する事は出来ないが落胆のため息は隣で歩いていたリンダが何度もその溜息の理由を聞くが魂の抜けたような虚ろな声で返事をするレイスに諦め同じようにため息を吐く様になっていた。

 ゲイムキャラ粉砕という、世界の秩序を崩した行いをした懺悔と後悔とは別にレイスは言いようのない後悔が浮き出てくる。

 

 信じているつもりだった。

 あの可能性を輝かせる眼差しに賭けてみようと思った。

 女神達の|大雑把すぎる《・・・・・・》夢を手助けできる力、そして止める力を与え事が間違っていたのかまた深いため息を付きながら、プラネテューヌの人気の少ない路地裏を歩いていた。

 

「なぁ、兄貴。そんなに落ち込んでどうしちまったんだよ」

「んー……、はぁ……」

 

 変わらずの反応に頬を膨らます。仮にも二人っきりの空間で気になる相手が、そんな様子では不機嫌になるのは当たり前だと言えるだろう。視界を下げれば、一歩踏み出すことに上下に揺れる健康的な小麦色をした手が無防備にあった。

 思考に悪魔が降臨した。同時に現れるはずの天使は出現せず、暗いレイスの様子を伺う。

 自分ならば一撃で血肉へと変換されるだろうマジェコンヌ四天王の中で最も暴れん坊なジャッジ・ザ・ハードの発散相手を務めているその体、そして女神候補生対峙した時は使わなかったが巨大な大剣を二刀流で同格に戦う技術と力を持ちながら、その手の路地裏でしゃがみこむことしか出来なかった自分を心にしみる温かさと共に立ち上がらせた大好きなその手。

 至高の宝石に魅入られた様にその手に自らの手を伸ばそう「リーダーぁぁぁ!!!」として直ぐに引っ込めた。

 

「……まずは、落ち着け」

 

 血相を変えてこちらに走ってきたのはリンダと同じマジェコンヌメンバーの一人だった。

 着ていて服は鎌鼬でも襲われたように浅い傷跡が量産され、爆風にでも巻き込まれたように砂煙を全身に被っていた。あまりの無残な姿を前にレイスも正気に戻り、前に膝に手を付け荒々しく呼吸を繰り返す男の背中を優しく摩り落ち着かせた。

 暫くして、漸く息を落ち着かせた男性は恐ろしい者を見たように肩を震わせて顔色を青くしながら口を開く。

 

「バ、バケモノが、工場を襲ってきたんだ。みんな喰われて…!うえぇぇえ!!」

「うわぁ!こいつ吐きやがった」

「一般的な感性の持ち主でリアルの人間捕食シーンを見たら普通はこうなるだろ」

 

 吐瀉物が地面にぶちまけられる。

 その生々しい臭いに鼻を抑えてリンダは数歩下がった。瞳に大粒の涙を溜めながら壁に向かって青色に染まってガタガタを歯を鳴らす男性。レイスは異臭のする吐瀉物を前にしても動揺一つも見せず壁に手を置き苦しむ男性が落ち着くまで背中を摩り続けた。しばらくすると未だに顔色は悪くは合ったが先ほどと比べて顔色を良くした男性がレイスに頭を下げた。

 

「……すいません。リーダー」

「気にすんな。それよりも……お前は確かマジェコン開発工場の警備員だったろ?嫌な物を見たかもしれないが言ってくれ」

 

 路地裏とはいえ、町中で合った為三人はプラネテューヌの誰も近づかない悲壮感が溢れた廃棄された建物に隠れるように入った。どこに教会の耳があるのか故の対処であった。

 昼時とはいえ陽光の入らないスペース故の暗闇の中で、レイスは手を鳴らすと周囲に炎の球が出現したそれが躍るように周囲を回る。明るくなった中で何年も使われていない埃っぽい机に座った。レイスの指示で隣にはリンダが不機嫌に椅子に座っているが、この男性にはリンダを気にする精神的余裕はなくレイスと同じく椅子に腰を落とし、頭を抱えながら机に手を置く。その手は現実であり得ない物を見てしまった様に震えていた。

 

「お、俺も良く分からないです……外回りしていたらい、いきなり工場の中が騒がしくなって…!窓から中を除いたら……!!」

 

 化物が人間を喰っていたんだ。歯を鳴らす声音と共にこの世の者とは思えない邪悪な存在を見てしまった様に恐怖が刻まれている。

 誰かがモンスター召喚のディスクを誤作動してしまったんじゃねぇ?とリンダは下らないように頭を掻きながら呟く。恐怖に染まった表情で男性はリンダの問いに対してダンッと机を叩き、男性は飛び上がるように立ち上がった。

 

「俺も、最初はそう思ったんだ!だけど、あれはそんなレベルじゃない!」

「それじゃ、一体なんだって言うだ?薬で頭がイカレて幻覚でも見えたんじゃない?」

 

 三人しかいない空間に響く机の転がる音。

 下唇を噛み、黙る男性。

 モンスターでもなく、化物だと彼は言っている。

 その事にレイスはまずモンスター召喚のディスクが誤作動という事はないだろうと結論を出した。あれはそもそも召喚するだけでモンスターそのものを操作する機能はない。故に建物内では一定の場所に保管するように指示を出している。

 誰かが忘れた……なんて話は予想出来るが、男性が警備していたマジェコン開発工場は正直な所、重要度が低い。故に召喚できるモンスターも人を襲うことは出来ても喰らうような凶暴な者は召喚できないように制限を付けていた筈だ。更に言えば、街から離れていたとしても女神の加護の力はそれなりにあり、人間を喰らう様な凶悪なモンスターが警備員の目を盗んで器用に工場の人達だけを襲う点も不可解だ。

 

「それは一体だったか?」

「あ、ああ…!」

 

 非力な者でもメンバーは成人した男性が主だった。

 逃げ惑う事は想像しても、それならばレイスに緊急の連絡の一つや二つは入る筈だ。ならば、最初から呼ばせない事を前提に襲った。それほど知的なモンスターがあの工場の近くに居たのか、ギルドの依頼リストを思い出し知的な凶暴なモンスターを記憶の中で探すが、やはりそんなことが出来そうなモンスターは記憶にない。偶然が偶然を読んだ奇跡と言う可能性もあるが、それはあまりに空想染みていた。更に目の前の男性が正気であることすらも考え始める。

 

「兄貴。まずはその工場に行って方がいいじゃないのか?ほら、犯人は現場に戻るとかテレビで聞いたことはあるぜ」

「一応確認だ。こいつじゃないだろうな」

 

 リンダの提案を横に振るい、レイスは一枚の写真を取り出す。

 荒い画質だが、それでも黒いライダースーツに赤いマフラーを首に巻いている『正義のヒーロー』と名乗っている見た目少年、中身少女の姿に男性は首を何度も振るう。

 

「そいつは……」

「ま、一応敵かな?なかなか若々しくて元気な女の子だったぜ」

 

 マジェコンヌの活発場所に突如として現れる正義のヒーローに何人の同士が捕まった事か、人間としてはヒーローの名に恥じないほどには強く。楽しめたなと記憶を掘り越しながら懐に仕舞う。そのおもちゃを見つけた子供のように輝かせる瞳に『また女…』とレイスに聞こえない様に呟きリンダは目を逸らした。それに気づいたレイスは、どうしたと頭を傾げるが直ぐにリンダはなんでもないと答える。

 

「それじゃ、そろそろ話は終わりすまんな。嫌な事を聞いて」

「い、いえ……仲間は、どうなったんでしょうか?」

「そりゃ、ほ「リンダ」……ごめん」

 

 レイスが居たからこそマジェコンヌに入ったリンダからすれば、マジェコンヌのメンバー等どうでもいい。故の当たり前で残酷な他人の反応にレイスは怒りはしなかったが、冷たく口を閉じろとした威圧がリンダの頭を殴るように襲って片目を閉じながら謝罪を言葉を口しながら目を逸らした。

 

「本当に残念だ。ご冥福を祈るよ」

「………ありがとう、ございます」

 

 フードの奥から呟かれる悲しい声に底辺暮らしの俺達をこうも想ってくれているなんて部下思いだと男性は心の底から感謝した。

 机から降り、懐からメモ帳を取り出し頭の中で簡単に内容を固めて書き込み、今日はもう帰っていいぞと男性に言い残し、レイスとリンダは扉に向かって歩き出したのを見て、嫌な気分から解放され清々しい表情で男は二人の後を追いかけるように足を踏みだしたーーーその直後、

 

 

 白と黒の剣閃が男の頭から生えている様に伸びている『それ』を((左右|・・))から切り裂いた。

 

 

「−−−−」

 

 抜いた瞬間、動く動作の予兆すら男性の目には映らなかった。

 ただ漆黒の風が自分を通りすがっただけ、それだけしか感じられなかった男性は糸の切れた人形のように倒れた。遅れてリンダが反応して振り向くと倒れている男性の中心に糸のような物が散っているのは見えた。

 

「あ、兄貴…?」

「精神仮縫いーーーか。オマケに生命繊維を魔術兵装を組み込み周囲と色を同期化している。ま、俺はごまかせられなかったけどな」

 

 顕現した二つの双大剣を戻し、レイスが地面に落ちた血管のように赤い糸を指さすと空間を照らしていた一つの火弾が喰らうように倒れた男性の中心に散らばっている赤い糸を?み込んで焼いていく。更に男性の頭からミミズのように這い出ている赤い糸を強引に抜き取り、男性を担ぎ、未だに唖然としているリンダの肩を叩く。

 

「大丈夫か?」

「……なにがどうなってのか全く分からないけど、もしかしてそいつは操られていた…?」

「大正解。このまま基地に連れて行けばこっちの情報操っている本人に情報が筒抜けになっちまう、こんなところ人気のない場所で逆にあっちの情報を引き出してやろうと思ったけど、面倒になったから辞めた」

「何気に凄い事をしたのか分かったけれど、兄貴……、面倒はダメでしょ…」

「はははは、ダメだダメ。会話中に陽動尋問を考えていたけどいいの思いつかなかったし、こっちの情報もあっちの情報も何もなし、これぞWin−Winな関係」

「意味と使い所が全然違うけど兄貴」

 

 相変わらず飄々として掴み所のない人だと思いながら、敵に回したらこれ以上に恐ろしい相手はいないだと同時に感じつつ、徐に差し出された手に反射的に自らの手を重ねてしまい、基地に帰るまでリンゴの様に顔を真っ赤にしたリンダの姿が見れたとか。

 

説明
 再 熱 ! ! !

自分は曲を聞きながら書くことが多いだが、昨日偶然にこの小説のネプギアというか女神候補生にイメージが良く合う曲を見つけた!これからの展開も考えやすくなり、なによりこの曲をこの小説の第一期(大体リーンボックス編終了つまりゲイムキャラ収拾)を柱として想像して頑張ります!!
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超次元ゲイムネプテューヌmk2 完結目指して今一度頑張ります! 

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