真・恋姫†無双 AFTER STORY 聖なる魔人と過激なる外者 |
于吉に嵌められ、またもや搾り取られた一刀……………
明らかに戦闘よりも体力を削られてしまった一刀が二度目の起床をしたのは
お昼過ぎであった……………
三節 ?バックダンサー?
一刀「うぅぅぅ………酷い目にあった………」
一刀はヨレヨレしながら廊下を歩く
詠「ご、ごめんなさい…………」
隣で一刀の体の支えをする詠は謝る
一刀「いや、詠が満足してくれたのなら大丈夫だよ」
一刀はポンポンと詠の頭を手でたたく
詠「あう………本当にごめん……」
一刀「いいっていいって………
こっちこそゴメンね……今支えがないとちょっと歩くのも難しくてさ」
一刀は苦笑いをしながら鍛錬場へ急ぐ
満足した天和、地和、人和達に鍛錬場の『天木』に呼び出されていたのだ
詠「…………にしても自由過ぎるわ
一刀からあんだけ搾り取っておいて呼び出すなんて………いい度胸してるじゃない」
詠は眉間に皺を寄せて愚痴る
一刀「まぁまぁ………」
と、そこへ
左慈「おう北郷………お疲れさんだな」
左慈が含み笑いをしながら前から歩いてきた
一刀「左慈…………その顔は分かってたな………」
一刀はジト目で睨みつける
左慈「生憎だが俺は無関係だ
俺だって于吉からさっき聞いたばっかりだからな」
一刀「その于吉は?」
左慈「お前の行く先にいると思うぞ」
つまり鍛錬場にいるとの事だそうだ
一刀「了解、行こうか…………詠」
詠「えぇ、そうね」
詠は一刀の腕を支え直し、鍛錬場に向かって歩き出した
星「はっ!!」
フォン!!
ガキンッ!!
翠「くっ!!はぁっ!!」
フォン!!
星「っとっ!!」
祭「避けてばかりでは何も変わらぬぞ?星」
紫苑「避けるのも戦略の一つですわよ?」
桔梗「どちらも大事じゃて」
春蘭「えぇ?い!さっさと終わらせんか!!
後がつかえているのだ!!!」
愛紗「落ち着け、春蘭」
鍛錬場に着くと以上の者達が鍛錬及び観戦をしていた
詠「あんだけ搾り取っておいて元気ね……………」
一刀「はは……ははは…………」
一刀は思わず苦笑い
愛紗「……………………ん?
あっ!ご主人様っ!!」
春蘭「っ!!一刀!!」
一刀を見つけた星と翠以外の皆は一刀の元に走ってきた
一刀「お疲れ様、皆で鍛錬?」
愛紗「えぇ……………今は翠と星が、この後に私と春蘭がやります」
一刀「そっか…………天和達は何処にいるかな?」
一刀は詠に支えられながら周りを見渡す
だが、姿が見えない
春蘭「??あいつらなら此処には来ておらぬぞ?」
一刀「え?俺、此処に呼び出されたんだけど………」
詠「全く………呼び出しといて遅れるなんて、どういう神経してんだか…………」
詠は険しい目つきで愚痴る
一刀「まぁまぁまぁまぁ………落ち着いて………」
一刀は慌てて詠を落ち着けさせる
そこへ
星「主、それなら私と鍛錬をして頂けませんかな?」
翠との鍛錬を終えた星が一刀に迫ってきた
一刀「俺が?」
愛紗「星!ご主人様はお疲れなのだぞ!!」
愛紗は星に食って掛かるが詠はジト目で
詠「誰のせいだと思ってんのよ?」
全員「「「「うっ…………」」」」
その場にいた皆が呻き声をあげる
一刀「勿論、于吉だよ…………」
一刀はガックリ項垂れながら言った
一刀「まぁ、天和達待たなきゃならないからいいよ
さらに言えばお礼したいし」
詠「??お礼?」
詠は首を傾げる
一刀「そ
偶然かどうか分らないけど、此処にいる皆は詠を除いて鍛錬したもらったからね」
星「ふむ………言われてみればそうですな……」
一刀「だろ?
取り敢えず星と一回やるから、順番決めておいて」
一刀は木刀を担ぎ、星と鍛錬場の中心へ移動する
星「ふむ、では主…………参りますぞ」
一刀「何時でもこい…………分かってると思うが、『北郷流』を解禁するからそのつもりでな」
一刀は気を高めて体力を回復してから木刀を構える
すると、今までと目つきと雰囲気がガラリと変わった
星「っ!!(これは…………全力でいかねば…………勝てぬ!!)」
愛紗「凄い気迫だ…………此処にいるだけでも肌で感じられる」
春蘭「…………………」
春蘭は無言で頷くが、薄っすらと頬に冷や汗が流れ、やがて落ちる
一刀「来ないのか…………?星…………」
星「っ!!!」
一刀による冷たく、感情のない言葉
だが、晩禍のような威圧がある言葉
星は冷や汗でビッショリになった手で得物の模造刀を強く握る
星「(くっ!!鍛錬ではないであろう!!!この威圧は………………)」
一刀「来ないのなら…………こっちからっ!!!」
フォン!!
ガキンッ!!
星「っ!!!くっ!!!」
星は咄嗟に受け止めるが、一撃で体全てに電気が走るように痺れる
一刀「どうした『昇り龍』っ!!?その程度かっ!!?」
完全に戦闘のスイッチが入った一刀
喋り口調が少し荒っぽくなる
星「くっ!!参りますぞ、主っ!!!」
一刀「こいっ!!!」
星「はっ!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
星は連続的に斬撃をいれる
一刀「ふっ!!」
一刀は風に吹かれる柳のように鋭く速い斬撃を全て躱す
星「くっ!!せぃやっ!!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
星は今度、匠に攻撃方向を変え、あらゆる方向から斬撃を放つ
一刀「ほっ!!よっ!!っと!!」
一刀は手にした木刀を使わず、脚だけを使い斬撃方向を変える
その為、一刀には掠りもしない
星「くっ!!主!!真面目にやってくだされっ!!!」
一刀「大真面目さ、避けるのも戦法の一つだろ?」
一刀はしてやったりの表情をする
その表情を見て紫苑と桔梗は
桔梗「なぁ、紫苑よ…………
お館様は何時の日かの仕返しをしておるのではあるまいか?」
紫苑「私もそう思ったところですわ
ご主人様も意地が悪いですわね」
前に紫苑と桔梗、星は一刀と鍛錬をしたのだが、その日の夜は一刀が床で寝るほどしごかれてしまったのだ
恐らくその仕返しであろう
などと話していると
一刀「隙ありっ!!!」
フォン!!
ガキンッ!!
星「あっ!!?」
一刀は初めて木刀を扱い、星の模造刀を弾き飛ばし、首元に木刀を突きつける
星「……………参りました」
一刀「星……………動きが単調過ぎるぞ……………」
一刀はやれやれといった表情で言う
愛紗「星相手にこうも簡単に…………素晴らしいです、ご主人様………♪」
愛紗は完全に惚けていた
一刀「さて…………次は誰だい?」
一刀との特別鍛錬はあっという間に過ぎていった………………
結果、一刀の圧勝
誰一人として一刀の体に一撃も、掠りもしなく終わってしまった
しかも一刀以外が汗だく
春蘭「つ、強過ぎるぞ……一刀」
あの魏武の大剣とまで言われる春蘭でさえヘロヘロ
桔梗「『北郷流』………恐るべし」
一刀「まぁ…………何といえばいいのかな………」
一刀は頭を掻きながら困っていた
と、その時後ろから
天和「一刀?終わった???」
一刀「おっ?この声は天和……?」
一刀は振り返ると見覚えのある三姉妹が立っていた
地和「ちー達もいるからね!!」
人和「一刀さん」
三人は一斉に駆け寄るが、一刀の前に詠が立ち
詠「あんた達!人を呼び出しておいて何処ほっつき歩いていたのよっ!!?」
怒声を放ち人差し指を向ける
地和「こっちにはコッチの事情があるのよっ!!
しゃしゃり出てこないでくれる!!?」
詠「いきなり逆ギレとはいい度胸ね…………
覚悟は出来てるんでしょうね!!?」
詠と地和は睨み合う
一刀「はいはい、そこまで」
一刀はその二人の間に入り、喧嘩を治める
一刀「二人共、喧嘩は駄目だよ?」
一刀は優しく微笑みながら諭す
詠「………………まぁ、一刀がそう言うのなら……」
地和「…………分かったわよ」
渋々頷く詠と地和
一刀「で、呼び出しの本題は………6日後の?舞台の事かい?」
天和「流石一刀、分かってるね?♪」
人和「その打ち合わせに来たのよ
何でもつい最近、新たな戦いがあったからあんまり進んでいないと聞いたから」
一刀「うん…………まぁ、ちょっとね」
天和達には響窃や否定過激派の話は一切していない
彼女等の仕事に支障を出したくないからだ
地和「後ろに踊る『ばっくだんさぁ』?は決めたの?」
一刀「大方決まってるけど、本人にはまだ伝えてない」
人和「今日にでも伝えて練習しないと間に合わないわ」
一刀「了解
愛紗、春蘭…………非常に申し訳ないんだけど恋と音々と亜莎と桂花読んで来てもらえるかな?」
愛紗&春蘭「「御意っ!!」」
愛紗と春蘭はダッシュでこの場からいなくなった
数分後…………愛紗と春蘭が4人を引き連れて帰ってきた
一刀「ごめんね、突然呼び出しちゃって………」
恋「……………恋、大丈夫」
音々音「一体何の様なのですか?」
桂花「まだ政務が残ってるんだけど」
亜莎「あの……………一刀様?」
一刀は5人を見て
一刀「実は春蘭・桂花・亜莎・恋・音々に俺の後ろで踊って欲しくてさ
受けてくれるかな……………」
恋「………………!!」
亜莎「わ、私達がですか!!?」
音々音「ね、音々もですか!!?」
春蘭「わ、私もか!!?」
5人全員が驚きに包まれる
桂花「けど、何で私達なの?
他にも一杯いるじゃない…………」
桂花の言うことは最もである
一刀「選ばれた理由が気になる?やっぱり…………」
愛紗「そうですよ………何故なのか説明してください…………」
愛紗はヤキモチを抱き、一刀の手の甲を優しく抓る
一刀「実はさ、5人って芸のほうはあんまり好きじゃないっていうか………あんまり人の前に立ちたくない方でしょ?」
愛紗「それなら雛里や月なども引っ込み思案ですよ?」
一刀「単純な考えさ
残り6日で踊りを覚えるのは容易じゃない
桂花は多少なら運動も出来るし、音々も恋と共に行動してるからそれなりに体力はある
亜莎は元武官だから問題なし
春蘭は武芸の他に道化も気になってたんだろ?
恋は音々と一緒して音々の躍りの上達を速くさせられると思って」
一刀の一通りの考えに皆は
詠「確かに理にかなってるわね」
音々音「へっぽこ主の勧誘だから仕方ないのです
踊ってやるのですよ!!」
音々は一刀のお願いだからか、恋と一緒だからかかなり嬉しそうだ
恋「…………恋、ご主人様と踊る…………」
恋は頬を赤く染まらせる
春蘭「う、うむ!一刀の命なら仕方ないな!」
亜莎「一刀様………でも……時間が余り無いですよ……」
亜莎の焦り顔を見て、一刀は笑顔で
一刀「『次元の狭間』があるだろ?」
紫苑「考えてらっしゃいますね」
桔梗「見事なものだ」
一刀「早速練習しようと思うんだけど…………」
一刀の言葉に5人は
桂花「政務を終わらしてからね」
亜莎「す、直ぐに終わらせますので!!」
恋と春蘭以外の三人は全力疾走で部屋に戻って行った
天和「決まったね?、後は歌う歌の練習だね」
一刀「それに関しては頭に歌詞が入ってるから大丈夫
さて…………管理のだれかを呼ぶか」
と言ったところで
于吉「もう来てますよ?北郷さん」
後ろには今の疲労の元凶、于吉が微笑みながら立っていた
一刀「于吉〜〜〜〜〜〜〜ひでぇじゃねぇか〜〜〜」
一刀はジト目で于吉に恨めしそうに言う
于吉「申し訳ございません、ですが効力は抜群だったようですね」
一刀「抜群って…………はぁ」
一刀は思わず溜息をつく
于吉「まぁまぁ……それより私に何か用ですか?」
一刀「誰のせいだと思ってんだ………
舞台の練習をしたいから『次元の狭間』に案内してくれ」
于吉「なる程………了解です
後、この城全体に『助佑屋』を張り巡らませておいたので、遠慮なく気の鍛錬をして頂いても構わないですから」
今一度『助佑屋(じょゆうおく)』の説明をしておこう
城の重鎮達は今までの鍛錬にプラスアルファで気を扱ったの鍛錬もしなければならない
だが、気の鍛錬をすれば少なからず周りの物体を破壊してしまう
怪我も重症度が増す
それを真桜の園丁無双や、華佗などの医療班に頼んでも最後には城がなくなってしまう
かと言って一々管理者に頼んで『次元の狭間』で鍛錬するのもそれはそれで面倒
そこで活躍するのがこの『助佑屋』
『助佑屋』の管轄下で鍛錬すれば物体が壊れても、人が怪我をしても直ぐ様修復・回復することが出来るのだ
一度張れば長年保つうえ、解除も簡単
だから于吉に頼んで張ってもらったのた
更に于吉が張ったのでかなり長く保つ
一刀「仕事早いな…………ありがとう于吉」
于吉「いえいえ………では、入り口を開けておきますので………」
ズズズズズッ!!
于吉はそう言うと『闇行』を出現させた
一刀「(さて……………踊りもそうだが、歌もやらないとな)」
一刀は嬉しそうに心の中で微笑み、懐から『十の小休憩』とライターを取り出し、
咥えて火をつけたのだった
……終……
説明 | ||
于吉の裏切り(?)に合い、莨型の媚薬を渡され またもや搾り取られた一刀 結果、連続的に体力を削られた一刀だったが、 休む暇もなくイベントが発生していた |
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今の一刀なら武将全員相手でも圧倒しそうだなw(nao) | ||
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