東方小説
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一話「秋の訪れ」

 

「夢・・・かな・・・?」

気づくと空から雨と一緒に落ちていた

「そんなわけないか・・・」  ドシャ!!

自分でもここが何処だか分からない。なんで落ちてきたんだ・・・俺・・・

 

どんどん意識がなくなっていく。聞こえるのは雨の音と誰かの声だった・・・

気がつくとそこは誰かの家だった。

「・・・」

どうやら自分はあの後運ばれたらしい。

「ご丁寧に布団まで・・・」

とりあえず布団をたたみ、外へ出た。すると、

?「あっ!君大丈夫だった?昨日、雨が降ってる中に君が倒れてたから家まで運んだよ!」

茶色の帽子と服を着た少女が話しかけてきた。

「君が・・・ああ、ありがとう。君は命の恩人だ。え〜と・・・」

穣子「私は、秋穣子っていうの。作物を育てるのが好きなんだ♪君は?」

「え〜と・・・」

おかしい!!名前が・・・思いだせない!!

「・・・ごめん、思い出せない。どうやら昨日の衝撃で忘れたらしい」

穣子「ふ〜ん・・・それじゃあ名前が必要になるね!」

「え?」

穣子「だって名前が無きゃ、なんて呼べばいいかわからないじゃない」

「まあ、確かに」

穣子「名前・・・付けていい?」

「別にいいけど・・・変な名前にするなよ」

穣子「それじゃあ・・・」

そういうと急に穣子は周りを見渡した。

昨日は雨が降ったせいか、霧が出て太陽が出ている。霧・・・

穣子「それじゃあ、霧(ショウ)でいいかな?」

霧「いいよ。ありがとう、わざわざ名前まで付けてくれて」

穣子「そんな、お礼なんて言わないで。あっ!そうだ!早く畑に行ってやらないと!」

霧「そうだ!ねぇ、僕も手伝うよ」

穣子「え?いいの?しかも大丈夫?昨日あんなことがあったのに・・・」

穣子は心配そうに聞いてきた。

霧「大丈夫、大丈夫!怪我はしてないみたいだし、無くなったのは自分の記憶だけだし・・・」

穣子「そう・・・ならついて来て。畑はこっち」

霧は穣子の後について行った。その日は結構暑く、終わったのは日が沈みかけた頃だった。

霧「ふぅ・・・やっと終わったよ・・・」

穣子「ありがとう!今日はたくさんあったから遅くなりそうだったけど霧のおかげで助かったよ!」

霧「それじゃ、帰ろうか」

穣子「うん!」

暗くなった道を歩きながら穣子が聞いてきた。

穣子「ねぇ、あなたって人間界の人でしょ?」

霧「・・・分からない。気づいたら空から落ちていた」

穣子「もし、人間界の人で名前を思い出したら、帰りたいって思う?」

霧「いや、自分はここにいてもいい。名前を思い出したとしてもこの名前が気に入ってる」

穣子「・・・ありがとう」

霧「ああ・・・」

こうしている間にも家に着いた。

?「おかえりなさい〜」

霧「え?あれ?今の穣子?」

穣子「え?何が?」

霧「今、おかえりなさい〜って言ったの」

穣子「私じゃないよ?たぶん姉だな・・・」

霧「え?ってことは・・・君は妹?」

穣子「うん、そうだよ」

奥に入っていくと、黄色の髪をして赤色の紅葉を思わせるような服を着た少女がいた。

?「おかえりなさ・・・あら、やっと穣子にも好きな人ができたのね!」

穣子「ち、違うって、静葉姉ちゃん!この人は昨日倒れてたから助けてあげた人よ!」

穣子を見ると顔は真っ赤になり、恥ずかしそうに帽子を深く被っていた。

静葉「冗談よ、冗談!もう、真っ赤になっちゃって〜」

霧「・・・」

静葉「どうしたの?私、なんか変?」

霧「いや、すごくそっくりだなぁ〜って」

穣子「双子なの」

霧「へぇ〜。いやそれにしても、本当にそっくりだ。こんなにそっくりな人見たことない・・・」

すると急にお腹が減ってきた。

静葉「さて、お腹も空いてきたしご飯にしましょ」

穣子「わ〜い」

静葉「その前に・・・穣子ちょっとおいで」

穣子は静葉の所へ走っていき、静葉はなにかを喋っている。喋り終わったのかこっちにきた。

穣子「あのね、霧はここの事知らないでしょ?」

霧「うん。ここは人間界のどこかすら」

穣子「ここはね、人間界ではなく、幻想郷っていうんだ。人間、妖怪、神、妖精など人間にとっては理想郷ってところかな」

霧「幻・・・想・・・郷」

穣子「ここからなの、本題は。人を食べる妖怪や悪さをする妖怪たちに万が一、霧が襲われたらいけないから明日、静葉姉ちゃんが特訓してくれるって!」

霧「そうか、ありがとう。ところで君はなんだ?」

穣子「え?」

霧「僕は人間。ならきみは?」

穣子「私は、神様よ」

霧「やっぱりな・・・」

穣子「え?どうして?」

霧「だって、普通の人間はそんな格好はまずしないし、神様って感じがしたから・・・かな?」

穣子「へ〜勘か」

霧「そうそう、勘だ」

穣子「ふふ」

静葉「ほら〜!できたよ!早く食べよ!」

霧「行こうぜ」

穣子「うん!」

笑顔の穣子や静葉を見ると自分まで嬉しくなる。食事では、色々話しをした。

霧「うん、おいしかった!ありがとう、静葉」

静葉「ほんと!?ありがとう!!」

急に静葉が抱きついてきた。

霧「・・・え?あ、ああ」

穣子「・・・」

霧「・・・」

まずい、変な目で見られてる。なんか、まずいことでもしたかな・・・俺。

霧「・・・そろそろいい?」

静葉「あ、ごめん、つい・・・他の人に言われたのは初めてだから・・・」

霧「初めてなのか・・・」

静葉「うん。あ、もうこんな時間!洗い物して寝なきゃ!そうだ!穣子、霧の寝る部屋まで連れてって!」

穣子「・・・は〜い」

穣子はトテトテと小走りで部屋へ向かった。

霧「ちょっと、待って」

霧は小走りで部屋へ向かう穣子を追いかけた。

 

穣子「ここだよ」

霧「うん、ありがと穣子」

穣子「うん」

穣子は少し元気がなさそうだ。さては、さっきのか・・・仕方ない・・・

霧「・・・穣子、おいで」

穣子「え?」

言われるままに近づいてきた穣子を抱きしめた。

穣子「!!どうして?」

霧「元気がないし、姉だけずるいなって思ってそうだったから」

穣子「うん・・・」

霧「これで、元気は出た?」

穣子「うん!」

霧「良かった!やっぱり穣子は元気じゃないとだめだよ?」

穣子「うん!分かった!」

霧「それじゃあ、おやすみ・・・穣子」

穣子「おやすみ!」

霧は部屋の電気を消した。

霧「明日は、特訓か・・・」

霧は・・・眠りについた・・・。

 

 

 

一話終わり

説明
あくまでも二次創作です。
キャラの設定、性格が違う等のことがあっても二次創作としておいてください。
どんどん更新していくのでお願いします。

ここで主人公の紹介です。

名前 黒雨 霧(くらさめ しょう)

二つ名(あだな)「暗黒の霧」
        「幻の霧」

能力 霧と闇を操る程度の能力

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コメント
この先どのような展開になるか楽しみですね^^(ベリィ)
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