寂しがりやな覇王と御使いの兄14話 |
琢郡で劉備と別れ、旅を続ける一刀達は次の目的地である冀州常山郡へと向おうとしたのだが……いざ出発しようとした時になって旅資金が無い事に気がついた。
主に恋の暴食の代金で旅の資金が底を尽き掛けていたのだが、劉備が旅を続ける一刀達に餞別にとお金と食料の支援を行ってくれたのだ。
流石に仕官を断った身なのに、旅の資金援助は受け取れないと一度は断ったのだが、受け取ってくれないと
『呂珂さんに弄ばれた挙句、捨てられた』って噂を大陸に流しちゃいますよ♪と物凄い笑顔で言われれば受け取るしか選択肢は無い。
金をよこせ!と脅すなら全員理解出来るだろう。しかし、逆に金を受け取って下さいと脅しを受けた!なんて言ったところで『何言ってるんだこいつ?』と相手にされないのがオチだ……
彼女が持つ『強かさ』はこの外史でも健在なのかもしれない。
そんなこんなで旅資金を手に入れた一刀達は、無事に目的である常山郡へと到着した
愛紗「一刀様、常山でどなたにお会いになるんですか?」
一刀「趙雲子龍って人で槍の達人だよ。俺も実際は一言、二言ぐらいしか話した事が無いから、趙雲さんの人物像とかは知らないんだよね」
愛紗「一刀様も知らないお方ですか。劉備様のように優れたお方なら良いのですが」
一刀「決して悪い人では無いよ。むしろ正義感の方が強いぐらいかな?噂だと、賊に襲われてる人達を助けたりしてるみたいだからね」
一刀は前の外史で助けてもらった趙雲の姿を思い出していた。風や稟の話しでは、酒やメンマを好み他人を弄る事が大得意だったとか。気分屋な所や、自分の本心を他人に悟らせないようか、彼女本来の性格なのかはっきりとしないが、飄々とした人だと聞いてた。
そんな自由気ままに見える彼女だが、正義感は人一倍強く、努力家であり負けず嫌いな面も持つ。
敵にすれば厄介だが、味方ならば必ず自分の力になってくれると一刀は信じている
風「おやおや、愛紗さんは琢郡出てからは、随分お兄さんにべったりですね〜」
恋「愛紗...にぃには恋の....」
琢郡に着く前までは恥ずかしがって一刀と距離を取る事が多かった愛紗だが、劉備との会話で何か感じる事があったのか、今では隙あらば一刀の隣を狙っている。
しかも後の世で軍神と称される少女が狙っているのだ、もう片方には万夫不当、人中の呂布・鬼神など謳われる恋が常にもう片方に寄り添ってる為、風は必然的に愛紗か恋の隣を歩く事が多くなった。
独占欲が強い風はこの事態にヤキモチを焼いてるのだが、肝心の一刀がそれに気がついてくれるなら風は苦労してない。全く気がつく素振りがないため、イジル対象を愛紗に向けてストレスを発散しようとしていた
一刀「ほらほら風と恋は煽らないの。それで趙雲さんの事を改めて教えてくれる?」
風は誰のせいで煽ってるんだこの鈍感と毒つくが、今更言っても仕方ないので素直に趙雲の情報を語りだす
風「星ちゃんは普段は飄々としててよく人をからかったりしてますね〜お酒が好きで飲兵衛です」
やっぱり酒好きとからかう事は絶対に外せない事項らしい
風「前線で戦う武将は猪さんが多い一方で、星ちゃんは戦場を常に見渡せる冷静さ、軍を動かす統率力、個人の武はずば抜けていると思うのです。ちょっと自分の武に自信を持ちすぎて、猪がでるときもあるのがたまに傷ですが、驍将と呼ばれた霞ちゃんに劣らず得難き将だと風はおもっているのです〜」
一刀「つまり敵に回すのと面倒な智勇兼備の将ってことか〜風がそこまで評価するとなると・・・相当な人物だな」
愛紗「その驍将と呼ばれるお方はどなたかわかりませんが、驍将と称されるお方と同格と風はいっているのか」
風「そうですね〜それに個人的な意見を言えばですが・・・2度も親友と争いたくないのです〜」
風と一刀の会話に出る人物と、時折一刀と風出てくる哀愁感を愛紗は理解する事は出来ない。
自分での頭では考え付かないような体験を2人は経験してるのかもしれない。しかしそれを聞いたりするという考えは一切なかった。気軽に話して良い様な内容なら既に話してくれているはず、それを秘密にするのは他人には聞かせられないような内容、ならば自分が安易に踏み込んで良い筈がない。
ならば話してくれるその時まで自分は待つだけだと愛紗は決めていた
一刀「やっぱり会って仲間になってくれるように話すしかないか」
風「そうできればいいのです・・・星ちゃんは飄々としてますが、人の心に聡いですから気をつけてくださいね〜」
一刀「趙雲さんてそんな有能だったのね。不安になってきた」
風は趙雲と親友であり、一緒に旅をしていた為、趙雲の能力を稟と共に一番知る人物。蜀を築いた劉備の配下は猪突猛進の将が多い中で趙雲の能力はひときわ異彩を放っていた
恋「にぃに、あそこに仮面の人いる」
一刀「仮面なら俺もつけてるしさほど珍しくも・・・あったよ!?」
一刀達が見たのは蝶の仮面、現代で言うパピヨンマスクを被った武人、もとい変人だった。
一刀はなんでこの時代にバビヨンマスクがあるんだ!?と驚愕し、恋はダサいと一蹴し、愛紗はなんと言っていいかわからずにポカーンとしていた。
3人が唖然としている中、風だけは見覚えのあるシルエット、変な美学を持つ親友だと確信していた
風「あれは恐らく星ちゃんなのです」
風からあの仮面を被っているのは自分達が探していた趙雲その人だった。一刀は自分が考えていた人物像と大きく異なっていることに更に呆然としてしまっている。しかし、恋の一言ですぐに気を取り戻すことになる
恋「にぃに、あの人戦ってる」
愛紗「本当ですね、趙雲という人が3百ぐらいでしょうか?兵を率いて戦ってますね」
一刀「相手は誰だ?黒山賊の一部か?」
風「相手は解りませんが助太刀にいきましょう〜星ちゃん一人で突進して兵と距離がでてきてるのです」
一刀「おいおい、猪でてないか?たまにでる部分が今出てどうするのさ」
愛紗「嘆く前に助けに突っ込みましょう!」
愛紗は青龍偃月刀を構え、援護に突っ込もうと一刀に提案するが、肝心の一刀はあまり乗り気では無いようだった。精神力の強さと切り替えの速さに関しては自信があったのだが、バビヨンマスクに度肝を抜かれてまだ立ち直れていないのだ。
そこで一刀は奥の手を繰り出す
一刀「恋ちゃーん、あれ全部倒してきたら、俺の作ったご飯食べさせてあげるよ」
恋「行って来る!にぃに少し待ってて!にぃにのご飯の為ーーーーー!」
愛紗「・・・・一刀様・・・あれは誰ですか?」
風「風もビックリです。恋ちゃんってあんなに早く喋れるのですね」
一刀がご飯を作ってくれる、この一言で恋は放たれた矢の如く敵陣に突っ込む。
彼女の心を占めているのは・・・美味しいご飯を食べるために蟻共を踏み潰す事だった
一刀「恋と出会ってすぐの頃だったかな?1回だけ安く食材が手に入ったから、ご飯を作ってあげたんだよ。そうしたら今みたいに口調が変わってもっと食べさせて!とせがんできたんだよ。その時はもう食材が無いから、また今度作ってあげるって約束したらなんとか元に戻ったけどね」
愛紗「何を作ってあげたらああなるんですか!?見てください!話してる間に百人ぐらい一気に人が飛んでますよ!?」
一刀「ほんとだ。人って飛ぶんだなあ。あ、俺も春蘭に吹っ飛ばされ続けてきたから今更だったかな?」
風「ほらお兄さん、現実逃避してないで戻ってきてください〜この戦場をなんとか収めて欲しいのですよ」
一刀「とは言ってもね、趙雲さんも突然の乱入者にポカンとしてるし、賊も全滅しそうだからこのままでいいかなって」
愛紗「そういう問題でもないでしょう。恋の背後に何か見えてきましたよ。流石に賊が可哀想に見えてくるとは不思議ですね」
風「死刑を待つ罪人って感じですね〜あれほど凶悪な執行官もいないと思いますが」
愛紗と風の表現は決して誇張などでは無い。
それほど恋からは鬼気とした雰囲気を感じられる。その目的がご飯の為だなんて趙雲及び、攻撃対象の賊にも決して理解など出来ないだろう。
唯一静止を掛けられる一刀が沈黙を保っているため、愛紗と風は暴走が止まるまで見ているしかなかった
恋が戦場に飛び込み蹂躙を始めた同時期、趙雲は率いていた兵から離れ、1人で敵陣深くまで斬り込んでいた。趙雲という将は先ほどの風の評価通り得難い将の1人であり、蜀の五虎将の一角でもある。しかし、武に自信を持つあまり、先走ってしまう弱点を露見させていた。
その為趙雲は敵陣で孤立無援状態に陥り、窮地に立たされていた
趙雲「はいはいはーい!」
首領「怯むな!数は我等が圧倒的しているのだ!あの女さえ片付ければこっちのもんだ!全軍あの女に突っ込め!」
趙雲「ッチ、やはり数の暴力には勝てないか。戦線を維持しようと一人で突っ込みすぎたか・・・しかしこの趙子龍ただでは死なん!死にたいやつからかかってこい!」
首領「あの女と捕らえたやつはあの女を好きにしていい!だから殺すな」
自分達の邪魔をする一団で注意すべきは目の前の趙雲のみ。それを感じ取った首領は全軍に趙雲を捕らえろと命を下す。そして捕らえられれば好きにしていいとお墨付きを貰った賊兵は目の色を変えて趙雲に飛び掛る。
趙雲「ゲスが!私の体に触れられるとおもうな!」
趙雲は自分の体目当てに殺到する賊兵を手当たり次第に薙ぎ払う。
しかし、突っ走りすぎた為に体力が限界を迎えている。次第に賊兵を捌ききれなくなってきたその時……無数の賊兵を吹き飛ばしながら自分の下まで走ってくる少女と出会った
賊「ギャァァァァー」
賊「なんだこの化け物!」
賊「こっちにくるなー」
恋「お前達五月蝿い、にぃにのご飯のために・・・死ね」
目の前に立ち塞がる賊兵を手当たり次第吹き飛ばしながらも、手を止め様としない少女。
敵対した者をすべて無力化させる程の武を持つ少女は自分の傍を通過して更に前へと進んでいく
趙雲「彼女は・・・敵ではないようだ。誰か知らないが、態勢を整えるには絶好の好機。ここは素直に下がろう」
恋「にぃにのご飯のために」ズドオーン
恋「はやくお前達を」ドゴーン
恋「殺す!恋の本気みせてやる!にぃにのご飯ーーーーー」
恋が方天画戟振るうたびに賊は切り裂かれ、地面に叩きつければ大きなクレータが作り出され、多くの賊が吹き飛ばされ砕かれた地面の土、岩、石が突き刺さり次々と絶命していく、敵からすれば悪夢としか思えない光景に首領は震える事しか出来ずにいた
首領「なんだんだあいつは!もうすぐで冀州攻略の拠点を得られるところだったのに!」
恋「逃がさない。羽虫はここで死ね」
首領は目の前にいる悪魔に向けて言葉を放つが、そんな事を一切気に留めず、最後に残っていた首領を一刀両断に斬り捨てる。すべてを片付けた恋はこれでご飯を作ってもらえる、その事を考えてヨダレがポタポタと垂れ始めていた
恋「終った...にぃに、恋頑張ったハンバーグたくさん作ってー!」
暴れ終り、一刀の下に帰還した恋は一刀からご褒美として頭を撫でられいた。
その光景を愛紗と風は羨ましそうに眺めている所に、助けられた趙雲が生き残った兵士を連れて参上する
趙雲「貴公達の尽力のお陰で助かりましたぞ。私の名前は趙雲 字は子龍と申します。よろしければお名前を教えてくださらぬか?」
一刀「俺は呂珂 字は玲綺だ。よろしく頼む」
愛紗「わが名は関羽 字は雲長だ」
風「風は程cです〜よろしくです」
恋「恋は呂奉先....ご飯」ジュルリ
趙雲「なにやら目が血走ってますが・・・大丈夫ですか?」
一刀「あーご飯をちらつかせて戦わせただけだから気にしないで」
趙雲「ご飯のために鬼神の働きをしてみせたということですか!?」
ひと通り自己紹介を終えた面々だが、趙雲も先ほどの愛紗達同様に恋の様子が気がかりのようだった。
そしてその理由が正義感に燃えて!とかじゃなく、ご飯を食べたい為……その為に無双の武を振るった呂布という人物が全く理解出来ない趙雲だった
風「我々もあそこまでとは予想外ですがねぇ〜」
愛紗「趙雲殿が驚くのも無理はありません、私も恋の武とご飯への執着心は初めて見ましたから」
趙雲「あれは武の頂に立つ者が振るう武でしたな。呂珂殿達は武者修行の旅でここまで来られたのですかな?」
武の頂に立つ呂布、呂布には劣るが間違い無く自分と同格、もしくはそれ以上の武を感じる関羽と言う少女を従えている為、その武を更に磨くために旅をしているのかと予測したが、一刀の答えは全く違う内容だった
一刀「俺達は常山に居るとある人物を探しに琢郡から旅をしてきたんだ、その途中で趙雲さんが賊と交戦してる所を発見してね、苦戦してるみたいだったから恋を向かわせたんだ」
趙雲「そうでしたか・・・それは助かり申した。敵の数は2千、我々は3百しかいなく、私が一気に片をつけようと突撃したのですが……先ほどご覧の通り囲まれてしまいまして」
どうやら自分の失態を自覚し、その行いを恥じているようだった、その証拠に後半になるにつれてどんどん声が小さくなっていく。
一刀はそれを理解しつつも、あえて趙雲に対して苦言を呈する
一刀「そうだね、趙雲さんの行動は兵を率いる将としては失格だよ。君が一人で突っ込んでる間も兵達も同様に戦ってるんだ、あの兵士たちは趙雲さんに率いられて戦っているんだ。将である趙雲さんが軍から離れたら兵は動揺するし、不測の事態が起こればあっというまに瓦解する。そうなれば死なずに済んだ人も死んでいくことになるんだ。将はどんなときでも付いて来てくれる兵の命を最優先に考えないといけない、それを覚えておいてほしいんだ」
趙雲「・・・なにひとつ反論できませんな。呂珂殿の教えこの趙子龍生涯つきるまで必ず実行し兵たちを守っていくことを誓います」
一刀「俺も偉そうに言ってるが、洛陽で親衛隊を死なせてしまったからな……」
一刀は趙雲に苦言を呈しつつも、それは自分に向けても言っているようだった。
もっと上手く立ち回れば……親衛隊を死なせずに済んだかもしれないと、今の趙雲の戦いを見て思ってしまったのだ。
そんな心に思った事が小声でポロっと言葉に出てしまった。
そのポロっと出てしまった言葉を趙雲は聞き逃さなかった
趙雲「洛陽で死なせたと?しかも死なせたのは親衛隊……洛陽、親衛隊……まさか貴方様はそう」
一刀「そこまで!趙雲さんちょっと向こうで話そうか?みんなちょっと待っててね」
趙雲は洛陽・親衛隊の二言だけで、一刀の正体に感づいてしまった。
まだ愛紗・恋に説明してない為、趙雲を連れて3人から少し距離を取る
趙雲「周りには内密でしたか?」
一刀「程c(風)には元々ばれてるからいいんだが、呂布(恋)と関羽(愛紗)には喋ってないからできれば内密に」
関羽と呂布にも秘密にしていた事には驚いたが、秘密は少数で抱えていた方がバレ難い事を理解しているため、突っ込む事はなかった
趙雲「やはり貴方様は曹仁子孝様でよろしいのでしょうか?」
一刀「ポロっと出た呟きを聞き逃さず、洛陽と親衛隊だけで俺の正体を暴くとはね。俺が迂闊だったとは言え、その洞察力は見事だよ。君の事は智勇兼備の将と聞いていたが、正にその通りだ」
一刀は本当に驚きと同時に感心させられいた。
今はまだ猪の部分が残るが、場数を踏めば君は大陸有数の指揮官になれるだろうと予測していた
一刀「改めて名乗らせてもらうよ。俺の名は曹仁、字は子孝だ」
趙雲「それ程までに私を評価して頂けて光栄です。不躾な問いだと解っていますが、洛陽での出来事を教えていただけないでしょうか。私はなぜ曹仁様が洛陽を追われたのか……洛陽を支配する闇を知りたいのです」
趙雲になら喋っても大丈夫か。風の人物評価もあるし、こうしてて話してて彼女は信頼に値する人物だと解った。彼女なら事情を理解して、力を貸してくれるかもしれない
一刀「わかった、趙雲さんを信頼してすべてを話させてもらう。今から話す事が少しでも十常侍に伝われば粛清対象になるだろう。だからこの話は趙雲さんの胸だけに留めて欲しい」
趙雲「初対面の私をそこまで……わが真名にかけてわが胸に留めておくことを誓います。私の真名は星です、受け取りください」
一刀「ありがと、星。俺の真名は一刀だ、風・恋・愛紗以外の人が居る時は、真名では呼ばないでほしい。真名で俺の生存がばれる可能性もあるからな」
星「うっかり自分でもらしてしまう事もありますがな」
一刀「星の耳がよすぎるんだよ。それじゃあ話しをさせてもらうね」
十常侍が自分の保身、権力拡大の為に帝を抱きこみ、自分達に刃向かう者は汚名を被せて粛清したり、偽の勅命を用いて対象を滅ぼしたりと、正にやりたい放題の十常侍達の実態。
そんな十常侍にとって、武勇・智勇で名を轟かせる一刀は邪魔に存在でしかない。自分達に刃向かう力を蓄えさせる前に、自分達に災いする芽は事前に刈り取るべく、洛陽にあった屋敷を強襲してきた事、自分の身代わりとなって討ち死にしてしまった親衛隊の事をすべて話した
星「先ほど言っていた親衛隊を死なせてしまったと言うのは……」
一刀「あぁ、俺を逃がすために残ってくれた兵達だ。俺にはもったいない兵達だったよ。彼らが影武者を演じてくれたおかげで俺は死んだことになり、目障りだった俺がいなくなったから曹家は奴らの弾圧から逃げられた」
十常侍にとって、邪魔なのは一刀と母親である曹嵩のみ。
華琳も名声を挙げていたが、兄が居なければ何も出来ない小娘としか思って居なかったのが幸いして、その両名が居なくなった曹家など奴らは一切興味などなかった
星「なるほど。一刀様の生存が奴らにバレれば、十常侍にまた狙われるわけですか」
一刀「十常侍は帝を意のままに操れる。いま奴らと戦っても朝敵の汚名をきせられる、漢に忠誠を誓う諸侯に攻められるのは回避したい。それで俺に味方してくれる人を探しているんだ。そして常山に来た目的の人……それは君だよ、星」
星「わ、私に会いに来たのですか?」
一刀「あぁ、是非力を貸して欲しい」
一刀が探していた人物がまさか自分だとは思っておらず、なぜ自分が目に留まったのかビックリしていた。
それと同時に、その名を轟かせていた曹仁子孝から自分の力が欲しいと言われ、嬉しさでその身を震わせていた
星「断る理由がありません。これからは私の力をお使い下さい」
一刀「仕官して欲しいと言っておいてなんだけど、そんなあっさり決めていいのか?」
星「構いません。短い間ですが一刀様と言葉を交わし、一刀様と共に行きたいと思いました。なので私も貴方達の一員に加えさせてください」
星ほどの傑物ならば説得は難航するだろうと予測していた。しかし蓋を開ければあっさり仕官を承諾してくれた。これで華琳の護りを厚く算段がついたと、これは一刀にとって嬉しい誤算になった。
一刀「それなら星、君に頼みたいことがある。俺が戻る前の間華琳・・・曹操を助けてやってほしいんだ」
星「一刀様の妹君をですか?理由をお尋ねしてもよろしいでしょうか」
一刀「華琳の勢力はまだまだ小さい。これから時代は大きく変わっていくが、華琳を支える人材もこれといえるのは夏侯惇・夏侯淵の姉妹のみ。俺の親衛隊で牛金と満寵ってやつもいるが、将軍として前線で戦うよりも後方支援のほうが得意なやつらだからな。姉の夏侯惇は猪で妹の夏侯淵は姉より冷静ではあるが、まだ冷静さを欠く所があるから星に二人の足りないところを補ってほしいんだ。」
星「そこまで私を買っていただけるのは嬉しいのですが、私もまだまだ未熟。暴走しないとは限りませんよ?」
一刀「俺にさっき言った言葉・・・兵を守るは嘘だったのかい?」
星「そのようなことはありませぬが・・・」
一刀「星が言葉を忘れず勇往邁進していけば、きっと天下に名を轟かす豪傑になると信じてるよ」
星「私では力不足かもしれませんが、一刀様が帰還するまではわが槍・龍牙で曹操様を守り抜いてみせます」
一刀「くれぐれも俺の生存は内密に」
星「わかりました。一刀様が戻られる日をお待ちしています。一刀様またお会いしましょう」
星ならば自分が戻るまで華琳を必ず護ってくれるだろうと安心感が芽生える。
これで華琳の武は春蘭・秋蘭・星となった。後は華琳を支える智を探すだけだ
一刀「問題は智を誰にするか……か」
風「おに〜さん終りましたか〜?」
一刀「あぁ、すまない待たせた」
愛紗「構いませんが・・・恋がそろそろ暴れそうです」
思った以上に星と話しこんでしまったため、恋が空腹を我慢出来ず、今にも暴れそうな雰囲気を出していた
。速く作らないと本当に暴れかねないと、一刀は冷や汗を浮かべた
一刀「次の街に向かう前に常山で1泊していこう、その時に作ってあげるからね」
恋「....コク...わかった、待ってる」
風「恋ちゃんにはあまあまですねえ〜」
愛紗「まったくです!少しは私にかまってくれても・・・」
風達の非難の声を聞き流し、一刀は食材を求めて街に出向く。
買い物をしつつも、華琳を支える智ならあの少女しか居ないよなと自問自答する。
ならば次の目的地は決まった、目指すは冀州にある桂花の屋敷だ!
桂花「ふん、あの馬鹿がようやくここまで来るそうよ!まったく遅すぎなのよ!」
???「まったく素直ではありませんね。一刀殿に会えると聞いてから、普段やらない髪型の確認までしているではありませんか」
桂花「こここれは一刀のためなんかじゃないから!勘違いしないでもらえるかしら!」
???「桂花、呼び方が馬鹿から一刀に変わってますよ。動揺しすぎです」
桂花「そんなことないわよ!それより馬鹿達がきたら動けるように支度しておきなさいよね」
???「はいはい、わかっていますよ。それにしても風も人が悪い。冀州に入ってから連絡してくるなんて」
桂花(まったく???たらなにを馬鹿なこといってるのよ!私が一刀に会うためにお洒落なんてするわけないじゃないまったく。それにしても、稟の言う通りダラダラしすぎなのよ!早く会いに来なさいよ!来たら文句言いまくってやるんだから!)
星編でした
3姉妹の一角で星を期待して方はすみません。
最初から星はこの扱いでいこうと決めていましたで。桃香の人材はこれから少しずつ増えます
時間の単位は刻とかめんどくなったので何時間・何分でいきます。そっちのほうがわかりやすいし・・・
疑問があった一刀たちの年齢はいまこうなってますね
一刀・雪蓮・冥琳16 華琳・桃香15 夏侯姉妹・愛紗など登場人物は一括14で(愛紗たち考えてなかったらから即興ですみません。)
桔梗は・・・・聞かないでクダサイ
現在の各陣営
一刀陣営 愛紗・恋・星(一時華琳サイド) 軍師風
華琳陣営 夏侯姉妹 星
美羽陣営 軍師?七乃
雪蓮陣営 祭 蓮華 小蓮
麗羽陣営 いつも通り
ハム陣営 ・・・・・・
桃香陣営 鈴々
今のところこのような感じですねー
次はネコ耳軍師と???編です〜
ってことでまた次回お会いしましょうー
説明 | ||
星ちゃん編ですー いつも通り内容が不安です |
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GUNさん>張三姉妹はもう少し後ですねー2〜3年間大陸を旅⇒張三姉妹の流れにする予定です(おぜぜ) naoさん>三国志演義の性格をベースにしてみたのでこんな感じの星になりましたwやっぱりあっさりしすぎですかね(おぜぜ) ユウヤさん>一刀「貴様!謀ったな!くそおお〜〜〜こんなところで死んでたまるかあ〜〜〜〜〜」 ヒュン! グハ!・・・・(おぜぜ) 心は永遠の中学二年生さん>軍師でしたら特にパワーバランス崩す心配もなかったので!(まあ知識と経験の差でかいですが・・・)(おぜぜ) 回答ありがとうございます! そろそろ張三姉妹が動き出すころかな。(もう動いてる?)(GUN) 星は記憶ないなら旅を優先するかと思ったけどすんなりいったなwハム頑張れ!(nao) 星を召喚する方法ならあるぜ?めんまは!麻竹を!ただ腐らせたもの〜!!!!って一刀が言ってたよ?・・・ほら、遠くで地鳴りがしてる。ふふふ、もげればいいんだよ。(ユウヤ) 軍師’sは全員記憶持ち??(心は永遠の中学二年生) あかさん>はやいですね!ビックリですよw次回桂花と一緒に登場しまーすw(おぜぜ) 郭嘉、稟な気がする・・・・・ん?元魏の軍師全員記憶持ち!?(あか) |
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