外史に舞い降りるは紅き悪魔 2
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徴兵の次の日。

皇甫嵩直属の部下兼護衛としてダンテと流琉(正式紹介前に真名を交換した)が紹介された。

ダンテが部下を全く持たない表向きの理由として最適だったからだ

そして、二人の専らの仕事は皇甫嵩隊の練兵だった。

ダンテの強さは皇甫嵩お墨付きだったし、流琉にとっては自身の鍛錬も兼ねていた。

 

 

「流琉ちゃんは力はあるけど、体力が追いついてないわね。技量なんて、後から追いつくものだし、まずは体作りね」

 

という楼杏の言葉で、日々大量の組み手をこなしていった。

 

「おいおい、こんなんでへばってどうするんだ?実際の戦じゃもっと動かないとあっという間に死んじまうぜ?」

 

一方のダンテはというと。

当初の通り、特に何もする気はなかったのだが、ある日流琉の鍛錬の様子を見に練兵場へと足を運んだとき、隊の一人に手合わせを申し込まれたのだった。

特にやることもなかったダンテは快諾し、無論圧倒的な実力差でもって叩きのめしたものの。

それを見ていた他の者達からも申し込みが殺到。

その様子を見ていた流琉が、どうせならとダンテも隊の指導者として楼杏に推薦し、ダンテも暇つぶしとしてこれを受けたのである。

 

元の世界でもそうだったが、ダンテは請けた仕事はきちんとこなすタイプだ。

(そもそも受けることが非常に少なかったことが問題ではあるのだが)

そして、今回の仕事は「隊の皆を少しでも生きて帰ることが出来るようにしてくれ」というものだった。

とはいえ、どこまで鍛えればいいかなんて指標があるわけもない。

そこで楼杏曰く、

 

「流琉ちゃんと少なくとも3人でぶつかったら引き分けに持ち込めるくらいにはなって欲しいかな」

 

という注文がきた。

兵士達ももちろんだが、比較対象に挙げられた流琉の驚愕も半端ではなかった。

その表情でダンテはいまだに思い出し笑いをするくらいである。

 

冗談はさておき、具体的な目標も出来たので、ダンテも気合を入れて隊をしごき始めた。

その合間に流琉のことも無理をしない程度に鍛えていき、両方の自力の底上げを図っていった。

隊の兵士からすれば、目標との差が縮まるどころかますます開いてしまい、訓練の終わりが見えなくなるので手放しでは喜べない状況になっていたのだが・・・。

 

「よくやっていますね」

 

そんなある日のこと。

いつものごとく鍛錬を続けていた二人+大勢の隊員たちの下へ楼杏が訪れた。

 

「どうした?」

 

ちょうど流琉との鍛錬をしていたダンテだったが、手を止めて振り返った。

(ちなみに後ろで流琉が疲労により座り込んでしまい、隊員が水を汲んだりと大忙しだった)

 

「何進からいよいよ出発するとのお達しです。ですから、今日の鍛錬はそのくらいにして休息をとってもらおうと思いまして」

「へぇ、ようやくか。随分長かったようだが」

「本拠地というか、黄巾党の首謀者と思われる3人の所在地の絞込みに思いのほか時間が掛かったのです。どうやら冀州の山中に大群を率いて立てこもったようですね」

 

そこまで言うと楼杏は隊員に解散を告げた。

そして、

 

「お二人には少々耳に入れておきたいことがあるので部屋に来ていただきます・・・」

 

そういうと、楼杏も二人を連れて戻っていった。

 

 

「さて、まず二人に見てもらいたいものがあります」

 

そういって机に一枚の紙を置いた。

この時代、紙は貴重なものであるからそれが重要な何かであるということは二人もすぐに察した、が。

 

「なんだこりゃ?」

「こんな生き物がいるんですか?」

 

と、二人して素っ頓狂な声をあげた。

というのも、そこに書かれていたのは手足があわせて6本、全身毛むくじゃらでどう贔屓目に見ても人類とは思えない存在だったからだ。

 

「・・・これが、黄巾党の首謀者である張角の姿なんだそうです」

 

そして、続く楼杏の言葉を聞いて流琉は固まってしまい、

 

「こ、こんなのが・・・ハッハッハ!」

 

ダンテは大笑いした。

 

「ええ、しかし諸侯はこれしか手がかりがありませんので、おそらく彼らの正体など知らないでしょう、いえ。彼女らですか」

 

楼杏の言葉にダンテは、

 

「その言い方だと、楼杏はこいつらの正体に気づいてるってのか?」

 

と問うた。

 

「ええ、彼らがいかにしてあそこまで大所帯になり、そしてここまで至ったかと言うのも」

 

と楼杏は答えた。

 

「根拠は?」

「それは、じきじきに説明してもらうわ」

 

そういって楼杏が手を叩くと後ろのドアが開いて3人の女性が入ってきた。

 

「・・・まさか」

「おそらく想像通りだと思うわ。とりあえず自己紹介して頂戴」

 

ダンテが珍しく苦りきった表情で言葉を発した。

楼杏もそれを見て苦笑しつつ3人に声を掛けると、

 

「張三姉妹の長女、頂角です」

「次女の張宝よ」

「三女の張梁といいます」

 

とそれぞれ自己紹介した。

 

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「全く、今から考えてもむちゃくちゃだろうよ・・・」

「あ、あはは・・・。まあ、ダンテさんだって乗り気だったじゃないですか」

「そりゃそうなんだが・・・」

 

冀州へ向かう大軍の先頭で、馬に乗ってぼやいたダンテをその前に乗った流琉が見上げながら諌めた。

ちなみに、ダンテが乗っている馬は都で一番大きくて気性の荒い馬(元の持ち主曰く涼州産らしい)だったが、ダンテの威圧(威嚇ではない)により完全に屈服したため、初めての乗馬なのにすでに人馬一体といってもいいくらいの乗りこなしを見せている。

 

流琉は小柄で、中々見合う馬が見つからなかったために、ダンテの前に座ると言うことで解決した。

ちなみに、馬の名を漆黒の毛並みから黒王という。

黒王は流琉にも懐き、この二人のみの騎乗を認めている。

 

「私もいまさらながらそう思えてきましたよ」

「楼杏さん!?」

 

と、スススっと馬で寄ってきた楼杏がそんなことを言った為に流琉が悲鳴のような声をあげた。

 

「ったく、いくらなんでもなあ」

 

と、ダンテも頷いた。

 

「「諸侯を完全に騙すってのは、中々骨が折れるだろう(でしょう)よ」」

 

二人で完全に言葉が被るくらいには、無茶をしていると言う自覚があった。

 

「まあ、とりあえずは諸侯を一同に集めて作戦会議をするという何進に従いましょう。流琉ちゃんのお友達も居るかもしれないしね?」

「そうですね!」

 

流琉としてはそれが主な目的でもあるので、楽しみで仕方がなかった。

 

「ふぅ・・・、やらなければいけないことは山ほどありますけど。やはり可愛い子の笑顔は見てると癒されるわね」

「・・・そんなもんかね」

 

楼杏とダンテはそんなことを言いつつ一路冀州へと向かっていった。

 

 

道中特に何も起こらず冀州へと入った何進達禁軍は、当の何進の命令で即座に先に来ていた諸侯らを集めた。

一際目立つ天幕に、後の世を動かすに足る英傑が集まったのである。

もちろん楼杏も禁軍の将軍として参加せねばならなかったので、ダンテと流琉も護衛として後ろについていった。

 

「・・・始まる前に言っておきます」

 

天幕の前に着いた時、楼杏が言った。

 

「・・・まあ、ダンテさんは関係ないでしょうけど、ここから先は野心と策略がひしめく魔窟になります。特に二人は今回の面子には初お目見えになりますから、色々な目で見られることになるでしょう・・・」

 

そしていったん言葉を切ると、

 

「まあ、私も今でも慣れませんけど」

 

と苦笑した。

 

「そういうわけですので、流琉ちゃんは特に、今まで感じたことのない感覚になるでしょう。ダンテさん、いざと言うときにはお願いしますね?」

「・・・任された。とりあえず中に入ろうか」

 

言葉の途中から、服のすそを握られていたことには気づかない振りをしながらダンテが促した。

そして、三人は天幕へと足を踏み入れた。

 

「皇甫嵩、遅れましたがただいま到着しました」

「おお、軍の取りまとめご苦労であった。座るがよい」

 

中に入って楼杏が謝罪すると、何進は特に気にすることなく着座を促した。

楼杏が一礼して席に着くと同時、二人はすさまじいまでの視線を感じた。

流琉は必死に表情を変えまいとこらえていたが、やがてふっとその視線を感じなくなった。

やや不思議そうに、つたないながら他の表情を伺ってみるとどうやら自分の分までダンテに集中しているということが分かった。

 

(なるほどね、こりゃあ流琉は良くこらえたほうだ・・・)

 

ダンテは特に気にしていなかったが、確かに重いとは感じていた。

咄嗟に流琉に向けた視線をこちらに誘導させたが、その分ますます動きづらくなってしまった。

 

「・・・・・・・・・」

 

天幕内に嫌な沈黙が流れた。

 

「・・・ふむ、そろそろ始めようか」

 

何進も流石に空気を読んだか、声を発した。

 

「とりあえず自己紹介でもしよう。初の者も多いようだしな。わらわが此度の賊討伐の責任者、何進である」

 

ということで、一通りの自己紹介をしていった。

そして、黄巾党を一網打尽にするため山を取り囲み、火を放っていぶりだしを行うという作戦が実行されることになった。

 

 

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※ここより別視点が入ります

 

 

「・・・」

「姉者、さっきからどうしたのだ?」

 

私は自陣に帰ってきてからずっと黙ってしまっている姉を不思議に思っていた。

こういうのもあれだが姉者こと夏候惇といえば、単純だが他国にまで広がるほどの武を持ち、自らもそれを誇りにしている。

と同時に、我らが主たる華琳様を至上として仰ぐことが当たり前として行動しているのが普通で、あまりじっとしたり考え込んだりするのは苦手なのだ。

そしてさらに不思議なことが。

 

「・・・・・・・・・」

 

軍師として集まりに行っていた桂花までじっと考え込んでいたのだ。

ただ考えているだけならば別におかしいことではない。問題は、

 

「あの男・・・」

 

と男嫌いの桂花が言っていることである。

何があったかまでは知らないが、桂花はすさまじいまでに男を嫌っており、桂花ほどではないにしろ男をあまり好いておられない華琳様や、同じかそれ以上に男を嫌っている妹の曹洪様こと栄華様とは気があっている。

その桂花が男について考えるなど、かなりの大事である。

 

「・・・ということなのですが、軍議で何かあったのですか?」

 

私は疑問が抑えられず、華琳様へ聞きにいった。

 

「そう、あの桂花までそうなったのね・・・」

 

華琳様は意外そうに、でもどこか予想していたかのように仰った。

 

「実は、皇甫嵩が連れてきた男がいてね」

「はあ、護衛か何かでは?」

「ええ、皇甫嵩もそう言っていたわ。けど、それだけじゃないのよ」

 

といって、華琳様は笑うと

 

「その男、あの天幕の中で全く空気に飲まれてなかったのよ」

 

と仰った。

 

「・・・確かに、それはすごいことですが。それだけならあそこまで桂花や姉者が悩むようなことにはならないと思うのですが」

「そうね。でも、私も含めてあの江東の虎とまで言われる孫堅や西涼の雄たる馬騰の覇気、それに天水軍の呂布などの注目をまともに受けてなお、それだけの無反応を維持していたと言ったら?」

 

その言葉に私もその男の異常性が分かった。

華琳様の覇気をまともに受ければ、私はもちろん姉者ですら震えが止まらないだろう。

そして、名の挙がった二人についても同様。たとえ味方であってもあの二人の前にはまともに立ちたくはない。そのくらいの覇気を持っていると言える。

そして、呂布。彼女は見た目とは裏腹な武の持ち主であり、私や姉者がまとめてかかってもおそらく止めることはできないだろうと思う。

 

「・・・それは」

「ええ、隣に居た可愛い子ははっきりと怯えていたわ。それが普通でしょうね。後ろに控えていた春蘭達も直接向けられてないのに、空気で思わず身構えてたのに」

 

華琳様は実に楽しそうに笑っていた。

 

「その可愛い子はたぶん季衣の言っていた子でしょうね。あとでそれを口実に皇甫嵩の陣へ行くわ。せっかくだから秋蘭も来る?」

「・・・御意」

 

とりあえず、その男に会うのが楽しみであり、怖くなってきた。

 

 

 

「祭、あの男をどう思う?」

「はっきり言って底が見えませぬ。立ち振る舞いにも全く隙は無かった。おそらくあの場で弓を射ったとしても、こちらがやられていたでしょうな」

「・・・やはりか」

 

自陣に戻って祭に聞いたけれど、予想通りの回答だった。

 

「あれほどの人材が皇甫嵩に御せるとは思えないのだが」

「おそらく、御してはいないでしょう。あの雰囲気の中、普通に会話をしていたのがその証拠。どちらかと言うと上下よりも横の繋がりだと思われるが」

「なるほど、友ね・・・」

 

友としてなら、あれは最も気の置けない存在になるでしょうね。

 

「仮に敵になったとして。冥琳、貴女なら誰をぶつける?」

「・・・」

 

俺の質問に周喩こと冥琳は熟考し、

 

「恐れながら、炎蓮様以下全ての将をぶつけて、それでも勝つかどうか分かりません。逆に押し込まれる可能性があります」

 

と言葉少なに答えた。

 

「そんなに申し訳なさそうに言うな。俺の見立てでも同じくらいだ」

「・・・ありがとうございます」

 

冥琳を慰めつつ、俺も考えた。

 

「あの男、是非とも手に入れたいが」

「・・・本気ですか?」

「無論!あれほどの男が仲間になれば、地元を治めるのもはるかに楽になろう?」

「それはそうですがのう。孫家の血と同じか、それ以上に危険ですぞ?」

「はっはっは!それくらい飲み干すのが虎というもの!」

 

祭と冥琳には止められたが、俺は本気だった。

 

「あとで、俺が直接勧誘に行こうか。雪蓮と蓮華も連れて行こう」

「・・・はっ。二人に伝えておきます」

 

祭が立ち去った。

さて、二人が来ればあいつらも来るだろうし。

皆の反応が楽しみだな・・・。

 

 

「それホンマ?」

「・・・(コクッ)」

 

ウチは帰ってきてからの様子がおかしかった恋が、外でぼーっとしてたから聞いてみたんやけど。

 

「ウチ等はおろか、恋でも勝てるか分からない言うんか」

「・・・うん。強い。普段なら大体分かる。でも、アイツは読めなかった。だから、強い」

 

恋がたどたどしく、でも普段よりも口数を多くしてまでそう言うた。

皇甫嵩言うたら、詠曰く

 

「最近将軍になったらしいけど、あんまりぱっとしないのよね。無能ってわけでもないみたいだけど」

 

っていう評価しとったな。

なんでそんな奴の護衛がそんな凄まじいっちゅうねん。

 

「詠はなんて?」

「・・・敵にしたくないって。恋もそう思う」

 

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「やはり、注目されてましたね」

「・・・っち」

 

ダンテは自陣の天幕内で舌打ちした。

 

「流琉ちゃんもお疲れ様でした」

「・・・」

 

流琉は体が震えて何も答えられなかった。

ダンテが多少かばったものの、いくら自分に向けられていないと言えども常に視線にさらされ続ければ、恐怖に陥るのも当たり前である。

 

「とはいえ、流琉ちゃんの目的は果たせそうですよ。曹操が流琉ちゃんを見て少し頷いてましたから」

「・・・そうですか。それはよかったです」

 

ダンテが持ってきた水を飲んで少し落ち着いたのか、楼杏の言葉にわずかに反応を返した。

 

「ってことは、ここに来るかもしれねぇって事か」

「そうですね。ダンテさんのことも気になっているでしょうし、大勢で来るかもしれませんわ」

「・・・俺は客寄せじゃねえぞ」

「随分と豪勢なお客ばかり寄せるんですね」

 

ダンテのぼやきに楼杏はそう返した。

 

と、そこへ

 

「失礼します!皇甫嵩様への訪問客が多数来ておりますが!」

 

と言う声が聞こえた。

 

「はい、どなたですか?」

「曹操様です。どうやら部下の方も来ているようですが」

「・・・予想通りですね」

「・・・おいおい、マジか」

 

楼杏は微笑み、ダンテは天を仰いだ。

 

「とりあえず、お二人にもついてきていただきます。それでは参りますよ」

 

そういって楼杏は天幕を出て行った。

 

「やれやれ・・・。流琉、大丈夫か?」

「はい、もう平気です。ありがとうございます」

 

ダンテの差し出した手をつかんで流琉も立ち上がると、そのまま天幕を出た。

 

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「これはこれは。こんな禁軍の一将軍の陣へ大挙してくるなんて」

「そう卑下することも無いでしょう?周りを見れば分かるわ」

 

結局、軍に同行していた主な将全員で来てしまったわね。

ちょっと非常識ではあるけれど、まあいいでしょう。このくらいで目くじらを立てるような器の小さな者だったとは思えないし。

 

「おや、曹操殿の御眼鏡に適うほどのことでもありましたか?」

「ええ。陣内の兵士達の動きは素晴らしいものね。わが軍もこう在りたいものよ」

「後でそのように伝えましょう。曹操軍の鍛錬は厳しいと聞きますし、その本人が認めたとなれば彼等も自信を持つでしょう」

 

こういう問答一つ取っても、やはり彼女は侮れないわね。

惜しむらくは・・・、

 

「それだけあれば、禁軍内での格も上がるでしょうに」

「いえいえ、分不相応な身分は身を滅ぼします。手の届く範囲とは限度がありますから」

 

この野心と言うか、向上心の無さかしら。

まあ、こういう者ほどいざと言うときの行動には注意しなければならないけれど。

 

「ところで、後ろの将軍は先ほどから何かお探しですか?随分と視線がさまよっていますが」

「!!」

 

私も気づかなかったけれど、どうやら春蘭が視線を動かしていたらしい。

全く、あれほどじっとしていろと言ったのだけれど・・・。

 

「ごめんなさいね。彼女の部下の探し人らしき人を私が見たと言ったからかしら」

 

咄嗟にホントの事とはいえ誤魔化したけれど。

ちらりと後ろを見れば、秋蘭が春蘭を抑えてくれているみたい。

 

「そうですか。そういえば、あの子もそんなことを言っていた気がするわね」

 

どうやら乗ってくれたらしい。

 

「ああ、どうやら来たようですね」

 

と、皇甫嵩が振り向いてそういったので私も奥を見ると、皆も私の様子に気がついてその方を見た。

あの可愛らしい女の子の後ろにあの男も居た。

 

「遅かったですね」

「仕方ねぇだろ?あんたが先に行ったら、俺達はどうすりゃいいんだ」

「兵士さんたちに聞きながら来たので・・・」

 

皇甫嵩のわずかに漏れた不満を、男のほうは聞き流し女の子はぺこぺこと謝っていた。

 

「はぁ、全く・・・。とりあえず自己紹介してくださいな」

 

皇甫嵩は苦笑すると二人を促した。

私は正直驚いていた。

女の子のほうはともかく、男の態度ははっきり言って失礼以外の何物でもないのに、皇甫嵩はそれを苦笑するだけで流したからだ。

 

「そうですね。私は典韋と言います」

「・・・ダンテだ。呼びたきゃそう呼んでくれ」

 

女の子は一礼して、男はこちらをちらりと見てから目を合わせることなくそういった。

 

「ちょっと!華琳様の前でその態度は何よ!これだから男って・・・!」

「そうよ!お姉さまと話せるってだけでも光栄なのに!」

 

やっぱりと言うか、桂花と栄華が噛み付いたわね。

 

「・・・」

 

しかし、男は二人の声にまるで無反応だった。

というか、眼中にも無い様子だった。

ところが、その二人の前に居た春蘭と秋蘭はわずかに身じろぎをしたのが私には少々驚いた。

 

「ふん!自分のおろかさに気づいて何も言えないのかしら?」

「まあ、所詮男なんてそんなものでしょ!」

 

二人は男が何も言わないのを良い事にますます言葉をきつくしている。これ以上は私にとってもまずいわね・・・。

 

「二人とも、ここが何処だか分かって口にしているのかしら?」

 

わずかに覇気を出して二人を威圧すると、二人は一瞬で黙った。

 

「・・・申し訳ないことをしたわ。私は曹孟徳という」

「いえ、相変わらずのようですね」

 

ほんと、ここが皇甫嵩の陣地で良かったわ。これが孫堅のところだったら迷わず斬られてたわね・・・。

 

「とりあえず、典韋だったかしら。うちの子に貴女らしき人を探している子が居るのだけれど、来てくれるかしら?」

「は、はい!」

「一応、うちの兵士を二人つけても?」

「もちろん構わないわ」

 

ということで、三羽鳥に案内を任せて典韋をこちらへと連れて行ってもらった。

残りの子達はダンテを見てはそわそわとしている。

 

「・・・?どうかなさいました?」

 

流石に皇甫嵩も気づいたようで、ダンテとこちらを見比べて聞いてきた。

 

「知らねえよ。俺もう帰ってもいいか?」

「駄目に決まってます」

 

ダンテの答えにあっさりと返答する皇甫嵩。

 

「さっきも言っただろう。俺は客寄せじゃねえって。しかも自己紹介もまともにしねぇでいきなり人を罵倒するような子供の相手、こっちから願い下げだぞ」

 

と、ダンテがさっきのことを皮肉るように言ってきた。

 

「「!!」」

 

二人はその予想外な反撃に面食らったような顔をしているわ。

 

「おいおい、そっちから喧嘩売ったんだからちゃんと構えておけよな。それともあれか?実は攻められるのは弱いとか言うつもりか?」

 

なおも煽るような事をいうダンテ。

皇甫嵩の様子を見るに、どうやら止める気はないようだ。

私も、二人には良い薬になるでしょうしあえて止めようとはしなかったけれど。

 

「この・・・!」

「ダンテ殿といったか。二人に代わって謝罪する。故にこれ以上は勘弁してもらえないだろうか」

 

と、秋蘭がいきなり止めに入った。

 

「ちょっと!何で止めるのよ!」

「栄華様、落ち着いてください。桂花もだ。先ほども華琳様に言われたのを忘れたか」

「「ぐっ・・・」」

 

どこかあせったような口調で諌める秋蘭。そしていつの間にか私のそばまで寄ってきていた春欄と最近配下に加わった徐晃こと香風。

 

「どうかしたのかしら?」

 

そばに居た二人にそっと尋ねた。

 

「先ほどから周囲の兵士達の敵意が尋常ではありません。どうやら、あの男が二人に貶されたのが不味かったようだと秋蘭が言ってました」

「ここ・・・、危ない・・・」

 

春蘭にしてはやけに饒舌に、そして香風はいつものごとくゆっくりした口調ながら真剣な様子でこちらに伝えてきた。

言われるまで気づいてなかったが、そっと周りを見渡せばあちこちから殺気のようなものを感じた。

 

「これは・・・」

「どうやら、二人にのみ集中しているようなのです。私も秋蘭に言われるまで気づきませんでした」

 

たかが(といっては失礼だろうが)一兵士でも、ここまでの殺気を放てるという事実に私は驚いた。

見れば、二人も秋蘭に聞いたようでかなり怯えた様子になっている。

 

「・・・ほんと、貴女なら禁軍の掌握なんて簡単でしょうね」

「・・・さっきも言いましたが、たとえそうだったとしても私には過ぎた大役ですよ」

 

私が先ほどよりも敬意をこめてそういうと、皇甫嵩はわずかに笑ってそう答えた。

 

 

 

「曹操にあれだけ言わせるなんて、どんな訓練をしたんですか?」

「そりゃ、秘密って奴だ。それに、あれでもまだあんたの要求を満たしちゃいねえんだから、まだまだだぜ」

 

曹操らが帰り、流琉が戻ってきてから楼杏があきれたようにダンテに聞いたが、ダンテは不敵に笑うだけだった。

 

「あ、あはは・・・」

 

流琉は何かを思い出したのか、乾いた笑い声を上げるだけだった。

 

「さて、まだ時間はありますけどやることは終わったんですよね・・・」

 

と、楼杏が呟いた時だった。

 

「し、失礼します!そ、孫堅様達がこちらに来て、ダンテ様を出せと仰っております!」

 

と慌てた様子の声が聞こえた。

 

「・・・ご指名ですよ?」

「おいおい・・・」

 

楼杏が横目でダンテを見、ダンテは何度目かの天を仰いだ。

 

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「ちょっと、落ち着いてよ母さん!いくらなんでも横暴すぎよ!」

「そうですよ母様!自陣じゃないんですから!」

「関係ないだろ」

「「大有りよ!(です!)」」

 

孫堅のあまりの横暴っぷりに次女の孫権はともかく、長女の孫策までが止めに入っていた。

 

「め、冥琳様?炎蓮様がここまで御執心なされるなんて、その『だんて』という方はそれほど凄いのですか?」

 

あまりの孫堅の気迫に気圧されつつ、護衛としてついて来ていた周泰が周瑜に尋ねた。

 

「ええ、炎蓮様でも一騎打ちで勝てるか分からない。私なら全軍を向けることを躊躇わん」

「そ、それほどですか!?」

 

周泰も、そばに居て孫権の護衛をしている甘寧も驚いた。

 

「あの呂布とも張り合う炎蓮様でもですか・・・」

「ええ、正直全く底が見えない。高い山と言うよりも底の見えない井戸といったほうが良い位ね」

 

周瑜は心底恐ろしそうに言った。

 

「これはこれは・・・。また随分と大所帯でいらっしゃいましたねえ」

 

そこへ、楼杏が現れた。

 

「相変わらずの様子だな」

「そうですか?これでも多少は緊張しているのですが」

「はっはっは!思っても無いくせにそんなこと言うなよ」

 

孫堅は豪快に笑って楼杏の肩を叩いた。

 

「それで?今日はどんな御用時で?ウチの者が慌てた様子で呼びに来たので何事かと思いましたが」

「あんたじゃねえんだ。あんたの後ろに居た男に用があってな。あいつは?」

 

用件を尋ねたものの、ダンテに答えるとの一点張りだった。

 

「ハァ・・・。だそうですよ?ダンテさん」

「ホント、人気者はつらいぜ」

 

しかし、楼杏に対する返答は集団の背後から返ってきた。

慌てて皆で振り返ると、そこにこちらを不機嫌そうに見るダンテの姿があった。

 

「俺に用があるとか?一体なんだ?」

 

ダンテの質問に対して、孫堅は目の前に立ってじっと見つめたきりで答えようとはしなかった。

 

「・・・俺は見世物じゃないんだが?何も無いなら帰るぞ?一応これでもやることはあるんでね」

「・・・やっぱり、あんたが欲しい」

「・・・は?」

 

孫堅がポツリと呟いた言葉にダンテが怪訝な顔をした。

 

「あんた、うちの家族にならねえか?」

「・・・おい、頭大丈夫か?」

 

思わずダンテがそういってしまうほど孫堅の言葉は意外だった。

 

「俺の覇気をものともしないその胆力、それはあんたの実力と場数に裏打ちされてるようだ」

「・・・」

 

今度はダンテが沈黙してしまった。

自分の力量をここまで見切ってきたものなど、自分の兄以外にはほとんど居なかったからだ。

 

「皇甫嵩。あんたにゃ悪いがこいつは御せねえよ。絶対に持て余す」

「・・・あんたなら、俺を使いこなせると?」

「いや、俺でも使いこなせるとは思わねえ。だが、対等な友になれる」

 

孫堅の表情は本気だった。

楼杏は表情を崩しては居なかったが、それでも額に汗を浮かべていた。

何より、彼女から溢れ出る覇気が周りの一切の干渉を受け付けなかった。

 

「・・・言いたい事は分かった。だが、それは無理だ」

「・・・理由を聞いても?」

「俺は皇甫嵩の部下じゃねえ。それに、面倒見なきゃならねえ奴も居る。最後に・・・」

 

そこでダンテは言葉を切った。

 

「友人を侮辱するような奴が、俺と対等な友人には絶対なれねえよ」

 

ダンテから冷やりとした空気が流れ出た。

それは、おおよそ人が感じるようなものでも、まして人が出せるような類の気配ではなかった。

楼杏も孫策達も、もはや身動きすらまともに取れないほどの濃密な気配が漂っていた。

 

「ふっ・・・」

 

そんな中、孫堅はふっと笑うと力を抜いた。

 

「ま、御せねえのはホントだろう。友人だって予想もしてたしな。断られるのも予想の内だ」

「・・・食えねえ奴だな」

「それはうちの軍師に言ってやってくれ」

 

そういうと、孫堅は背を向けた。

 

「だが、あんたを欲しいと思ったのも本気だ。いずれ必ずお前を手に入れて見せる」

「・・・そうかい。精々頑張ってくれ」

「ああ、そうさせてもらうさ。それと、次からは炎蓮と呼びな」

「「母さん(様)!?」」

 

いきなり真名を預けたことに将軍達も驚いたようだ。

 

「・・・俺は真名なんて持ってねえぞ?」

「構わん。あんたの事を気に入ったから預けただけだ」

「そうかい。なら、あんたも俺のことを呼び捨てで呼んでくれて構わねえよ」

「ならダンテ。いずれまた会おう」

 

そういうと、孫堅は去っていった。

 

「・・・全く!母がご迷惑をお掛けしました」

「気にしてませんよ。お変わりないようで安心しました」

「ホントよ・・・。とりあえず、これで失礼させてもらいますね」

 

そういうと、孫策以下は一礼して去っていった。

 

 

「虎の覇気は恐ろしいですね・・・」

「いや、あいつは本気じゃなかった。ここで本気なんざ出したら、さすがに他のやつらが黙ってないって気づいたんだろ」

「・・・あれで本気でないと。しかもちゃっかりそれに気づくとか。一体どんな修行をすればそんなことが分かるんですか?」

 

三度、自陣の天幕に戻った楼杏はため息をつきながら言った。

ちなみに流琉はずっと涙目である。よほど、炎蓮の覇気が怖かったらしい。

 

「それにしても、こうも注目を浴びるとなるとますます作戦が無茶に思えてきますね」

「無理を通して道理を引っ込ませるってのは元から難しいもんだろ。それに、三人の話じゃあいつらの名を騙ってるやつらはそれなりに頭がいいらしいとか。それなら予定通りにやればいいのさ」

 

ダンテは楼杏の心配にも不敵に笑って言った。

 

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出発前のことに戻る。

 

「助けてほしい?」

「はい」

 

話を聞いたダンテは顔をしかめた。

張梁は無表情を崩していない。

 

部屋に入ってきた三人の自己紹介を聞いたダンテと流琉は固まった。

気を取り直したところに、三人(主に張梁)による今回の件の説明を聞かされ、そして最後の願望を聞いた反応である。

 

「・・・一応証拠として、太平要術の書もこちらで預からせてもらってます」

 

楼杏が懐から取り出した古い書物をダンテは嫌そうに見た。

 

「どうかしましたか?」

「こいつぁ魔具か」

「マグ?」

 

聞きなれない言葉に楼杏達は首を傾げた。

 

「・・・俺の居たところには、ある力を持った道具、武器なんかをまとめて魔の宿る道具、略して魔具って言ってな。素質や力あるもの以外が使うと身を滅ぼすって言われてる」

 

ダンテは背中のリベリオンを指差しながら言った。

 

「あなたの剣もそうなのですか?」

「ああ。親父の形見だ。詳しいことは今度話すが、とりあえず今はその本だ」

 

そういうとダンテは太平要術の本を取り上げた。

 

「そこの・・・青い髪の女がおそらくこれの所持者だろう?」

「な!?なんで分かったの?」

 

張宝は的確に当てられたことに驚いて聞いた。

 

「力を持つものは、魔具の在り処や所持者が分かる・・・。ま、自分の力量以上のものは分からんがな」

 

ダンテはそれだけ答えると、楼杏に向き直った。

 

「さっきの話だと、これを使い始めてからこの三人の人気が鰻上りになったんだな?」

「ええ。取り巻きが増え始めたのもその頃らしいです」

「これに書かれてる術を使って声を遠くまで飛ばしたり、明かりをつけたり・・・」

 

張宝が補うように言った。

 

「なるほどな。直接人に危害を加えるわけではないが、人心掌握の能力に長けるってことか」

 

ダンテは頷いた。

 

「それで、いつの間にか純粋なファンだけでなくそれに取り入る賊が増えた。しかも、『歌で天を掴む』ということを曲解したやつらの行動の結果、今の状況に至ると」

「はい、皆にもいつの間にか私達の声が届かなくなって・・・。しかも、それをネタに取り巻きの一部の方々が、私達を利用して士気上げをしたり・・・。断りたかったのですが、どうやら姉さん以上にこの本をうまく使える方がいたようで、気がつけばいつの間にか・・・」

 

張梁は思い出したように震えながら言った。

 

「本を盗られたことに気づいたのは?」

「それが分からないのよ!私、ずっと肌身離さず持っていたはずなのに、気づいたらあいつらが持ってて・・・」

 

張宝が憤慨したように言った。

 

「それで私達は軟禁されてたんですけど、最近の官軍の反撃で忙しくなって見張りが離れた隙に、この本をもって逃げてきたんです。私達の歌を利用するために本を同じ部屋に置いてくれていたので」

「そうして辿り着いたのがここだったってわけ」

 

そういって二人は締めた。

 

「・・・とりあえず、事情は分かった。で、楼杏はどうするつもりだ?」

 

ダンテは楼杏に聞いた。

 

「この三人に罪がないとは言いませんが。それでも、この話に嘘はないでしょう。でしたら、私は助けたいと思います」

「・・・分かってるのか?あんたの首を絞めることになりかねないことを抱えてるようなものだぜ?」

 

ダンテの問いに楼杏は目を逸らさなかった。

 

「・・・分かった。雇われてる身としては協力しないわけにもいかねぇ」

 

ダンテはため息をつきながらも了承した。

ちなみに、この間張角は流琉と仲良くなっていた。

 

「ただし、先程も言ったとおり、貴女方にも責任を取ってもらいます」

「・・・覚悟の上です」

 

楼杏の再度の言葉に、しかし答えたのは一番のほほんとしていた張角だった。

 

「これほどの大事になった以上、あなた方には少なくとも世間的に死んでもらう必要があります。そこで、貴女方はこれよりその名を捨てていただき、真名で生活していただきます」

「「「!?」」」

 

三人はその提案に驚いたような顔をした。

 

「・・・どうかしましたか?」

「いえ、もっとその・・・きついことを言われるかと思ってたので」

 

張梁が言った。

 

「真名で生きることが辛くないと?」

「私達、もともと偶像(アイドル)としての活動は真名でやってたんです。もちろん、私生活で呼ばせることはありませんでしたけど」

「だから、そこまで抵抗がないって言うか・・・」

 

張梁と張角が言った。

 

「そうですか・・・。まあ、それならそれでいいです。それから、一応になりますが、身元は私が預かるので、ここで侍女として働いてもらいます」

「・・・分かりました」

 

楼杏の次の提案にも三人は素直に頷いた。

 

「では、とりあえず今回の行軍について来られると、痛くもない腹を探られかねないので。ここで、留守番をしていてください。話は通しておくので後で紹介する方について下さいね」

 

そういって楼杏は三人を連れて行った。

 

-8ページ-

 

「それで?あの後どこへ連れて行ったんだ?」

「最近、何進の度重なる要請、という名の脅しにようやく重い腰を上げた水鏡という方です。帰ったら紹介しますね」

「・・・そいつは」

「信用できますよ。私より頭いいですし、人を見る目も私以上です。何より、私の友人ですよ?」

「・・・そうか」

 

ダンテの質問に楼杏は自信有り気に答えた。

ダンテは楼杏を信用している。その楼杏が信用し友人と言い切るその人物をダンテは信用した。

 

「さて、いよいよ突入だが。作戦は結局どうなったんだ?」

「何進に私が最前線に出ると自薦したら喜んで出してくれましたよ。自分の手を汚すのを彼女は嫌いますからね」

「・・・そうかい。予定通りか」

「ええ。後は、わが軍の兵士達にお任せします」

「俺は?」

「私の護衛ですしねえ・・・。まあ、私もそれなりに前に出るほうではありますし、何より、斬りたくないのでしょう?」

「・・・まあな。俺やあんたの命がかかってるなら吝かでもねえが。そうでないならな」

 

ダンテは言った。

 

「いいです。その分兵士さんたちに頑張って貰いますから。それに、ダンテさんの戦い方はある意味で私の戦略を増やしましたからね」

「・・・ありがとよ」

 

楼杏の言葉は本心からであったが、ダンテはそれを気遣いと受け取ったようで、礼を言った。

 

「さて、いずれにせよ、ダンテさんと流琉ちゃんにはこの先のためにも第一線で頑張ってもらわないといけません。期待、してますよ?」

 

楼杏の言葉に流琉は頷き、ダンテは笑い、

 

「最高にイカれたパーティにしてやるよ」

 

と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-9ページ-

 

 

あとがき

 

どうも、作者のmorikyouです。

今回はいかがでしたか?

 

いやあ、新規キャラ結構がんばって書いてますけど、難しいですね・・・。

相変わらずの想像力のなさにほとほと呆れます^^;

 

そして、前回をさらに越える超展開・・・。

読者を完全に置いてけぼりにすることが最早お約束になりつつありまするorz

とりあえず、私の拙作を読む際には頭を空にしてから読むと、いいかもしれないです。

 

さて、自虐はそこまでにして本編に戻ると、とりあえず前回言ったとおり歴史は丸無視して新規キャラを増やしました。

といっても、一応原作準拠にするようには心がけてますけど。

とはいえ、今回だけ見ると結構ん?という感じになってますね。

色々と言われそうですけど、だんだん分かるように頑張って書いていきます。

 

ちなみに今更ですけど、基本的にダンテのハーレム物になる(可能性が高い)と思います。

とはいっても、ダンテは大人なのでそこまでイチャラブになるとは思えませんがw

あのダンテが朴念仁とは思えないですし・・・。

 

次回もこの続きで対黄巾党になります。

それではお楽しみに!

説明
DMC4×恋姫の続きです。


実はこちらのほうはもう少し先まで書けているのですが、私の長い間を誤魔化せるようにストックさせてもらっています^^;

こちらを楽しみにしている方には申し訳ないのですが、これからも不定期になると思うので気長にお待ちください・・・。
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コメント
>へたれさん まあそうですよね^^; おそらくいちゃラブな方向には私もならないとは思ってますw(morikyou)
ここからハーレムになりやすいとか想像が出来ない俺には(へたれ)
>月牙さん 鬼ぃちゃんは亡くなってますからね・・・。 おそらく出てこないと思われます。申し訳ないです;;(morikyou)
>東文若さん コメントありがとうございます! 私の拙い文章で大人っぽさが伝わっていれば幸いです^^;(morikyou)
>デーモン赤ペン改めジェームずさん コメントありがとうございます! 理解者がいてくれると助かります^^; ありがとうございます!(morikyou)
>くろもるるさん コメントありがとうございます! そういっていただけてうれしいです!(morikyou)
以前のDMC物と違って原作基準で話が進んでいくようなので楽しみにしてます。ただひとつ、DMC4基準なら鬼ぃちゃんがでないだろうことが心残り…(月牙)
4のダンテだからか大人な感じが最高ですね(東文若)
いいんじゃないか?こういうのも(デーモン赤ペン改めジェームず)
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