真・恋姫無双外伝〜覇王の願い〜帰還編vol.6『胡蝶の夢』
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外史――――

 

突端を開かれ、終端に帰すもうひとつの世界。

 

人の願いが形となった世界。

 

それは、終端を迎えることで、新たな外史を生み出す。

 

もし、それが、

 

終端が訪れなかったら―――

 

終端を打ち消すほどの意思と力を持てば―――

 

 

そして、俺は願った。

 

華琳は言った。

 

――あなたが側にいないことを後悔するほどの世界を作ってあげる―――

 

華琳なら出来る。そうしてほしいと、

 

願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【一刀】「・・・・・・」

何も考えられなかった。

湿った風が頬をくすぐる。

戻ってきた。

そう、戻ってきたのだ。

 

 

俺は・・・『帰る』ことが出来なかった。

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いつもより力をこめて歩き出す。

足に触れたもの全てを踏み潰すように、一歩一歩踏みしめて歩いた。

希望を見せられたのだ。

俺が一番望むものを。

 

 

寮に戻る道の途中、誰ともすれ違うことはなかった。

世界に自分しかいないような錯覚にめまいを起こしそうになる。

自分の部屋の前に着き、ドアノブに手をかける。

だが、そこで静止する。

 

入りたくなかった。

 

入れば、自分がどうなるのか、わかってしまうから。

 

ドアノブを握る手に力がはいる。

ただ、お前は帰れないと告げられるほうが、どれだけマシだろうか。

【一刀】「――――っ」

力をこめた右手が赤くにじむ。

結果として、干吉から与えられた言葉は、

『帰ることができる』というものだった。

 

だが、俺には・・・

少なくとも、今は

 

選べなかった――――。

 

 

 

 

 

どれほど、そこに立ち尽くしていたのだろう。

戻ってきたきた時には夕方だった空もずいぶん暗くなった。

 

観念して、部屋に入る。

考えることを避けようとベッドへ倒れこむ。

自分が思っていたより疲れていることに気づいた。

【一刀】「時差・・・滅茶苦茶だもんな・・・。」

独り言でも、少しは気分がかわらないかと何かをつぶやく。

やがて意識が朦朧としてきたことで安心する。

暗闇に吸い込まれる意識の中で、自分にすら聞こえるかどうかという声で最後につぶやいた。

【一刀】「・・・・・華琳・・・ごめん・・・」

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夢。

 

誰かの心が軋みをあげて、今にも崩れそうなイメージ。

 

音もなく、ただその哀しみと絶望だけが流れ込む。

 

 

【??】「・・・・ん・・さま」

【華琳】「ん・・・」

声が聞こえてきたことで意識を水面上へ引き上げる。

【春蘭】「華琳さま・・・」

【華琳】「春蘭・・・おはよう。」

【春蘭】「おはようございます・・・大丈夫ですか、華琳さま?ずいぶんうなされてましたけど」

【華琳】「・・・・大丈夫よ。それより、春蘭。仕度をするから手伝ってくれるかしら?」

まだ少しぼやけた頭を覚醒させていく。

【春蘭】「あ、はい!」

 

今日は休暇をとり、春蘭達と街へ行くことになっている。

仕度を済ませたあと、秋蘭とも合流し、街へ向かった。

 

――――ガヤガヤ

 

今日はずいぶんと人が多い。

【華琳】「・・・何かあるのかしら。」

【春蘭】「あれではないでしょうか。新しい・・・茶屋がでるとか。」

【秋蘭】「めいど喫茶・・・というらしいです。」

【華琳】「めいど・・・?」

そういえば、以前一刀が職人に作らせていた服もそんな名前だった。

【秋蘭】「店員の着ている服装が、全てその『めいど』・・・というものに統一されているそうですが、詳しくは・・・」

【華琳】「ふぅん・・・面白そうね。」

【春蘭】「よってみますか!?」

春蘭の声が少し大きくなる。

【華琳】「いえ、今度にしましょう。あれだけ人が混んでいる中でとても茶など楽しめそうもないし」

【春蘭】「はぁ…そうですか」

明らかに残念そうにする春蘭。行きたかったらしい。

【秋蘭】「そう落ち込むな、姉者。今度私といこう。」

【春蘭】「本当か…?」

【秋蘭】「ああ。」

【春蘭】「よし!では、華琳様!次に行きましょう!」

【華琳】「…ふふ。そうね」

楽しい。素直にそう思える。

この子達がいれば、私は私でいられる。

 

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その日の夜。

街から戻ってきた後、夕食をすませ、昼間のうちに届いた案件に目を通す。

 

【華琳】「3国交流…」

 

それは魏・呉・蜀の親睦を深めようとする案。

それも、必要なのかもしれない。

しかし、これだけでは何か物足りなかった。

【華琳】「ぱーてぃ…」

それは、一刀の世界の言葉。

そうだ。これがいい。

そして、伝えよう。

私は大丈夫なのだと。

 

伝わるかは…問題ではない。

ただ、誓いたい。

誰よりもあいつに。

そして自分に。

 

 

説明
真・恋姫無双(魏ED)のASです。
次あたりで話の本筋にはいろうと思います。
あと、少し悩んだのが、メイド喫茶にはいるかどうか。
ただ、ボク自身行ったことないので、あえてスルーしましたw


1話⇒http://www.tinami.com/view/73594
5話⇒http://www.tinami.com/view/73837
7話⇒http://www.tinami.com/view/73953
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コメント
早く続きが読みたいです。(ブックマン)
先の展開が全然読めないw 次回も楽しみにさてもらいますwww(フィル)
続きを楽しみにしています^^(toto)
次回本筋がどうなるか愉しみですね^^w(Poussiere)
タグ
真・恋姫無双 覇王の願い 一刀 華琳 

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