真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第五話
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〜一刀視点〜

「俺は北郷一刀 馬騰殿に会えないかと思って来た」

「私は北郷鞘華よ」

「私は関羽雲長」

「私は徐庶元直と申します」

全員が自己紹介を済ませると

「母様に会いに?

 見た所、役人に見えないが会ってどうするんだ」

「どうもしない ただこの国の有力者を見極めたいだけだ」

俺の答えに馬超は

「はあ?訳分からん奴だな〜」

と呆れたような困ったような複雑な表情をしている

「ねえ、私は馬岱って言うんだよ

 それで、ちょっと聞きたいんだけど「北郷」って名乗ったよね

 それって西の方で賊から村を救った『天の御遣い』なの?」

人の噂は千里を走ると言うが、こんなに早く伝わっているのか

「確かに、西の方で賊から村を救った

 『天の御遣い』については管略の予言の通りかは分からない

 ただ、俺とこっちの1人はこの国の人間ではない

 君たちが「天」と呼ぶ国から来たような者だと思っても間違いではない

 違う世界から来たんだからな」

俺の説明に

「う〜ん」

「へ〜」

馬超は考え込んで、馬岱は興味を持ったようだ

そこへ

「馬超様、五胡の部隊が現れました!」

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「なんだと、数は?」

「約5千 北からこの街に向かっています」

兵が報告する

「5千か 五胡にしては小部隊だな

 お前達、緊急事態だから失礼する」

「またね〜」

馬超と馬岱は街に向かって走って行く

「一君、どうするの?」

「俺達も街に向かう 静里は街で待機

 俺と鞘姉と愛紗は戦闘に参加しよう」

俺の提案に

「分かったわ」

「御意」

「お役に立てなくて済みません」

皆、従ってくれた

 

俺達が街に入ると既に部隊が出撃準備を終えていた

「いくぞ、あの蛮族共を蹴散らすぞ!」

馬超が陣頭指揮を執っている

馬騰はどうしたんだろう

「あれ、お兄さん達 なんか用なの?」

馬岱が此方に気づいて話しかけて来た

「俺達も加勢するよ」

「本当に!?やった〜

 皆聞いて〜 今回の戦いは西で賊から村を救った天の御遣いが加勢してくれることになった

 3人とはいえ、一騎当千の実力を持った3人が加勢してくれる

 この戦、勝てるよ〜」

馬岱の言葉に歓声が上がり士気が上昇したのは素人目にも分かる

「蒲公英、勝手な事を〜」

「いいじゃん、加勢してくれることは事実なんだもん」

馬超と馬岱が小声で言い合っているが取り敢えずは気にしない

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馬超を先頭に出陣する

数は5千 緊急の出撃だからこの位しか出来なかったんだよ、と馬岱の弁

確かに五胡との戦いが絶えない涼州で5千の兵とは少なすぎる

そんな事を考えていると接敵して戦闘が始まる

 

俺と鞘姉は「朱雀」と「玄武」で敵を斬り倒していく

この二振りは名刀と呼ばれる業物で切れ味と折れない為のしなりを高い次元で兼ね備えている

そして、自慢する訳ではないが俺達の武術 北天一心流

人を殺す為に剣術と体術を融合させた武術 戦国時代を経て人を殺す事を洗練させた武術

幼い頃から北天一心流を学んでいた俺達に五胡の力任せの戦い方は対処できないものでは無い

俺達に足りないのは「人を殺す覚悟」

それを補って見せる その覚悟で俺も鞘姉もこの戦いに挑んでいる

愛紗は流石はあの関羽雲長

一騎当千とはよく言ったものだと思える戦いぶりだ

此方が優勢に戦いを進めていると何やら喚きながら向って来る敵がいた

言葉が違うので何を言っているのか分からないが、怒り狂っているのは見て取れる

俺は示現流の蜻蛉の構えに似た構えを取り、朱雀を一閃

向かって来た敵を一刀両断にした

相手に与える心理的衝撃を考慮して敢えて迫力のある斬撃を放った

それは成功し、五胡は撤退して行った

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戦は終わった

「いや〜助かったよ 強さにも驚いたが敵の指揮官まで倒しちまうとはな」

「え、あの男指揮官だったの?」

俺は怒り狂った一兵士としか認識していなかった

「何だ、知らなかったのか」

そんな事を話し合っていると馬岱がやって来た

「お兄様〜、本当に強かったんだね

 流石、蒲公英の見込んだ『天の御遣い』だね」

「調子に乗るな」

この二人、従姉妹同士らしいが本当に仲がいいな

「ところで、母様に会いたいって言ってたな

 実は母様は最近、病でな 加勢してくれた事は感謝するが面会は諦めてくれ

 ただ今回の事のお礼はする 取り敢えずは城に戻ろう

 食事ぐらいは御馳走するよ」

街に戻り、静里と合流した俺達は馬超の招待を受け城で御馳走になり一夜を過ごした

 

翌日、出立する時にお礼だと言って結構な額のお金を渡された

固辞するのも失礼だし、路銀も必要なので有難く受け取った

見送りに来た馬超と馬岱が

「私の真名は翠 アンタ達に真名を預けるよ」

「私は蒲公英だよ そう呼んでね」

真名を二人共、預けてくれた

「俺は真名が無い 代わりに一刀が名だからそう呼んでくれ」

「私も同じ だから鞘華って呼んで」

「私の真名は愛紗だ」

「私は静里です 御二人に真名を預けます」

そして出発しようとしたら蒲公英がいきなり俺に飛びついてきて”チュ”とキスしてきた

「お兄様、また来てね〜」

蒲公英、また来る以前にこの3人に殺されない事を祈ってくれ

おそろしい笑顔を浮かべた3人に

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〜あとがき〜

 

涼州からは旅立ちました

もっと居ても良いのですが次の場所に行かないと

 

蒲公英の行動は彼女ならやりかねないと

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

  

説明
涼州に到着した一行
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コメント
個人的には五胡/異民族の方に気持ちが傾きますが、割り切りと線引きがしっかりしているなら納得する、何故なら北郷達も異民族だからだ二者択一を確立する分には構わない(禁玉⇒金球)
おそろしい笑顔を浮かべた『3人』ときましたか。やはりこの外史では鞘華も…。(ナック)
五胡を倒すか、強いな。しかし、色々とフラグを立てていくんだろうな……(Jack Tlam)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 蒲公英 愛紗  

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