英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜温泉郷ユミル〜
「クク……まさかここでアンタが出てくるとはな。”英雄王”―――リウイ・マーシルン。」
「……………………」
好戦的な笑みを浮かべるマクバーンに見つめられたリウイは紅き魔剣『エドラム』を構えて静かな表情でマクバーンと対峙し
「な、No.2――――”剣帝”レオン=ハルト!?な、ななななななな、何故貴方がここに!?」
「フッ、騒がしいのは相変わらずのようだな、”神速”。」
自分を指刺して混乱しているデュバリィと対峙しているレーヴェは静かな笑みを浮かべた。
「ええええええええええええええっ!?」
「リウイ陛下!?リフィア殿下達まで一体いつユミルに……!」
「エリゼ……!?」
「レオン!?貴方まで……!」
「レオンハルト教官……!」
「プリネ……!」
「お姉様……!」
「しかもエヴリーヌどころか、”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”まで全員揃っている……」
リウイ達の登場にエリオットやシュバルツァー男爵、ルシア夫人は声を上げて驚き、クロチルダは驚いた後唇を噛みしめてレーヴェを見つめ、ラウラとアリサ、セレーネは明るい表情をし、フィーは呆けた。
「リ、リウイ陛下!?それにファーミシルス大将軍閣下達まで……!」
「おいおいおい……!メンフィルの腕利き達がほぼ勢揃いしている状態じゃねえか!一体どうなっているんだ!?」
「ったく、駆け付けてくるのが遅すぎよ。来るのならもうちょっと速く来なさいよね。」
「その事ですが……まるで狙いすましたかのようなタイミングで現れた所を見ると恐らくは”私達が貴族連合の協力者達と戦っていた時点で既にユミルに到着していた”かと。」
クレア大尉とトヴァルは信じられない表情をし、サラ教官は厳しい表情で”パンダグリュエル”に視線を向けた後リウイ達を見つめ、シャロンは真剣な表情でリウイ達を見つめて推測した。
「フフッ、あなた達の団長―――”猟兵王”ルトガー・クラウゼルはこの私に相応しい獲物だったけど、あなたはどうかしらね?――――”破壊獣(ベヒモス)”レオニダス。」
「団長の仇――――”空の覇者”ファーミシルス……!」
不敵な笑みを浮かべるファーミシルスと対峙しているレオニダスは厳しい表情でファーミシルスを睨み
「クスクス、眼鏡のお兄さんはレン達が”遊んで”あげるわ♪」
「キャハッ♪今、思い出したよ♪その紋章……”リベールの異変”の時にエヴリーヌ達がいっぱい殺した雑魚共がつけていた紋章だね♪」
「ふふっ、私達が直々に相手にしてあげる事……光栄に思いなさい。」
「おいおいおい……”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”全員相手とか、マジで勘弁してや……!幾ら俺でも”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”全員を一度に相手するとか厳しすぎるで!?」
凶悪な笑みを浮かべるレンとエヴリーヌ、そして睡魔族の娘――――リウイの側室の一人、シルフィエッタ・ルアシアの連れ子である”紅の殲滅姫(クリムゾン・ルインプリンセス)”の異名で恐れられているセオビット・ルアシアと対峙したゼノは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ
「ゼノ……レオ…………」
その様子を見ていたフィーはゼノとレオニダスの勝率が限りなく低く、二人が高確率で殺される事に気付いていた為辛そうな表情をした。
「ハハハハハッ!まさかこの地にて貴女と再び邂逅する事になるとは!我が麗しの”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”!そしてもう一人の我が好敵手よ!」
プリネ、ツーヤ、アムドシアスと対峙しているブルブランは高々と笑ってプリネ達を見つめたが
「―――”リベルアーク”で止めを刺さず、むざむざと撤退を許した結果私の友人達を傷つける事になってしまった私の責任………今、ここで果たさせて頂きます!」
「貴方の命運も今日で終わりです。―――”怪盗紳士”ブルブラン!貴方はここで仕留めます!」
「我と”美”を巡った好敵手よ。せめてもの手向けとして我自らの手でお前を”冥き途”へ送ってやろう!」
「なっ……!?」
決意の表情をしたプリネとツーヤ、そしてアムドシアスから向けられた膨大な殺気に圧されると共に自分の殺害宣言を聞き、絶句した。
「し、”仕留める”って、まさか……!」
「プリネ達は”怪盗紳士”を”殺す”つもりなのか……」
「お姉様……」
ツーヤの発言を聞き、プリネ達がブルブランを殺害しようとしている事に気付いたマキアスは信じられない表情をし、ガイウスは真剣な表情をし、セレーネは複雑そうな表情でツーヤを見つめた。
「ようやく会えたな、我が”友”の家族を拐かした下手人が!貴様は余達自らの手で”処刑”してくれる!子供であろうと、余達メンフィルの怒りに触れた愚か者は決して許さん!」
「エリスを誘拐した事……絶対に許しません。例え相手が子供であろうと、メンフィルが”処刑”認定した者であるならば”容赦はしません”。メンフィルとエレボニアの外交に罅を入れた元凶の一人である貴女にはその命を持って償ってもらいます!」
「”聖魔皇女”と”守護の剣聖”……!戦力はこちらが圧倒的不利。クロチルダ様、早急に撤退をお願いします……!」
怒りの表情をしているリフィアとエリゼに膨大な殺気を向けられたアルティナは不安そうな表情で呟いた後慌てた様子でクロチルダに視線を向け
「エ、エリゼ!?」
「………………」
「………そっか〜。君達とはここで”永遠のお別れ”か〜。色々話したかったんだけど、相手が悪すぎたね〜。」
「ミリアムちゃん……」
リフィアとエリゼが子供にしか見えないアルティナを殺そうとしている事にルシア夫人は信じられない表情をし、二人の言葉―――子供であろうと貴族の子女を誘拐した上外交問題にまで発展させた者は”処刑”になってもおかしくない事を理解していたシュバルツァー男爵は重々しい様子を纏って黙り込み、二人の処刑宣言を聞いて静かに呟いたミリアムの言葉を聞いたクレア大尉は複雑そうな表情をした。
「さっきから転移魔法の発動を何度もしているわよ!なのにどうして発動しないのよ!?一体この郷で何が起こっているというの……!?」
そしてアルティナの嘆願に対してクロチルダが混乱した様子で声を上げたその時
「―――何度やっても無駄です。この一帯にいる精霊達に呼びかけ、精霊達の力によって私達に仇名す者達の転移手段は発動しないように精霊達が妨害しているのですから。」
エルフの女性―――リウイの側室の一人であるシルフィエッタ・ルアシアが静かな表情で答えながらシグルーンと共にクロチルダと対峙して杖を構えた。
「何ですって!?」
「ええっ!?せ、精霊達に直接呼びかけて姉さんの転移魔法を妨害するなんて……!?そんな事ができるのは”精霊王”のリザイラさんくらいなのに、一体どうやって……!」
「―――!”精霊王”であるリザイラのように精霊達に直接呼びかけられる事といい、その容姿や耳といい……まさか――――”エルフ”!?」
シルフィエッタの説明を聞いたクロチルダとエマは驚き、アリサ達の元に駆け寄ったセリーヌはシルフィエッタを見て驚いた。
「馬鹿な……一体いつ、どのような方法でユミルに現れたというのだ……!?」
自分達が圧倒的不利であり、撤退もできないまさに”四面楚歌”にして”絶対絶命”の状況に陥ってしまった事に気付いていたルーファスが唇を噛みしめて呟いたその時
「――――メンフィルは各領に緊急時の際の転移魔法陣を街や村の郊外にも設置している。万が一”敵”に街中に設置している転移魔法陣を抑えられた時の為にな。」
漆黒の鎧を纏った男性がルーファスと対峙した!
「……っ!?貴殿は何者だ?メンフィル帝国軍に所属する者と見受けられるが。」
男性がさらけ出す闘気に呑み込まれ、男性の強さの片鱗を感じ取っていたルーファスは表情を歪めて男性に問いかけ
「――――我が名はゼルギウス・カドール。偉大にして大恩あるリフィア皇女殿下の親衛隊の隊長の任を務めている者だ。」
男性――――ゼルギウスは堂々と名乗り、大剣を腰につけている鞘から抜き、大剣であるにも関わらず苦も無く軽々と片手に持った状態でルーファスに剣の切っ先を向けた!
「!!あ、あの方がトヴァルさん達の話にあったリフィア殿下の…………!」
「とんでもない闘気だぜ……」
「……この凄まじい闘気……団長を軽く越えている。」
「まさかファーミシルス大将軍閣下や”戦妃”カーリアン様以外にもこれほどの使い手がメンフィルにいるとは正直驚きましたわ。例えルーファス様といえど、目の前の相手は”絶対に勝てない相手”ですわね。」
「兄上…………」
ゼルギウスの名を知ったクレア大尉は驚き、ゼルギウスの闘気を感じ取っていたトヴァルとフィーは真剣な表情をし、シャロンの推測を聞いたユーシスは複雑そうな表情でルーファスを見つめた。
「―――貴族連合の協力者共に告ぐ。ルーファス・アルバレアの身柄をこちらに渡し、更にアルティナ・オライオン並びに”怪盗紳士”ブルブランをこの場でお前達の手で処刑したのならば、この場は”見逃してやる”。さあ、どうする?」
そしてリウイはクロチルダ達を見回して宣言し、全身に膨大な覇気を纏って問いかけた!
「っ!!」
「…………」
「ほう?」
リウイの宣言を聞いたルーファスは一瞬でリウイ達―――メンフィル帝国の”狙い”を悟って唇を噛みしめ、アルティナは真剣な表情でリウイを見つめ、ブルブランは興味ありげな表情をし
「ええっ!?」
「メ、メンフィルがルーファスさんの身柄を!?な、何でだ!?」
「――――恐らくは貴族連合に対する人質にした後、彼の身柄と引き換えにリィンさんとエリスさんの返還を要求し、二人を貴族連合から取り返す為かと思います。」
驚いているエリオットとマキアスにクレア大尉は冷静な様子で自分の推測を説明した。
「なっ!?」
「お、お兄様とエリスお姉様をですか!?」
「ルーファス卿を人質にして、リィンとエリスを……」
「確かに貴族連合の”要(かなめ)”と言ってもおかしくない”総参謀”であるルーファス殿の身柄との人質交換ならば、幾らカイエン公と言えども応じる可能性は高いな……」
「……………………」
「ユーシスさん……」
クレア大尉の説明を聞いたシュバルツァー男爵とセレーネは驚き、ルシア夫人は複雑そうな表情をし、ラウラは辛そうな表情で黙り込んでいるユーシスに視線を向けて複雑そうな表情をし、エマは心配そうな表情でユーシスを見つめた。
「クッ…………!」
「なあっ!?この私達を見逃すですって!?舐めないでくださいまし!」
「チッ、随分と大きく出たもんやな?」
「だが……今の戦力を考えるとこちらが圧倒的に不利だ。」
リウイの宣言を聞き、リウイ達―――メンフィルの狙い通りになってしまっては”計画”が崩壊してしまう為すぐに撤退したいクロチルダだったが転移魔法を封じられている今の状況では撤退すら不可能である事に唇を噛みしめ、デュバリィとゼノはリウイを睨み、レオニダスは厳しい表情でリウイ達を見回した。
「クククク…………随分と舐められたものだなぁ?幾らメンフィルでも、この俺がいるにも関わらずそんな事をほざくとは、調子に乗りすぎだぜ?」
するとその時不敵な笑みを浮かべていたマクバーンは自分の足元から凄まじい黒き焔と闘気を吹き上げさせ始めた!
「……っ!?これはあの時と同じ―――」
「いけない……!」
「………………」
それを見たサラ教官が驚き、シャロンが厳しい表情をし、レーヴェは目を細め
「ちょっと!?貴方がここで”本気”を出したらこの郷がただではすまなくなるわよ!?郷には極力迷惑はかけないって最初に言ったでしょう!?」
「わ、私達まで巻き添えにするつもりですの!?」
クロチルダは血相を変えてデュバリィと共にマクバーンに反論した。
「テメェらの思惑なんぞ知ったことか……レーヴェの阿呆が居なくなってからどうも物足りなかったからな……」
「―――アンタが結社から抜けた事に、随分と昔の仲間に残念がられているようね?」
「俺の知った事か。」
マクバーンの言葉を聞いたサラ教官に視線を向けられたレーヴェがマクバーンを警戒しながら答えたその時!
「どこまで俺を”アツく”してくれるか試させてもらおうか――――!」
何とマクバーンは全身に膨大な黒き焔を纏い、自らを”焔”を纏った”魔人”―――”火焔魔人”と化させ
「―――ペテレーネ!このままではユミルに被害が出る!手筈通りアレを発動しろ!」
「はい!アーライナよ……!」
それを見たリウイが叫んだその時、ペテレーネの魔術によってその場にいる全員は”混沌の女神”アーライナの力によって創られた異空間に転移させられた!
説明 | ||
第389話 | ||
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コメント | ||
マジロン様 まさに絶望の始まりですww K'様 猟兵ですから仕方ありませんよね M.N.F. 様 そりゃ人外越えているメンバーの幻燐だとねぇ?なお、神殺しは第2部終盤で出てくるかもしれません 本郷 刃様 ほとんどの人達は幕引きですね(sorano) もはや後戻りは出来ない、ここで幕引きですね・・・(本郷 刃) そういや最近神殺しが空気気味ですなぁ・・・。 いや出さなくてもいいんですけどね;^^(M.N.F.) 人外と化しても・・・絶望しか見えないvsメンフィル(少数精鋭)(M.N.F.) フィーはこのシリーズだと珍しい「原作よりも不幸な味方キャラ」になりそうですね。ま、惜しいキャラ達ですがリウイたちの敵になったのが悪いということで(K') 原作でのゼノたちの船の中でのやりとりは好きだったんですがね。絶望が始まりますわ(マジロン) |
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