真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第十五話
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〜一刀視点〜

陛下から官位を受け、結果的には出世した

別に漢王朝の重臣になりたい訳じゃないが、洛陽の復興の為には役に立っている

個人的にはこうやって毎日、風呂に入れるのがありがたい

河内の相だった頃には費用と労力の問題から毎日は無理だった

鞘姉は不満そうだったけど仕方が無い

此方では身なりや身体を清潔にしておいた方が陛下や重臣の受けが良い

だから、毎日風呂に入るようにしている

風呂好きだからなのも否定しないが

 

今日も仕事が終わった夜、風呂に入る

湯船に入る前に身体を洗おうとしたら、風呂の扉が開く音がした

今俺が入ってるのは皆知っている筈

何故?と思い振り返るとタオルを体に巻いただけの静里が入って来た

「一刀様、お背中を流しに来ました」

呆然として、静里の言葉も耳に入らない

静里は細身ながら凹凸がしっかりとある

タオル一枚の為、それが強調される

「そんなに、見ないでください」

静里が赤くなって俯くと、やっと我に返り

「ご、ごめん」

と背を向けた

 

「では、失礼します」

静里が背中を流してくれた

流し終えると二人で並んで湯船に入る

俺は緊張して何を言ったらいいのか分からない

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二人共無言でいたが先に静里が口を開いた

「一刀様、こんな事をして、はしたない女と思われるかもしれませんが御話したい事があります」

「別に、そんな事は思わないよ

 で、話したい事って?」

俺が静里に促すと

「その前に御訊きしたいのですが

 一刀様は鞘華様を伴侶にする事を決められたのですか?」

「え、それは・・」

俺が躊躇していると

「いえ、やっぱりお答えいただかなくても結構です

 ただ、鞘華様を伴侶に決められているなら私は側妾で構いません

 臣下としてだけでなく、女としても一刀様に仕えさせて下さい!」

静里の言葉に固まってしまった

しかし、何も言わない訳にはいかない

「鞘姉を伴侶にするかはまだ決めてないよ

 俺の一存で決めれる話じゃないしね

 ただ、だからと言って静里を・・と言うのもまだ決められない

 今はこんな答えしか出来ない俺でもよかったら静里に一緒に居て欲しい」

「はい、喜んで!」

静里は頬を赤くしながらも、嬉しそうに答えてくれた

そんな静里を軽く抱き寄せる

「今はこれが限界」

そう言って離すと俺は先に風呂から出た

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〜袁紹視点〜

「絶〜対に納得できませんわ!」

「姫〜、何をそんなに怒っているんですか?」

「決まっていますわ 斗詩さん

 私を差し置いて『天の御遣い』などと言うどこの馬の骨とも解らぬ者が相国に大将軍

 更にその配下が三公や同格の将軍に任じられた事ですわ

 陛下は一体何を考えて・・・

 そうですわ、きっとその者達に脅されて仕方なく

 となれば洛陽も酷い有様でしょう

 ならばこの袁本初が陛下と洛陽の民を助けて差し上げましょう

 貴方達、私の書く書簡を各諸侯に届けなさい!」

(自分で勝手に話を作っちゃたよ

 それで、軍どころか諸侯まで動かす姫って・・・)

「斗詩さん、何か言いましたか」

「いいえ」

私は諸侯に書簡を届けさせます

 

〜月視点〜

「詠ちゃん この袁紹さんからの檄文どう思う?」

洛陽で北郷さんと言う方が陛下を傀儡にして洛陽で暴政を行っている

そんな内容の檄文について訊くと

「袁紹の嫉妬でしょうね

 でも、これには応じるべきよ

 そうでないと各諸侯から総攻撃を喰らうわ

 この北郷は気の毒だけど天水を犠牲には出来ない」

やっぱりそうだよね

「皆さん、出陣の準備にかかってください」

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〜翠視点〜

「お姉さま〜

 本当に一刀お兄様や鞘華お姉さまと戦うの?」

蒲公英は不満げだ

「あいつ等がこの檄文通りの事をしているとは思えないがな

 しかし、真実は此処に居たんじゃ解らない

 だから参加するんだ」

「蒲公英、一刀お兄様達と戦いたくないな・・・」

そう呟いて蒲公英は出て行った

私も同じだよ

 

〜雪蓮視点〜

「袁紹からのこの檄文 どう思う?」

「袁紹の嫉妬による作り話だろうな 

 まあ、北郷達が権力を持って変わってしまった可能性も無い訳では無いがな」

冥琳の答えは予想通り

「でも袁術の客将の私達に選択肢は無いわ

 あの莫迦、この話に応じる事を決めてたからね」

「姉様、姉様は母様の恩人の一刀達を討つと言うのですか!?」

蓮華が激昂する

「落ち着きなさい 蓮華

 私達に選択肢は無い そう言った筈よ

 それにうまくいけば北郷達を捕えて、その恩賞として助命させた上で身柄を貰い受けれるかも」

「そううまくいくかな」

冥琳が横槍を入れてくる

「うまくいかなかったら仕方が無いわ

 兎に角、全員出陣準備にかかって」

一刀、捕える時は本気で行くわよ

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〜華琳視点〜

「華琳様、この檄文は・・・」

「分かってるわ これが麗羽の嫉妬だって事は

 でも、この話に応じるわよ」

「華琳様!」

春蘭や凪が反発する

「私の覇道の為には少しでも多くの人材が必要

 北郷達はかなり優秀な人材よ

 今回、全員は無理でも1人でも捕えて私の配下に加えたい

 それに、覇道に必要な風評も得ないとね

 更に言えば、この乱世の兆しがある世の中でこんな隙を見せる方が悪いのよ

 出陣準備に掛かりなさい」

さて、北郷 どう出るかしら

 

〜桃香視点〜

「やっぱり北郷さん達は単なる偽善者なんだ!」

袁紹さんからの檄文の内容に怒りを隠せなかった

「にゃにゃ、お姉ちゃんは北郷達を知っていたのか?」

「うん、一度だけ会った事があるよ

 冷酷非情 これがあの人達に一番合う言葉だよ」

(商人の話だと洛陽は復興しているって話だけど・・・)

(朱里ちゃん、そうだとしてもこの話は断れないよ)

「皆、陛下と洛陽の人達を助けに行くよ

 準備に掛かって」

北郷さん達を倒して陛下と洛陽の人達を助ける

私は決意を新たにした

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〜あとがき〜

 

今回は各陣営の檄文の反応を書きました

一刀の所は静里の話ですね

 

前回でこの『反北郷連合』は予測された方が多いと思います

しかし、それ以前から見透かしていたようなコメントも拝見しました

先見に恐れ入ります

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
不穏な動きが・・・
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コメント
かゆうまの居ないシ水函なんて・・・負ける気がしないw(kazo)
宮殿警護担当の衛尉と治安維持担当の執金吾という内部蜂起を防止できる役職を自陣営の人材で押さえていない以上、戦闘、もしくは戦争で勝ったとしても政争で負ける光景しか、今のところは見えてこないのですが。司馬家より格上である荀家の威光は、けして伊達ではありませんよ?(h995)
月が敵に回るか……詠が追い返してなければ……同じことだったかな。詠なら一刀達、殊に一刀を疎んじるだろうし。朱里に雛里、主君の態度を見て見抜けないか?まあ今の段階ではしょうがないかもしれないが……各陣営もやっぱりか。だが、董卓軍の内部的な弱みが無い今の北郷軍がどうなるかは見もの。そして桃香の欺瞞が暴かれるかどうかも。(Jack Tlam)
・・・・・・・・・・・。軍師たるもの、その場の判断だけで物事を判断するのは頂けないな。助けてもらっておいて、仇にして返すか。それから、劉備よ、その答えは、自分に着いて来なかったからか?だとしたら、自分のほうが偽善者だな。(Kyogo2012)
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真・恋姫無双 桃香 華琳 雪蓮 麗羽   

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