真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第十六話
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〜一刀視点〜

「迂闊だった!」

劉協陛下と鞘姉に緊急の呼び出しを受け、その理由を聞いた俺の第一声はこれだった

”『天の御遣い』を名乗る北郷とその一味が皇帝陛下を傀儡とし、洛陽で暴政を行っている

 諸侯は連合を組み洛陽へ進軍し、北郷一味を一掃する”

要約するとこんな内容の檄文が諸侯に届けられていた

「まさか、こんな事態になるとは・・・」

「私もこの事態は想定外でした」

「しかし何故こんなでたらめが・・・」

「諸侯の嫉妬だろう」

皆さまざまな意見を言っている

 

「今は原因よりも対策を練るべきね」

鞘姉の言葉に

「連合の総数は?」

「総勢、約50万」

「此方の兵力は?」

「総数、5万」

これでは勝ち目が無い

連合軍が水関、虎牢関を通過して来るにしても10倍の戦力はいかんともしがたい

 

「こうなっては--に--しかないでしょう」

静里が提案する

「そうかそこなら・・・」

「だが、水関と虎牢関で戦闘は避けられないな」

静里の策を採用することが決まったが水関と虎牢関で連合を可能な限り食い止める事になった

 

「それでは、静里は洛陽で準備を進めてくれ

 他の皆は兵を連れて水関へ出陣だ!」

俺の号令で皆、動き出す

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〜連合軍にて〜

「オ〜ホッホッホッ〜

 皆さん、此度は私の呼びかけに応えてくれてお礼申しあげますわ」

袁紹が諸侯を集め、軍議を開いている

その席で曹操が

「麗羽、確認したいのだけど檄文に書かれていた事 嘘偽りはないのね?」

「あ〜、それ私も聞きたかった」

「私もだ」

孫策と馬超も同意する

「な、何を莫迦なことを言ってるんですか」

袁紹は明らかに狼狽えている

「莫迦な事でもないわよ

 この檄文に間違いがあれば私達は大義を失う いえ、元から無かったことになるわ

 その為にも確認は必要でしょう?」

曹操の追及に袁紹が答えあぐねていると

「曹操さん、何を言ってるんですか!」

声を上げたのは劉備だった

「私は一度北郷さんに会った事があります

 その時のあの人達の行動は冷酷非情と言うのがこれほど会う人はいない そう思いました

 だから今回も袁紹さんの言う通りでしょう

 そうですよね、袁紹さん!」

劉備の助け舟に

「そうですわ 三公を輩出した名門 袁家の私が言うのですから間違いありませんわ」

袁紹は声高らかに宣言した

 

その後の軍議と言う名の茶番劇で総大将は袁紹に決まった

そして先鋒は

「私達が行きます

 ただし、戦闘の前に降伏勧告をさせて下さい」

名乗りを上げたのは、董卓だった

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「降伏勧告とはどういうことです

 そんな事しないで勇ましく華麗に撃退すればよろしいのでしょう」

袁紹は却下しようとするが

「檄文の内容が真実であっても相手の言い分を聞かないのでは何か不都合があるのでは と疑われます

 民にそう思われない為にも相手の言い分を聞く機会を作るべきです

 既に兵を起こした以上、単純に話し合いと言う訳にはいかないでしょう

 しかし、戦闘を起こさずに降伏したのであれば言い分を聞けるのではないですか?」

董卓の理路整然とした言葉に諸侯も同意した

その為袁紹も

「分かりましたわ

 しかし相手が応じない場合は・・・」

「その場合は、戦闘もいたしかたありません」

董卓は断言した

 

軍議が解散となり各諸侯とも各々自分の陣営に戻る

その途中で

「待ちなさい 劉備

 貴女に訊きたいのだけど北郷が冷酷非情と言うのはどういう理由で言ったの?」

「その話、私も聞かせて」

「私も聞かせてくれ」

孫策と馬超もやって来た

劉備が理由を説明すると

(この娘は、駄目ね 考えが甘すぎるだけでなく現実をまるで見ていない

 第一、此処に居る諸侯はみんな北郷と同じよ

 貴女だって多くの賊や黄巾党を殺しているでしょう

 逃亡しようとした者や命乞いをした者を見逃したから違うとでも言うつもりかしら?)

三人の共通した劉備への認識だった

実は孫策は劉備と密かに同盟を考えていたのだが劉備の考えを聞いてその考えを無くした

同盟する価値が無いと判断したからだった

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〜鞘華視点〜

水関に入り連合を待ち受けている私達に

「連合軍が接近してきました

 先鋒は董卓軍です」

董卓軍が先鋒となれば葵の作戦に沿って動くまでね

「総員、水関の前で董卓軍を迎え討つわよ」

私の号令で水関の門が開かれ、その前に布陣を展開する

葵の作戦の一つ

「董卓軍が先鋒の場合は先ずは野戦で挑むべきです」

水関と言う利を何故生かさないのか

それは理由を聞けば納得だった

「董卓軍の飛将軍 呂布 彼女の脅威を抑える為です

 此方の武将と呂布、張遼、華雄と一騎討ちを挑みます

 それで、一人でも相手を討ち取ったならば水関に撤退 籠城戦に移ります

 一人とは言え将を討ち取られた董卓軍は後方に配置換えになるでしょう

 将を討ち取られれば兵の士気低下だけでなく、指揮官を一人失うという事です

 董卓軍の呂布を一時的とはいえ前線から外すにはこれしかありません」

その策を実行に移す

後は成功させるだけ

 

連合軍がやって来た

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〜あとがき〜

 

今回は水関の戦いの序章です

 

戦闘は次回に

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
反北郷連合の序章
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コメント
うーーーん。ま、劉備の場合は、自分たちに付いて来ないのは全て敵としてみる節があるな。(Kyogo2012)
そしてその桃香は有力諸侯から見離された……万事において中途半端な桃香でも貶め過ぎるのは良くないが、ここの桃香は人間としては良いのかもしれないが為政者として駄目。こんな人間を主人と定めた朱里も雛里も、そして鈴々も、見る目が無かったのかもしれない。今回の戦いで見極めてくれると良いが。(Jack Tlam)
月が連合側は珍しいが、やはり彼女は為政者として優秀なんだな。そして無駄な争いを本当の意味で避けている……桃香と並び立ったことでその違いが歴然としてしまった。人殺しなのは皆同じだからな……ただ衝動的に悪を滅ぼすため殺すか、民のためにと苦渋の決断で殺すかで、かなり違ってくると思うが。(Jack Tlam)
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真・恋姫無双 北郷一刀 桃香 華琳 雪蓮 麗羽  

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