真・恋姫無双外伝〜覇王の願い〜帰還編vol.10『再会』 |
【一刀】「・・・・・ありえない。」
しばらく放心していた俺は改めてつぶやいた。
【貂蝉】「あらん、そうでもないわよん?ご主人様がこの世界に対して、それだけの想いを込めたということだもの。」
いや、それでもさ・・・
【卑弥呼】「そうだな。支柱となっている場所は他にもあるのだ。それにその全てがそうとも限らんのであろう?」
【貂蝉】「それはご主人様が行って確かめないとわからないわねぇ」
【一刀】「ま・・・・まあ・・・とにかく理解はしたよ・・・・」
納得は・・・したくないけど
【一刀】「それで、どうしてここに?」
気を取り直して、聞いてみた。
【貂蝉】「ご主人様はこの外史を、何とかしたいのよねぇ?・・・・・正史に影響を出さないように。」
【一刀】「・・・・ああ」
見当違いな気がしたけど、そのまま続けた。
【卑弥呼】「今のままではこの外史は終端すら迎えられんからな」
【貂蝉】「だから今のままで無理なら、元の大きさにしちゃえば問題ないのよねん」
【一刀】「そんなこと・・・できるのか?」
俺は、覚悟してここへ来た。
でもそれは――
終わらせる覚悟じゃ、ない。
【貂蝉】「ただ・・・・ご主人様には、ちょっとばかり辛い事になっちゃうかもだけれど・・・」
破壊する覚悟じゃ、ない。
【一刀】「・・・・・・教えて・・・くれ―――」
それは・・・・救う覚悟。そのためなら、俺は―――
―――――――――。
【一刀】「・・・・・・・・・・」
【貂蝉】「ご主人様・・・・」
・・・・。
【一刀】「・・・・・はは」
笑うしか、なかった。
【卑弥呼】「貂蝉。そろそろだぁりんと落ち合う時刻だが・・・」
【一刀】「・・・・・・なんだ。待ち合わせしてるなら、はやく行ってあげて?」
顔も、たぶん笑顔でいられてるとおもう。
【貂蝉】「でも、ご主人様・・・・」
【一刀】「ちょっと、ひとりで考えたいんだ。」
【卑弥呼】「・・・・・行くぞ、貂蝉」
【貂蝉】「・・・・・・わかったわん」
【一刀】「二人とも・・・・いろいろありがとう」
去り際にふたりに礼を言っておく。
【貂蝉】「お礼なんて必要ないわよん。ワタシはいつでもご主人様の味方なんだから。」
【卑弥呼】「うむ。良きオノコの悩みを解くのは漢女として当然のことだ。」
そういって、二人は森の中を抜けていく。
ほんと・・・・ありがとう。
さっきより、水の音がうるさい。
風で揺れる葉の音もずいぶんやかましく聞こえる。
【一刀】「・・・・どうして」
俺の想い?
魏の皆としちゃったから・・・
こっちの世界が大きくなって現実を壊す?
なんだよ、それ。
俺が皆を好きだから?
ふざけてる場合かよ。
―この外史を拡げているのは、ご主人様の皆への想いが起点となっているのだから―
ほんと、ふざけるなよ。
―膨張を止めた上で、さらに縮小させるには―
いいから、冗談やめろよ。
―ご主人様の皆との記憶を・・・―
【一刀】「なんなんだよ―――ッ!」
【???】「きゃっ!」
え・・・・?
声?
振り返った。
その声に惹かれるように――
【華琳】「・・・・・まったく、こっちが言いたいセリフね。」
月の光もあって
その姿はこの世のものと思えないほど美しくて、
【一刀】「・・・・・・・なんで・・・」
思わず見とれいて、そんなことを口にして
【華琳】「それも、こちらのセリフね」
よく見ると、その手はひどく震えていて
【一刀】「華琳・・・・」
俺はその力強く握られた右手をとろうと・・・・
・・・・・力強く?
【華琳】「この・・・・・・・・・バカーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
―――――ドゴォォォォォォオオ!!!
その拳、天を衝くがごとく!!
【一刀】「ぐはぁ!!」
かなりの高度までとばされ、その軌道は放物線を描いてはいるがほぼ垂直落下。
――――ドボォォッン!!
【一刀】「ぶはぁ・・・」
川に落ちたのが救いだった。
【華琳】「あなた言ったわね。あの時たしかに、愛していたって!ならどうして私のところへ来ないの?戻ってきたなら、会いたいと思うのが普通ではないの?」
【一刀】「あ、ああ・・・」
華琳の激昂を川から上がりながら聞く。
【華琳】「どうして会いにこなかったのか・・・・聞いているんだけど?」
【一刀】「え、ええと・・・・えと・・・オカマのスーパーマンに拉致されてました・・・・?」
今度は鎌に手が伸びるのが見えてとっさにそう答えていた。
【華琳】「またわけの分からないこと・・・・・」
【一刀】「・・・・ごめん」
たしかにそれも事実だが・・・・
【華琳】「謝るということは罪は認めるのね」
今はまだ・・・
【一刀】「・・・・・・・・・・・ごめん」
俺は・・・
【華琳】「・・・・・どうして謝るの?」
【一刀】「・・・・まだ、帰れない」
【華琳】「・・・・・・・・・・・そう」
バチバチと焚き火の音が響く。
さすがに冷えてきたので火をつけた。
【一刀】「俺には・・・・・」
【華琳】「・・・え?」
【一刀】「まだ、やらないといけないことがあるんだ」
【華琳】「それはそれほど大事な事?」
【一刀】「ああ」
【華琳】「私と会うことよりも?」
【一刀】「・・・・・・・少なくとも今は」
【華琳】「そう」
【一刀】「だから、今はまだ帰れないんだ」
【華琳】「・・・・・・っ・・・っ」
【一刀】「華琳?」
【華琳】「うるさいっ・・・こっち見ないで」
【一刀】「あ、ああ・・・」
【華琳】「・・・っ」
華琳には、話しておくべきかもしれない。
【一刀】「華琳・・・あのさ・・・ッ!?」
【華琳】「じっとしてなさい」
言いかけて、華琳が寄りかかってきた。
図らずも抱き合う形になる。
【一刀】「華琳・・・?」
【華琳】「春蘭が!!」
【一刀】「え・・?」
春蘭?
【華琳】「春蘭がうるさいのよ。一刀め!一刀め!って・・・」
【一刀】「・・・・・・・そっか・・・」
華琳の手が俺の服をつかむ。
【華琳】「秋蘭が愚痴をいうのよ。北郷がいた頃はって・・・」
【一刀】「・・・うん」
【華琳】「桂花が毎日暇さえあれば、穴を掘ってこまるのよ・・・」
【一刀」「・・・・ああ。困るな」
【華琳】「霞が、相手もいないのに毎日酒を2つ用意して・・・」
【一刀】「・・・・・・ほんとよく飲むな」
【華琳】「凪が・・・真桜が・・・沙和が・・・・っ・・隊長だったらこうするって・・・・っ」
【一刀】「・・・がんばってるんだな」
【華琳】「季衣と・・流琉が、あなたに食べさせるんだって毎日・・・・」
【一刀】「・・・それは楽しみだな」
【華琳】「・・・・・・稟が・・・風が・・・」
【一刀】「ああ」
【華琳】「天・・・・和・・っ・・達も・・・・」
【一刀】「・・・・ああ」
華琳を抱く手に力が入る。
【華琳】「だから・・・・」
まったく・・・・
【華琳】「早く、帰ってきなさい・・・っ・・」
ほんとに・・・・
【一刀】「・・・・・・・」
【華琳】「待っていてあげるから・・・」
そんな濡れた顔で・・・
【華琳】「・・・・・・ちゃんと・・・帰ってきて・・」
そう言って、華琳は目をとじた。
引き寄せられるように顔を近づけて
唇が・・・・触れ合った。
もう、迷えないじゃないか―――――
説明 | ||
真・恋姫無双(魏ED)のアフターです。 そういえば、投稿する際のキャラ性別って貂蝉と卑弥呼はどうするんだろう・・・? 今は一応女性でいれてるんですがw 1話⇒http://www.tinami.com/view/73594 9話⇒http://www.tinami.com/view/74221 11話⇒http://www.tinami.com/view/74428 |
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コメント | ||
桂花は毎日掘る穴の深さだけ、愛が深いんだ……… そしてその分、帰ったときに痛い!まさにツンデレの鏡だなwww(KY m(___)mゴメン!! 何はともあれ、一刀の覚悟、見せてもらいます!(フィル) 戻るも地獄進むも地獄・・・がんばれ一刀(ブックマン) う・・・うぅぅ! 涙がとまらない( ノД`)シクシク… さて、どうしようもなく流れる涙は放置して、愉しみです!(Poussiere) ・・・・・・・・・ぐす、(泣)(いずむ) 春蘭が「一刀」というところがミソ!・・・時の涙を見そう。(乱) 一体どうなるんでしょうか・・・!?楽しみです・・!(九里虎) |
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