寂しがりやな覇王と御使いの兄36話 |
洛陽
張讓「黄巾党と命名されておった賊共め、案外腰抜けであったな」
趙忠「せっかく我らが、けしかけたものを」
夏ツ「幽州の劉備、南陽の袁術、陳留の曹操か」
郭勝「曹操など曹仁の影に隠れてる小娘だと思っておったが、予想外であったな」
張讓「あの忌々しい曹仁に比べたら小娘だがな」
趙忠「しかしこのまま放置しておけば、我々の災いになろう。どこか潰しておくに越したことはないな」
張讓「なんのために奴を数年間捕らえてあったと思ってるんだ」
夏ツ「そういえばおりましたな。格好の餌が」
郭勝「なるほど。あやつを餌にして洛陽に誘き出し、悪評を流し諸侯に討たせる」
張讓「黄巾党では何もせずにいた袁紹にやらせよう。あいつはただの馬鹿だ、うまくいくだろう」
趙忠「袁紹と曹操は、幼少からの付き合いと聞くが大丈夫なのか?」
張讓「袁紹の頭にあるのは、自己顕示欲と名門の出に対しての驕りしかない。その心配は杞憂だ」
夏ツ「曹操に役職を与え洛陽に誘き出し、出世した曹操に対して袁紹が挙兵するか」
郭勝「仮に曹操が辞退するならば、餌で連れてこさせればいいのじゃな」
張讓「そういうことじゃ。曹操に使者を送れ! 丞相の官職を改め司徒に任命す、軍を率いて洛陽に駐屯するようにとな」
趙忠「これで諸侯が潰しあえば、我々の力もまた巨大になる」
張讓「そういうことだ。曹操が洛陽に着き次第、冀州に向かい袁紹を扇動する。各人ぬかるな」
十常侍「我々の繁栄のために!」
陳留
華琳「霊帝がお亡くなりになり、次男の劉協様が13代皇帝に即位したそうよ」
秋蘭「次男の劉協様ですか、長男の劉弁様はどうしたのでしょうか」
華琳「そのあたりはわからないけれど、十常侍が裏から手を回してそうね」
愛紗「誰が皇帝になろうと、我らは民のために力を尽くすだけです」
華琳「残ってくれたのは嬉しいのだけど、本当にここにいていいの?」
愛紗「董卓軍に仕えていた訳ではありませんので。華琳様は、私が仕える主と確信しています」
華琳「そう。ならばこれからあなたの武、期待しているわ」
星(一刀様が愛紗を残したのにはなにか理由があるはず・・・何事もなければいいが)
桂花(霊帝崩落・献帝が即位・・・思い過ごしならばいいのだけど)
後日
段珪「黄巾党討伐の功績をたたえ、曹操を丞相の官職名を改め司徒に任命する。軍備を整え洛陽に駐屯するようにと帝からの勅命である」
華琳「身に余る光栄で戸惑っておりますゆえ、お返事は翌日でもよろしいでしょうか」
段珪「よかろう。しかし断れば・・・曹嵩の命はないぞ」
華琳「それはどういうことですか!」
段珪「曹嵩は我々が捕らえておる、曹仁を討ったあの日にな。ゆめゆめ忘れるでないぞ」
華琳「お母様が・・・洛陽に・・・」
春蘭「十常侍め!一刀様だけではなく、曹嵩様までも!もう許しておけん!」
秋蘭「落ち着け姉者!」
桂花「落ち着きなさい春蘭!ここで暴れればそれこそ奴らの思うつぼよ!」
(まずい、完全に後手に回ってる。これで洛陽にいけば私達を待っているのは連合結成による破滅・・・憎まれてもそれだけは避けないと)
桂花「華琳様!これは十常侍の罠です!洛陽にいってはいけません!」
華琳「なにを言うの桂花!母さんが洛陽にいるのよ?行かないと」
桂花「十常侍の言うとおり曹嵩様がいるとも限りません!敵の罠に自ら足を踏み入れてはだめです!」
華琳「何も言わないで桂花。僅かでも望みがあるなら・・・私は会いたいの」
春蘭「桂花そんな心配せずともいいだろ?華琳様には私がいるのだからな!」
桂花「あんたがいるから不安なのよ。」
秋蘭「それでは華琳様、お返事は・・・」
華琳「受けるわ、各自出立の用意と整えなさい」
桂花「止められなかった・・・愛紗と星は私の部屋にきてちょうだい」
愛紗「どうしたのだ桂花?」
星「お主が華琳様にあそこまで、反対するなど珍しいではないか」
桂花「あんた達よく聞いて。これは十常侍の罠。目下邪魔になっている華琳様を洛陽に誘き出し、袁紹の馬鹿を煽って洛陽を攻めさせるつもりよ」
愛紗「それも過去の経験からなのか?」
桂花「当時と洛陽に赴く勢力が違うけど、このままいけば我らが標的になるわ」
星「一刀様が愛紗を残したのはこれを予測してたのか?」
桂花「流石にあいつもそこまでは予測できてないはずよ。でも十常侍が健在だから、手を打っていたのかもしれないわ。正直いまは愛紗がいてくれて助かるもの」
愛紗「しかし袁紹だけならば、我々で返り討ちにできないのか?」
桂花「恐らくそれは無理ね。袁紹は以前連合軍を結成させ、洛陽に攻め入ったからね」
星「となると・・・最悪の状況を考えると、幽州の劉備・南陽の袁術・冀州の袁紹・荊州の劉表・益州の劉焉が敵にまわる可能性があるわけか」
愛紗「冀州・益州・荊州は人口も多い、数の差は厳しいな」
桂花「それを阻止したかったのだけど、十常侍が曹嵩様を持ち出すとは思ってなかったのよ。あの馬鹿がいないせいよまったく!」
星「いまは愚痴ってる時ではなかろう?」
愛紗「そうだな。出来る限り軍備を増強しなければ」
桂花「そうね、いまは貴方達が頼りだからね。頼むわよ」
(いま天水にいるはずよね。私と愛紗・星がいても、連合結成されたら防ぐのは難しいわ。風と稟それに・・・あいつが来てくれれば・・・)
桂花「伝令!天水の呂珂にこの手紙を必ず届けてちょうだい!」
洛陽
張讓「曹操が来たか、軍勢の数はどうなっている」
夏ツ「陳留中の兵をかき集めて10万ってところだ」
趙忠「そうなると陳留はがら空きなわけだな」
郭勝「袁紹を唆した後陳留を制圧させるべきだ、我ら十常侍に敵対するとどうなるか、諸侯に知らしめるべきだ」
張讓「袁紹たちに攻め込まれ本国を失うか、これまた一興だな」
趙忠「張讓が冀州に行ってる間に、悪評を天下に広めておく」
夏ツ「袁術は曹操と親しいと聞くが、その辺りはどうなのだ」
段珪「なに曹操につくならば、荊州の劉表に討たせればよかろう。それに孫堅の娘の孫策に爵位を与え、袁術を討たせるのもよかろう」
張讓「袁術には袁紹より圧力をかけさせよう。それで曹操に着くならば、劉表と孫策に討たせばいい」
趙忠「夏ツ達は適当に曹操の相手でもしておけ。ただし曹嵩には会わせるなよ」
夏ツ「わかっておる」
華琳「何年ぶりの洛陽かしらね」
秋蘭「当時よりさらにひどいありさまです」
華琳「これも十常侍の横暴のせいね」
桂花(まだあいつからの返事がない・・・なにやってるのよ)
秋蘭「これからどうしますか?」
華琳「私は帝に呼ばれているから、宮中に行ってくるわ。貴方達は休んでいて」
秋蘭「わかりました、用意されている屋敷に行っております」
桂花「私は少し出かけてくるわ」
星「桂花よ、どこにいくんだ?」
桂花「親衛隊のところよ。今のうちに手を打っておかないとね」
愛紗「私が護衛で一緒に行こう」
星「留守は私が守る、安心していってくるがいい」
桂花「頼むわね」
桂花「満寵と牛金いるかしら」
満寵「これは荀ケ様と関羽様。このような場所にお越しいただき光栄です。この度はどのようなご用件でしょうか」
桂花「悪いのだけど、親衛隊すべてを集めてもらえるかしら」
牛金「只事ではないご様子。すぐに全員集めます」
満寵「お待たせいたしました。曹仁様親衛隊5千全員おります」
桂花「私達にとってかなり悪い情報よ。十常侍がまた動いてるわ」
牛金「十常侍・・・!」
満寵「また彼奴らですか!」
桂花「詳しいことは言えないのだけど、このままだと反曹操連合が組まれるわ。十常侍に唆された袁紹の手によってね」
満寵「なんですって!それは本当なのですか!」
桂花「私達が洛陽に着いてから十常侍の張讓が、冀州に向かったと密偵から報告があったわ」
牛金「あの袁紹様ならば、あることないこと吹き込まれて動き出すのが、容易に想像できます」
桂花「それに袁紹は華琳様が自分より先に、洛陽に入り守護していることに憤りを感じてるはずよ」
満寵「厄介なことです。そうなると・・・・我々が生き延びるためには要塞と呼ばれる水関と虎牢関の死守ですか」
桂花「そうなるわ。私達が10万の兵力を持っていても、連合を組まれた場合だと野戦なんて出来ないわ」
牛金「袁術様ならば、我らの味方になってくれるのではないですか?」
桂花「それも望み薄いはずよ。十常侍は華琳様と袁術の関係を見逃すほど甘くはない、なにか対策をしているはずよ」
満寵「大陸の各諸侯に対抗するには・・・曹仁様が必要不可欠ですか」
桂花「陳留を出る前に手紙を書いたのだけれど、まだ返事がないわ。拿捕されたのかもしれないわ」
牛金「そうなると、曹仁様がすぐ動くのは不可能ですか・・・」
桂花「一刀が洛陽に来るには長安を通らないといけない。長安を落として洛陽に来る時間さえ稼げれば勝機があるわ」
満寵「曹仁様の宝である曹操様を守るためにも、ここで命を捨てる覚悟が必要そうですね」
牛金「我らをここまで引き立ててくださった曹仁様のためにも・・・負けられないぞ」
満寵「今度こそ十常侍をすべて討つ!かつての同胞の仇をとるのだ!」
親衛隊「「「「「「「「おう!」」」」」」」」」
桂花「貴方達は水関に向かってちょうだい。水関には左右に崖があるわ。そこに矢・岩などを運び込み陣を作りなさい!左右の崖の上と水関で時間を稼ぐわよ。ただし、状況不利と感じた場合はすぐに虎牢関に退きなさい!犬死だけは許さないわ」
満寵・牛金「御意」
愛紗「私と星はどう動けばよい」
桂花「愛紗と星と私が水関、春蘭と秋蘭に虎牢関を守ってもらうわ」
愛紗「春蘭は虎牢関で大人しくしてるだろうか」
桂花「そこは秋蘭に任せるしかないわね。水関の役目は時間稼ぎ、猪が突っ込んで負けるわけにはいかないのよ」
愛紗「そのために我ら二人と、軍師である桂花が赴くのだな」
桂花「ただそうなると、華琳様の護衛がいなくなるのが心配なのよ」
愛紗「ならば春蘭を華琳様の傍に、配置してはどうだ?」
桂花「そうね・・・秋蘭ならば大丈夫のはず・・・愛紗の案でいきましょう。準備だけは怠らないでおいて」
愛紗「わかった。星には私から伝えておく」
桂花(あとは有力諸侯の劉備と袁術・・・この2勢力に手紙を送っておかないと。これが敵にまわると勝ち目がかなり薄くなるわ)
冀州
張讓「これはこれは袁紹様。お久しぶりにございます」
袁紹「張讓さんですか。私こう見えても忙しいので、早く要件をいってくださるかしら」
張讓「袁紹様は曹操と仲がいいと聞いておりますがまことでしょうか」
袁紹「誰があんなちんちくりんな小娘と仲がいいものですか、寝言は寝て言いなさい」
張讓「ならば曹操とは仲が悪いと」
袁紹「そういってるでしょう?あなたはそんなことも理解できないのかしら」
張讓(この小娘が)「そうおっしゃらずに。名門である袁紹様に頼みがあるのです」
袁紹「あら〜〜この名門であるこの私に頼みだなんて、特別に聞いてさしあげますわ」
張讓「ありがとうございます。曹操が10万の軍勢を率いて洛陽に攻め入り、帝を幽閉し自ら丞相を改め司徒と名乗り、暴政を敷いているのでございます。どうか袁紹様に帝を救出していただきたいのです」
袁紹「なぁ〜〜〜〜〜んですってええええ!あのくるくる小娘とうとう本性をむき出しにしましたわね!この名門袁家の棟梁たる私を差し置いて洛陽に入るなど許しませんわ!斗詩さん!いますぐ兵の用意をしなさい」
顔良「麗羽様、相手は華琳さんですよ?いいのですか!?」
袁紹「そんなこと知りませんわ。帝を救出して洛陽を収めるのはこの私なのですから」
文醜「斗詩〜こうなった麗羽様はもう止まらないから諦めよう」
顔良「文ちゃんはそれでいいの?」
文醜「あたい達が言って止まるならこうなってないよ」
袁紹「そこの二人なにかおっしゃいまして?」
文醜「なにもいってないですよー」
袁紹「ならば早く準備なさい。それと天下の諸侯に共に攻めはいるように軍を出させなさい。袁家の威光を使えばきっと私に従うはずよ〜オッホッホッホ」
張讓「袁家の威光は素晴らしいものですからな。しかし南陽の袁術は曹操と仲がいいとのこと。袁紹様に従わないかもしれませんぞ」
袁紹「ならば美羽さんに従わない場合は、30万の兵力を向けると付け加えておきなさい」
張讓「それならばきっと従うことでしょう。帝も袁紹様を頼りにしておりますぞ」
袁紹「この私に任せておきなさ〜いオッホッホッホッホ〜」
張讓(たわい無い)
幽州
士元「桃香様〜大変ですー袁紹さんから檄文が届きましたー」
劉備「檄文?黄巾党でもなにもしなかった袁紹さんが?」
士元「気持ちはわかりますが・・・これがその檄文です」
劉備「・・・・これは・・・」
孔明「どうしたのですか?桃香様」
劉備「陳留の曹操さんが洛陽を大軍で占拠、帝を幽閉して暴政をしているから曹操さんを討とうって。この大陸の各諸侯に送ったみたい」
士元「反曹操連合って事ですか・・・」
孔明「しかし十常侍と争いのある曹家が、十常侍の本拠地に暴政を敷きに行くでしょうか?それこそ十常侍の思う壺です」
劉備「もしかしたら勅命で、都に行かざるをえなかったのかも知れないね」
士元「もしそうだとするならば、この連合は怪しいです。もっと情報を集めましょう」
劉備「迂闊に動けないね。洛陽に密偵を送って!真偽を確かめるよ!」
張飛「おねーちゃーーん!手紙が届いたのだー」
劉備「この時期に手紙・・・鈴々ちゃん、誰からの手紙かな」
張飛「えーとね、曹操の荀ケって人からなのだ!」
劉備「荀ケさん・・・やっぱりなにかあるね。手紙もらえるかな」
張飛「これなのだ!」
劉備「・・・朱里ちゃん、雛里ちゃんこれを見て」
孔明「拝見します・・・はわわ!これは!」
士元「あわわ!これはひどいでしゅ!」
劉備「黄巾党で領内が荒らされてもなにもしなかった袁紹さんと、共に戦った曹操さん。どっちを信じるかなんて議論いらないね」
孔明「しかし桃香様。これを断れるば袁紹さんは、この幽州に攻めてくるかもしれません。このたびの挙兵も恐らく自分より先に、洛陽に入った曹操さんに対しての嫉妬からかもしれません」
劉備「自分の保身のために無実の曹操さんを攻めるの?そんなこと私はしないよ。自分の信念だけは曲げちゃいけないんだよ朱里ちゃん」
孔明「わかりました。仮に袁紹さんが攻め込んできた事を想定して、防備を固めます」
劉備「雛里ちゃんは白蓮ちゃんのところにいってもらえるかな?私と白蓮ちゃんの2方面で牽制するよ」
士元「御意です」
劉備「鈴々ちゃんは匈奴の人達に、攻め込まれたら援軍を送ってほしいって、頼みにいってほしいんだけどいいかな」
張飛「がってんなのだ!」
孔明「鈴々ちゃんで大丈夫なのですか?」
劉備「鈴々ちゃんは、匈奴の人達に可愛がられてるから大丈夫だよ。韓当さんは街の人たちの避難地の建設を急いでください」
韓当「承知」
劉備(民を省みずに贅沢な生活を続け、無実の曹操さんを嫉妬心で攻めるなんて許さない。来るなら全力で相手するよ・・・袁紹さん!)
南陽
美羽「麗羽ねーさまからの手紙と檄文とな?それと華琳ねーさまの軍師・荀ケからの手紙。見たくない内容だと思うのじゃが・・・・・これはなんなのじゃ!
七乃「どうしたのですか美羽様」
美羽「いますぐに紫苑と亞莎を呼ぶのじゃ!」
七乃「お二人をですか?」
美羽「急ぐのじゃ!」
七乃「わ、わかりました。すぐ呼んでまいります」
美羽「これはまことなのか・・・麗羽ねーさまはなぜこのような行いをするのじゃ・・・」
紫苑「お呼びと聞き黄忠・呂蒙参上しました」
亞莎「急ぎの用件をお伺いしましたが、どうなさいましたか?」
美羽「七乃よ・・・これを3人で見てほしいのじゃ」
七乃「お預かりします・・・美羽様!これは!」
紫苑「まずいことになりましたね。」
亞莎「これは一大事です」
美羽「麗羽ねーさまは華琳ねーさまを討つために・・・反曹操連合を結成したのじゃ・・・」
七乃「華琳さんが洛陽で帝を幽閉して暴政を敷いている、帝を解放するために諸侯で華琳さんを討とう・・・こういうことですか」
美羽「そしてこの連合を断るならば、この南陽に30万の大軍を差し向けると書いてあるのじゃ」
紫苑「曹操さんと姉妹同然の美羽様ならば、曹操さんに着くと読んだのでしょう」
美羽「そしてこれが華琳ねーさまの軍師・荀ケからの手紙なのじゃ」
亞莎「十常侍が暗躍、袁紹様が乗せられて挙兵ですか」
美羽「それゆえに、助けを求めているのじゃ」
七乃「本来であれば、華琳さんに着くところですが・・・断れば南陽の民が戦火に巻き込まれてしまいます」
紫苑「なぜ同じ袁家でもこう違うのでしょうか」
美羽「妾もかずにぃ様に民の現実を教えてもらえてなかったら、麗羽ねーさまと同じようになっていたと思うのじゃ」
亞莎「ここはどう動くべきでしょうか・・・南陽を捨てて姉同然の曹操様を助けるか、南陽を守るために洛陽に攻めあがるのか」
美羽「すまぬ、少し街を出歩いてくるのじゃ」
七乃「護衛に誰か」
美羽「弓と短剣をもっていくから大丈夫なのじゃ。今は一人にしてくれたも」
七乃「美羽様・・・」
黄蓋「策殿、袁術が慌てていた理由がわかったぞ」
孫策「おかえり祭。なにがあったの?」
黄蓋「袁紹が洛陽に入り、暴政をしている曹操を討つらしいの。」
孫策「それの誘いがきたわけね」
黄蓋「それと断るのならば、この南陽に30万の兵を差し向けるようじゃな」
周喩「曹操と袁術は姉妹同然と聞く、それの対策か」
孫策「それで袁術はどうしてるの?」
黄蓋「なにか悩んでおるようじゃったの。いまは一人で街に出ておるぞ」
周喩「袁術のことだから何も考えずに参加すると思ったが。しかしこれは我らにとって好機だ」
孫策(呂珂の言葉を信じるのならば・・・一人で街に行ったのは気になるわね)
孫策「冥琳、すぐに蓮華たちを呼びよせてちょうだい」
周喩「とうとう立つのか?」
孫策「ちょっと確かめることが済んでからね。私も街にいってくるわね」
街
美羽「妾はどうすればいいのじゃ。黄巾党終結後に華琳ねーさまに絶対味方だと宣言した。しかし断ればこの南陽が戦火になるのじゃ・・・」
孫策(あそこね。曹操に付くか、袁紹に付くか悩んでるわね)
美羽「ん?そこに誰かおるのか?」シャキ
孫策(やば、気配が少し漏れてた!消さないと)
美羽「・・・気のせいかの」
孫策(ばれずに済んだわね。それにしてもあの子・・・僅かな気配も察知できるの?やはり私達の前では猫かぶりをしていたのかしら)
長老「これはこれは袁術様、浮かないお顔してどうなさいましたかな」
美羽「長老かえ、妾のことは真名でいいと言ったじゃろ?」
長老「そのような無礼な真似はできませぬよ。なにかお悩みでしょうか」
美羽「のお、少し話しを聞いてもらってもいいかの」
長老「この老いぼれでよろしければ、いくらでも聞きますよ。なにがありましたかな」
美羽「妾が陳留の華琳ねーさまと姉妹同然なのは知っておるな?」
長老「それはもちろんでございます。曹操様と袁術様が小さき時から見てきておりました」
美羽「麗羽ねーさまが洛陽に入った華琳ねーさまに嫉妬し、これを討つために兵を挙げたのじゃ。諸侯を巻き込んでの」
長老「それは本当なのですかな?ならば袁術様はすぐ曹操様をお助けなさいませ」
美羽「妾もそうしたいのじゃ・・・でもな、麗羽ねーさまが断るならば、この南陽に30万を差し向けるそうなのじゃ」
長老「なんと・・・袁術様は我らの事を考えて決断できないのですな」
美羽「妾は華琳ねーさまを助けたいのじゃ!しかし妾は太守じゃ。
の南陽に生きる民を守る義務があるのじゃ」
長老「美羽様。わしらは充分美羽様に助けていただきました。美羽様が洛陽から戻られてからわしらの生活は豊かになりました。今度はわしらが美羽様を助ける番でございます。わしらの事など気にせずに、美羽様の大切な曹操様を助けてください」
美羽「妾のわがままで、おぬし達が不幸になってしまってもいいのかえ?」
長老「わしらのために頑張ってる娘のわがままを、聞かない親などおりませんよ。どんどんわがままを言ってくだされ」
美羽「長老・・・すまないのじゃ。」
長老「わしらにはなにも力はありません。しかし美羽様を支えることはできます。娘のためならば、わしらは喜んで死にます」
美羽「やっと真名で呼んでくれたのじゃな」
長老「意地を張ってる時ではないですからの。決心がにぶらないうちに行きなさい」
美羽「わかったのじゃ!妾はもう迷わないのじゃ!長老よ、迷惑かけるぞ!」
長老「お任せください。わしはこのことをみなに伝えにいきます」
美羽「でもな長老。妾がどんなに汚名を被ってでも南陽の民を戦火に巻き込んだりしないのじゃ!」
孫策「・・・・あの子あんな事考えてたのね。私としたことが、孫家の再興にこだわってちゃんと見ようとしてなかったわね。あんな子を死なせるなんて私がさせないわ」
城
七乃「お帰りなさい美羽様。お心は決まりましたか?」
美羽「決まったのじゃ。一度麗羽ねーさまに本心を聞いてから・・・妾は華琳ねーさまに付くのじゃ!」
紫苑「南陽が戦火になりますが、よろしいのですか?」
美羽「それは妾に考えがあるのじゃ。絶対そのようなことはさせないのじゃ」
亞莎「私達は美羽様にどこまでも付いていきます」
美羽「みな迷惑かけるのじゃ。動員できる兵すべてを用意するのじゃ!戦闘員を残すでないぞ」
七乃「なにか考えているのですね。美羽様のお考えにお任せいたします」
美羽「妾は孫策のところに赴く。準備は任せるのじゃ」
孫策「ただいま〜冥琳」
周喩「どこまで行っていたのだ雪蓮。お前がいないと今後の話ができないではないか」
孫策「ちょっと野暮用があってね。」
美羽「孫策おるかえ?」
周喩「これはこれは袁術殿じゃないですか、このような場所までどのようなご用件で?」
美羽「下がっておれ周喩、用があるのは孫策だけじゃ」
孫策「冥琳下がりなさい。私に用件ってなにかしら」
美羽「ここじゃ話せぬ。ついて参れ」
孫策「了解、二人共ちょっといってくるわね」
美羽「さて、もう反曹操連合のことは聞いておるの?」
孫策「まあね、いろいろ聞いてるわよ」
美羽「妾は華琳ねーさまに付くことにした。そこで孫策に頼みがあるのじゃ」
孫策「私に頼みなんて珍しいわね。なにかしら?」
美羽「もう孫権たちを呼び寄せておるのじゃろ?ならば・・・・」
孫策「ほんとにそれでいいのね?」
美羽「お主ならば、妾よりうまくやってくれるじゃろ」
孫策「正直、いまの貴方に勝てる気がしないのだけどね〜。わかった
わ、こっちは任せてちょうだい」
美羽「周喩たちには内緒で通してほしいのじゃ」
孫策「そうね、冥琳のことだから余計なこと考えちゃうものね」
美羽「それじゃあ妾は戻るのじゃ。よろしく頼むぞ・・・雪蓮」
孫策(蓮華たちの事がばれてると思わなかったけれど。それにしても初めて真名を呼んでくれたわね。あの子に報いるためにも失敗はできないわ)
天水
霞「一刀大変や!いま傷だらけの兵が手紙を持ってきたで!」
一刀「傷だらけ・・・?すぐ通すんだ!」
伝令兵「りょ・・・か様であられますか」
一刀「俺が呂珂だ、君はいったい」
伝令兵「私は・・・荀ケ様からの使いに・・・ございます。この手紙をお届けに・・・曹操様を・・・助けてくだ・・」ばたん
霞「・・・あかん死んでる」
一刀「この兵士を手厚く葬るのだ!」
風「お兄さん、手紙の内容は」
一刀「いま読む・・・・・・・くそ!十常侍め!」
凪「どうしたのですか隊長」
一刀「華琳が洛陽に・・・」
稟「この時期に洛陽!」
風「これは一大事なのです」
霞「一刀これは」
凪「隊長まさか!」
詠「ちょっとどうしたのよ!」
月「一刀さん、どうしたのですか?」
一刀「十常侍の罠によって・・・反曹操連合が結成された」
詠「なんですって!曹操ってあんたの妹じゃない!」
稟「手紙を持ったものが傷だらけなのは、拿捕されかけていたのかもしれません。ならば日数的に連合軍は集結しているかもしれません」
一刀「明命!仕込みはどうなっている!」
明命「万全です!我らが近づけば行動を開始する手はずになっています!」
一刀「真桜!量産はできているか?」
真桜「兵の数が増えて、まだ行き渡るほど数はないで!」
一刀「出来るのを待っている時間はない・・・月!」
月「なんでしょうか」
一刀「程銀・成宜と共に2万でこの天水を守ってくれ!あと蒲公英に助けを求める手紙を送ってくれ」
月「わかりました。この天水は任せてください」
一刀「残りの将はすべて長安に向けて出陣だ!10万の兵を連れて行く、準備は迅速にするのだ!」
一同「御意!」
一刀「まってろ華琳!いま行くぞ!」
反曹操連合 袁紹 孔融 陶謙 劉表 劉焉 劉虞 王朗 劉? 孔抽 鮑信 合計70万
親曹操連合 華琳 桃香 美羽 一刀 合計35万
説明 | ||
今回はあとがきなしー インフルでダウンした社員の変わりに休日出勤してきます |
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コメント | ||
文ちゃんに違和感があるかな(漆黒の戦乙女) 華琳(,,゚Д゚)ガンガレ!一刀が助けてくれるはず!華琳はハッピーエンドで終わらなきゃいけない子だろ!!(迷い猫@翔) 翔華さん>麗羽が残念なのは・・・デフォですな!(おぜぜ) 心は永遠の中学二年生さん>名家と迷家の差がかなりついちゃいましたねw(おぜぜ) naoさんとtadanominato さん>2倍の兵力があっても配下武将が史実通りなら涙目ですからねw(おぜぜ) 不詠弘斗さん>一番の見せ場ですので、がっかりさせないように頑張りますー!(おぜぜ) クラスター・ジャドウさん>誤字報告どうもでーす。季衣・琉流・桔梗ももうすぐ出番来ますよん(おぜぜ) ナギサミナトさん>どっちの連合があかんか聞かないでおきますw(おぜぜ) kiraさん>これは最初からずっと決めてた内容だったのでw(連合と華琳を妹にするしか決めてなかったですw)(おぜぜ) 残念すぎるなぁ麗羽は・・デフォだからしょうがないか(翔華) 袁家のひかくがやばすぎる・・・!(心は永遠の中学二年生) 麗羽側にたよりになり奴全然いねぇw(未奈兎) 美羽にくらべて麗羽がひどすぎるw数は向こうの方が多いがなんか凄い武将はいなそうw(nao) 今後にごうおきたいって感じがするね〜〜〜(-_-;)(不詠弘斗) ああ、これはアカンやつや(ナギサミナト) 母親の曹嵩が十常侍に捕まったときに、こうなるのではないかと思っていたことが起きてしまった。まあ、親曹操連合には一騎当千や万夫不当の将が多くいるため、反曹操連合を蹂躙できるのではないかと思う。また、一刀の怒りを買ったため十常侍や袁紹を始めとする反曹操連合は地獄を見るのではないだろうか。(kira) |
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