名も無き黒騎士の名の無い詩 |
昔々、ある国家に一人の男性がいました。
その男性には名も無く、只の何処の国にも居るような一人の騎士でした。
彼は戦い続けました。
休む事も無く
勝利も無く、
敗北も無く
只、ひたすら戦い続けました。
彼の戦い続ける理由…それは自身記憶を取り戻しながらも、自分と共に戦う友のために戦う事であり、夢見た日々の平和のためでもありました。ですが、それは彼のある大切な人の理想、只の借り物にしか過ぎない物でした…。
ですが、彼はその理想により数々の物を失いました。
自分へと好意を寄せていた人
自分が守ると決めた大切な人
自分と共に戦った人
数々の大切な物を失いました。
ですが、それでも、彼はひたすら戦い続けました。
そんな彼に、ある人は言いました…
「お前は何のために戦う?」と
彼は何もかも失っていましたそれなのに、彼は戦い続けています。
そんな彼を見てその者は思ったのです。
そして、彼に言ったのです。
借り物の理想…彼のある大切な人の理想を受け継いだだけの只の借り物の理想…借り物の理想だというのに、彼は戦い続ける…だからこそ、彼は思ったのです。
ですが、そんな彼は言いました
「僕は確かに全てを失いました…ですが、姫君の愛したこの世界は残っています…姫君の大切な物…そして、残した物…だから守るのです。そうしなければ…姫様が悲しみますから。」
と
彼には一人の大切な人が居ました。
いくら地獄の果てに落ちようとも忘れらる事は無い、太陽の光により、金に光り輝く金色の髪
宝石のように、光り輝くどこまでも、強い決意を持ったエメラルド色とルビーのように輝く緑と赤色の瞳と眼差し
どんな時も太陽のように、満遍なく絶やす事は無い笑顔。
そう、彼を動かしていたのは一人の大切な人の姿でした。
記憶を失っても、どんなにボロボロになっても、彼をつき動かしたのはいつも彼女の笑顔でした。
記憶を失った事に彼は何もかも失いました。
ですが、それでも、彼をつき動かしたのは、絶対に消える事の無い刻まれていた記憶
ある少女の笑顔でした。
それから、彼女に出会うために戦い続けました。
彼女の居るであろう、この世界に潜む悪魔と神の剣の名を持つ悪魔と…
そして、ようやく、出会えた…
だが、彼女は死んだ…
彼を救うために勝利の名を持つ剣手にし、自分自身を剣と化させる事により、彼女は彼を救うために古の亡霊を殺した。
自分の命を対価として…
だが、彼は泣かなかった。いえ、悲しむわけには行かなかった。
何故なら、彼女の残し、愛していたこの世界、今を生きる友が残っていたから…
そんなこの世界が滅べば、彼女の愛した者達が死ねば、彼女は悲しむ。
だからこそ、彼は戦い続ける事を選んだ
そして、彼は戦い続けました…
変わる事無き、姿で
只ひたすら、戦い続けました。
ですが、彼の努力も虚しく、その世界は消えました。
彼は結局、何も守る事は出来ませんでした…。
何もかも失った彼は絶望したまま、孤独となりました。
彼は死のうとしようとも、死ぬ事は出来ない身体だったからです。
そして、彼はひたすら、泣き続けました。
真っ暗な闇の中…
彼の大切な人を思い出しながらも…
説明 | ||
何のために戦ったのだろうか…? と良く自分の小説を見ながらも、考えます。 投稿予定の「魔法伝記リリカルなのはZero」の一部を組み込みました。 ベルカでのある人の詩です。 |
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