三国同盟 第七話~潜入~
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一刀一行は無事に絽漢の領内へと入り、現在は焔王のいる城の城下にまで進むことに成功したため、今は城内潜入に向けて飯屋で話し合いをしているところだった。

 

 

「確認ですが、各々の立場は先ほど言った通りで良いですね?武器などは隠せる物以外は持ち込まないように置いて行くしかありません。そして、一番の問題ですが…」

 

 

「侵入方法だな?楼音は別として北郷と私たち女の集団ではいくら楼音の部下と言っても女ばかりでは怪しまれるからな。それにこの出で立ちだ…」

 

 

「そうだな。ただでさえこの国は男が中心の様だからな、私たちのように派手な格好をしていては逆に目立ってしまうな。」

 

 

「う〜〜〜ん…俺は良いとしても、秋蘭と冥琳、恋はね…」

 

 

冥琳と秋蘭が店の中から街の様子をうかがいながら、頭を悩ませているなか、恋だけは一刀の隣に座り黙々とご飯を食べていた。

 

 

「秋蘭様の言うとおり、絽漢では男性が上で私たち女性は道具として扱われることがほとんどで、私のように武勇や知略に長けた力のある者のみが恩恵を受けるという状態となっています…御遣い様は良しとしても他の方々をどうするべきか…」

 

 

「俺の事は北郷か一刀って呼んでくれればいいよ。もうその呼び方する人がいないから、逆に慣れなくってなんかね…?」

 

 

戸惑いの表情を見せた楼音だったが、すぐに普段と変わらない雰囲気に戻っていた。

 

 

「分かりました。では、北郷様と呼ばせて頂きます。」

 

 

内心では様付けもやめてもらいたいと思っていたが、仕方ないかという思いで指摘するのを諦めていた。

 

 

「ここに来る前に決めたように一刀を楼音の部下として城内に入れるなら、身内ということにした私たちも入れるのではないか?」

 

 

秋蘭が一応と言った感じで提案をしてみるが、それに対して楼音は…

 

 

「それは不可能です…女性は弱者とみなされるため、先程言ったように道具として扱われてしまうと思われますし、そうなってしまっては2度と帰れなくなってしまいます。それにすでにお気づきかと思いますが…」

 

 

街中を見てみると、仕事をしているのは女性がほとんどで男性客の横暴に耐える人もいれば、道行く女性は傷だらけで破れ布を着て歩いていたり…なかには子供に首輪の様なもので繋がれているだけでなく、その状態で妊娠をしている女性も見受けられた。

楼音の言わんとしていることを理解した冥琳や秋蘭、そして一刀はその光景を見て衝撃を受けていた。

 

 

「ふむ、それならば私たちは弱者と思われなければよいだけだな…あれこれ考えている時間も惜しいからな」

 

 

「そうだな…冥琳殿の言うとおりだ。要は私達の力を見せつけてやればよいわけだ。それなら文句もあるまいよ」

 

 

「やっぱりそうなるか〜〜〜」

 

 

不思議そうな表情を浮かべる楼音をよそに一刀は深いため息をついていたが、恋と秋蘭はやる気満々で一行は焔王のいる城へと進んで行った。

 

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そして、焔王のいる王の間では…1人の兵士が焔王のもとへと駆け込んでいた。

 

 

「え、焔王様!!た、大変です!城門前で兵たちが女にやられています」

 

 

「な、なんと…もっと詳しい事は分からないのか?」

 

 

「あ、相手は女が3人に男が1人でいずれもこの国の者ではないと思われますが、うち女2人はとても強く我々の手には負えません!」

 

 

「臨禅達にその事を伝えて必要とあれば城内に通しても構わない。とにかくこれ以上けが人を増やさないように相手に攻撃を仕掛けるのは止めるんだ」

 

 

一礼して兵士が出ていくと、すぐに臨禅のもとへと向かい同じことを報告する。

すると臨禅は女たちが暴れている城門前へと出向く。

 

 

「お前たちは何者だ?見たところこの国の者ではあるまい…?」

 

 

臨禅が暴れていた秋蘭と恋に対して問いかけると2人の様子を少し離れたところで見ていた一刀達が2人のもとへと歩み寄り、楼音だけが臨禅の前へと進んで行った。

 

 

「ん?お前は先日、部隊を率いて魏に侵攻したのでは?」

 

 

「我が軍と焔王様より預かりし軍は魏に破れて捕虜となり、私は何とか逃げ延びてきたのでございます。この者たちは先日、帰還する途中に出会い武勇に長けているのが分かったため、私が連れてきて私とともに焔王様の元で仕えるためでございます。一刻も早く兵を揃えねばならなかったので…」

 

 

前話で華琳に保護を依頼した兵士たちを捕虜の分を補うという名目で臨禅達に言う事で秋蘭たちを城内に入れる口実にしようとしていた。

 

 

「その女2人の力は認めよう。この有様を見れば、そこの2人の力は素晴らしいが…後ろにおる男と眼鏡を掛けた女はいったい何者だ?」

 

 

臨禅の隣に突然現れた宗閑が楼音に続けて問いかけた。

 

 

「そこの男は私の夫で、メガネをかけた女は夫の姉でございます。加えて言いますと、お認めになった2人の身内で知勇に長けております。」

 

 

「ほぉ〜貴様に夫がいたとはな…なぜ今まで黙っておった?」

 

 

「夫は怪我をしていたため、充分な働きが出来ぬとおもっただけでなく、焔王様に仕えている身の私が焔王様を差し置く様な事はとても言えず…」

 

 

楼音が説明をしていると冥琳と一刀の周りを臨禅の部下が取り囲み…

 

 

「お前の夫であの2人の身内であれば…さぞ、その武勇は優れているのであろうな」

 

 

臨禅が指で合図の様な事をすると部下たちが一刀と冥琳に襲いかかろうとしたが…途端に臨禅の部下たちはその場で金縛りにあったように動けなくなってしまう。

 

 

「臨禅様…これ以上の戯れは私への挑戦と受け取ってもよろしいのでしょうか…?」

 

 

一刀を守るために動きだそうとした恋にも負けず劣らずの殺気と闘気を込めた楼音の雰囲気に臨禅の部下たちは動けずにいた。

 

 

「まぁ、お前の好きにするがよい…しかし、不穏な動きをすれば例えお前の夫や身内であってもわかっておろうな?」

 

 

楼音は黙ってうなずくと臨禅と宗閑はその場を立ち去っていき、楼音は一刀達を部屋へと連れて行くことに成功し、つかの間の休息を取っていた。

 

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「なんとか上手くいったな〜秋蘭と恋が暴れ始めた時はどうなる事かと思ってヒヤヒヤしたよ。」

 

 

「そうか?私ならうまくいくと思ってたぞ?そもそもあの程度で城を守っていることに私は驚いたぞ。」

 

 

「恋も…同じ…」

 

 

自分の気持ちをよそに暴れていた当人たちは違う事を考えていたことに落ち込む一刀。

 

 

「しかし、秋蘭殿の言うとおり。城を守るにしては兵が弱すぎるし、頼りなかったのは事実だな。やはり女だからという事なのか…どういうことなんだ、楼音?」

 

 

「確かに女性ということもあるかと思いますが、そのほかにも私が焔王様の部隊を魏へ侵攻させた事や臨禅達が内乱を起こすために自身の兵力を温存していることも要因していると思われます。現に先程の兵たちは雇われて間もない浪人崩れですので…」

 

 

「なるほどな…互いに兵を温存したことが警備が手薄な訳か…だからと言って気は抜けんな。2人の暴れている様を平然と見ていた者たちもかなりいたからな」

 

 

冥琳が釘を刺すように全員に話すと、聞いていた他の全員は頷いて答えていた。

 

 

「じゃあ、これからは慎重に動くこととしてそれぞれの動きを確認していこう。俺と楼音で焔王さんを連れ出す準備とか城内の探りなんかをしてみるよ。」

 

 

「ふむ…では、私は秋蘭殿と恋殿を連れて脱出経路の確保と万が一に備えた手配をしておこう。可能であれば、こちらでも臨禅と宗閑という者について調べてみよう。いつ反乱をおこすか分からんからな」

 

 

一刀と冥琳がお互いの動きを確認すると、楼音は冥琳に向かって頭を下げていた。

 

 

「どうか、よろしくお願いします…もし、分からない事があれば私に何でもおっしゃってください。私の配下もまだ城内に残っているので、必要とあればいつでも…」

 

 

冥琳の後ろで万が一の事態に備えて服の中に入る武器を隠し持っていた秋蘭と恋は「ああ、頼むぞ」とだけ答えていた。

 

 

こうして一刀たちはそれぞれ別々に動き始めた。

 

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その頃の臨禅は自室で宗閑は楼音の動きについて話し合っていた。

 

 

「臨禅様、やはり楼音と焔王が結託して部隊を動かし、魏に降伏したと見せかけて兵力を温存しているようでございます。楼音が戻ってきたのも、それを怪しまれぬためかと…現に魏には動きはございません」

 

 

「やはりな…恐らく、こちらの動きに気付いての事だろう。それならば、蜀の劉備と呉の孫策には何か動きがあったか?」

 

 

「はっ…双方とも先日のこちらが仕掛けた戦の救援の名目で魏に滞在しているものと思われます。蜀と呉に放った斥候によりますと双方の城にはいずれも猛将とそれなりの兵が残っていると報告が入っています。」

 

 

「ふん!留守を狙われぬためか…小癪な事を…まぁ、よい。この国を取ってから三国ともいただくとしよう。楼音と焔王に気取られぬようにあの計画も進めよ。こちらの計画はまだ奴らには勘付かれてはならんぞ」

 

 

臨禅に向かって頭を下げてから宗閑は部屋から立ち去って行った。

 

 

その頃の一刀と楼音は焔王と接見するべく玉座へと向かっていた。

 

 

「臨禅の目的って焔王さんを追放、もしくは殺害して自分が王位に就くことなんだよね?前から思ってたんだけど、それなら今までどうして動かなかったのかな…」

 

 

「それは私にも分かりません。私も部下を使って臨禅や宗閑の周囲に探りを入れましたが、分かる事はすべて魏でお話しした事ばかりで…現在は焔王様が側近に探りを入れるよう命じていましたので、これからその結果が聞けるかもしれません。」

 

 

一刀は考え込むような仕草を見せていたが、そこに間髪いれずに楼音が話し続ける。

 

 

「それよりも北郷様…これから焔王様との接見ですが、焔王様の護衛を務めているのは臨禅の部下のため不用意な事はあまり仰らないで頂けますか?下手をすれば、その場で斬首されかねませんので…」

 

 

「き、気をつけます…」

 

 

そんな事を話していると焔王の玉座の前へと到着して、2人は中へと入っていく。

 

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あとがき

 

 

遅くなってホント〜〜〜〜〜〜にすいません!!!m(__)m

大して期待していないと思いますが、自分なりに頑張ってみました 泣

 

 

ここのところ出費(必要経費という奴)が多くて、どうしても気力が落ちまくってまして…PCゲームとか色々欲しい物とかやりたい物はあるんですけどね。

 

 

そこまでお金が回せないのが現状。そして今年でニートになって5年になろうとしてる…人生を完全に諦めました 泣

 

 

別の投稿サイトに書いてる作品とここでも2作を並行して書いてるといくらニートでも気力が続かんのですよ…

 

 

とまぁ〜こんな調子のダメ人間ですが、長い目で見てくれると嬉しいです!

それでは次のお話まで(期待しないで)お待ちください!

説明
第七話アップです!


今回は今までの短編などとはちょっと違う感じにしてみたので、かなり違和感を感じるところやおかしな感じのところが多々あるかと思いますが、これまで同様長い目で見てもらえると嬉しいです。
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