英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜遊撃士協会・クロスベル支部〜

 

「………………」

「じ、時空を超える事ができる竜――――”真竜”……それがミントさんの正体……」

「もはや伝承としか思えない程荒唐無稽な話ですね……」

「非常識の元には非常識が集まる。それを体現しているな、”ブライト家”は。」

「確かにそうね……」

「ああ……ん?それじゃあ何でお前さん達はまだ俺達の時代にいるんだ?クロイス家との戦いは”碧の大樹”が消えた事で終わったんだろ?」

リィン達が驚いている中、ユーシスの言葉にサラ教官と共に頷いたトヴァルはある事に気付いてサティアを見つめて尋ね、サティアは今も自分達がリィン達の時代にいる理由――――暗殺されたマリアベルが現代のキーアを暴走させ、その結果時空間の流れが一時的に滅茶苦茶になった影響でしばらく時代を超える事ができない為時空間の流れが落ち着くまで今も現代に残っている事を説明した。

 

「あの”碧の大樹”でそんな事があったのですか……」

「それでいつになったらあんた達は元の時代に帰るのよ?」

サティアの話を聞いたリィンは驚き、サラ教官は真剣な表情で尋ねた。

「未来の自分自身に事情を聞いたミントの話ではあの碧の大樹が消えた日から半年は経たないと時空間の流れが落ち着かないそうよ。」

「半年!?という事は……!」

「は、半年も女神様達が現代にいるという事になりますね……」

「そしてその半年間を満喫する為にあのふざけた女神は呑気に観光旅行をしているという訳か……」

サティアの答えを聞いたアリサは驚き、エリスは苦笑し、ユーシスは疲れた表情で呟き

「まあ……フフ、という事はお姉様もしばらくこの時代にいるのですね。」

アイドスは目を丸くした後嬉しそうな表情で微笑んだ。

 

「あの女神の事だから、絶対何かとんでもない事を仕出かしそうね。」

「女神が観光旅行をしているなんて事実、各国のVIPが知ったら絶対慌てるぞ。」

「ホント、非常識一家よね、”ブライト家”って……―――それで話を最初に戻るけどアナタ達は確かエレボニア帝国の滅亡を防ぐ為にマルギレッタ・シリオスという人物に接触する為にクロスベルに来たのよね?」

疲れた表情をしているサラ教官とトヴァルの言葉に頷いたミシェルは気を取り直して尋ねた。

 

「はい。マルギレッタさんが今どこにいるかわかりませんか?」

「うーん、悪いけどクロスベルのVIPの動向については徹底的に秘匿されていてアタシ達もまだ掴んでいないのよ。トヴァルから話を聞いてウチの遊撃士達にオルキスタワーの受付にクロスベルに残っているVIP達の動向について探らせてみたのだけど、今は二大国と戦争中だから教えられないって断られたそうよ。」

「クロスベル警察の方はどうだ?クロスベル警察の局長と上層部に”六銃士”の”黄金の戦王”と”蒼銀の魔剣姫”がいたから何かわからないのか?」

リィンの質問に疲れた表情で答えたミシェルの説明を聞いたトヴァルはある事を思い出して尋ねた。

 

「そっちも駄目ね。あの”教団”の事件以来確かにウチとも何度か協力体制を取った事があるけど、だからと言って秘匿情報はさすがに話してくれないわ。――――ただ、クロスベルの復興の為にそのVIP達が自ら市内や市外にある街や村で復興の指示をしている所や自ら復興を手伝っている所が見かけられたって情報は入っているわ。」

「そうなると……下手したら市外に出ている可能性もあるって事ね……」

「それじゃあクロスベルの市内どころか市外にある町や村にも行ってマルギレッタさんを探さないといけない事になるじゃない……」

「そんな悠長な事をしている暇はないぞ。」

「はい……恐らく昨日の進軍スピードを考えると今日中にエレボニア帝国全土を制圧するでしょうから、できれば今日中に接触したいのですが……」

ミシェルの話を聞いたサラ教官は考え込み、疲れた表情で呟いたアリサの言葉に続いたユーシスの意見を聞いたエリスは辛そうな表情で頷いた。

 

「……あの。サティアさんは”未来”から来ているのですから、何か知りませんか?」

「リィン、それは…………」

「確かに未来から来ているお前さんにとっては過去の出来事だから、知っていそうだな。」

サティアへの質問を聞いたアイドスは複雑そうな表情をし、トヴァルは真剣な表情で頷いてサティアを見つめた。

 

「―――悪いけどそれについては教えられないわ。ミントからできるだけ未来を変えかねないような事を過去の時代の人々に話さないで欲しいって念を押されているの。現在の”歴史の流れ”を変える恐れが出てくるかもしれないし。」

「そんな……!」

「……未来のあんた自身や過去の空の女神達が今この場でいる事自体が十分”歴史の流れ”が変わっていると思うのだけど?」

サティアの答えを聞いたアリサは悲痛そうな表情をし、サラ教官は厳しい表情で尋ねた。

「―――未来の自分自身から”歴史の流れ”を聞かされたミントの話では今私達がこうして現代にいる事自体も”正しい歴史の流れ”だそうよ。」

「なっ!?」

「……”歴史の流れ”を守る為に二大国は滅びてもいいのかよ!?」

サティアの答えを聞いたリィンは驚き、トヴァルは怒りの表情で尋ね

「”国”は滅びても”人”は生き続けるわ。大切なのは”国”ではなく”人”よ。」

「………………」

サティアの答えを聞き、ある程度理解できたユーシスは複雑そうな表情で黙り込んでいた。

 

「話を遮る形で悪いけど、カルバード共和国は”もう滅びているわよ”。」

「え…………」

「何だと!?」

「エレボニア帝国侵攻時の進軍スピードを考えると”碧の大樹”が現れた時期から既にカルバード共和国への侵攻を開始していた連合軍がカルバード共和国全土を制圧していてもおかしくないわね……ロックスミス大統領はどうなったのかしら?」

ミシェルの話を聞いたエリスは呆け、ユーシスは厳しい表情で声をあげ、サラ教官は唇を噛みしめて呟いた後ミシェルに尋ねた。

 

「……ロックスミス大統領は連合軍が首都に侵攻した際に兵達に降伏を命じた後責任を取って”自決”したそうよ。連合軍が大統領がいると思われる執務室に突入した際に大統領の死体があったとの事よ。」

「そんな……!」

「……それも”改変された歴史の正しい流れ”なのかしら?」

ミシェルの話を聞いたリィンは辛そうな表情をし、サラ教官は厳しい表情でサティアに尋ねた。

 

「ええ。それとマルギレッタの事については私が教えなくても、他の人が今日中に貴方達に教えてくれるそうだから、安心して。」

「え……わ、私達にですか?一体どなたが………」

「……それについてはさっきも言ったように今日中にわかるわ。ミシェル、休憩に入るわね。」

「あ、ちょっと!?」

エリスの質問を誤魔化して答えたサティアはミシェルの制止の声を無視して2階に上がって行った。

 

「おい、どうする。あの様子では口は一切割らないと思うぞ。」

「……サティアさんの言葉を信じるなら、マルギレッタさんの居場所が誰かが教えてくれるんだ。それを待ちながら市内で情報収集をしよう。」

ユーシスの疑問を聞いたリィンは静かな表情で提案し

「それが賢明ね……こっちも何かわかったら連絡するわ。連絡先を教えてもらってもいいかしら?」

「はい、お願いします。」

ミシェルと連絡番号を交換し合った後市内で手分けして情報収集をした。しかしマルギレッタの情報は全く手に入らず、リィン達は中央広場に一端集まって顔を見合わせて相談していた。

 

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光と闇の軌跡の時と違い、エイドス達の滞在期間が半年に伸びましたwwそしてエイドス達はその半年を使って自由気ままに過ごして時には色々と仕出かして各国のVIPや教会の上層部の頭を抱えさせるのでしょうねww

 

説明
第539話
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コメント
本郷 刃様 それがわかっていない皇族や貴族キャラがたくさんいるのがゲームですからねぇ…… マジロン様 未来を考えるとそれが”必要な犠牲”なので仕方ないかと(sorano)
国が滅びても人は生き続けるですか。軍人とかは正史よりも数倍死んでますけどね。しかも一人の都合で。胸張って言えるようなことでもないですが。(マジロン)
よくある言葉ですが、国があるから人が生きられるのではなく、人が生きているから国があることができるんですよね(本郷 刃)
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