仮面ライダー剣×ゴッドイーター ?掴み取る運命? 第2話 |
十真
「ふい?」
十真はシャワールームから出て、タオル片手に自室へと向かった。
十真
「訓練もなかなかキツイな」
廊下を歩きながら、肩や背筋を伸ばす。
今日は一日中訓練だった。フットワークや近接格闘術、ラウズカードを使用した動きなど、戦闘のほとんどを叩き込まれた。
コウタは旧型ラウザーシステムのため、十真とは別の場所で訓練を受けていた。
訓練の内容は、十真と同じようなものだったらしい。
十真
「腹減ったなぁ…タオル置いてきたら飯にするか」
十真は廊下を歩く速度を上げ、夕食へと急いだ。
そんな日が半月ほど続き、十真にようやく時が訪れた。
リンドウ
「お、来たな新入り」
コウタと共にエントランスに向かうと、少々歳上らしき男が立っていた。
コウタ
「藤木 コウタ以下2名、ただいま参りました!」
十真
「俺を省略すんな」
ここ数日間で、コウタともそれなりの仲になり、お互いの性格も掴めた気がする。
コウタの言葉は、張り切ってるのか緊張してるのか、どちらにせよ、その顔からいつもの朗らかさは消えていた。
リンドウ
「ははは。そっちのバンダナ小僧は緊張してるみたいだが、お前はそうでもなさそうだな」
十真
「あ、いやそんなことは…」
リンドウ
「ま、あんまし硬くなるな。気楽に行こうぜ?」
目の前の男、リンドウはコウタの肩を軽く叩いた。自然にコウタの隣にいた十真とリンドウの距離も近くなった。
十真
「(怖くはないけど、近くにいるだけで圧倒されるな……これがベテランってやつか…?)」
チラとリンドウの胸ポケットにかかる社員証を見ると、少尉の二文字が刻まれていた。
なかなかの階級だ。
リンドウ
「俺が第一部隊隊長で、お前達の上官になる、雨宮 リンドウだ。まぁ、よろしく頼む」
コウタ
「はい!」
十真
「よろしくお願いします」
リンドウ
「さて、今回はお前達の初任務なんだったよな」
そう、今日は十真とコウタの初任務の日なのだ。
リンドウ
「部隊の規律やら何やら色々とあるんだが……まぁ、面倒くさいことは省略する」
十真・コウタ
「(ウォイ!)」
リンドウの適当ぶりに、2人の緊張は完全に消え去った。
???
「あら、新入りさん達?」
とても初任務前とは思えない空気の中へ、1人の女性が入ってきた。
黒髪のショートヘアをした、リンドウと同年代くらいの綺麗な女性だった。
お淑やかに微笑みながらリンドウに尋ねた。
リンドウ
「あー、サクヤくん。今新入り共に厳しい規律を叩き込んでるんだから」
十真・コウタ
「(嘘だそんなこと!)」
サクヤと呼ばれた女性は、リンドウの言葉の真相を知っているかのようにクスッと笑い、可愛らしく敬礼をした。
サクヤ
「了解です、上官殿」
サクヤは十真とコウタに軽く手を振ると、ゆっくりと何処かへ歩き去った。
リンドウ
「…というわけで、早速お仕事の話に入るぞ」
リンドウは気楽そうな顔をしたまま、話を切り出した。しかし、その後ろにはただならぬオーラを感じた。
このリンドウという人物が、任務に対してどのように向き合っているかがはっきりとわかる。
リンドウ
「今回は小型のアラガミ『オウガテイル』を三体、討伐または封印してもらう」
十真
「(オウガテイル…顎の牙と尻尾に扇状に広がった棘に注意しろ、だったか)」
いつだったか、サカキ博士が開いた新米のための講習会でそんなことを学んだ覚えがある。
リンドウ
「それと、俺から直々に命令がある」
コウタ
「命令?」
リンドウ
「命令は3つ」
リンドウは軽く握った拳を上げ、一本ずつ指を立てていった。
リンドウ
「死ぬな。死にそうになったら逃げろ。そんで隠れろ。運が良けりゃ不意を突いてぶっ殺せ」
言い終えると、リンドウの拳からは4本の指が立っていた。
リンドウ
「あ、これじゃ4つか。とりあえず死ぬな。それさえ守れば、あとは万事どうにでもなる」
さてと、とリンドウは一息つき、エントランスの時計をちらと見る。
リンドウ
「時間だな。行くぞ」
2人はリンドウの後に続き、エントランスから繋がる出撃ゲートに向かう。
ゲートには二台の銀のバイクと、一台の蒼色のバイクが停められていた。
コウタ
「何これ?」
リンドウ
「おっと、こいつが噂に聞く新型専用機ってやつか」
十真
「これが…」
事前に画像で見せられた、ライダーシステム・スペードの専用バイク『ブルースペイダー』。
蒼と銀の輝きを放つそれは、正に闇を切り裂くような走りをしてくれそうだ。
ライダーシステム専用のバイクは、バイクに直接ラウズカードをラウズし、その能力をバイクに与えることができる。
訓練の時にテスト機で練習をしたが、とても戦略の幅が広がりそうだった。
3人でブルースペイダーを魅入っていると、リンドウの通信機が通知を知らせた。
通信機
『リンドウさん。出撃時刻です』
ピピッ、という呼び出し音の後、女性の通信が聞こえた。
コウタ
「この声、確かオペレーター兼受付の『ヒバリ』ちゃんだよね?」
ヒバリ
『はい。コウタさん、十真さん。これからよろしくお願いしますね』
十真
「こちらこそ」
ヒバリの声の明るさから、自然と2人の顔には笑みがこぼれた。きっとオペレーターとして培ってきた力なのだろう。
ヒバリ
『敵アラガミは、南西40Km。依然、行動を止めたままです』
リンドウ
「了解。すぐに出る」
3人はそれぞれのバイクに乗り、エンジンをかけた。
出撃ゲートが開ききったと同時にリンドウが走り出し、それにつられて十真とコウタも走り出す。
サカキ
「失礼するよ」
サカキはとある部屋へと来ていた。
部屋には豪華な絵画や陶芸品が飾られており、いかにも上流階級の者の部屋に見える。
大量の書類やコンピュータの置かれた大きめのデスクには、一人の男が座っていた。
サカキ
「やぁ、ヨハン。ようやく帰ってきたのかい」
ヨハンと呼ぼれた男は、ゆっくりとイスにもたれかかれ、まるで城主が家臣を迎えるかのようにサカキを迎えた。
サカキ
「南の島に行ったと思ったら、今度は北の雪国…やはり、支部長という仕事は忙しそうだねぇ。私には到底できそうにない」
イスに座る彼はフェンリル極東支部の支部長であり、名を『ヨハネス・フォン・シックザール』という。
ヨハネス
「もう慣れてきたものだ。今日は、私を労いに来たわけではないのだろう?」
サカキ
「あぁ。例の新型君のことで少しね」
ヨハネス
「メディカルチェックのデータなら、既に届いているが?」
サカキ
「もう目は通したかい?」
ヨハネス
「あぁ」
ヨハネスはゆっくりと体を起こし、長机に置かれたコンピューターから十真のデータを出した。
ヨハネス
「悪くない数値…いや、むしろ高すぎるな」
サカキ
「さすがは新型適合者…といったところかな」
サカキはその細い目を動かすことなく、ヨハネスを見つめた。
サカキ
「この融合係数の高さ…技術者としては興味を唆られるんだが、君はどうかな?」
ヨハネス
「私はただ、上司として彼の職務を支えるだけだ。そもそも、今の私は技術者を廃業したんだ」
サカキ
「本当にそうかい?」
ヨハネス
「君がいるからやめたんだ。自覚したまえ。用件はそれだけか?」
サカキ
「あぁ。無駄話に付き合ってくれて、感謝するよ」
サカキはヨハネスに背を向け、真っ直ぐと扉に向かった。
しかしそそくさと去ろうとするサカキを、ヨハネスは引き止めた。
サカキ
「何だい?」
ヨハネス
「ロシアから帰ってきて、早速朗報がある」
ヨハネスは1束の書類を前に出し、1枚目の紙に載った写真を見せた。
サカキ
「可愛い女の子じゃないか」
ヨハネス
「近々、極東支部に配属される、新型適合者だ」
どうだ、驚いただろう、という顔でヨハネスがサカキを見る。
対しサカキは、驚きつつも、技術者の興味の目で彼を見つめ返した。
作者&十真 より…
作者
「完結のイマジネーションが見えない…!」
十真
「おい」
作者
「あと、リンドウさんがキャラ崩壊しそう…!」
十真
「直せ」
作者
「ゴッドイーター2レイジバースト欲しい…!」
十真
「作品制作に関係ないな。てか、まだ買ってないのか」
作者
「CSMディケイドライバー&カードセット欲しい…!」
十真
「もはやゴッドイーターともブレイドとも関係ないな」
作者
「というわけで次回もお楽しみに!」
十真
「どういう流れだよ」
作者
「次回はようやく、十真達がアラガミとバトルです。ブレイドも出ます!」
十真
「オリジナルライダーも出るそうなので、お楽しみに」
作者
「それではこの辺で…」
説明 | ||
リンドウから厳しい規律を叩き込まれます(嘘)。 ※本文を一部訂正しました。ストーリー自体に変更はありません。 |
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