真・恋姫無双 別たれし御遣い 第四十話 |
〜一刀視点〜
此方に弾丸の様な速さで向かって来る人影は
「恋!?」
呂布奉先 恋だった
恋は司馬孚の指揮する部隊に単身で突撃する
以前と変わらぬその飛将軍の武は敵を次々となぎ倒して行く
何故、恋が此処に?
その疑問は後回しだ
俺は司馬孚に向かって行く
「むっ」
此方に気づいた司馬孚は斬撃を放ってくるがそれを屈んで躱す
確かに太刀筋は玄人だ 修練も積んで決して悪くは無いが・・・
懐に潜り込んで組み付く
「くっ、離せ 汚らわしい」
こいつは荀ケと同類か?
司馬孚の言葉は無視して組み付いたまま、腕の関節を極め投げを放つ
その一撃で司馬孚は失神したようだ
「これは返してもらうよ」
司馬孚が持っていた刀は「朱雀」 俺の刀だ
多分『天の御遣い』の剣と云う事で自分の物にしたのだろう
曹操から国を奪うし、俺から刀を奪う
司馬一族は盗んでばかりだな
刀を取り返し
「陛下、恋、行くぞ!」
「はい」
「うん」
「おう、ですぞ」
いつの間にか音々も来ていた
馬を2頭奪い、俺と陛下、恋と音々に分かれて乗り込み指揮官が倒れ混乱している部隊を突破
洛陽から脱出した
「ところで、どこに向かうのですか?」
音々の質問に
「夷陵だ
襄陽の方が近いが、司馬一族の率いる軍が一緒にいる
陛下に停戦の勅を涼州連合に伝えてもらうにしても必ず妨害・・殺害しようとして来る
戦闘になってしまえば陛下の声も届かない
乱心者として殺害し、顔をつぶせば誰だか分からなくなる
陛下の顔を兵が知っている訳無いしな
かといって襄陽に直接入ったら、今度は俺が陛下を誘拐したと言ってくるのは確実だ
陛下が何を言っても、脅されていると云えばお終いだ
だから夷陵を攻めている劉備軍を止める
その後、襄陽を攻めている涼州連合を含めた軍で司馬懿を倒す!」
「陛下、恋の事なんですが・・・」
追手も無く、夷陵に向かう道中 日も落ち野営している時に陛下に尋ねる
「ええ、実は反董卓連合で呂布は陳宮と逃亡しましたがその後”家族”が心配で洛陽に戻ろうとしたのです
それを知った私の部下で曹操にも司馬懿にも服従しなかった者達が呂布を匿う事にしたのです
呂布の”家族”を保護した上で
そしていざ事を起こす時には力を貸して欲しいと」
陛下の策の切り札は恋だった訳か
「恋、さっきはありがとう
助かったよ」
そう言って恋の頭を撫でてあげる
以前、一緒の陣営にいたから知っている 恋はこうされると嬉しそうにする
で次に来るのが
「恋殿に触るな、ですぞ〜!」
音々が飛び蹴りをしてくるが躱す
「躱すな、ですぞ!」
「躱すに決まってるだろ
そうだ 二人共知らないだろうから教えておくよ
月と詠は無事だ 孫呉が保護してる」
「ほんと?」
「なんと、ですぞ」
その日の再会は双方に嬉しい物だった
俺達が到着した時、夷陵は戦闘の真っ只中だった
直ぐに劉備の本陣へ向かう
「止まれ、何者だ!」
兵に見咎められるが
「控えよ!
この方は皇帝 劉協陛下なるぞ!
直ぐに劉備の所へ案内せよ!」
この言葉に兵も驚き、劉備に会う事が出来た
陛下は玉璽を持って来ていたので、身分の証明は出来た
「劉備、先ずは今行われている戦闘を止めさせなさい
話はそれからです」
「え?でも勅命では・・・」
劉備が疑問を挟むが
「聞こえなかったのですか?」
陛下の言で直ぐに部隊を戻す
「桃香様、突然の撤退命令は何故・・・
北郷一刀?」
「久しぶりだね 関羽」
戻るなり、劉備に質問しようとした関羽が俺に気づき警戒心を露わにする だが
「愛紗ちゃん
北郷さんより今は此方の方 劉協陛下だよ」
関羽は慌てて平伏する
劉備達が片膝ついてるのだから先に気づけよ と心の中で突っ込んでおく
「この戦に於いての停戦の勅を発します
並びに孫呉、涼州連合と協力して司馬懿討伐を命じます」
突然の命に劉備陣営は声も無い
「司馬懿の本性は漢の逆賊
なれば、迷う事は無い筈では?」
俺が補足を入れると
「しかし、夷陵の孫呉が受け入れてくれるでしょうか?」
劉備の疑問に
「俺が今から行ってくるよ
恋、音々、陛下を頼むよ」
〜鞘華視点〜
敵が途中で退いて行った
「静里、何故だか分かる?」
「分かりません
攻勢を中断する理由が全く見当たりません」
そうだよね
頭を捻っていると
「鞘華さん、誰か此方に向かって来ます」
見ると、一人此方に向かって来る
その人が近づいて来て、顔が認識できる あれは!
「一君?!」
「一刀さん?!」
〜あとがき〜
やって来たのは恋でした
次で一刀と鞘華が再会します
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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再会か〜空気呼んで最初は大人しそうだけどその後で尋問ですねw(nao) | ||
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