孤高の御遣い 北郷流無刀術阿修羅伝 君の真名を呼ぶ 15
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凪「やああああああああああ!!!!」

 

刀誠「直線的過ぎじゃ!!攻撃にひねりを加えるのじゃ!!」

 

凪の乱打を刀誠は指示を出しながら捌いていく

 

天角の闘技場にて刀誠は並み居る将達に一人ずつ稽古を付けていた

 

凪「はああああああああああ!!!!」

 

右腕を振りかぶり、縮地で間合いを詰め殴り掛かろうとする凪であったが

 

刀誠「ふんっ!!」

 

ドンッ!

 

凪「ぐっ!!?」

 

初速から一気に最高速度に達しようとした時、刀誠が小刻みな縮地で先に間合いを詰め凪の右肩口を腕で抑え右拳の破壊力を封殺する

 

刀誠「ふんっ!」

 

ドウッ!!

 

凪「くはあっ!!!」

 

そして、刀誠の左回し蹴りを脇腹に受け肺から一気に空気が抜ける

 

ギチッ  ギリギリギリギリ

 

凪「ぐうああああああああ!!!」

 

それと同時に右腕を取られ逆関節を極められた凪は地面に屈服する

 

右腕の肘関節が悲鳴を上げ、凪は苦悶の表情を見せる

 

刀誠「ふむ、一刀の弟子と称しているだけあってなかなかに仕込まれているようじゃが、ちと真面目過ぎかのう、そのような単調な攻撃では動きを先読みされてしまうぞい」

 

助言を与えながら極めた腕を解き、痛めた関節を摩ってあげる刀誠

 

凪「くっ・・・・・はい、より一層精進します!」

 

百合「皆さん、お茶が入りましたよ〜」

 

刀誠「ふぅ〜〜〜〜・・・・・よし、今回はここまでじゃ」

 

凪「はい、ありがとうございました♪」

 

北郷流宗家の稽古は相当に充実したもので、凪も大満足だった

 

春蘭「う〜〜〜〜む、凪でも無理だったか」

 

愛紗「流石はご主人様のおじい様です♪」

 

鈴々「にゃ〜〜〜、お兄ちゃんのおじいちゃんって凄いんだな〜〜」

 

雪蓮「でも、こんなおじいちゃんがなんでこんなに動けるのよ?」

 

春蘭「むぅ、天の血というのはこれ程に貴重なものということか」

 

華佗「ああ、どう考えても八十過ぎの老人の動きとは思えん」

 

実を言うとこの凪の稽古はこれで10人目なのだ

 

これだけの老体でここまでの将達を連続で相手に出来る刀誠の底力に一同は尊敬の念を隠せなかった

 

時雨「おじい様もどうぞ」

 

刀誠「ふぅふぅ・・・・・すまんのう」

 

しかし、それでも僅かに息切れをしてフラ付くところがあった

 

雪蓮「ちょっとちょっと、大丈夫、おじいちゃん!!?」

 

刀誠「うむ、心配はいらぬ・・・・・ふぅ〜〜〜、ワシも年じゃのう、直ぐに息が上がるようになってしまったわい」

 

村長「何を仰います、これだけの人数を素手で相手に出来れば十分ですじゃ」

 

刀誠「いや、これでも昔と比べれば、思考に体が付いていっておらん」

 

葵「おいおい、体が全盛期を過ぎているってのにここまで動けるのか!?」

 

純夏「恐るべしは北郷流ね・・・・・」

 

恋「(コク)・・・・・凄い、おじいちゃん」

 

雪蓮「ええ、北郷家には何か長生きする為の秘伝でもあるんじゃないの?」

 

刀誠「そんなものないぞ、むしろ北郷一族は歴代の殆どが短命じゃ」

 

時雨「そ、それはどういう事なんですか!!?」

 

刀誠「ワシらの一族は、戦いに身を置く時間が長かったからのう、どんなに体を鍛え抜こうとも、体を酷使し続ければ自然と寿命は減る、おまけにある程度の強さを得るまでには最低でも10年の時間が掛かってしまう、その時間を短縮する為には人道に背いた無茶も止むを得なかったのじゃ」

 

春蘭「人道に背いた無茶だと?」

 

刀誠「うむ・・・・・回天丹田、これだけ言えばお主らも理解できるじゃろう」

 

「・・・・・・・・・・」

 

刀誠「回天丹田だけは北郷一族が自力で編みだした氣の荒業じゃが、他にも強さを得る為に北郷家はあらゆるものに手を出してきた・・・・・日本に存在しえる全ての殺しの技、兵法から暗殺術、果ては呪術や陰陽師、強さを得る為には余念が無かった、その為にお主達が見た事も無い術を多く有しておるのじゃ」

 

思春「聞いた事の無い名前が出て来たが、それがヤバいものであるのは分かる・・・・・それにしても、刀誠殿の戦い方は、一刀ともあの雷刀とも違っているな」

 

明命「はい、なんというか、物凄くやり難いです・・・・・」

 

凪「一刀様の様なあらゆる事態に対応した臨機応変さでもなく、雷刀様の様な荒々しさでもありませんね」

 

刀誠「それは、ワシが本来の北郷流を使っているからじゃな」

 

焔耶「本来の北郷流ですって?」

 

刀誠「うむ、北郷流の理念というのは、相手に本来の力の一割も出させずに勝つ、勝つべくして勝つ、これが基本じゃからのう」

 

星「それはどういう事なのですかな?」

 

刀誠「ふむ・・・・・例えば一刀の奴は、これまで試合をする時、お主達が全ての力を出せる状態になるまで待っておったじゃろう」

 

嵐「ああ、こっちの息が整うまで待ってくれていたな」

 

刀誠「そのような行いは本来の北郷流ではない、あ奴は賊を討っていた時はその理念をしっかり守っていたようじゃが、お主達と戦っている時はそれをしてこなかったようじゃからのう・・・・・相手に本来の力を出させるなど、それ相応の技を持って掛からねば対処しきれん、そのような事を永遠と続けていては北郷流の技は筒抜けになってしまい、いずれ格下の相手にも遅れを取るようになってしまう」

 

百合「それは、その通りでしょうけど・・・・・しかし、それは一刀君の器が大きいからですよ〜」

 

刀誠「ワシから見れば愚行この上ないわい、自分の手の内を晒すなど問題外じゃ、相手に研究されない、させてはならない、それが強さを保つうえでの絶対必須の理じゃ」

 

純夏「でも、私達も一刀に会ってからずっと北郷流の研究と対抗策を練って来たけど、未だに一度も勝ててないから、それでも十分じゃないの?」

 

刀誠「まぁの、あ奴はこの世界に来てからというもの、延々と賊を討ち技を磨いてきたからのう、その実戦経験と胆力があれば長持ちもするじゃろうが・・・・・それもいつまで続くものか」

 

凪「・・・・・それにしても不思議です、どうして北郷流は素手でここまで戦えるのですか?」

 

嵐「ああ、氣を使えるとはいえ、武器を持っている時よりも素手で戦っている方が強いのではないか?」

 

刀誠「うむ、疑問に思うのも無理はない、何せワシら北郷一族は元来素手で戦う事を生業としていたからのう」

 

愛紗「は?それはどういう事なのですか?」

 

刀誠「ワシらの先祖が暮らしていた土地はのう、農作には適しておったが、鉄などの資源は殆ど取れなかったのじゃ、よって外部からの脅威に対抗する為には、自らの体そのものを凶器とする他なかった・・・・・素手であらゆる武器に対応し、いかに効率的に人を殺せるか、それのみを徹底的に探究したのが北郷流の始まりじゃ」

 

星「なるほど、そういった経緯があるのか」

 

刀誠「もちろん使い手の性格や個性にもよる、刀を持った方が強いものもいれば、無手で戦う方が強い者もいれば、両方とも出来る人間もおる、一刀と雷刀は両方とも極めた人間じゃな」

 

鈴々「それじゃあ、おじいちゃんはどっちなのだ?」

 

刀誠「ワシか?ワシはどちらかというと刀を持った方がしっくりくるが、無刀術も不得手ではないぞ・・・・・忠久と金剛刀は、後から付け足したついで、北郷家の象徴にすぎん、北郷流を構成する上でその全ての基礎になっておるのが、この無刀術というわけじゃ」

 

春蘭「なるほどな、北郷流の強さの根元が分かったような気がする」

 

刀誠「北郷流は、まずはこの無刀術を徹底的に体に叩き込み、基礎を作り上げる・・・・・手の内を鍛えた後に刀を手に取る事で全ての事態に対処可能な流派に仕上げるのじゃ」

 

雪蓮「そっか、だから一刀は今まで一人でやってこれたのね」

 

恋「・・・・・おじいちゃん、次、恋の番」

 

葵「ああ、俺も一から体を鍛え直したいと思っていたからな、俺にもいっちょ手ほどきを頼むぜ♪」

 

刀誠「おいおい勘弁せい!いくらワシでもかの呂布奉先や馬騰寿成の相手など務まらんわい!」

 

葵「な〜〜〜に言ってんだ♪一刀を一瞬で倒した化け物が言う台詞かよ♪」

 

刀誠「老体を虐めるでない!ただでさえ10人連続で疲れておるのに!」

 

龍奈「だったら、後日に呂布と馬騰も素手でおじいちゃんとやればいいじゃない」

 

恋「・・・・・分かった♪」

 

葵「う〜〜〜ん、まぁそれなら妥協できるか・・・・・」

 

刀誠「おお〜♪龍奈ちゃんは優しいのう〜♪こういった思いやりのある娘に一刀を託したいものじゃわい〜♪」

 

ナデナデナデナデ

 

龍奈「えへへ〜♪当たり前だよ〜♪////////」

 

頭を撫でられる龍奈は一刀の時とは違った満足感を感じていた

 

雪蓮「・・・・・ねぇ、前から気になっていたんだけど、それって貴方の真名なの?」

 

龍奈「ああ、その話ね・・・・・龍族に真名なんて習慣は無いけど、これからは私も龍奈を真名にするわ、お前達はこれからもヴリトラと呼びなさい、お前達に私の本当の名を呼ばれるなんて反吐が出るわ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

この言動に一同は何も言えなかった

 

刀誠「これ、この子らも自分達の行いを悔いておるのじゃぞ、それ以上虐めるでない」

 

龍奈「だってぇ〜〜、こいつらが一刀にどんな事をしたのかおじいちゃんだって知ってるでしょ〜〜、おじいちゃんだって自分の孫をあそこまで追い詰められているのに、なんでそんな平然としていられるのよぉ〜〜」

 

刀誠「あ奴はこれを自分の贖罪として受け入れておるしこの子らを怨んでなどおらん、まぁそれは当たり前じゃな、あ奴もこれまで数えきれんほどの多くの人命を奪ったのじゃ、これくらいの事であーだこーだ言っていては筋は通らん」

 

龍奈「そうかもしれないけど・・・・・」

 

刀誠「一刀は、この子達の謝罪を快く受け入れるじゃろう、なにせ自分に誰かを怨む権利など無いと思っておるからのう、あ奴はきっと左慈と于吉の事も怨んではおらんじゃろう」

 

龍奈「・・・・・やっぱり納得できない」

 

雪蓮「ヴリトラ、安心しなさい、たとえ一刀があたし達を許そうともあたし達があたし達を許さないから」

 

星「ええ、私達も主と同じように未来永劫自分を許す気などない」

 

時雨「私達は、生涯を持って旦那様に尽くします」

 

愛紗「ああ、たとえご主人様を救えないとしても、ご主人様が少しでもご自分を許せるように、努力して見せる」

 

百合「もう私達は、一刀君を救おうだなんて考えません、一刀君が今後永遠に罪の意識から抜け出せないなら、私達もそれを共有します」

 

凪「はい、今後二度と一刀様に苦労は掛けません」

 

春蘭「その為に華琳様も休みを返上して働いていらっしゃる」

 

愛紗「桃香様も必死でやっています」

 

思春「ああ、蓮華様も小蓮様も北郷の手配書を回収するのに躍起になっていらっしゃる」

 

明命「はい、痛々しいです・・・・・」

 

現在、三国の軍師達は将と兵達を率いて一刀の手配書回収に全力を挙げて取り組んでいた

 

手配書を見つけてはすぐさまその場で焼却処分し、三日間で全てを処分する事を目標とし休み無しで動いていた

 

雪蓮「左慈と于吉の根城の情報はまだ届かないの?」

 

凪「・・・・・残念ながらまだ、北郷隊も含め三国の情報網を駆使して調べていますが・・・・・なんとも」

 

愛紗「管輅達からも情報は聞きだせなかったからな」

 

星「ああ、知らないの一点張りだからな」

 

純夏「・・・・・それにしても本当に腹立つわね、左慈と于吉の奴、今回天角には休暇で来ているのに、丸々ぶち壊しにしてくれて!」

 

愛紗「ああ、長期間ご主人様の寵愛を頂ける数少ない機会だというのに!」

 

凪「はい、私達はこの十日間を無駄に過ごしてしまいました」

 

雪蓮「本当そうよ、本来ならこの十日の夜の間に一刀に沢山注いでもらって、今頃孕んでいるはずなのにのに!」

 

華佗「おいおい、無茶は止めてくれよ!一刀は今回の件で心身ともに相当深く傷ついているはずだ!暫く閨は禁止だ!」

 

刀誠「おほ♪一刀の奴め、一夫多妻がまかり通るのをいいことにやりまくっておるか♪こりゃ多くの人命を奪った者には許されん行いじゃのう♪」

 

時雨「そこは・・・・・大目に見て下さい、刀誠様////////」

 

愛紗「はい、そもそも先の戦の発端は我々ですから/////////」

 

春蘭「ああ、私達は一刀に戦の後始末を全て押し付けていたからな」

 

星「それに、それは私達の望むところでもありますゆえ♪//////」

 

嵐「一刀には、これからは武人としてではなく父親として幸せになってもらう//////」

 

雪蓮「そもそも私達だって、天の畏怖っていう実と利を手に入れたいって思惑があるし・・・・・そこらへんは、一刀も了承しているから?///////」

 

刀誠「・・・・・これだけの美女達に気遣われて、一刀も幸せ者じゃのう・・・・・ワシも曾孫の顔を見てみたいが、たった十日ではどうにもならん、一刀の事をよろしく頼むぞ」

 

雪蓮「ええ・・・・・ねぇおじいちゃん、本当に私達の事を真名で呼んでくれないの?」

 

そう、刀誠は恋姫達が真名を預けようとしても全て断っていた

 

それは何故かというと

 

刀誠「何を言うておる、ワシは十日後にはすでにいなくなっておるのじゃぞ、ワシもこの世界の風習はよう分からんが、このような先の見えない者にそのような神聖なものを預けても何も意味はないわい」

 

と、こういうことである

 

愛紗「しかし・・・・・」

 

刀誠「よいよい、ワシに出来る事はあくまで一刀に道を示してやる事じゃ、それ以外はしてやれんからのう」

 

恋「・・・・・それじゃあおじいちゃん、明日、お願い♪」

 

葵「ああ、今日はしっかり英気を養って、本当の北郷流とやらを体感させてくれや♪」

 

刀誠「やれやれ世話が掛かるのう・・・・・まぁ、長生きはしてみるものじゃ、なにせ天下無双と名高い二人を相手にするなど滅多に出来ん体験じゃからのう♪このような老体で良ければ相手になるぞい♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貂蝉「・・・・・ご主人様もそうだけど、ご主人様のおじい様も負けないくらい儚いわね」

 

卑弥呼「ああ、あれがあのお方なりのご主人様に対する愛情なのだろう」

 

管輅「北郷一刀も不器用だけど、祖父も祖父ね」

 

卑弥呼「うむ、血は争えんという事か・・・・・」

 

三人は、柱の影から闘技場の一同を見ていた

 

管輅「・・・・・それにしても、北郷刀誠も厳しいわね、少しくらい孫に有利な形にしてもいいのではないかしら」

 

貂蝉「ええ、仕来りがあるのは分かるけど、もうちょっとご主人様に優しくしてあげてもいいのに」

 

そう、この三人は左慈と于吉の根城の場所を知っていた

 

しかし、これも刀誠に口止めされているので言う事は出来なかったのだ

 

卑弥呼「難しいのう、今後の選択次第でこの外史が存続するかしないかが決まって来るからな、私達もどこまで手を下せばいいのやら・・・・・」

 

管輅「少なくともあの祖父がここにいる間は下手な事はしない方がいいわね」

 

卑弥呼「うむ、ご主人様には悪いが、私達が会いに行ってしまったらそれこそ左慈と于吉に居場所を暴露するも同然だからのう」

 

貂蝉「まだこの外史は安定を保っているから左慈ちゃんと于吉ちゃんもご主人様には接触していないのは確かね」

 

管輅「千里眼も便利ではあるけど万能ではないからね」

 

卑弥呼「うむ、まだ向こうもご主人様を見つけてはいない証拠だな」

 

貂蝉「・・・・・それにしても管輅ちゃん」

 

管輅「?・・・・・どうしたの?」

 

いきなり不安そうになる貂蝉に管輅は若干戸惑った

 

普段この筋肉ダルマ達の見た目に不快感を示している管輅ではあるが、ここまで不安な貂蝉を見るのは初めてである

 

卑弥呼「どうした貂蝉、そんな顔など漢女道を究めた者には相応しくないぞ」

 

貂蝉「前から気になっていたんだけど、この外史に来たのは私達三人と左慈ちゃんと于吉ちゃんだけなの?」

 

管輅「・・・・・そのはずだけど、何故そんな事を聞くの?」

 

貂蝉「なんだか前からあの二人以外の存在を感じるのよねん」

 

卑弥呼「貂蝉もか、実は私も前から怪しい視線を感じておる」

 

管輅「・・・・・私は、特には感じないけど、二人とも何か私が会得していない仙術でも使っているの?」

 

貂蝉「そうねん、真の漢女にか使えない超絶感覚よん、こおおおおおおおお!!!」

 

卑弥呼「管輅も漢女道を究めれば体得することが出来るぞ、かああああああああ!!!」

 

管輅「・・・・・遠慮するわ」

 

余りに暑苦しい筋肉ダルマ二人組に管輅は今回ばかりは不快感を隠せなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左慈「・・・・・ちっ、動かないか」

 

于吉「ええ、向こうも私達を常に警戒しているみたいですね」

 

千里眼で天角の様子を見ている2人は眉間に皺を寄せていた

 

左慈「じれったいな、一口北郷の居場所を滑らせてくれればそれで良いものを」

 

于吉「向こうもそれは重々承知でしょう、こちらが常に見ている事を意識しています」

 

左慈「俺達管理者同士にとって、外史での生活は常に壁に耳あり障子に目ありだからな」

 

于吉「これは時間の無駄ですね、あの三人から情報を引き出すのは不可能でしょう」

 

左慈「くそっ!こうしている間にも、北郷はみるみる回復していく!あいつに時間を与えては、ますます俺達の自由は遠のくというのに!」

 

一刀を見つけられない事に焦りを隠せない左慈だった

 

左慈「・・・・・それにしても、貂蝉と卑弥呼は感付いているみたいだな」

 

于吉「ええ、あの人は・・・・・特に卑弥呼とは親しい間柄ですからね」

 

左慈「悔しいが、あいつと卑弥呼が築き上げた成果は俺達には遠く及ばんのは事実だ・・・・・」

 

于吉「ええ、特に春秋戦国時代の外史は我々神仙の間でも伝説級の代物ですからね」

 

左慈「ああ、あの外史での活躍があったから、あの二人は成り上がる事が出来たんだしな」

 

于吉「しかし、あの人は長老の一人で卑弥呼は未だに外史を行き来している、この差は何でしょうね?」

 

左慈「さあな、筋肉馬鹿の卑弥呼の事など知らんし、あいつの意味の無い権力向上精神も理解出来ん、どっちもこの張りぼての世界に縛られた生き方でしかないからな」

 

于吉「良いではありませんか、私達には私達の生き方があるんですし、それを邪魔する権利など誰も有していません・・・・・それはそうと、北郷の方ももちろん大事なのですが、裏の北郷の方も捜索しておきますか?」

 

左慈「放っておけ、本体である北郷を倒せばあいつも居なくなる、そもそも北郷を倒せばこの外史そのものが消え、この外史によって生まれる他の外史も消える、一石二鳥どころか五鳥だ」

 

于吉「・・・・・・・・・・」

 

左慈「ん?どうした?」

 

于吉「いいえ、どうにも私はあの裏の北郷の事が気にかかるのです」

 

左慈「なんだと?」

 

于吉「彼は言っていました、自分はお前達の敵になる気は無いし、味方にもならないと」

 

左慈「なら放っておいても問題は無いだろう、大体あいつは北郷の罪の意識そのものだぞ、少なくとも北郷の味方をすることはありえない」

 

于吉「そうでしょうか?左慈と北郷が戦っていた時、彼は傍観に徹していた、裏の北郷が北郷一刀の罪の意識そのものなら北郷に会った瞬間に左慈に加勢していてもおかしくないと思うのですが?」

 

左慈「・・・・・・・・・・」

 

于吉「彼の行動は、もはや北郷一刀の負の具現化である事の範囲に収まるものではありえません・・・・・私は、あの裏の北郷がこのまま私達のやっている事を見過ごすとはとても思えないのです、私はあのチート北郷に加えもう一人の北郷の相手などするべきではないと思います」

 

左慈「それは・・・・・」

 

于吉「もともと私は、彼が北郷一刀の片割れである以上、彼の事を一つも信じる気にはなれません、少なくとも我々が現れた事によって裏の北郷に変化が現れたのは明白です、我々はあの裏の北郷にも目を光らせるべきだと思います、そしてもし敵対する事になれば相応の準備を整えなければ敗北は必至です」

 

左慈「・・・・・お前の言う事も当たっているかもしれん、だが全ては本体である北郷を殺せば終わるんだ」

 

于吉「それは、その通りなんですが・・・・・」

 

左慈「そんなにあの裏の北郷を相手にしたくないのなら、さっさと本体の北郷を探し出せ!時間が掛かれば掛かるほど不利になる一方だぞ!」

 

于吉「・・・・・分かりました」

 

左慈「・・・・・それにしても、呼び出されたのは北郷の祖父か」

 

于吉「ええ、これは意外でしたね」

 

左慈「何が意外なものか!あの化物北郷を鍛えたというなら、出て来ても不思議じゃない!やはり北郷の血をひく者は皆敵という事だな!」

 

于吉「確かにそうかもしれませんが、どうやらあの祖父は北郷にも裏の北郷にも手は貸さないようですね」

 

左慈「まぁな、元々10日しか存在を維持できないんだ、大した脅威にはならん、自然と自滅する」

 

于吉「そうですね、彼もそのうち再び北郷と相対するみたいですし、そこに横やりを入れるのも面白いかもしれませんね」

 

左慈「そんな事をする必要はない、北郷を探し出し即効で殺せば済む事だ、一秒でも早く探し出すぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは、水鏡女学院、一刀がここに厄介になり最初の朝が来た

 

渚「先生、こちらは終わりました」

 

趨凜「好きかな好きかな♪それでは、まずはこれを一刀さんの所に持って行ってあげてください♪」

 

厨房にて朝食の準備をしている二人

 

メニューは昨日取った山菜と川魚を炒めた質素なものだった

 

趨凜「せっかくですから、三人一緒に食べましょう♪私達の分は私が後から持っていきますので♪」

 

渚「・・・・・あの、先生」

 

趨凜「?・・・・・なんですか?渚さん」

 

渚「あの人を、いつまでここに置いておく気ですか?」

 

趨凜「・・・・・渚さんは、一刀さんが嫌いなのですか?」

 

渚「そ、そういう訳ではありません!・・・・・ただ、なんというか・・・・・」

 

趨凜「・・・・・落ち着きませんか?」

 

渚「かもしれません・・・・・」

 

趨凜「まぁ、この私塾に殿方をお招きするのは滅多にある事ではありませんからね」

 

渚「それもありますが、私はあの人が普通の人とはとても思えないんです・・・・・」

 

趨凜「・・・・・確かにそうですね、一刀さんの体の傷跡は、どれも相当な無茶を繰り返して出来た傷ですからね」

 

渚「はい、殆んどの傷は切り傷ですが、あれは治してはまた傷付き直しては傷付きを繰り返した傷跡です」

 

そう、一刀の手当てをした時、全身に舐めるように付いた痛々しい傷跡が二人の瞼に焼き付いて離れなかった

 

趨凜「特に背中の傷が普通ではありませんでしたね、打撲によるものでしょうが、邪な氣が付着していました」

 

渚「私は、いつかあの人がこの女学院に災いを齎す様な気がします、今のうちに追い出した方がいいのではありませんか?」

 

趨凜「・・・・・渚さんも戸惑う所はあるかもしれませんが、これも一つの経験だと思って、渚さんもこのまま自分が人見知りのままでいいとは思わないでしょう?・・・・・さあ、冷めないうちに持って行ってください♪」

 

渚「・・・・・はい」

 

納得のいかないところがあるが、渋々渚は朝食を一刀の寝室に持って行った

 

渚「北郷さん、朝食の用意が・・・・・あ」

 

朝食を部屋に運んできた渚の目に飛び込んできたのは中庭にて小鳥と戯れる一刀の姿だった

 

肩や腕に乗る小鳥達は一刀の事を全く気にせず気軽に羽を休めている、普通なら人間を見るだけで常に警戒して近寄りもしないのに

 

渚「・・・・・・・・・・」

 

その姿に、特に一刀の表情に目を奪われる

 

口元は笑っているように見えるが、とても悲しそうで、憂鬱そうな、矛盾に満ちた顔

 

流れに身を任せ、全てを受け入れる、そして今にも消えてしまいそうで余りに儚かった

 

一目見て分かった、この人は何か得体の知れない計り知れないものを背負っているのだと

 

一刀「・・・・・やあ、おはよう巨達」

 

渚「あ、おはようございます、北郷さん!///////」

 

声を掛けられ、ようやく正気を取り戻した

 

そして、何故か羞恥心が湧きだし顔が赤くなる

 

別の人間の姿を目視し小鳥達は一斉に一刀から飛び立ってしまった

 

一刀「良い匂いだね、食事を作ってくれたのか?」

 

渚「あ、はい!もう起きて大丈夫なんですか!?/////////」

 

一刀「ああ、調子は昨日と比べればかなりいいよ」

 

渚「それは良かったです///////」

 

趨凜「あらあら、もう動いても大丈夫なんですか?一刀さん」

 

朝食を机の上に置いたところで今度は趨凜が入って来た

 

一刀「大分調子がいいです、ありがとうございます、趨凜さん」

 

趨凜「それは好きかな好きかな♪では、冷めないうちに頂いちゃいましょうか♪殿方とお食事なんて久方ぶりですので、柄にもなく緊張してしまいそうです♪//////」

 

そして、三人はテーブルを囲み食事にありつき始める

 

渚「・・・・・それにしても、あれだけの怪我を負っていたのにどうしてこんなにも回復が早いんですか?」

 

趨凜「それはですね、一刀さんの背中の傷に纏わり付いていた邪気を払う為に少々妖術を使いまして」

 

一刀「え!!?」

 

渚「妖術!!?でも先生、妖術は・・・・・」

 

趨凜「ええ、使い過ぎは禁物ですがこれくらいは何も問題はありません、それにそれしか邪気を払う術はありませんでしたし・・・・・それで邪気を払いましたから本来の体の回復力を取り戻したのですよ」

 

渚「それにしては回復が早過ぎると思いますけど」

 

一刀「それは、俺が五斗米道を使えるからだろうね」

 

渚「ご、ごとべいどう?」

 

趨凜「ゴットヴェイドーですよ、渚さん」

 

渚「ごっと・・・・・なんですか?その難しい発音は・・・・・」

 

趨凜「五斗米道とは、かつての神話の時代に神農大帝が編み出したと言われる究極医術の一流派です、受け継ぐ者がいない為、歴史の闇に消えたと聞いていました」

 

渚「そのようなものがあるんですか、流石は先生です、なんでも知っていますね♪」

 

趨凜「しかし、五斗米道は氣を扱えなければ成り立たないはずです、出来れば氣を使える事を証明していただけませんか?」

 

一刀「はい、構いません・・・・・っ」

 

少し力を込めると、一刀の右手から青白い波動が湧き上がる

 

渚「・・・・・凄い、噂には聞いていましたが、本当に居るんですね、氣の使い手が」

 

趨凜「なるほど、やはりこのお方は・・・・・」

 

相変わらず細目過ぎて分かり辛いが驚いているようだ

 

趨凜「五斗米道は、清く澄んだ心を持っていなければ決して使いこなす事の出来ないものだと聞いています、やはり一刀さんは信頼に値する人のようです♪」

 

一刀「ありがとうございます、そう言って頂けて嬉しいです」

 

華佗がここに居たら大喜びするであろう、五斗米道を一発で発音できる人がもう一人いるのだから

 

そして、三人は献立を全て平らげた

 

趨凜「今日も美味しく頂けましたね♪」

 

渚「はい、美味しかったです♪」

 

一刀「ご馳走様でした、大変美味しかったです・・・・・片付けは手伝います」

 

渚「いいえ!北郷さんはお客様ですから、そのような事をさせる訳にはいきません!」

 

一刀「いいよいいよ、運動がてら手伝わせてくれ」

 

趨凜「そういう事なら手伝って頂きましょう、こちらに持って来てください」

 

そして、食器を手に趨凜と渚の後を付いていき部屋を出る一刀

 

一刀「(・・・・・こりゃ酷いな)」

 

昨日は部屋から一歩も出ずに休んでいた為分からなかったが、この私塾はかなり劣化していた

 

今にも崩れそうとまではいかないまでも、これは近い内に建て替えなければいつかは倒壊してしまうのは明白である

 

朱里と雛里と雫は、こんな劣悪な環境であそこまでの学力を身に着けたのかと、感心してしまう

 

そして、食器を台所で洗い流し片付けは完了した

 

趨凜「ありがとうございます、一刀さん♪」

 

一刀「これくらいならいくらでも」

 

片付けも終わり、次の仕事は無いかと言い出そうとする一刀に渚が重苦しく声をかける

 

渚「・・・・・北郷さん、貴方は何時までここにいるつもりなんですか?」

 

一刀「え?」

 

渚「いえ、別に北郷さんが邪魔という訳ではありません、ただ・・・・・体が完全に回復したら、その後の身の振り方をどうするのかが気になって」

 

一刀「そう、だな・・・・・」

 

はっきり言って分からない、祖父の居る天角に戻るのか、それとも左慈と于吉を探し出し倒すのか

 

どちらにしても今ある現状を打破出来るとは思えない、天角に戻ってあの祖父をどうにかしたとしてもそれに意味があるのか、だからといって放っておく事は出来ない

 

後者の左慈と于吉を倒す、これにも意味があるとは思えない、倒したとしても皆の記憶が戻る保証などありはしないし、戻ったとしても傷付けるだけで悪影響にしかならない

 

この時の一刀は皆の記憶が戻った事を知らないのでそう考えても仕方が無かった

 

第一、この世界に一切干渉しない事を目標としているのだから、スグにでも出ていくべきなのだが、お世話になったのに何のお礼もしないというのは気が引ける

 

ならば龍奈の事はどうする、生きている限り一緒にいてくれるという彼女の言葉を忘れて一人生きていくのか?

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

考えても考えても、答えは出て来なかった

 

趨凜「・・・・・どうやら答えが定まらないみたいですね、では回復するまではここに居て頂いて構いません」

 

一刀「え、自分としては嬉しいですけど、いいんですか?」

 

趨凜「ええ、その代わりと言っては何ですけど、色々と手伝って頂きたいことがあります」

 

一刀「構いません、ただの居候ではこっちも居心地が悪いので」

 

趨凜「では、今日は生徒の皆さんが登校する日ですので、皆さんに紹介したいと思います♪」

 

渚「え!!?それは拙いのではありませんか!!?だってこの女学院は基本的に男子禁制なんですから、皆さんに示しがつかないのでは!!?」

 

趨凜「こういった事はですね、後腐れなく最初に言ってしまった方がいいのです、無理に隠して事が露見してしまえば傷は余計に深くなってしまいますからね・・・・・それにこうなったのには真っ当な理由があるのですから、何も問題はありません」

 

渚「・・・・・分かりました、先生がそうおっしゃるのであれば従います」

 

そう言って渚は台所を後にするのだった

 

一刀「・・・・・もしかして俺、嫌われているんですかね?」

 

趨凜「いいえ、昨日お話ししたように、あの子はかなりの人見知りですので、嫌っているのではなく居心地が悪いのです、大丈夫ですよ、次第に慣れていきますから♪」

 

一刀「ならいいんですが・・・・・」

 

慣れてもらっても困る気がする、なにせ人との関わりを一切絶つのが理想的なのだから

 

ならばすぐにでも出ていき、しかしお礼も無しなのは、とイタチゴッコに終わってしまう

 

趨凜「あの子のことは気にしないで下さいませ、根は好い子ですし一刀さんは優しいお方ですから、すぐにでも仲良くなれますよ・・・・・なにせ久しぶりの殿方ですからね、逃がしませんよ、うふふふふ♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

細目過ぎて表情がいまいち読み取れないが、獲物を狙う百獣の王のようなオーラを身に纏う趨凜

 

結局、趨凜の迫力もあり、一刀は暫く水鏡女学院に厄介になったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうも、Seigouです

 

前話のあとがきで、この阿修羅伝を北郷伝の何と定めたらいいのかというご相談で皆さんのご意見を拝見させていただきました

 

その中にh995さんの秘伝という言葉があり、これが自分の中で一番しっくりきましたので、今後はこれで行きたいと思います

 

前の阿修羅伝予告も外伝から秘伝に変えておきました

 

h995さん、ご意見ありがとうございます、他の皆さんも多くのご意見ありがとうございました

 

これまで散々外伝外伝と言ってきてしまいましたので、すぐには切り替えが出来ないでしょうけど、どうか慣れて下さいませ

 

では、今後とも北郷伝秘伝、阿修羅伝をよろしくお願いします、それと鎮魂の修羅も・・・・・待て、次回!!!

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コメント
感想どおりですね…だからこそ本編で北郷がああいう事になったとも言えますね…結局「一刀がいれば何とかなる」が完全に抜けきらなかった結果の対価があの最終回ですし(はこざき(仮))
鎮魂の修羅と阿修羅伝のクロスオーバーが発生しそうな気がしてならないなwww(スターダスト)
もう一月ぐらい全く更新されてませんが何かあったのでしょうか?(yuuki)
なるほど。 ある意味では、『原点回帰』なんだな。 「鎮魂の修羅」の『一刀』は・・・・。 次回は、どちらが更新されるのか楽しみにしております。(劉邦柾棟)
一刀マンセー擁護ヨイショの文と※多すぎで笑けてます、優しさと八方美人と優柔不断と好色家は異なるもの、桃香教徒や華琳教徒と同様にこれも一刀スゲーツエー教徒の怖さと見ますが反発されそうかな(禁玉⇒金球)
むしろ、一回一刀に全員もう側によるなって冥琳と同じように言われれば変わるかもしれないな。人の上に立ってるだけあってなんだかんだで民や兵にちやほやされてたから自分が拒絶されるって考えが皆無なんだろう。その根底の考えを変えないと永遠に自分を律するのはムリだしね。まあそうなったら皆本当に壊れるだろうが。(yuuki)
あらたなヒロイン候補か(VVV計画の被験者)
まあ、一刀の優しさが招いた不幸とも言えますけどね……恋姫達も今迄の自分を省みて自律しなければならなかったのに、ちょっと気が緩めばすぐ色ボケが出るとはどういうことだ。後悔はするが反省はしないタイプばっかりか。強引に奪うことが常識だったから、なのかな。yuukiさんの感じたことを私も感じました。(Jack Tlam)
恋姫達が一刀に対して身勝手なのは、ある意味では一刀こそが最後の一線だからなんでしょうね。アピール過剰だったり、依存したり……そうやって繋ぎ止めておかないと自分が壊れる。彼女達は人の上に立っている人間だから、押し売りの善意しか知らないんでしょう。先の戦乱が長引いた原因がここでも尾を引く……。(Jack Tlam)
とはいえあれだけやってあからさまに一刀とまた居られる形にしようとしてるのは龍奈ほどじゃないけど腹立つな。確かに一刀拒まないだろうがそれは自分に罪があって拒む資格がないと思っているのと、恋姫たちの気持ちを考えてるだけであって、一刀がひとりの男として自分と一緒にいてどう思うのかを考えてない。物語を読んでて恋姫たちが、「一刀が自分を嫌うわけない」って図々しさを何か感じる。(yuuki)
恋姫たち泣き叫んで後悔して塞ぎ込むかと思ったんだがそうでもないな。雫とか恋とか依存度が高いから記憶戻ったらヤバイと思ったのに。いや本当に一刀が好きだからただ塞ぎ込むだけの情けない自分で止まるのをやめて責任を取るために前を向いたんだろう。(yuuki)
まぁ一刀だからな〜いつの間にか巨達も落としてるんだろうw(nao)
全力で楽しみにさせていただく!!(心は永遠の中学二年生)
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