真・願望の店 |
声がした。
内容は『恋姫の乙女を自分の女に出来るなら誰がいい?』と。
その問いに彼はこう答える。
『桃香が欲しい』
気がつけば彼は恋姫の世界にいた。
さらに服装もいつも彼が着ている服ではなく、この世界の主人公である『北郷』の服装を着ている。
この状況がどう意味なのか困惑してしまうが、答えはすぐに出た。
「貴方が天の遣いですか?」
声と共に振り向けば桃香、愛紗、鈴々が彼の目の前に立っていた。
つまりは、彼は『北郷一刀』になっていた。ただし、『北郷一刀』の殻を被った『彼』という存在で。
最初の頃は、彼は北郷になりきって世界を堪能したり桃香達のエロい体の観察してつつ、これから起こる出来事を予言したりして物語を進めた。
だけど『死』の免疫が低いかったためか二、三度彼の精神は壊れた。簡単に人が殺されて死んだり、法も秩序も関係なく『力』で支配される世界だったため。
憧れの桃香達が義理や平和と掲げつつも人を殺して血染めになり、彼もその同罪者にされたりと『架空』が『現実』となった状態での光景はホラー以外なんでもなかった。
しかし、時間と共にそれは『慣れ』て彼は落ち着き、やがてはあの夢の返答通りの行動をする。いつしか最初の出来事である黄巾党との戦いを利用して桃香を『自分の女』にしていた。
北郷という『殻』を被っているから簡単に得られたのか、それとも自分の実力なのかは定かではない。それに原作と違い『北郷』はハーレム設定だったが、この世界の乙女達は桃香以外は自分を『友人』で止まってしまって決して恋人にならなかったし、逆に桃香との交際を協力する側の役割で落ち着いていた。
だから『浮気』は不可能であったため、それに『近い』行為を求めると桃香に嫉妬の制裁が加わるだけだった。
桃香を『自分の女』にしたが、お互いに流浪の身。
ゆっくりする時間もなく、経済面も貧乏だったため、彼の『望み』の時間は少なかった。
そこで彼は劉備が徐州を手に入れることを思い出し、そこで安寿の地にする計画を立案した。そのために『反董卓連合』でのイベントを利用して『恋』を捕縛し、その仲間達も自分の戦力として加える。
この時、朱里や雛理が登場していないのが気になったが自分には『知識』があったので捕縛も引き抜きも簡単に行えた。その影響なのかその褒美として徐州の太守に任命されて国を手に入れる。
彼の野望は叶ったのである。
この世界に来て、架空の世界の影響なのか彼も他の乙女もそれほど肉体の老化に変化なかった。
ただし、老化のみで出会った当初と何も変わらない彼女達だが、『経験』は着実に残っていった。
その一つとして桃香が『妊娠』して出産する。子の父親は当然、彼だ。
その影響なのか彼に対する『依存』も強くなったり、徐州という『王妃』という立場も原作と違って堂々と活躍した。彼も歴史通りにならないように前もって『呂布』を裏切らないように餌付けしたり、朱里達の捕獲を怠らなかった。
しかし、大きな出来事は防ぐことは出来なかった。
曹操の襲撃、華琳が徐州に仕掛けてきた。すぐに応戦したが『戦術』と『歴史』は違うために大敗北。
桃香以外全てを失った。
桃香と路頭に迷う中で、彼は彼女に詫びた。
「ううん、これは私が選んだ選択だもん。後悔していないよ?」
そして、曹操の追手が近くまで来るのを気づく中で彼はある仮説を立てた。
『ここが架空の世界ならやり直しが出来るはず』
つまり『リプレイ』理論であり、それしかもう逃れられる術が思いつかなかった。
だから彼は桃香にお願いする。
『一緒に自決しよう』
桃香は快く承諾して、お互いに剣で突き刺して自害。それにより、死で彼の物語は完結して後日談へと移行する。
結論は正解。
彼は永遠に桃香を愛しつつ、『リプレイ』を繰り返す。
だが、彼はあることを忘れていた。
それは彼が『北郷』の殻を被った状態での『リプレイ』をしていること。
『北郷』は何度も『世界』を繰り返しているが『記憶の継承』はしていない。
……つまり。
彼は永遠に同じことを繰り返すのだ。
何も知らず、何度も何度も何度も。
でもよくよく考えばそれは素晴らしいこと。
だって、永遠に『桃香』を自分の『女』に出来るんだからね。
説明 | ||
以前、述べた通り英雄譚は購入していません。 しかし、過去の作品とオンラインゲームを参考すればそれなりに投稿は出来ます。 今回の願望シリーズのテーマは『物語』です。 |
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コメント | ||
無限ループこわいわ(VVV計画の被験者) む・・・無限ループって怖くね?・・・・でもいい泥沼具合でしたwwwwwwww(スターダスト) |
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タグ | ||
真・恋姫†英雄譚 願望の店 桃香 | ||
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