ゆりモザ4〜シノ誕生日SS〜2015
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ゆりモザ4

 

「あー、アリスと離れたくないです〜〜」

 

 自宅へ着いて部屋に入るなり頭を抱えてベッドの上でごろごろするシノ。

 

「もう、シノ〜。そのまま転がってたら制服にシワが・・・あーあ・・・」

 

 悶々としているシノ、こうなってしまった理由はじきに三年になる私たちが

進路を含めてどうするか考えたらシノが私たちが帰国することを意識してから

ずっと落ち込んだような顔をしていた。

 

 帰ってから私はシノを慰めるため、ベッドに腰を掛けて丸まっているシノの頭を

撫でた。一時的な帰国に関しては笑顔を作って送り出してくれたけどこれからに関しては

ずっとになる可能性は大きいから。

 

 そう考えると私も寂しくなってきた。

 

 そんな風に思っていると、私の視界に以前二人でちょっとずつ貯めようとしていた

ちりつも貯金箱が映った。

 

「ねぇ、シノ」

「何ですか・・・?」

 

「あれ見て・・・」

 

 私が言うとシノが上半身を起こして私が指した部分を見ると僅かに表情を和らげた。

 

「ちりつも貯金・・・」

「あの中はまだ小銭ばっかりだけど、これから先はもっと貯められると思うんだ」

 

「アリス・・・?」

「がんばって貯めてね、二人でね・・・。一緒に暮らさない?」

 

 喋っていて何だか色々な感情がこみ上げてきて私の眼から涙がぽとぽとと服にシミを

つけていく。そんな私を後ろから包むようにシノが抱きしめてくれた。

 

「そうですね・・・もし離れ離れになってもずっとじゃないですよね・・・」

「うん、二人の気持ちが同じなら」

 

 抱きしめてくれるシノの腕に手で触れて頬をすり寄せる。

さっきまで涙が止まらないくらいの勢いだったのにすぐに胸がぽかぽかと暖かくなって

穏やかな気持ちでいられた。

 

「でも離れてる間、すごい寂しくなる気もしますけど・・・」

「それは私もだよ!本当は一分一秒たりともシノと離れたくない!

でもね、先の長いことを考えたらその方がいいかもって思えたんだ」

 

「そうですね・・・」

「うん・・・」

 

 シノが私を抱いてくれる姿勢のまま、私は話を続けていた。

シノは納得するように頷きつつも、どこかまだ寂しそうにしている顔をしていて。

抱きしめてる姿勢のまましばらく二人で見つめあっていた。

 

「それでも私寂しいかもしれないから、アリス・・・お願い良いですか?」

「うん」

 

 抱きしめてるのを一度やめてから、ベッドの上に膝をつけて視線が合うように

してからそっと口付けをした。

 

 手と手を絡ませて、シノの体温が手から口から感じることができて何だか幸せ。

それと慣れていないせいかちょっとだけ気持ちがくすぐったかったりして。

 

 でもこの時間はすごく濃厚で幸せでたまらなく好きだった。

あまりに夢中でキスをしている間はずっとシノとしている音しか聞こえなかった。

 

 途中、シノのマムに部屋の外から声をかけられた時に我に返って慌てて終わらすような

形になったけれど、その後二人でおかしくなってしばらく笑っていた。

 

「よく考えたらまだ先の話だよ、シノ」

「そうですね、しばらくは一緒ですよね。でも・・・アリスがくれた言葉すごく

嬉しくてニヤニヤが止まらなくなってしまいそうです」

 

「え?」

「一緒に暮らすって」

 

「そうだね、私もシノの答えがすごく嬉しかったよ」

「はい」

 

 私たちの中にあるドキドキが収まるまでしばらく二人で手を繋ぎながら

笑顔が絶えることなく再びマムに呼ばれるまでそうして時間を過ごすのだった。

 

 うん、やっぱり私の一番大切な人はシノだということが

改めて心の底から感じられて、あの時出会えた運命に私は感謝をしていた。

 

「シノ、愛してる」

「はい、私も愛してますよ」

 

 そうしてお互いの気持ちを確かめるように今一度、少し力を込めて手を握って

いつまでも私たちは見つめ合っていたのだった。

 

お終い

 

説明
今後の二人の進む道を考えるお話。この二人なら絶対同棲しそうですけどね。大人になった二人の百合も見てみたいw
イラスト→http://www.tinami.com/view/781879
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きんいろモザイク 百合 大宮忍 誕生日 アリス・カータレット 

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