真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
一刀は『本当の修行の成果』を遂に発動した
その名も『限界突破』…………これにより圧倒的に優勢となり、絡繰人間12号はボロボロとなる
だが、絡繰人間12号には
まだ、秘策があった……………
十六節 〜未来が変わる5分間〜
絡繰人間12号「(そうだ………この手を使えばいいのだ!!!)」
一刀「さて……………覚悟はいいか?」
一刀は冷酷な表情をして絡繰人間12号に迫る
絡繰人間12号「(すっかり忘れていたな………『時空伝送装置(じくうでんそうそうち)』の存在を………)」
絡繰人間12号は心の中でほくそ笑む
絡繰人間12号「(本来、絡繰人間の戦闘情報等を確認する為には『龍天城』の『監視情報部』にて『全情報収録板』内の情報を組み込まなければならない……………)」
現代語に言い換えればメモリーカード内の内容を確認するにはパソコンにメモリーカードを取り込み、インストールしなければならない………ということ
絡繰人間12号「(だが、この『時空伝送装置』さえあれば遠隔型で直接『監視情報部』に北郷一刀の『限界突破』の戦闘情報を伝えられる………っ!!!)」
もし、仮に情報の漏洩が成功してしまえば、未来に本拠地がある『血光軍』は対『限界突破』用の絡繰人間を製造し始める
そうなれば一刀達の勝利は不可能となってしまう
だが、一刀はそれには気づいていない
一刀「お前を粉々に粉砕してやる…………!!!」
ギュオォオオッ!!!
一刀は絡繰人間12号の企みに気付かず気を溜め始める
絡繰人間12号「(だが……『時空伝送装置』はつい最近、李典製造主任様が新たにお造りになられた謂わば試作品段階の代物…………
その為、所々欠陥がある…………)」
絡繰人間12号は先ほどとはうって変わり、眉間に皺を寄せる
絡繰人間12号「(まず、起動時間に時間が掛かること…………
立ち上げで1分、準備段階で4分………更に全ての情報を送り終わる迄凡そ3分………合計8分の時間が必要だ…………
この戦闘状態での5分は限りなく長い……それまで保たせなければならない……)」
一刀「ふぅぅうぅぅぅぅ……………!!!」
一刀は何も知らずに気を溜め続ける
絡繰人間12号「(何よりも厄介なのが装置自体が衝撃に非常に弱い事だ………
攻撃による頭部への衝撃を回避しなくてはならない……しかも、起動から伝送終了までの8分間をな…………
なぜなら、『時空伝送装置』は『全情報収録板』と隣接する場所に設置されている…………
そのせいで万が一、伝送中に衝撃などを起こしてしまえば伝送の途中強制停止だけではなく『全情報収録板』の情報すら消去されてしまう恐れがある……………)」
つまり、起動してから終了まで一刀の猛攻を耐えつつ頭部への衝撃を避けなければならないのだ
現状的にはかなりハードルが高い
だが、結果このままでは圧倒的戦力差により殺られる
絡繰人間12号「(これで龍天様の天下に繋がるのなら本望だ…………!!!)」
絡繰人間12号は覚悟を決めて左手首にある装置に暗証番号を一刀に分からないよう入力し、『時空伝送装置』を起動させる
絡繰人間12号「(『暗証番号入力』………番号『1080』………)」
それと同時に絡繰人間12号の頭の中で音声が流れる
機器音声「『時空伝送装置』の暗証番号の信号を受け付けました。これより『時空伝送装置』の起動を開始致します。1分程掛かりますので少々お待ち下さい。
尚、これより頭部への衝撃は身体自体にも多大な影響を及ぼしますのでご注意下さい。
衝撃をこちら側で感知した場合は強制停止致します。予めご了承下さい。」
遂に『時空伝送装置』の起動が開始された
絡繰人間12号「(ふっふっふっ………北郷一刀よ、今にみているがいい……………)」
一刀「いくぞ絡繰人間ーーーーーーーっ!!!」
ゴオォォォォッ!!!
一刀は気を溜め終えた瞬間、拳を構えて『龍走』を発動させ絡繰人間12号に突っ込んで行った
絡繰人間12号「(俺の企みに気づかれぬよう先程のように戦ってやる!!!)
うぉおおおぉりゃああぁぁあぁあっ!!!」
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は両腕を大きく振り回す
一刀「単調すぎて嗤えるぜっ!!!」
一刀はそれを優雅に飛んで躱し、絡繰人間12号の背後に廻り込む
一刀「喰らいやがれっ!!!」
一刀は構えていた拳を絡繰人間12号の右頬に向かって放とうとする
絡繰人間12号「(まずいっ!!!)でぇええぇぇぇえりゃああぁあぁぁぁっ!!!!!!」
絡繰人間12号は咄嗟に左腕を振り上げる
ドカッ!!!
絡繰人間12号「ぐぉっ!!?」
絡繰人間12号は衝撃を巧く腕に流し、頭部・顔への衝撃を0にさせる
だが、腕へのダメージがかなりのものとなった
恐らく骨が完全に折れたであろう
一刀「ん?あれ?」
一刀は受け止められたので思わず首を傾げる
絡繰人間12号「うぉおおおぉりゃああぁぁあぁあっ!!!!!!死ねえぇえぇえええっ!!!『真爆源花』っ!!!」
ドッカアァアァァアァァァァンッ!!!!!!
絡繰人間12号は一刀が至近距離に居ることを確認すると『真爆源花』を発動する
雪蓮「抵抗するわね〜……」
小蓮「もう勝敗はついてるのにね〜………しつこいのは嫌われるよ?」
最早、一刀に敵わないと判断した雪蓮や小蓮は心配などもうしていない
これくらいで死ぬ一刀ではないからだ
万が一、『真爆源花』を喰らったとしてもたかが知れている
シュンッ!!!
一刀「苦し紛れだな……ありゃぁ……」
案の定、一刀は『空走』で一瞬の内に移動して回避していた
だが、これも絡繰人間12号の作戦
絡繰人間12号「(そうだ、逃げろ逃げろ北郷一刀っ!!!
この数秒間が貴様等の未来の首を絞めることとなるのだっ!!!)」
僅かなではあるが、貴重な数秒間を稼ぐ為に絡繰人間12号は『真爆源花』を発動し続ける
一刀「………………」
一刀は絡繰人間12号の『真爆源花』を暫し見続けた後
一刀「(……………雪蓮)」
雪蓮「(………一刀?どうしたの?)」
『読心術』で雪蓮に話しかける
一刀「(…………あいつの動きを見ていて欲しいんだ)」
雪蓮「(あいつの動き?)」
一刀「(ちょっとね………………)」
一刀はそう言うと『読心術』を解き、絡繰人間12号が『真爆源花』を解除するのを待つ
絡繰人間12号「(よし…………そろそろだ)」
絡繰人間12号が心の中でほくそ笑んだ瞬間
機器音声「起動が終了しました。これより、伝送準備を整えます。
伝送を開始するのに4分程お待ち下さい。」
機器音声が絡繰人間12号の頭の中で流れる
絡繰人間12号「(よし、今のところ順調だ…………!!!)」
絡繰人間12号は『真爆源花』を解除する
体内の気が減り、底がつきそうであったからだ
しかし、一刀はその時を待ち侘びていた
一刀「今だ喰らえっ!!!『最終閃光』っ!!!」
バチバチバチッ!!!
ゴオォォォォッ!!!
一刀は間髪入れずに電撃を纏った『気力破』、『最終閃光』を放つ
絡繰人間12号「ぐっ!!!そんなもの『吸気』で吸収してやるっ!!!」
絡繰人間12号は両手を突き出す
ギュオォオオッ!!!
絡繰人間12号は一刀の『最終閃光』を吸収し、自らのエネルギーとする
絡繰人間12号「はっはっはあっ!!!貴様の気を頂いたぞっ!!!」
絡繰人間12号は両手を下げた
その時
一刀「そんなしみったれた気…………幾らでもやるぞ?」
絡繰人間12号「っ!!?ぬおっ!!?」
目の前に一刀が不適な笑みを浮かべ、人差し指を突き付けて立っていた
一刀「至近距離でこいつを躱せるか?」
絡繰人間12号「し、しまったっ!!!」
絡繰人間12号は身体を動かそうとした瞬間
一刀「喰らえっ!!!『限界突破』版・『死の魔光』っ!!!」
ピュンッ!!!
絡繰人間12号「ごおぁはああぁぁっ!!!!!!」
一刀の指先から4本に分かれた『死の閃光』、『死の魔光』が放たれ絡繰人間12号の胴に直撃し貫通した
絡繰人間12号「うごぉぉぉ…………」
絡繰人間12号は貫通した場所に手を当てて呻き声をあげる
一刀「目先の餌に食いついたお前が馬鹿だったな…………」
一刀は残酷な目付きをして見下す
絡繰人間12号「(まだ……まだか…………?)」
絡繰人間12号はバレぬよう時間を確認すると
絡繰人間12号「(くっ…………後2分………)」
絡繰人間12号は内心、苦虫を噛み潰したような表情をする
一刀「休む暇なんがないぞっ!!!」
一刀は右手を手刀の形にして振り上げる
絡繰人間12号「くっ!!!」
シュンッ!!!
絡繰人間12号は咄嗟に『空走』をして一刀から離れる
一刀「(…………雪蓮、聞こえる?雪蓮………)」
一刀は『読心術』で再び雪蓮に話しかける
雪蓮「(えぇ………聞こえるわよ、一刀…………)」
雪蓮は動じず一刀に返答する
一刀「(どう?あいつの動き………)」
雪蓮「(特に違和感は感じないけれど………
けど、何かあいつ………企んでるわよ…………勘だけどね……)」
一刀の問いに雪蓮は首を傾げて答える
一刀「(そっか…………了解)」
一刀はニヤリと笑い『読心術』を断った
その表情はまるで何かに感づいたかのような表情であった
その頃、絡繰人間12号は
絡繰人間12号「残り1分半………これで、未来が変わる…………」
残り時間を確認して自分にカツを入れる
絡繰人間12号「ふぅぅうぅぅぅぅ………ぬおぉおおおぉぉっ!!!!!!」
絡繰人間12号は大きく息を吐いた後、唸り声を上げて立ち上がった
絡繰人間12号「『癒療再生装置』、最大出力だっ!!!」
絡繰人間12号がそう叫ぶと
ギュオォオオッ!!!
絡繰人間12号の身体中のあちこちにある傷が著しい速度で修復し始めた
一刀「そう言えば、そんな装置もあったな…………」
一刀は絡繰人間12号の動きを見て思い出す
一刀「本当、お前らを造った張本人を見てみたいな……………
ひょっとして、俺と同じように未来から来たのかもな…………」
一刀は皮肉を言うが、絡繰人間12号は耳を貸さず
絡繰人間12号「ふっふっふっ………勝負はこれからだ………」
と、不適に笑うが実際のところ
絡繰人間12号「(残り………1分………)」
未来の分かれ目まで残り1分を切っていた……………
絡繰人間12号「いくぞおぉぉおおおおぉおおっ!!!」
絡繰人間12号は自棄のように見せかけて突っ込んできた
一刀「掛かってきやがれっ!!!」
一刀はニヤリと嗤い構えた
絡繰人間12号「うぉおおおぉりゃああぁぁあぁあっ!!!!!!」
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は両腕や両足を振り回し、一刀へ攻撃する
一刀「よっ?っと、はっ!ほっ!!!」
だが、一刀に当たる訳がなく華麗に躱されていく
絡繰人間12号「(残り30秒…………!!!)でぇええぇぇぇえりゃああぁあぁぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
一刀「(やっぱり、何か狙ってんな……)」
一刀は絡繰人間12号の攻撃を躱しながら思う
よく見なければ分からない微妙な変化に一刀は気づいている
だが、何を狙っているのかまでは分からない
刻々と『その時』が迫り来る
絡繰人間12号「(さぁ…・・……残り15秒…………)」
絡繰人間12号「(未来の運命が……………変わるぞっ!!!!!!)」
未来の命運が賭かった15秒…………
一刀よ、気付けっ!!!
そして、絡繰人間12号の陰謀を阻止してくれっ!!!
……終……
説明 | ||
一刀の猛攻に絡繰人間12号は抵抗するもどんどんやられていく 挙げ句の果てにはダメージが蓄積し、『制限解除』すら強制的に解除され形勢逆転の状況に陥る だが、絡繰人間12号は不適な笑みを浮かべて『ある作戦』を決行しようとしていた……………!!? |
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