真・恋姫無双〜魏・外史伝15 3.0ver
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第七章〜あなたを求めて・後編〜

 

 

 

  五胡が謎の撤退をし、一応の勝利を収めた魏軍は洛陽へと凱旋する。

 そしてその夜、城の王宮にて、五胡侵攻の報告がなされていた。

  「・・・以上で報告を終わります。」

  最後の番である稟が報告を終えた。

  「そう・・・御苦労さま。」

  稟に労いの言葉を贈る華琳。

  「恐らく、五胡の連中は今回の戦いで私達の戦力を計っていたのでしょうね?」

  「今後の魏への侵攻に向けてのですか?」

  「その可能性はあると思うわ。でなければ、こちらの動きに合わせて軍を動かす

  理由がないもの。」

  「おまけに、誰かが五胡と繋がりを持っている可能性もありますしね〜。」

  「確かに、今回の五胡の動きには少し不自然さが目立つわ。最も、ただの

  偶然と言えばそれまでなのだけれど・・・。」

  「は、正直な所・・・現段階ではあまりに情報が少な過ぎます故に、判断

  しかねております。」

  「では、稟。あなたは風と共に五胡と繋がりを持っていそうな所を調べておいてくれるかしら?」

  「御意・・・。」

  「分かりました〜。」

  「なら、今日はこれくらいにしましょう。皆、戦を終えて間もないのだから、

  来るべき戦いに備え体を休めておきなさい。」

  「解散!」

  春蘭の言葉で、報告会が終わる。桂花は華琳と共に、王宮を出ていき、

 稟と風は自分達の執務室へと向かっていった。

 そして、春蘭達もその場を去ろうとした時であった。

  「ちょい待ち、春蘭!ほんまどないなっとんねん、華琳の奴!あんなん華琳ちゃうで!!」

  霞が春蘭を立ち止らせた。今日の華琳の姿をみて、やはりおかしいと思ったのだ。

  「そ、それは・・・。」

  春蘭は口ごもらせる。

  「呉で何かあったんかい!?そもそも蜀にいたお前らが何で呉にいんねん?!」

  「いや、それは秋蘭が言っておっただろう・・・?」

  「あほぅ!何言うとんねん!あんなモンその場凌ぎのでまかせやないか!?

  あん時は、状況が状況やったからそのまま流しただけや!」

  「・・・・・・。」

  霞の言葉に、秋蘭は返す言葉が無かった。事実なのだから。

  「明らかにおかしいと思ったんは、華琳が戦場にいなかったことや!

  あの華琳が、あんなデカイ戦場に出て来ないやなんて今までやったらありえへんで!!」

  「確かに、姉さんの言う通りやで・・・。」

  霞の言葉に、真桜も賛同する。

  「あんな華琳見るんは久方振りやで・・・・。二年前、一刀が天の国に帰った時以来やで!!」

  「「「「「!!」」」」」」

  霞は見逃がさなかった、春蘭達が『一刀』の言葉に反応した瞬間を。

  「そういう事か・・・、やっぱそうなんやな?」

  「霞様、一体何が・・・?」

  凪達も薄々ではあるが、霞の言葉から事態に気が付き始めていた。

  「それは、うちやなくてあちらさん方に聞いてみればええで。」

  そう言われて、凪達は春蘭達を見る。

  「春蘭様〜・・・。」

  「秋蘭様・・・。」

  季衣と流琉が二人の方を見る。そして、目で訴える。

  「しゅうらん〜・・・。」

  ついには、姉の春蘭が妹の方を見る。

  そんな三人の視線と、霞達四人の視線を受け止める秋蘭。

  「ふむ・・・。」

  何か諦めたように、溜息をついた。

  「・・・分かった。皆にも話そう・・・、実は呉に向かったのは・・・そこに、

  北郷が居ると言う報告を蜀で聞いたのだ。」

  「「「「!?」」」」

  霞達の顔が驚嘆の色に染まる。

 秋蘭は、さらに詳細を語る。呉で起きた暴動事件、その際の一刀のとった行動、そしてその後

 一刀の行方が不明になっている事も。

  「・・・そうかぁ。やっぱ一刀が絡んでおったん?」

  秋蘭の話を聞き終わり、やっぱりという顔をする霞。

  「ああ、そうだ・・・。」

  霞の問いに、簡潔に答える。

  「・・・!!」

  「あ、ちょ凪ぃ!何処行くねん!!」

  「凪ちゃ〜ん!」

  いきなり走り出した凪はそのまま王宮から出て行ってしまう。

 その後を真桜と沙和が追い駆けていく。

  「真桜、沙和!!行ってもうた・・・。」

  霞は二人を呼びとめようとしたが、すでに姿はなかった。

  「・・・大丈夫なのか、凪の奴?」

  「うむ・・・、まぁ真桜と沙和が追って行ったのだから大丈夫だとは思うのだが・・・。」

  「凪ちゃん・・・。」

  「季衣・・・。」

  凪を心配する季衣の肩をもつ流琉。

  「それで?まだ一刀が見つかったって話は無いんか?」

  「残念ながらな。雪蓮殿達も探してくれてはいるのだろうが・・・。」

  「呉に一刀が居ると知って、急いで駆け付けたのに着いたら、もぬけの殻。

  おまけに何処にいるかも分からん・・・。だから華琳はへこんどんのか?」

  「華琳様は否定するだろうがな・・・。」

  霞の言葉を肯定する秋蘭。

  「大丈夫なのでしょうか、華琳様?」

  「流琉・・・。済まん、それは私にも分からん。あの方は人前で弱音を吐く事は

  決してないからな・・・。ただ一人を除いてな。」

  「兄様・・・ですか?」

  「うむ。」

  首を縦に振る秋蘭。

 だが、流琉の言葉には反応したのは、秋蘭だけではなかった。

  ゴンッ!!

  「「?」」

  王宮に鈍い音が響く。皆が辺りを見渡すと、霞がその音の原因を見つけた。

  「しゅ、春蘭!?何やっとん!?」

  王宮の一つの柱に、春蘭が自分の額を当てていた。

 柱と額が離れたと思った瞬間、再び先程の鈍い音が響く。

  「あ、姉者!?」

  そう・・・、春蘭は自分の額をその柱に叩きつけていたのだ。

 そして、またぶつける。何度も・・・何度も・・・何度も。

  「春蘭さま、どうしたんですかいきなり!?」

  季衣の言葉に耳も貸さず、また柱に額を叩きつける。

 いつしか、春蘭の額がぶつかる箇所に血が付き始めていた。

  「しゅ、春蘭様!だ、だ、駄目ですよ。血が、額から血が・・・!」

  慌てて、春蘭を止めようとする流琉。そに合わせて、季衣も手を貸す。

 が、それでも春蘭を止められなかった。

  「おい、春蘭止めなや!!それ以上やったら頭がかち割れんで!!」

  「姉者!!止めてくれ・・・姉者!!!」

  秋蘭と霞も入って、ようやく春蘭を柱から引き離すことが出来た。

  「おい、春蘭!!一体何考えとんねん!?ただでさえ馬鹿のお前がこれ以上

  馬鹿になってどないすんねん!!」

  「霞・・・、それを言っては・・・!」

  「馬鹿になれれば・・・どれほど楽な事か・・・。」

  「あ、姉者?」

  秋蘭は気が付いた、姉の肩が震えていた事を。

  「歯がゆい・・・、何と歯痒いのだ!!華琳様が泣いておられるというに、

  それが分かっているというに・・・!私は・・・華琳様の涙をぬぐってやる事が出来ない!」

  「春蘭・・・。」

  「あいつのせいだ・・・。あいつが全て悪いのだ!!あいつが・・・、あいつが華琳様を

  泣かせておるのだ!あいつが私の華琳様を奪っていったのだ!!」

  あいつとは、一刀の事だと誰もが分かっていた。

  「・・・だが、私が本当に許せないのは全てを北郷に押し付け、責める事しか

  出来ない私・・・自身なのだ・・・。」

  「しゅ、春蘭さま!?」

  「春蘭様!?」

  春蘭の足元を抑え込んでいた季衣と流琉から驚きの声が出る。

 その目線は春蘭の顔に向けられていた。

 恐る恐る、秋蘭は姉の顔を見る。

  「あ、あ・・・あ、あ、姉者ぁ!?」

  「ど、どないしたんや!?」

  急に取り乱す秋蘭を見て、霞も春蘭の顔を見る。

  「・・・しゅ、春蘭!?おま・・・、どっから血ぃ流しとんねん!!?!」

  額から流れるだけでなく、彼女の左目・・・いや、すでに左目は無かった。

 それを隠すために眼帯をしているのだが、その眼帯の下から血が流れ落ちていた。

  「お、落ち着け霞・・・!まずは、血を止めないと!え、衛生兵、衛生兵・・・!!」

  「と、とりあえずお前が落ち着きぃや・・・秋蘭。」

  逆に秋蘭をなだめる霞。

  「季衣、流琉。ここはうちらに任しとき。急いで、医者を連れて来てくれへんか?!」

  「は、はい!」

  「分かった!」

  そう言って、季衣と流琉は王宮を飛び出していく。

 霞は何とか秋蘭を落ち着かせて、春蘭の血を止めるべく、応急処置をする。

 季衣と流琉が医者を連れて来たのは、それから半刻後の事であった。

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  王宮から少し離れた石畳の廊下。

 その廊下を早歩きで進む凪、そしてその後ろから彼女を背中を追いかける

 真桜と沙和の姿があった。

  「ちょい待ちって、凪ぃ!」

  「凪ちゃん、待ってなの〜!」

  二人の声に、凪は耳も貸そうとせず廊下をどんどん進む。

  「おい、凪!待ちぃって言うてるやろうが!」

  止まらない凪の前に、真桜が立ちはだかる。

  「何で邪魔するんだ、真桜!」

  「そりゃ、邪魔もするでぇ!隊長を探すったって、宛があるんかい!?」

  「隊長がこの大陸のどこかに居る!それが分かっていれば探しようはある!」

  凪は目の前にいる真桜を無理やりどかし、先を行こうとする。

 そうはさせまいと、もう一度凪の前に出る真桜。

  「いや凪、ちょっと落ち着きぃや・・・!」

  「そうだよ凪ちゃん・・・!少し、落ち着いて考えてよ・・・。」

  「私は至って、冷静だ!」

  「今のお前のどこが冷静やっていうんねん?」

  そう言われて、凪は黙る・・・。そして真桜達を無視して、再び歩きだす。

 そんな凪を止めようと、真桜はもう一度凪の前に立つ。

  「だーかーらー、全くぅ・・・話を聞けっちゅうねん!ええか?今うちらが

  置かれてる状況を考えてみい・・・。今、この国は五胡に狙われてるんやで。」

  「・・・・・・。」

  黙って、真桜の言う事を聞く凪。

  「それだけやない、華琳様の考え通りなら・・・この大陸にまた戦が起きるんやで!

  そないや時に、何処におるか分からへん隊長を探してる場合や・・・っ!!」

  「な、凪ちゃん!」

  沙和は驚いた。いきなり、凪が真桜を殴り倒してしまったのだ。真桜は殴られた際、

 体勢を崩してしまい、倒れてしまった。

  「った〜・・・。い、いきなり何さらすんや・・・!」

  凪に殴られて赤く腫れる右頬を手で押さえながら言う真桜。

  「真桜ちゃん、大丈夫なの?」

  心配そうに沙和が真桜に駆け寄る。

  「お前達の話を聞くだけ無駄のようだ・・・。」

  「な、凪ちゃん・・・何言って?」

  「隊長の事より、戦の方が大事ならそっちに行けばいい。私一人でも隊長を探すだけだ・・・。」

  真桜の眉がピクンと動く。

  「・・・何やと?」

  小声で、ややドスのきいた低い声で言う。

  「ま、真桜・・・ちゃん?」

  沙和が雰囲気が急におかしくなった真桜に話しかけようとした、その瞬間であった。

  「っ!?」

  「ま、真桜ちゃん!?」

  いきなり、真桜が凪の胸倉を掴む。それを見て、沙和は驚愕する。

  「何やと凪・・・、もういっぺん言うてみいぃ!!ホンマしばくで、ゴラァッ!!!」

  このままではまずい、そう思った沙和は二人の間に割り込む。

  「真桜ちゃん、ケンカは駄目なの〜!ほらぁ、凪ちゃんも謝ってなの〜!」

  「お前はすっ込んでろやぁ!!」

  「きゃう!」

  二人を仲介しようとした矢先、沙和は真桜にどつかれ、倒れてしまった。

  「『私一人だけでも隊長を探す』やと・・・?何一人いい子ぶってんやねん!!?」

  そう言って、振り上げた拳をそのまま凪の顔に振り下ろす。

  「っ!?」

  頬を殴られた凪は、そのまま石畳に倒れる。

  「自分だけちゃうで凪!!隊長の事を心配しおってるんは!うちと沙和・・・

  それだけやない!春蘭様も秋蘭様も、姉さんも!!稟も風・・・あの桂花だってそうや!!!」

  倒れる凪に向かって怒鳴り散らす。凪は倒れたままで、真桜の位置からでは顔が見えなかった。

  「せやのに、お前は何や!?隊長の事思っとるんは、自分だけやってぇ・・・?そんな事言

  われたら、うちかて怒るわぁ!!」

  それでも、凪の顔は上がらなかった。

  「おい、聞いてんのか、凪!?」

  そんな凪の態度に、真桜は無理矢理でもこちらに向かせようと彼女の肩に触れる。

  「・・・・・・凪?」

  肩に触れて、真桜は初めて気が付いた。

  「おまっ・・・、泣いとるんか?!」

  彼女の肩が、震えている事を、そして彼女が泣いている事を。

  「まおうの・・・、いう・・・とおりだ・・・。」

  彼女の口から発せられたのは、涙で声が上手く出せず、涙声となっていた。

  「みんな・・・、たいちょうの・・・こと、・・・わかっていた・・・はずなのに・・・。」

  沙和は泣きながらも話す凪の傍に駆け寄り、彼女を力一杯に、されど優しく抱きしめる。

  「凪ちゃん、もういいの。もう喋らなくて・・・いいの!分かっているから、沙和は

  凪ちゃんの気持ち!」

  「さ・・・わ・・・。」

  「何言うとんねん、沙和・・・!うちかて・・・、うちかて分かっとるわ!」

  「まお・・・う・・・。」

  そして、さらに流れる涙の量が増える。

  「ご・・・めん、ごめん・・・なさい・・・。」

  「もうええで、凪・・・。だから・・・、もう、泣くなや。うちまで・・・泣くやろが?」

  そう言うと、その場に座り込み、泣き出す真桜。

 廊下には、二人の泣き声が響き渡る。そんな二人を介抱する沙和の目にも涙が流れていた・・・。

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  所変わり、華琳の部屋の前・・・。

  「華琳様、今夜は・・・私が・・・。」

  「ふふ・・・、可愛い桂花。でも今日はそういう気分では無いの。だからまた今度ね。」

  「はい・・・。では、お休みなさいませ。」

  「ええ、お休み。」

  そう言って、華琳は扉を閉め、部屋の中へと入って行く。

両側に付けた髑髏の髪留めを外す、すると螺旋を描いていた髪はするっと綺麗に伸びる。

  「ふう・・・。」

  自分の寝台の上に、そのままの姿で仰向けに倒れる華琳。

 自分の目を手の甲で隠し、疲れを示す。そしてその手は少しずつ額の方へと動かす。

 彼女が見る先には、ろうそくの炎でうっすらと見える白い天井。

  「・・・駄目、まだ・・・駄目よ華琳。今はまだ駄目。私は覇王・曹孟徳。

  この国を、そして民達を守るため、戦わなければいけないわ・・・。」

  自分で自分に言い聞かす華琳。しかし、その姿は覇王というには余りにも弱々しいものであった。

  「一刀は、この大陸の何処かに居る・・・、今はそれでいい。あいつが帰って来れる場所を

  守らなくてはいけないのよ。だって、この世界で、あいつの居場所は・・・ここだけなのだから。」

  覇王は自分の心に嘘を付いている。他の者を偽ることは出来ようとも、自分を偽る事は誰も出来ない。

 それは覇王である曹孟徳もまた、例外ではなかった。

  

  本当は泣きたかった、心の底から。彼に会いたくて、会いたくて・・・、会えるはずなのに、

 会えない・・・。今彼が何処にいるのかも分からない、でも・・・それでも会いたい、でも会えない。

  会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない

 会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、

 会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない、会いたい、でも会えない・・・。

  

  何で?

   

  何で・・・会えないの?

  

  何で・・・あなたに会えないの?

 

  こんなにあなたを求めているのに、何で?

 

  答えて・・・。

  

  答えなさいよ・・・。

 

  答えてよ!

 

  一刀!!!

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  「・・・っ!」

  気が付いた時には、頬を伝わっていた。

 それが何かを知った時、すでに手遅れであった。

 それは涙・・・、自分の涙腺から溢れ出した・・・涙であった。

 今まで、塞き止めていたそれが流れ落ちたのだ・・・。

 今まで溜めに溜めてきた結果、一度流れ出せば、もう止める事は出来なかった。

  「・・・!!」

  もう自分では止められなかった。

 華琳はうつ伏せになる、顔を枕に、力の限り押し付けて無理やり止めようとする。

 が、それでも止まらなかった。

  「かずとぉ〜〜・・・。なんでよ〜・・・、何で私のそばにいてくれないのよ〜〜・・・。

  かずと〜・・・、かずとーーー・・・!!!」

  もはや周りの事など関係なかった。

 心の奥に押し込めてきたもの全てを吐き出すことしか、頭には無かった・・・。

  

  扉の向こうには、桂花がいた。

 当然、華琳の泣く声は聞こえていた。

 だが、部屋に入らなかった、入る事が出来なかったのだ。

 分かっていたのだから・・・、自分では華琳様の涙を止める事は出来ない事を。

 分かっているからこそ、歯痒かった・・・。何も出来ない自分が、歯痒かった。

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  「ん・・・?」

  夜空に輝く星が綺麗に見える、一本の木が立つ見晴らしのいい丘の上で、寝る準備をしていた時であった。

  「今、誰かが俺を呼んだような気が・・・。・・・気のせい・・・だよな?」

  今ここにいるのは、俺と露仁・・・、って露仁が居ない!?

 確かそこの木の下で寝ていたはずなのに・・・!

  「まさか・・・。」

  上に被っていた布を取り払い、辺りを探しまわす。

  そして、露仁を見つけた。

  「露仁、駄目だーーー!!そっちは駄目だってーーー!!!」

  ゴロゴロと丘を降りていく(?)露仁を捕まえようと、俺は追いかけた。

 全く・・・、いろんな意味で、退屈しない爺さんだ・・・。

 

  この時、許昌にいる華琳が自分を想って泣いている事を、一刀は知る由も無かった。

  

説明
華琳さんのどアップの挿絵を修正した2.0ver.なのですが、こちらのミスで没にした方を載せてしまいました。2.0ver.は公開停止しましたので、こちらをご覧下さい。
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コメント
敏腕アトムさん、コメありがとうがざいます。(アンドレカンドレ)
タイトルの3.0ber→3.0verの間違いではないでしょうか。それと、「閲覧する」は謙譲語なので「ご閲覧してください」→「ご覧ください」の方がいいと思います。(敏腕アトム)
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