【真・恋姫†無双if】〜死を与えることなかれ〜31話
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チュンチュンチュン…

 

 

「う…ん……」

 

 

小鳥の囀りが部屋に零れる中、私は目が覚め辺りを見回し、

 

はっきりとしない意識を呼び覚ましていた。

 

 

「何だか、妙な夢を見ていた様な気がする…」

 

 

そう、変な夢だった。あの夢は…………

 

 

「一刀!!」

 

 

思い出した途端、私は部屋を飛び出していた。駆け出す足取りは決して軽いものではなく、

 

どうしようもない緊張感から、短距離なのに息を荒くしてしまう。

 

 

「はぁ…はぁ……」

 

 

着いた。一刀の部屋の前だ。扉の取っ手を掴む手が震え、中に入る踏ん切りがつかない。

 

無論、貂蝉達の事は信頼している。けど最悪の場合、世の中には絶対はない。

 

それを、分かっているが故、恐怖に駆られる。

 

 

「…すーはー」

 

 

私は何とか平常心を取り戻そうと深呼吸をする。ここで立ち往生しても何も変わらない。

 

よし、覚悟を決めた。

 

 

「一刀!!」

 

 

部屋の中に入ると、そこには誰も居なかった。陽光が窓から降り注ぎ、

 

主なき部屋は閑散としているだけ。私は徐に一刀の布団に触れてみたが、

 

冷たく、居なくなってから、随分と時が経っている事に気が付いた。

 

 

「…何処に行ったのよ、一刀」

 

 

悲観的な感情のまま私は一刀の部屋を後にした…

 

 

 

 

「雪蓮!!」

 

「姉様!!」

 

 

一刀の部屋を出ると、そこには皆が勢揃いしていた。

 

皆一様に一刀を心配しているのが分かる。

 

 

「雪蓮、北郷は!!」

 

「…もぬけの殻だったわ」

 

「……何処に行ったのだ、あの馬鹿は!!」

 

「もしかして、一刀様は…」

 

 

思春が苛立ちを隠さず、毒を吐き、明命は最悪の状況を描いている様に窺えた。

 

そんな負の空間の中、独特な野太い声に気が付き、

 

そちらに目を向けてみると…

 

 

「あらん。もう起きたの、早いわね〜」

 

「貂蝉!!」

 

「貴様、北郷を何処へやった!!」

 

「あら、やだ。怖いわ〜」

 

「落ち着いて、思春。貂蝉。一刀は何処に居るのかしら。

 事と態度、返答によっては…」

 

 

蓮華が鞘から剣を少しだけ抜き、音を鳴らせる。明らかな警告の合図。

 

しかし貂蝉は、それに動揺する態度は見せないが、顔を真剣な表情へと

 

様変わりさせた。

 

 

「そう、邪険に扱わないで頂戴な。今から、案内するからねん」

 

「…一刀は、一刀は無事なの!!」

 

「…それは、自分の目で見て確認しなさい」

 

 

貂蝉は、一刀の状態を知るには、相応の覚悟を決めなさいと言わんばかりの

 

威圧的な雰囲気を、見せしめるが、直ぐ様、元の飄々とした状態に戻ってしまった。

 

 

「少し、遠出になるから準備しなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城を出て、私達は貂蝉に導かれるまま、歩を進めていた。

 

荒野、平原と景色が移り変わり、今は木の密度が高い森林、その道を歩いている。

 

一刀の居場所、私は、いや、私達はもう分かってしまった。

 

事の発端が始まりを告げた場所、そう、母さんが眠っているあの場所だ。

 

 

「…………」

 

 

口数なく、誰も言葉を発しない。足音のみが場に鳴り、あの貂蝉ですら何も言わなかった。

 

緊張感が走る中、一陣の風と共に微かに声が聴こえてきた。

 

 

「あり……うご……ました。……さん」

 

 

この声に胸の鼓動が早くなる。昨日聴いた筈なのに、何年も聴いていなかったかの様に

 

錯覚に陥りながらも、私達は一歩、また一歩と彼が存在する幸せに感謝しながら近付く。

 

次第に歩から走となり、感情が爆発寸前になりながら、そこに居る人の名を叫んでいた。

 

 

「一刀!!」

 

「北郷!!」

 

「一刀さん!!」

 

「一刀様!!」

 

 

 

説明
こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
大変、遅くなりまして申し訳御座いません。
前回、数話分の為投稿が遅くなると、記載しておりましたが、
最近時間に余裕がなく、中々書けない状況が続いております。
なので、出来た所まで投稿したいと思います。
こうでも、しないと失踪フラグが立ちそうなので…
申し訳御座いませんが、もう少しお待ち下さい。
最後に稚拙な文章、展開がおかしい所があるかもしれません。
それでも、暇な時間に読んで頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
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コメント
ケフカ・パラッツォさん>そうですよね!ハッピーでないと!!コメントありがとうございます〜(南無さん)
やっぱりハッピーエンドでしょ!!(ケフカ・パラッツォ)
naoさん>ハッピーで終れそうです!!とある人が過剰に気にしなければ…ね。コメントありがとうございます〜(南無さん)
睦月さん>無事で良かった、無事で…でも、それなりのペナルティも発生しているのですよ…。コメントありがとうございます〜(南無さん)
本郷 刃さん>夢か幻なのか、そういった世界でもお礼に行く一刀は流石です!!コメントありがとうございます~(南無さん)
未奈兎さん>全ては次回で明らかですよ〜。コメントありがとうございます〜(南無さん)
みんな一度は絶望しただろうがハッピーエンドになりそうでよかった!(nao)
良かったな…みんな(睦月)
一刀は自分の道を示してくれた人にお礼を言いに行ったようですね・・・(本郷 刃)
さあ、どうなった!?(未奈兎)
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