司馬日記外伝 仲達さんとバカンス
[全1ページ]

「あれ?仲達さん一人?」

「はい…」

多少困惑したような仲達さんが両肩に荷物を抱えてコテージから出てきた。

 

 

「姜維、張任、?徳、子義(太史慈)に伯道(?昭)まで、皆歩哨に出てしまいました」

「ああそう…湖に出てこなくてもいいからゆっくりしてよって言っといたんだけどなぁ」

「一刀様の御安全の確保に注力することは良いことだとは思いますが、この近辺は治安もよく又皆十分な手垂れでもあるので今一人くらいだけでも一刀様のお世話を手伝うようにお願いしたのですが…それはさておきまして姜維から文を預かっております」

「ありがと、でもさっきまで一緒だったんだから言えばいいのに何だろ」

 

 

ぴらぴらと書を披く。

…あー。

成程。

思わず仲達さんの怪訝そうな顔を見る。

「?」

「あ、いや、何でもない。仲達さんは良い友達持ってるなぁって」

「はい。かけがえの無いものとして大事に致します」

言われてみれば今日の面子はみんな仲達さんの後輩筋だった、さてそういう事なら。

「とりあえずテント建てようか。手伝ってくれる?」

「いえ、私が致しますが」

「まーまー、折角だから二人で共同作業しようよ。ね?」

「は、はい…一刀様がそう仰られるならば…」

荷物を受け取る為に手に触れるとほんのり頬を染める仲達さんマジ仲達さん。

 

「そちらの支柱を持っていて頂けますか。私が屋根布用の杭を打ちますので」

「うん」

木杭を打つ為にしゃがみこむ仲達さんの谷間が重たげに揺れる。その奥にはなめらかにくびれた腰を経て、やや不十分な布地に収まらないお尻。

 

「ごめん、仲達さん」

「?なにも御謝りになるようなことは御座いませんが」

「いや、水着姿ホント素敵なのに誉めてなかった、ごめん。すごい魅力的」

「…過分のお褒めを賜りますと、浮かれてしまって手元が狂ってしまいそうです」

赤くなって顔を伏せる仲達さんならマジで怪我しかねないと思ったのでとりあえず黙る事にした。

 

「御泳ぎになられますか」

「うーん…そうだね」

テントで飲み物を貰い少し考える。

「て言うかガチのグラビアモデルの仲達さんちょっと見てみたい」

「ぐらび…?」

「えーと要はあれ、展示会の水着モデル」

「…私などがあのような場に出させて頂くのは御恥ずかしい限りです」

「いやいや超似合ってる、けど俺以外には見せたくないから今ちょっと砂浜でポーズとってくれない?」

「一刀様、ぽーずとは…」

「ああうん…たとえばこう、砂浜で仰向けに寝転んでこっちを見上げる感じ」

「…こんな感じでしょうか」

おお大分それっぽい。けど表情が固いな。

「仲達さん笑ってー」

「………こうでしょうか…」

仲達さんそれ笑顔やない、照れ顔や。勿論萌えるけど!ここは小細工が必要だな。

「仲達さん、今御家族は何人?」

「?八姉妹に下宿二名で、おいで頂いた頃から変わっておりませんが」

「最近お友達と飲みに行ってる?」

「職務にも励むようにしておりますが、最近では伯道と」

「仕事どう?楽しい?」

「はい、一刀様に御仕え出来る事は無上の喜びです」

よしよし、大分表情柔らかくなってきたな。

「…ところで一刀様、その指で□を作ってそこから覗き込まれるのは何故でしょう?」

「こうすると(カメラマン)気分が出るんだよ」

「そうなのですか」

 

ま、こんなもんかな。

「暑い中ごめんね仲達さん、堪能したよ。じゃ、泳ごっか」

「あ、私は荷物番を」

「一人で泳いでも楽しくないって、それに俺の安全管理上近くにいてもらったほうが無難でしょ?どうせ周りは凄腕の歩哨だらけなんだから荷物なんて大丈夫だしさ」

「…はい、ではお供致します」

最近この人の口説き方判ってきた、常識とか感情じゃなくて理屈で押す。

 

そんで俺たちはひとしきりキャッキャウフフ(主に俺が)したり、水難時に身を守る程度には心得ておりますって言うから競泳のガチ勝負を挑もうとして『絶対手を抜いちゃ駄目だよ?勝つのは全然不敬じゃないからね?全力出すんだよ?』と念を押すたびに仲達さんの顔色が悪くなって蚊の鳴くような声ではい、はいって言うからあきらめてじゃあ引っ張ってって言ったら凄く嬉しそうに手を引いて泳ぐからこれはこれでありかなとか思ったりしてたら流石に喉が渇いたので一旦岸に戻ることにした。

 

「ぷは、それじゃもう一泳ぎ行ってこようかな。仲達さんどうする?」

「あ、お供………したいと、思いますが…」

「が?」

妙に歯切れ悪いな。お腹減ったのか?いやでも仲達さんなら腹減っても言い出さないよな。

「…一刀様は大事な御体ですので……」

うつむきながら籠の中を漁る仲達さんに雲行きの怪しさを感じる。

 

 

 

 

 

「日、日焼け止めを御塗り致しますので、それからでは如何でしょうか?」

そう言いながら上目遣いで見上げてくる彼女が取り出した小瓶は、どう見てもちょっと前に流行ったアレな事に使うローションだった。

 

 

 

つまりどういう事かというと。

1.仲達さんは誰かに騙されている。

2.ガチボケである。

3.仲達さんなりのド下手な(そこがまたかわいい)お誘いである。

 

OK、俺こういうの慣れてる。

「仲達さん、それ使い方分かる?」

「…はい。その…私の身を以って、一刀様に御塗りするべきものと…」

真っ白な水着と肌の上に顔だけを赤くして顔を伏せる仲達さん、珍しくだいたいあってるよ。

さてこれで1か3に絞られたわけなんだがって仲達さんビン開けるのちょっと待て何時に無く行動早い!

「お、御塗り致します…」

「ちょっっっと待とうか!ちょっとだけ待とうか仲達さん!?」

熱に浮かされたような表情で胸の谷間にローション垂らし始める彼女の肩と手を掴んで制止した、って考える間も無い位距離詰められてるし仲達さん力強ぇよ知ってたけど!

「いえ、一刀様の大切な、御肌が…大切ですので、し、失礼致します」

荒い息に震える声。豊かな胸越しにも伝わる位ばっくんばっくん言ってるのが聞こえるくらいに抱きつかれて、あかんやばい流されそう。だって可愛いし仲達さん好きだし。

理性というひ弱な我が軍が全滅するその寸前、仲達さんの肩越しに陽(太史慈)と泉さん(?昭)が遠くの茂みからひょこっと顔を出したのが見えた。

 

「(そこだと)」

「(焼けますから)」

「(コテージへ)」

「(行って下さい)」

二人の妙に息の合ったジェスチャーと口パクに、なけなしの皇帝力が僅かに復活する。

つーか君ら仲良くなったんだね。

 

「仲達さん、塗って貰うからちょっと待って」

「あふ…あ…はい…?」

「その日焼け止めはここで塗るのは正式なやり方じゃないんだ、あっちのコテージで塗ってくれるかな。多分あっちにはその為の設備(ローションマット)があるし」

「そ、そうだったのですか……で、ですが…私は…」

「歩けなくても俺が抱っこするから大丈夫!よっ!」

「…ああ、一刀様…申し訳ありません」

焼けるような太陽よりも、お姫様抱っこしている仲達さんのもっと熱い視線を至近距離で浴びながらコテージに向かう。

 

 

 

まあうん、そのあとはつまりそういうことで、その後仲達さんは流石に岸辺に出てくることは無かったんだけど。

俺だけその後夜にもう一泳ぎしようかなとか思ってたんだけど、歩哨の方々が一人一瓶片手に控えめに警備料を請求されるのはちょっと読んでなかったんだよね。

 

…仲達さん、良い(体力の)友達持ってるねぇ…

説明
その後の、飯坂様が御描き下さった水着回で御座います。

御笑覧頂いている皆様におかれましては、レスポンス元の仲達を御覧になって頂ければ嬉しく存じます。
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コメント
ありがとうございます!まさかhujisai様にレスポンス作品を頂けるとは!そして描いていた時にいろいろと想像してたシチュエーションの遥か上を行く一刀さんwww(飯坂裕一)
ちん皇帝に勝てる恋姫はいなかったww さすがは一刀さんですわww(神余 雛)
それでも返り討ちにしたんかいww(D8)
やはり一刀無双(よしお)
相変わらずタグがwww(GNX)
仲達さんは本当良い友達に恵まれてますなwww そして安定の一刀さんの皇帝力(笑)(happy envrem)
この国は滅びる、重チンの子がみんな血縁だしな?(禁玉⇒金球)
実際ココの一刀さんはどのくらいの人数まで相手できるのやらwwwwwwwwwww(悠なるかな)
やって来た人たち全員返り討ちにするとは流石一刀さんやで…………。(daitetu)
どう考えても……1、2、3……全部正解にしか見えません。(いた)
(真の)オチをタグで晒すんじゃないよ(笑)そしてコテージは阿波おどり会場となったのだった。(kazo)
タグ
恋姫無双 司馬日記 司馬懿 仲達 水着回 それでも全員返り討ちにする一刀さん 

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