ゼロの使い魔 AOS 第17話 めざせ経済大(町)国 C |
やっと仲直りをした才人とルイズ、色々あったが関係が修復できて内心うれしい二人。
特にルイズは才人の「甘えん坊宣言」や「あ〜ん」などを経て、自信回復・・・いや、いままで以上にご主人様の自信を深めた様子。
才人もこの世界の貴族的な横暴を反省してもうしないと言ったルイズに関心している模様、全てが解決したとこちらも満足な様子。
二人とも現在の状況に少し浮かれているのだが、才人は本来の目的を思い出して浮かれ気分を引き締めるのであった。
「ルイズ、話があるんだ!」
「ん〜何かしら、何でも言いなさいご主人様に」
真面目な口調で話す才人に対して、ルイズは先ほどの興奮を引きずっているのか気軽に返事をするのだが・・・。
「俺の仕事の話なんだけど、協力してもらいたいんだ」
「そうサイトの仕事の協力ね〜、えっ仕事・・・・?」
「そう俺の仕事だ、ちょうど困っている事があってさ」
仕事に協力して欲しい、才人の話はルイズが期待していた話とは違っていた。
この時のルイズは、甘えん坊で頼りない使い魔がどんな事で私に頼ってくれるのかしら?そう思っていたのだが仕事・・・期待はずれの話だった。
「仕事ね・・・・・・で、どんな仕事をするのかしら」
「おう、聞いて驚けよルイズ!街を広げるんだ!!」
「街を広げてどうするのよ?」
「人を増やす!」
「で、人を増やしてどうするのよ?」
「仕事を集める!」
「それで、仕事を集めたらどうなるのよ?」
「職を持った人がたくさん生活している街が出来たら、お金が動く!!それもいっぱいな!!」
「お金が・・・動く?」
「ああ!食べ物や服や家とかの生活必需品が必要になる、商人たちがそんな沢山の客を放っておくはずがねぇ!絶対に集まってくるんだ!!」
才人は熱く語った!人の数がお金を生むのかを!労働人口の増加がお金を生むのかを!そう・・・金は天下のまわりもの、現在の言葉で言えば経済効果を熱く語ったのだ!!!
だが、当のルイズはと言うと・・・。
「ふ〜ん、いいんじゃないかしら」
完全に興味が無かった様子・・・空返事を返す。
ルイズはトリステイン王国でも屈指の名家のお嬢様、幼い頃からお金に困ったことは一度もない。
そして本人もなぜお金に困らないかを、考えずに生きてきたのである。
悪い言い方をすれば、世間知らずのお嬢様なのだ。
そんな彼女が世間の生活や経済のしくみなどを考えた事などは一度も無く、こんな話をされても興味が沸くはずも無い。
才人だって、少し前に中学を卒業したばかりの世間知らずの子供だった。
それでも資本主義の世界で生まれ育っただけはあって、簡単な経済効果の仕組みは理解していた。
今回の計画も才人が自分なり一生懸命に考えて立案したのだが、生まれた育った環境を考えると大きな温度差がある事はある意味仕方なし・・・。
そもそもルイズはこんな展開を望んではいなかった、仲直りをしてご主人様としての自信を完全に取り戻した。
先ほどの仲直りの経緯もあり、もっと単純な事で才人に頼って欲しかったのだ。
他にも会えなかった時の才人がルイズを心配して、どれだけ不安だったのかを聞けるんじゃないかと期待していたのだが完全にあてが外れた格好となった。
ゆえに才人が熱く語る話は右から左に素通りしている、「ふ〜ん」や「いいんじゃないかしら」と相槌だけで頭には入っていない模様・・・。
街を拡張することによる経済効果を熱く語る才人と完全に右から左に流しているルイズ・・・かみ合ってない二人だが、才人はここで話の核心を切り出した。
「そこでだ!街を広げるにあたって後ろ盾とスポンサーが欲しいんだ・・・そこで、ルイズに協力して欲しい!!」
「ふ〜ん、いいんじゃないかしら」
ルイズは、まだ右から左に流していてる。
「俺たちがこの学院から追われていたときに助けてくれた、貴族のおっさんを紹介して欲しいんだ!・・・頼めるか!?」
「いいわよ〜紹介してあ・・・えっ!?サイト、今なんて言ったの!?」
「だ〜か〜ら〜俺がこの世界に召喚されてここの教師たちに追われていた時に助けてくれたおっさんが居ただろ、俺に会わせて欲しいんだよ!!」
「えぇ〜〜〜〜〜〜!!・・・その・・・会わせてほしいって、サイトは会いたいの?」
「ああ・・・俺たちを助けてくれた礼もまだ言ってねぇし、直接会って話したい大事な事があるんだよ!お願いだ!!会わせてくれルイズ!!!」
そう才人が後ろ盾とスポンサーとして期待していたのは彼がこの世界に来た時に二人を助けてくれた、あの「厳つい貴族のおっさん」だったのだ。
あの極限の状況で才人は直接話せる時間が無かったのだが、救援に駆けつけた後にルイズと少しだけ話した後に追ってくる教師たちと戦っていたのを覚えている。
ルイズに手を貸してくれているという事はルイズの知り合い、もしくはヴァリエール家筋の親戚かそれに近しい家柄であるのでは?と。
あれだけ執拗に才人の存在を消しに来たトリステイン魔法学院を黙らせたのだから、ものすごい権力者ではないのか?と。
「でも・・・すごく忙しい人だし、それに・・・その・・・大事な話って・・・」
「ああ!すごく大事な話だ!!こんな事ルイズにしか頼めねぇし、ルイズしか頼れる人はいないんだ!!・・・できれば一緒にあって欲しいんだけど」
もう気づいている方もいるだろうが才人が言う「厳つい貴族のおっさんは」、ラ・ヴァリエール公爵と呼ばれる貴族・・・つまりはルイズの父親である。
(えっ一緒にお父様にご挨拶って・・・それって・・・そういう事?ちょっとこの使い魔は何を勘違いしているの、やっぱりサイトは私のことを・・・)
父親に挨拶など婚約者などがすることだ、ただの恋愛関係や・・・ましては主人と使い魔の主従関係などで父親と会う道理など無いのである。
(何て事なのかしら・・・サイトはやっぱり私と結婚したいんだわ、そんなつもりは無いしそんな事をしたらお父様がどんなに驚くか・・・でも)
「ルイズ・・・?」
「サイトがどうしてもって言うのなら、連絡は取ってみるけど・・・あまり期待はしないでよね!本当に忙しい人なんだから!!」
「本当か!?・・・ありがとう!!何だかんだいってもやっぱりルイズは頼りになるよな、さすがは俺のご主人様だぜ!!!」
「バカ!本当に調子良いんだから・・・ここはご主人様の力を見せてあげるわ、楽しみに待っていなさい!」
自分が求婚されるほどモテている事を家族に自慢したい欲求が道理を超えてしまったのだった・・・十五歳になってはいるが中身はまだまだおこちゃまなルイズであった。
そして自分の使い魔に頼られるのはやはり誇らしいし気分がいい、色々と地雷を踏んでいる事に気が付いていないルイズ。
紹介されたスポンサーが、彼女の父親だという事をしらずに計画が順調に進んでいる事に浮かれている才人。
はたして才人の計画はうまくいくのだろうか。
そして、才人とルイズとラ・ヴァリエール公爵・・・波乱の展開は必死!?
....第17話 めざせ経済大(町)国 C 終
next第18話 ルイズと魔法学院の夜
執筆.小岩井トマト
説明 | ||
ルイズとの仲直りを終え才人はいよいよ本題を切り出す。 東地区の問題を解決するために必要な事とはいったい? そして、ルイズはこの計画にどう絡んでくるのか要注目? ちょっと熱めの才人くんでお送りする17話をお楽しみください。 |
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