ショートストーリー3 |
今日は久々に仕事が休みで、偶然オマサも同時に休みだと分かったのでオレンジおじさんは、お店の近所の公園の隅っこでオマサと待ち合わせをしたのだった。
まずオレンジおじさんの方が先に公園の隅っこに到着していた。時刻はちょうどお昼過ぎで14時ちょっと過ぎだった。
この待ち合わせは実はオレンジおじさんの方から積極的に何度も誘って取りつけた約束だった。実は相手のオマサの方は最初はそれほど乗り気ではなかったのだが、あまりにオレンジおじさんが熱心に誘うのでとうとう折れて待ち合わせに応じたのだった。
「今後わしと上手くやって行きたかったらいう事をきけや・・・!」と肩を叩かれながら言われたのも大きな原因の一つだった。
最近、ゲイのお店でのオマサの成績がグングンとアップして来ていて、常にトップからスリーの間を落ちたことのなかったオレンジおじさんの成績をも追い抜く勢いになって来ていた矢先の突然の強引な待ち合わせだった。
「はぁ・・・まだか、遅いなぁ・・・」と落ち葉が舞い散る公園の隅っこのベンチに腰掛けながらオマサが一人ぼやいていた。
オレンジおじさんの姿は、待ち合わせの時間が10分過ぎてもまだ見当たらなかった。
あまりにも退屈で憂鬱で、元々どうしても自分が待ち合わせをしたい訳でなかったのもあったから、あと5分だけまって来なかったら帰ろう。オマサはハッキリと心に誓った、と、その時だった。
オレンジおじさんが向こうの方から小走りにこちらに向かってくるのがやっと見えてきた。
オレンジおじさんはちょうど14時14分になったら目の前に辿りついていた。そしてオマサの顔を見てこう言ったのだった。
「おぅ、オマサ遅れて悪かったな、でもわしは謝らんでぇ、あんたがうちの店に来てから、わしの財布は寂しくなってしまった・・・」
「それはお気の毒になんだったらいくらか貸しますよ、いえ、お店にいきなり入店させてもらったお礼で少しならお金をあげちゃいますよ!」
「そんなもんいらんわ・・・そんなことより今日はどうしても話したいことがあったんじゃ・・」
「なんですか?」
「とぼけるなよ・・あんた、わいの客と陰でコソコソ落ち合ってデートしとったろう、わしが何も知らんとでも思ったんか・・・」
「いえ、そんなことはありません、断じて・・・」
「あの噂は本当じゃと思うよ、あんたがわしの指名客の殆どをかっさらったっていう噂じゃよ!その上わしの行きつけの店にもちょくちょく顔を出しとるようやなぁ〜!」
「ふ、ふざけんなぁ・・おいこら、ぼけなす・・・おんどりゃぁあああ〜〜〜!」そう言い終わるか終らないかのうちにオレンジおじさんの拳がオマサの顔面に大パンチを食らわした。
そのうち何度も何度も激しく拳をオマサの顔面に執拗に打ち付けて行くようになっていた。もうここまで来るとオレンジおじさんには他の物音は一切聞こえなくなっていた。一心不乱に何度も何度もオマサの顔面を拳で殴りつけていた。
オマサの方も叫ぼうにも最初の強烈な拳の一発で既に気絶しかかっていてその後間髪を入れずに何度も繰り返し激しく拳を顔面に打ち付けられていたので、叫ぶどころの話ではなく既に呼吸困難に陥っていたのだった。
いつの間にかオレンジおじさんの拳の全体に真っ赤な血のりがべったりと突き出し始めていた。
「このぉおお〜〜薄汚い手を使いやがって!わしの客を返せぇ〜〜!根性を叩きなおしてやる・・・!」と喚き散らしていた。にも関わらず周りは何故かひっそりと静まり返っていた。もしも誰かがこの現場をみたとしてもあまりに異様な雰囲気で殺伐としていた殺気立っていたから逆に怖くなって関わりたくないあまりに何も見なかったことにしてその場から立ち去って行った可能性も非常に高いと思う。
「あほんだらぁあああ〜〜!聞こえるかあぁ〜〜!わしの叫びが!」とその時は、オレンジおじさんは拳を頭の上に挙げていてやっと少し冷静さを取り戻したのか、返事を待つ感じが見受けられたが、応答は無かった。
オレンジおじさんが右手をオマサの左胸の辺りにあててみるとわずかだがまだ心臓の脈が確かめられていた。つまり、この時点で返答は無くなった物のまだオマサは生きていたのだ。ただ虫の息だっただけだ。
オレンジおじさんはその様子を見て手当をしたり開放してやろうと言う様子もなく、もちろん救急車を呼ぶ気配まったくないまま、ボソッと次のようにつぶやいた「安心しろ、楽に行かしてやる・・・」
気づけば、オレンジおじさんお両手の掌はオマサの首をしっかりと掴み、執拗に締め上げていた。どうやらオレンジおじさんは彼の命を救うより昇天させる道を選んだようだった。
そしてそれから約10分以内の間にオマサはこの世の人ではなくなった。
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ショートストーリーを書きました。 文章とちょっぴり小説練習中です。雑談っぽい書き方ですみません。>< |
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