真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
一刀達は思春達との奮闘虚しく思春達に撤退されてしまう
未だかつてない敗北感を味わった一刀達は情報提供をする為、成都の城へと帰還し始める
その頃、会議をしていた龍天達の頭上には
何と未来の秋蘭が隠密行動をしていた!!?
八節 〜『龍天城』を脱出せよ!!!〜
秋蘭(未来)「(……………明命が負傷してしてしまった為、此処に来ることとなったが………・
本当に明命や思春は素晴らしい隠密だな…………)」
どうやら明命は絡繰人間の襲撃により負傷してしまったようだ
そこで、白羽の矢が立ったのが秋蘭らしい
秋蘭(未来)「しかし………まさか、思春や朱里、風が絡繰人間に改造されてしまったとはな………」
秋蘭は哀しみの表情となる
秋蘭(未来)「風達のあの目………最早、私や華琳様………一刀を見ても真っ先に首をかっ切ろうとするような目であったな……」
秋蘭は天井裏を衣服を黒くしていきながら這いずり廻っていた
と、そこへ
雷昇「ケケケっ!!!遂に出陣かぁっ!!!」
秋蘭(未来)「(っ!!?この声は雷昇!!?)」
秋蘭は声に驚き、その場に止まり息を殺す
その真下は廊下
そこには
炎掌「燃えてきたぜっ!!!ようやく俺達の出番だなっ!!!」
ゴォォォォォォォッ!!!
炎掌は身体中から高熱を発する
風刻「まぁ、こればかりは気持ちが分からなくはないな………
だが、炎掌………暑いぞ」
闇霊「出陣機会はかなり少なかったからな………」
氷柱「日頃の鬱憤を晴らしてやるわよっ!!!」
『龍禅の間』での会議を終えた『龍天五獄隊』の者達が今まさに、秋蘭の下を通過しようとしていた
秋蘭(未来)「(ここで見つかれば、全てが水の泡……
しかもよりによって『龍天五獄隊』の者達………捕まれば私も絡繰人間に改造されてしまうな………)」
秋蘭は見つからないように必死にその場に息を潜める
炎掌「っつーか、闇霊は出陣回数1回だろ!!?」
雷昇「『龍天五獄隊』隊長がそう何度も出陣出来るわけねーだろっ!!!炎掌っ!!!」
炎掌の言葉に雷昇は嗤いながら言い返す
闇霊「確かにな……………」
闇霊は目を閉じて言う
炎掌「隊長ってやっぱ忙しいのかっ!!?『二代目』さんよっ!!!」
炎掌は闇霊の肩を腕を乗せる
秋蘭(未来)「『二代目』?」
秋蘭は眉を顰めて会話の続きを聞く
闇霊「『二代目』か……………『あいつ』は勿体無かったな……」
闇霊は遠い目をする
炎掌「俺の質問、流しやがって…………
まっ、いいけどよ………」
炎掌は苦笑いで離れる
雷昇「熟、俺は『あいつ』に対して非常に勿体無かったと思うぜ」
氷柱「仕方ないわよ、『思考回路に異常があったんだ』もの」
風刻「突然、暴れだしたんだからな……
やむ無くだった…………」
闇霊「絡繰人間38号…………元名『毒鳳(どくほう)』………懐かしいな」
闇霊は呟くように言う
秋蘭(未来)「『龍天五獄隊』の隊長が二代目だとはな………初耳だ
初代の毒鳳?とやらはどうなったのだろうか……………」
秋蘭は盗み聞きをしては首を傾げ、疑問符を浮かべる
風刻「……………今は昔を振り返るより前を見よう
もうすぐで龍天様の悲願が現実のものとなる、気合いを入れねばな」
氷柱「それもそうね…………
一先ず、今日は『休眠塔(きゅうみんとう)』で休みましょう
明日から自分達の軍の調整をしましょう………」
雷昇「それもそうだな………興奮し過ぎて眠くなってきやがった………」
雷昇は重い瞼をなんとかこじ開け、話す
秋蘭(未来)「『休眠塔』…………そう言えば噂で聞いたことがあるな……」
秋蘭は記憶を遡り思い出す
秋蘭(未来)「(絡繰人間達は我々人間が寝台で寝る事と同様に、絡繰人間専用の寝台『休眠塔』とやらで疲れをとるとか………
『休眠塔』はかなり特殊な物で、透明の縦長状の丸い物体でその中に更に特殊な液体で一杯となっているとか………)」
現実世界でいえば、『休眠塔』とは巨大なカプセルの事である
秋蘭(未来)「(……………つまり、これから奴等は就寝するということか………
ならば、良い機会だ………この機会に『龍天城』を脱出し、過去へ襲撃をかけることを一刀に伝えねば………)」
秋蘭はそのまま『龍天五獄隊』を立ち去るのを暫し待っていた
待ってから数分後、時刻は夜の11時を回り廊下は非常灯以外の灯りは全て消灯された
辺りはぼやけた非常灯の灯りのみ
その殆どは暗闇が支配している
秋蘭は天井にある僅かな隙間から廊下を見下ろす
秋蘭(未来)「…………見張り兵もいないのか?
意外と手薄だな……………」
秋蘭は気配を察知しようとしたり、周りを見渡すとも、全く感じられないうえ、周りには人っ子一人いないことに唖然となる
秋蘭(未来)「私の鍛練不足なのか?
それとも、本当に誰もいないのか?」
秋蘭は眉間に皺を寄せて言う
秋蘭(未来)「もしかしたら、何かしらの装置の機能が働いているのかもしれん
このまま天井裏から脱出するか………」
秋蘭はまた再び天井裏を這いずり回り始めた
……………
………………………
それから数分後………
秋蘭(未来)「………………」
秋蘭は只管に天井裏を這いずり廻っていた
秋蘭(未来)「……………っ!!!」
秋蘭は何かに感づき、即座にその場に留まる
その原因は秋蘭の下の廊下の前方あった
絡繰人間1580号「……………異常なし」
絡繰人間369号「………異常なし」
絡繰人間4493号「異常なし」
絡繰人間907号「異常なし……………」
それは4体の男性型の絡繰人間
秋蘭(未来)「(やはり見回り兵がいたか……)」
秋蘭は苦虫を噛み潰したような表情をする
絡繰人間4493号「…………他の兵は皆、『休眠塔』で一時停止をしている
我々が異常を発見せねばな」
絡繰人間1580号「『情報監視部』の者達だけでは発見出来ない異常があるからな」
絡繰人間907号「あぁ、『情報監視部』は基本画面を見ている
画面だけでは理解出来ん不明点が存在する可能性がある」
絡繰人間369号「だが、今までそんな事は一切なかったがな………」
絡繰人間達は他愛のない会話をする
秋蘭(未来)「(……………大丈夫だ、このままやり過ごせば…………)」
秋蘭はそう内心に思っていた
だが
絡繰人間4493号「いや、過去にあったであろう…………『龍天城』の異常が」
秋蘭(未来)「…………??」
4493号の言葉に秋蘭は思わず聞き耳を立てる
絡繰人間907号「そんなの、過去にあったか?」
907号は首を傾げる
絡繰人間4493号「ほら、『失踪』の…………」
4493号は『失踪』という単語を小さく言う
絡繰人間369号「あぁ!!!それか………」
369号は思い出すようにして手を叩く
絡繰人間1580号「未だに『行方不明』だもんな…………」
1580号は怖じ気ついたのかビクビクしながら言う
絡繰人間4493号「『龍天城』最大の謎……………
この十数年の間に合計41体の絡繰人間の消息が断たれた、『絡繰人間失踪事件』………通称『兵器消失事件』………」
絡繰人間369号「『監視情報部』の奴等でも未だに誰一人として発見出来ていないんだろ?」
絡繰人間907号「あぁ、今のところな…………」
秋蘭(未来)「(失踪事件…………どういうことだ?)」
秋蘭が更に聞き耳を立てた
その時!!!
ガタンッ!!!
秋蘭(未来)「っ!!?」
突然、秋蘭が乗せた天井裏が音を立てて外れてしまったのだ
恐らく、体重を一点集中させてしまったのだろう
その拍子で秋蘭は廊下へと投げ出されてしまった
絡繰人間4493号「っ!!?」
絡繰人間369号「何の音……………だっ!!?」
4人の絡繰人間は同時に振り向き固まる
絡繰人間1580号「き、貴様は夏候淵っ!!!」ピピピッ!!!
絡繰人間907号「何故貴様がこの『龍天城』にっ!!?
いや、その前に何故『気が探知』出来ぬっ!!?」
絡繰人間達は秋蘭の登場に2つの意味合いで驚く
秋蘭(未来)「くっ!!!しまった………!!!」
絡繰人間369号「…………む?そうか………
夏候淵の鎧に我ら絡繰人間の部品が混ぜられている
それにより探知が出来ていなかったのか………」
絡繰人間907号「おのれ、人間の分際で下等な知恵を扱いおって…………
挙げ句の果てには弓兵である貴様が間諜だと………?ふざけおって」
絡繰人間達は直ぐ様、戦闘体制に入る
絡繰人間4493号「おい、1580号……直ぐに『監視情報部』に連絡を………」
絡繰人間1580号「了解」
絡繰人間1580号は『万能眼鏡』に左手をやる
だが、それを秋蘭は見逃さず
秋蘭(未来)「させるかっ!!!」
フォンッ!!!
ガキンッ!!!
絡繰人間1580号「ぐぉっ!!?」
直ぐ様、得物である弓『餓狼爪』を構えて矢を放つ
秋蘭が放った矢は寸分の狂いもなく絡繰人間1580号の『万能眼鏡』に直撃し、『万能眼鏡』を粉々に粉砕する
しかし、これで止まらない秋蘭は
秋蘭(未来)「はっ!!!」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
フォンッ!!!
ガキンッ!!!
ガキンッ!!!
ガキンッ!!!
絡繰人間4493号「ぐっ!!?」
絡繰人間369号「がぁっ!!?」
絡繰人間907号「うぐっ!!?」
立て続けに矢を放ち、4人全ての『万能眼鏡』を破壊する
絡繰人間4493号「くっ!!!しまったっ!!!
これでは連絡が取れんっ!!!」
絡繰人間369号「『監視情報部』まで距離が遠すぎる……………」
絡繰人間1580号「ならば仕方あるまい………
侵入者には死をもって罪を償ってもらおうか…………」
絡繰人間達は再び構えて歩み寄り出す
秋蘭(未来)「だろうと思っていた………
だが、ここで死ぬ訳にはいかぬのだ………」
秋蘭は冷や汗をかきつつ、ニヤリと笑い『餓狼爪』を構える
絡繰人間1580号「無駄だ、貴様一人で勝てるとでも?」
絡繰人間1580号は無表情のまま秋蘭に問う
秋蘭(未来)「やってみなければ分からぬだろう?」
絡繰人間4493号「揃いも揃って全く…………
北郷一刀の下に就くものは往生際が悪い……」
絡繰人間4493号は呆れる
秋蘭(未来)「結構だ、自覚しているからな………誉め言葉として受け取っておこう」
絡繰人間369号「貴様に渡すのは死だっ!!!」
絡繰人間369号は素早く襲いかかった
秋蘭(未来)「ふっ…………はっ!!!」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
絡繰人間369号「ごふぇっ!!?」
秋蘭は落ち着いた様子で、襲いかかった絡繰人間369号の鳩尾に蹴りを放つ
絡繰人間369号は派手に吹き飛び、3人に向かって勢いよく飛ばされる
絡繰人間4493号「ばっ!!!こ、こっちに来るなっ!!!」
絡繰人間907号「おわっ!!?」
絡繰人間369号「うぎゃっ!!!」
ドカッ!!!
絡繰人間1580号「どわっ!!?」
絡繰人間達はボウリングのピンのように大きく撥ね飛ばされる
秋蘭(未来)「よし、今だっ!!!」
秋蘭は隙を作り出し、回れ右をして素早く走り出した
絡繰人間1580号「あっ!!!夏候淵が逃走したぞっ!!!」
絡繰人間907号「急げっ!!!」
絡繰人間達は遅れて走り出す
絡繰人間369号「うぐぐ……」
絡繰人間369号は腹を抑えたまま、走り出した
絡繰人間1580号「おのれ、喰らえっ!!!」
ピュンッ!!!
絡繰人間1580号は『龍天城』へのダメージを最小限にまで押さえる為、人指し指から気を圧縮した光線を放った
秋蘭(未来)「ふっ!!!」
秋蘭はそれを優雅に躱す
光線は壁に当たり、当たった部分だけを焦がす
絡繰人間369号「本当に往生際が悪い奴だっ!!!」
秋蘭(未来)「こんなところで死んでたまるか!!!私は……一刀の元へ帰還してみせるっ!!!」
秋蘭は走りながら絡繰人間達に向かって言う
絡繰人間907号「無駄だ夏候淵っ!!!貴様の死は既に確定事項だっ!!!」
ピュンッ!!!
絡繰人間907号は5本指全てから光線を放つ
秋蘭(未来)「ふっ………喰らえっ!!!」
フォンッ!!!
秋蘭は壁を蹴り上げ、天井につく位にまで跳ね上がり、光線を躱しつつ5本同時に矢を放つ
絡繰人間369号「二度も喰らうかっ!!!」ピピピッ!!!
絡繰人間達は秋蘭が放った矢を余裕で躱す
秋蘭(未来)「(……………やはりそう簡単には当たらぬか……)」
秋蘭は華麗に着地して再び走り出す
絡繰人間4493号「『龍天城』を破壊してはならぬぞ
奴だけを抹殺するのだ」
絡繰人間1580号「百も承知だ、そんなこと」
絡繰人間達は秋蘭に人指しを向けては狙い打つ
秋蘭(未来)「くっ………このままではまずい…………
出口は………外へ繋がる出口は何処だ!!?」
秋蘭は先を急ぐも、とてつもなく広い『龍天城』の殆どの扉は現代でいう電子錠
全てにパスワード、重要な部屋にはカードキーらしき物が必要なのだ
なので、部屋の窓から脱出するという単純なことが出来ない
廊下から直接、脱出するしか方法がない
秋蘭は走っていると、T字路に差し掛かる
秋蘭(未来)「くっ………右か左か………」
その迷いがよくなかった
絡繰人間907号「逃がすかっ!!!」
絡繰人間369号「おぅよっ!!!」
907号と369号は飛び上がり、秋蘭の頭上を軽く越えT字路の左右の道に立ち塞がった
秋蘭(未来)「っ!!?」
秋蘭は急ブレーキをし、壁を背にして周りを見渡す
左には絡繰人間369号、右には絡繰人間907号、そして走ってきた道には絡繰人間1580号と4493号
八方塞がりとなってしまった
絡繰人間1580号「てこずらせやがって…………覚悟はいいか?」
絡繰人間達は秋蘭に向かって両手指全てを秋蘭に差し向ける
秋蘭(未来)「………………」
秋蘭は右手を腰に廻す
絡繰人間1580号「死ねっ!!!夏候淵っ!!!」
絡繰人間1580号がそう言った瞬間
秋蘭(未来)「はっ!!!」
腰のベルトについていた1つの飾りを素早く外し、床に向かって叩きつけた
すると
ボゥンッ!!!
大量の煙が忽ち、廊下を包み込んだ
絡繰人間4493号「な、なにっ!!?」
絡繰人間369号「くっ!!!煙玉かっ!!!」
絡繰人間1580号「構うかっ!!!放てっ!!!」
ピュンッ!!!
ピュンッ!!!
ピュンッ!!!
ピュンッ!!!
絡繰人間達は手探り状態で秋蘭が立っていた所に光線を放つ
だか、 全く手応えが感じない
少しすると煙が晴れる
絡繰人間369号「……………逃げおったか」
その場には誰もいなかった
絡繰人間1580号「くそっ!!!」
絡繰人間1580号は壁を叩く
絡繰人間4493号「どうする?斬魔様に知らせるか?」
絡繰人間4493号は他の絡繰人間に聞く
絡繰人間907号「いや、その必要はない」
絡繰人間907号はニヤリと笑い首を横に振る
絡繰人間369号「??何故だ?」
絡繰人間907号「これを見ろ………」
絡繰人間907号が床に向かって指を指す
そこには
血痕が道標となっていた
秋蘭(未来)「はぁ………はぁ………くっ……」
秋蘭はもと来た道を遡っていた
だが、先程の光線の一部が左肩を貫いていた為、左肩から出血していた
どうにか右手で抑えるも、血はそう簡単には止まらない
秋蘭(未来)「い、今のうちに………どうにか……」
だが、秋蘭の願いは叶うことはなかった
絡繰人間907号「見つけたぞっ!!!」
秋蘭(未来)「っ!!?しまった………!!!」
秋蘭が廊下にマーキングしていた血痕を頼りに直ぐ様、絡繰人間達が走ってきていたのだ
秋蘭(未来)「くっ……………悪運が尽きたか……」
秋蘭も思わず弱音を吐いてしまう
絡繰人間369号「味な真似しやがって!!!喰らえっ!!!」
ピュンッ!!!
絡繰人間369号は人指し指から光線を放つ
秋蘭(未来)「うっ………」
秋蘭は蹌踉めく体でどうにか光線を躱す
すると、その光線は秋蘭の正面にあった部屋の電子錠部分に直撃し
ピピピッ!!!
ウィーン
電子錠が壊れたのか、その部屋の扉が自動で開いた
秋蘭(未来)「………………・」
秋蘭は何を思ったのか、足を引きずりながらその部屋に吸い込まれるように入って行った
………………
……………………………
秋蘭(未来)「…………この部屋は?」
部屋に入室して秋蘭は口を開く
その部屋は全ての機器の電源が落ちているのか、画面が真っ黒
部屋の灯りすら付かない状態だった
それに加えての操作盤に置かれた大量の資料や説明書
何の部屋かも想像がつかない
ただ1つ分かるのは、部屋の3分の1が透明なアクリル板に覆われた大きな別の部屋となっていること
その部屋の出入り口はこの部屋から入れるようだが、何故か『立入禁止』の黄色のテープが巻かれている
秋蘭(未来)「訳が分からん………何の部屋だ?」
秋蘭がそう呟くと背後から声が聞こえた
絡繰人間369号「ここか?ここは貴様の墓場だ!!!」
秋蘭(未来)「っ!!?」
振り向くと先程の4体の絡繰人間が立っていた
絡繰人間1580号「てこずらせおって………」
絡繰人間4493号「ここまで時間かかかってしまうとは………俺達の整備も依頼したほうがよさそうだな」
絡繰人間達は全ての指を秋蘭に差し向ける
秋蘭(未来)「くっ………………」
秋蘭は肩に手をやりながら後退していく
絡繰人間907号「無駄だ、夏候淵………
最早、逃げ場などないぞ?」
秋蘭(未来)「……………」
少しずつ逃げ場がなくなっていく秋蘭
遂には
秋蘭(未来)「っ!!!」
腰辺りに装置の制御盤が当たり、後退すら出来なくなる
絡繰人間4493号「ふっ……終わったな」
絡繰人間達は勝ち誇った表情で立ち止まる
秋蘭との距離は凡そ1m少し
光線といえど、回避が不可能の距離
秋蘭(未来)「(………………悔しいが………ここまでか……)」
秋蘭は顔を下げ前髪で表情を隠し、両手を後ろの装置に手をやる
絡繰人間369号「ようやく諦めたか…………今、楽にしてやる」
絡繰人間達の指先が光を発し始める
秋蘭(未来)「(…………死ぬのなら………せめて、華琳様のお近くで……
我が儘を言うのなら、一刀の胸の中で…………)」
秋蘭がそう思い、後ろの装置に手を伝って体重をかけた
その時
カチッ!!!
秋蘭(未来)「っ!!?」
秋蘭は手に触れた何かのスイッチを押し込んでしまった
その瞬間
プープープープープーッ!!!
絡繰人間907号「っ!!?何だっ!!?」
絡繰人間369号「何かの装置が起動したのかっ!!?」
突然の事態に流石の絡繰人間達も焦る
だが、事態は更に深刻化する
ウィーン
ガチャリッ!!!
絡繰人間1580号「っ!!?扉が独りでにっ!!?」
絡繰人間4493号は扉に駆け寄り、扉を開けようと試みるが
絡繰人間4493号「くっ!!!どうなっているっ!!!自動的に扉の錠が閉になっているっ!!!
何故、内側から開かぬっ!!?」
絡繰人間1580号「なにっ!!?ならば、閉じ込められたとでも言うのかっ!!?」
絡繰人間達は騒然となる
秋蘭(未来)「…………??
私が先程、何かを押し込んだからか?」
秋蘭は壁に移動してよしかかり、現状の把握を行う
絡繰人間369号「くっ!!!駄目だ開かぬぞっ!!!」
絡繰人間907号「おのれ、夏候淵っ!!!
貴様一体何をしたっ!!?」
絡繰人間907号が秋蘭に詰め寄ろうと歩み出した
その時
機器音声「装置の起動を開始します。
装置の起動を開始します。」
装置の機器音声が起動を告げた
絡繰人間1580号「装置の起動だと!!?」
すると
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
突如、部屋自体に揺れが生じ始めた
秋蘭(未来)「な、何だっ!!?この揺れはっ!!!」
秋蘭も思わず声を荒げる
絡繰人間4493号「この部屋は一体、何の部屋だっ!!?」
絡繰人間達は急いで辺りにバラ撒かれている書類等を手当たり次第に目を通していく
秋蘭も足元にある書類を拾い上げて目で読んでいくも
秋蘭(未来)「……………駄目だ、何の装置の部屋なのか全く分からん
それどころか、何が書かれているのかすら理解できん
(というよりも、こやつらはこの部屋を知らないのか?)」
頭の回転が早い秋蘭でも頭を傾げる
そうしている間にも装置の起動は続けている
時間に比例して揺れは少しずつ大きくなっている
絡繰人間907号「………………っ!!!こ、これは…………っ!!?」
絡繰人間907号はある書類を見て、目を見開いて驚く
絡繰人間907号「そ、装置を停止しろっ!!!こ、この部屋は…………っ!!!」
絡繰人間907号が声を荒げたその時
ゴォォォォォォッ!!!
絡繰人間4493号「ぬぉあっ!!?」
秋蘭(未来)「っ!!?くっ!!!」
絡繰人間1580号「ま、眩しいっ!!!」
装置処か、部屋自体が眩い閃光を発し始めたのだ
4体と1人の人影はみるみる閃光に覆われ
その部屋から消えていなくなった……………
……終……
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絡繰人間に改造された未来の思春・風・朱里は一刀達の戦闘情報を収集し終え、未来へと帰還していった 未来に帰還した思春達は龍天達の今後の作戦を告げ、いよいよ本格的に動きだそうとしていた だが、その頭上には驚くべき人物がいた……………!!? |
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