真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間
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『龍天城』に隠密として潜入した秋蘭は斬魔の作戦を知り、急いで『龍天城』から脱出する為、行動に移す

だが、絡繰人間達により『ある部屋』に追いやられ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

眩い閃光に包まれたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   九節 〜絡み合う現実〜

 

 

秋蘭と絡繰人間達が眩い閃光に包まれ、部屋には誰もいなくなってしまった

 

 

それと同時時効の『監視情報部』では

 

 

 

プープープープープーッ!!!

 

 

 

男R「む?何だ?」

 

 

警報が発令されパトランプが点滅していた

 

 

男D「どうした?何の警報だ?」

 

 

男C「えーっと…………だな……」カタカタカタッ

 

 

1人の『監視情報部』に所属する絡繰人間は、画面に備えてあるキーボードを打ち込みマウスを操作して警報の原因を探り出す

 

 

男C「…………あれ?変だな……

『旧・第二時空転送装置室』の扉が開いているうえ、装置が起動している…………」

 

 

そう、秋蘭達のいた部屋はなんと旧型の『時空転送装置室』だったのだ

 

 

しかも

 

 

男H「んん?何故、開いているんだ?

『旧・第二時空転送装置室』の部屋の扉は閉にしたうえ、扉の電源を切った筈だぞ?」

 

 

電源が切れ開く筈のない扉が、何故か光線一発で開いてしまったのだ

 

 

男H「一先ず、見廻り兵を向かわせろ」

 

 

絡繰人間達は冷静に対処していく

 

 

男D「だな…………おい、連絡を入れろ」

 

 

男R「了解」

 

 

1人の絡繰人間は別の装置に走っていく

 

 

男D「しっかし、また妙な警報だな………」

 

 

絡繰人間達は頭を傾ける

 

 

男H「確かにな…………そもそも何で『時空転送装置』が起動してしまったんだ?

あの部屋の『時空転送装置』は『故障』してしまって以来、正常に起動しなくなってしまった為、まだ管理調整中だった筈だがなぁ………」

 

 

男D「あぁ、そのせいもあって『扉は疎か、部屋自体の電源も切った』ままの筈だ」

 

 

男H「どうも誤作動とは考え難いな………」

 

 

男C「斬魔様にご報告しておくか?」

 

 

原因を究明している絡繰人間は椅子に座ったまま、振り向く

 

 

男H「今日はもう遅い……………

明日の朝一で報告しよう…………」

 

 

絡繰人間は斬魔への気の使いの為に明日の朝に報告を後回しにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、この数時間が自らの首を絞めることとなる

 

 

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ところ変わって現在の成都

 

 

一刀達はいましがた、成都に到着したところだ

 

 

庭の鍛錬場には左慈と于吉が待っていた

 

 

左慈「ん?おぉ…………随分と早かったじゃねぇか」

 

 

于吉「皆様、ご無事のようですね………」

 

 

左慈と于吉は一刀の姿を見つけて、誰1人かけていないことに胸を撫で下ろす

 

 

だが

 

 

一刀「………………」

 

 

明命「………………………」

 

 

稟「………」

 

 

雛里「……………」

 

 

全員が重苦しい空気を纏って戻って来た為、左慈達はそれを察知して首を傾げる

 

 

左慈「??どうした?何かあったのか?」

 

 

于吉「何やら随分と浮かない顔をしておられますが……………」

 

 

一刀「…………」

 

 

一刀達は下を向いては無言となる

 

 

左慈「…………おい、北郷……」

 

 

左慈が声をかける

 

 

一刀「………左慈、于吉……………」

 

 

一刀がここでようやく口を開く

 

 

于吉「如何致しましたか?」

 

 

于吉は優しく答える

 

 

一刀「鍛錬している全員を集めて欲しい

話したい……共有したい事がある…勿論、絡繰人間についてな」

 

 

左慈「………………分かった」

 

 

左慈は一刀の重苦しい発言に直ぐ様、行動に移す

 

 

そして、心の中で思う

 

 

これは只事ではないということを

 

 

………………

 

 

……………………………

 

 

 

暫くして、1つの『次元の狭間』に重鎮達と貂蝉、卑弥呼が収集された

 

 

華琳「一刀………何かあったの?」

 

 

一刀「あぁ………」

 

 

蓮華「一刀……大丈夫なの?顔色が悪いわよ…………?」

 

 

蓮華は一刀の重苦しさに心配そうに見つめる

 

 

一刀「大丈夫だ………大丈夫さ……」

 

 

一刀は顔を青ざめさせたまま、微笑む

 

 

一刀「…………皆に集まってもらったのは他でもない……

先程、襲撃を仕掛けてきた絡繰人間についてだ」

 

 

雪蓮「何か情報を掴んだの?」

 

 

雪蓮は腕を組み、一刀に問う

 

 

一刀「あぁ、最悪の情報をな………

皆、心して聞いてくれ…………」

 

 

一刀はゆっくりと話し出した

 

 

……………

 

 

……………………

 

 

一刀「………………以上だ」

 

 

蓮華「そ、そんな………………」

 

 

思春「…………………っ!!!」

 

 

全員がその場で絶句し、哀しみに満ち溢れる

 

 

未来の死んだと思われていた者達は龍天の手に堕ち、記憶を消され絡繰人間として扱われていた事を一刀は全て話した

 

 

思春や朱里、風はショックを受け何も話すことが出来ない

 

 

更には俯いて近寄りがたいオーラが感じられる程の悔しさが溢れていた

 

 

璃々(未来)「そんな…………酷い……酷すぎますっ!!!」

 

 

それに加えての未来の璃々もショックであった

 

 

あまりの哀しみに璃々はその場に泣き崩れる

 

 

紫苑「璃々……………」

 

 

紫苑は直ぐ様、璃々に駆け寄る

 

 

左慈「………くそったれが……………

北郷…分かってるだろうが、事態は思ってる以上に深刻だ

お前を含めてこいつらのメンタルがやられちまってるかもしれねぇ」

 

 

左慈は一刀を見て言う

 

 

一刀「あぁ、分かってる………」

 

 

一刀は静かに思春達に歩み寄る

 

 

思春「………………一刀……」

 

 

朱里「ご主…人……しゃま……………ヒック…」

 

 

風「お兄さん……」

 

 

3人は顔を上げるも、とても話をかけられるような表情ではない

 

 

朱里に至っては大泣きだ

 

 

一刀はそれを踏まえて口を開く

 

 

一刀「……………ここで立ち止まったら駄目なんだ」

 

 

一刀は静かに語りかける

 

 

それは全員に告げている

 

 

一刀「確かに信じたくない事実だ………だけどこれは現実なんだ」

 

 

蓮華「一刀………」

 

 

一刀「だからこそ、俺達は立ち向かわなきゃならない

俺達が…………未来を変えるんだ…………!!!」

 

 

一刀の静かな憤りは皆の心の中に響く

 

 

一刀「だからこそ………絶対に『限界突破』を修得するんだっ!!!

それが、未来を変える唯一の方法だっ!!!」

 

 

一刀の叫びにより全員が絶望の淵から立ち上がる

 

 

華琳「えぇ、勿論よ」

 

 

雪蓮「このくらいでへこたれる私達とでも思っているのかしら?」

 

 

桃香「絶対に平和の世界を取り戻しますっ!!!」

 

 

全員が覚悟の表情となり、力強く頷いた

 

 

一刀「よし、『限界突破』修得の為に、鍛錬再開だっ!!!」

 

 

一刀の掛け声と共に、早足での『限界突破』の鍛錬が再開された

 

 

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場所は戻って未来の『龍天城』

 

 

秋蘭と4体の絡繰人間達が消えて一夜が明け、現場検証が行われていた

 

 

斬魔「ふむ…………成る程」

 

 

斬魔は『旧・第二時空転送装置室』の入口付近に立ち、顎に手を添える

 

 

『旧・第二時空転送装置室』内には7、8体の『監視情報部』に所属し、白衣を着た絡繰人間達が動いていた

 

 

斬魔の近くには昨夜、部屋の異常に気がついた絡繰人間が立っていた

 

 

斬魔「状況を整理しますと……昨夜、本来なら開く筈のない『旧・第二時空転送装置室』の扉が開き、動く筈のない旧型の『時空転送装置』が何故か起動していたと……………」

 

 

男H「左様でございます、斬魔様」

 

 

1人の絡繰人間は頭を縦に振る

 

 

斬魔「それなら矛盾点が多すぎますよね…………

この部屋の装置は故障して、設備に異常をきたしているので電源ごと切ってしまったのですが……」

 

 

斬魔は状況を1つずつ整理していく

 

 

斬魔「この『旧・第二時空転送装置室』の故障内容はご存じ、

【転送対象者だけではなく、その部屋に滞在している者達全てを転送してしまう一種のバグ】が発生してしまいますからね

挙句の果てには【転送先の年数を設定出来ない】という代物ですし」

 

 

斬魔は振り向いて1人の絡繰人間に訪ねる

 

 

斬魔「貴方が地下への『配電室』を確認しに行くと電源が入っており、電力が復旧していた…………」

 

 

男C「はい、その通りであります」

 

 

斬魔「ふむ……………

(電源の復旧ほレバー式……人の手を借りねば上げ下げ出来ない………

思考回路に異常をきたした者の犯行ですかね………?)」

 

 

斬魔はただただ考える

 

 

斬魔「……因みに最初、現場に到着した見廻り兵は何方です?」

 

 

男D「…………………」

 

 

男R「………………」

 

 

ここで絡繰人間達は口を閉じる

 

 

斬魔「??何方です?」

 

 

男C「実は………『旧・第二時空転送装置室』に到着したのは見廻り兵ではないのです」

 

 

斬魔「見廻り兵ではない?」

 

 

斬魔は首を傾げる

 

 

男H「それどころか、見廻り兵の絡繰人間達は全員、『龍天城』にいないのです」

 

 

斬魔「はぃ?『龍天城』にいない?

ならば、何処へ?」

 

 

斬魔は思わず、間抜けな声をあげる

 

 

男H「…………それが、見廻り兵の者達の『全情報収録板』の現在地を確認したところ…………」

 

 

男D「どうやら、過去にいるようでして…………」

 

 

斬魔「………………」

 

 

斬魔は一瞬、ポカンとした表情となるが納得のいく表情となる

 

 

斬魔「つまり……電源を復旧したのも、『時空転送装置』を起動か誤作動させたのも原因は見廻り兵の者達であると?」

 

 

斬魔の問いに絡繰人間達は

 

 

男C「そう考えるのが妥当かと……」

 

 

斬魔「……………その見廻り兵は今、何処に?」

 

 

男R「調べたところ…………」

 

 

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ゴォォォォォォォォォォォォッ!!!

 

 

 

 

秋蘭(未来)「はぁはぁ…………っ!!!」

 

 

丁度その頃であった

 

 

絡繰人間1580号「おのれ、待て夏侯淵っ!!!」

 

 

絡繰人間369号「貴様ぁ、往生際が悪いぞっ!!!」

 

 

絡繰人間4493号「待たんかっ!!!夏侯淵っ!!!」

 

 

絡繰人間907号「貴様が『時空転送装置』を起動したお陰で無断で過去に来てしまったではないかっ!!!

このままでは我々は不良品として斬魔様に処分されてしまうのだぞっ!!!」

 

 

秋蘭(未来)「知ったことかっ!!!まず、根城の部屋場所を頭の中で確保しておけっ!!!

我々、人間でも出来ることだっ!!!そんなことも絡繰人間に出来んのかっ!!?」

 

 

秋蘭は絡繰人間から逃げていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも

 

 

 

男C「4体の絡繰人間が転送された先は…………偶然なのか必然なのか分かりませんが、目的の12年前の大陸なのです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あらゆる運命の歯車が噛み合い

最早、斬魔や左慈でさえ予測不能な状態に陥っていた

 

 

 

 

           ……終……

 

 

 

 

説明
未来の『血光軍』の根城『龍天城』では、遂に一刀達を力で徹底的に潰す計画を立て、実行しようとしていた
その様子を見ていた未来の秋蘭は急いで一刀の元に帰還しようと試みる
果たして、秋蘭は一刀の元まで無事に『龍天城』を脱出できるだろうか?
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