真・恋姫無双 覇王伝 第三十四話
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〜一刀視点〜

西涼の軍と戦い馬騰を討ち取り蒲公英が降った翌日、進軍を再開した

「蒲公英 馬超ッてどんな武将だ?」

俺が蒲公英に質問すると

「う〜ん どんなッて漠然とし過ぎててどう答えたらいいのか・・・

 なにが知りたいの ご主人様?」

 

蒲公英は俺を『ご主人様』と呼ぶ事にした様だ

蒲公英曰く

「蒲公英の主君にして旦那様

 両方を兼ね備える呼び方は『ご主人様』でしょ」

呼ばれ方にこだわりが無いが、まあ悪い気はしない もっとも

「一刀さん 鼻の下が伸びてますよ

 丁度いい長さに切り取ってさしあげましょうか ご・しゅ・じ・ん・さ・ま」

と静里が不機嫌になっている

俺が悪いのだろうか?

 

「馬超の情報ならなんだっって良いよ

 ただ情報が無いと気持ち悪いだけだから」

俺の回答に

「ふ〜ん 武に関しては星さん(真名交換済み)と互角位はあると思うよ

 馬に乗ればそれ以上かもしれない

 でも足りない物が沢山あるんだよね

 脳筋だし、女らしさが無いし、可愛くなろうと努力もしない

 挙句の果てには恥ずかしくて人には言えない様な癖(?)もあるし」

「馬超の事が嫌いなのか?」

「まっさか〜

 大好きだよ 大好きだからこんな事が言えるんだよ

 まあ、あれだけは早急に直して欲しいんだけど」

一体なんなんだ?

 

「報告します

 斥候が前方に騎兵部隊を発見しました」

「蒲公英 出番だぞ!」

「御意!」

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前方に騎兵の部隊が視認出来る様になった

「数は5千程です

 間諜によると西涼の殆どの部隊は撤退 馬騰の仇討ちを主張する馬超だけが残った模様です」

静里の説明を聞いて蒲公英が

「お姉様・・・ そんなんじゃ勝ち目が無いのが分からないのかな」

寂しそうに呟いた と思ったら

「でも、これでお姉様を説得して捕えやすくなった!」

切り替えが早っ!

「そしてお姉様を捕えたら、あの星さん直伝の『亀甲縛り』をした上でで陣中を歩かせよう!

 蒲公英だけなんて悔しいし、恥ずかしがるお姉様も見てみたい!

 恥ずかしさでお姉様が女らしさに目覚めれば更に良し!」

蒲公英・・・ その親愛の情は歪んでるぞ

 

「向こうは小細工無しで突っ込んで来るでしょうから正面から受け止めます

 小細工してはならない局面ですから

 蒲公英さんは馬超の所へ真っ直ぐ向かって下さい

 説得して降らせるのが最良ですが、無理な場合は討ち取る事もあり得ます」

「うん 分かった」

静里の説明に蒲公英が頷く 余計な気負いはなさそうだな

「騎兵は星さんが率いて下さい

 祭さんと粋怜さんは昨日と同じく歩兵の指揮をお願いします」

「了解」

星、祭、粋怜が頷く

「一刀さんは怪我の為、『鳳凰』と共に後方で待機です

 出撃してもらう可能性もありますが、『万が一』の時だけです

 絶対に無理はしないで下さい!良いですね!」

静里に念を押される

「静里よ もし無理をしたら鞘華殿と巴殿に蒲公英が加わってからの『無い事、無い事』を伝える

 それで充分であろう」

そう星が静里に話す

『ある事、無い事』じゃなくて『無い事、無い事』って出鱈目と人は云うんじゃないか?

まあ、大人しくしていた方が後の身の安全が保てそうだ 特に精神的に

そして両軍が激突する

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「北郷一刀ー!出て来いー!」

馬超の部隊は一塊で突撃を仕掛けて来た

「弓隊、構え 射てー」

弓の斉射が敵の騎兵を捕えるが

「怯むなー!」

勢いを殺さずに向かって来る

馬超が殆ど単騎で迫って来る

「じゃ、ご主人様 言って来るね」

蒲公英が出撃した

 

「お姉様!止まって!」

蒲公英が馬超の前に立ち塞がる

「蒲公英!無事だったのか!

 でもなんで此処に?まあ、そんな事は後で良い

 母様の弔い合戦だ 一緒に来い!」

「お姉様 北郷一刀さんに降って!」

蒲公英が馬超の呼びかけを断って馬超に投降を勧める

「なんだと!蒲公英 裏切ったのか!」

「裏切るとかじゃなくて!

 叔母様はご主人様に後の世を託したんだよ!

 だから弔い合戦なんて無意味なの!」

蒲公英が必死で呼びかける

「五月蠅い!

 蒲公英!尻を出せ!性根を叩き直してやる!」

へ?俗に云う『お尻ペンペン』を此処でする気か?

「嫌だよ!何でこの年になって人前でお尻を叩かれなきゃなんないのさ!」

ごもっとも

「ならば、力ずくで!」

馬超が攻撃を仕掛けるが手加減しているな

「なんでそう脳筋の発想しか出来ないの!」

蒲公英も馬超の攻撃を逸らして反撃に移る

鐙を付けている為、手加減した馬超ならば互角に渡り合える様だ

「五月蠅い!だれが脳筋だ!」

「お姉様しか居ないでしょ!」

会話だけ見れば完全に姉妹喧嘩だな

「アタシのどこが脳筋だ!」

「考え無しに突っ込んで来るなんて、脳筋以外の何者でもないでしょ!」

「アタシは小難しい事を考えるのが苦手なんだ!」

あ、脳筋を認めた

「なんでそうやってすぐに考える事を放棄するのさ!

 だからいつまでたっても『お漏らし』が治らないんだよ!」

とんでも無い事言ったな

「わ〜、大声でこんな所で言うな!

 それに最近はしてないだろ!」

「23日前は最近じゃないの!」

「蒲公英!後で酷いからな!」

「それならもっとお姉様の秘密をばらしちゃうからね!」

え〜と、戦の最中だよね

 

「馬超様 もはや勝敗は決しました

 此処は撤退を!」

馬超の兵が進言をしにやって来た

「なに?でも今更撤退なんて・・・」

馬超が進退を迷っている

「俺に降る気は無いのか?」

「お前は母様の仇だ!降るつもりは無い!」

馬超は俺の降伏勧告をはねつける

「そうか 分かった

 馬騰の誼で一度だけ見逃してやる」

俺はそう言って道を開ける

「礼は言わないぞ!」

「必要ないさ」

馬超は僅か数騎と共に駆け抜けて行った

 

「ご主人様 ごめんなさい」

「気にするな 馬超も頭が冷えたら話を聞いてくれるかもしれない」

戦は俺達の勝利となり、俺達の軍は『宛』に入城した

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〜あとがき〜

 

 

蒲公英対翠は完全に口喧嘩ですね

まあ、蒲公英はシリアスに相手をしてもそれを壊しちゃいますから

 

翠は撤退と言うより逃走しました

何処に行くかは御想像の通りです

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
蒲公英対翠
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コメント
Jack Tiam様>その真っ直ぐさが今後に影響を及ぼすでしょう。(ZSAN)
劉邦柾棟様>そうじゃ無かったら翠じゃありませんし。(ZSAN)
nao様>無理でした。(ZSAN)
アストラナガンXD様>その設定は生きています。(ZSAN)
睦月様>翠でした。(ZSAN)
h995様>孫家自身納得してますから問題にはならないでしょう。(ZSAN)
mokiti1976-2010様>翠は直情型ですから・・・。翠があの陣営に行く事でまた情勢が動くでしょう。(ZSAN)
良くも悪くも真っ直ぐなのが翠。でも、今後は厄介なことになりそうだなあ……(Jack Tlam)
『脳筋&失禁馬超』な「翠」に期待するだけ無駄だったな。(劉邦柾棟)
やはり翠説得は無理でしたな〜^^;(nao)
失禁馬超・・・・(アストラナガンXD)
翠はやっぱり翠だったかぁ〜‥‥(睦月)
まぁ翠の反応の方が後漢における一般常識(親の仇は必ず取れ)であって、母親の遺命があったとはいえすんなり下った孫家の方が異端なんですよね、実際の所。その辺りの認識のズレが今後何処かで問題にならないと良いのですが……(h995)
やはり翠はまともに話に耳を傾ける気0でしたね…しかも行き先が想像通りという事は、さらにまたややこしくなりそうな予感。(mokiti1976-2010)
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真・恋姫無双 北郷一刀  蒲公英 

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