真・恋姫†無双 外史 〜天の御遣い伝説(side呂布軍)〜 第七十七回 第五章A:御遣処刑編E・天の御遣いまで吹き飛ばす気なのか!?
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(天の御遣いが・・・死んだ・・・?)

 

 

 

歓声鳴りやまない広場の中、真っ赤なポニーテイルの女性はただ立ち尽くしていた。

 

 

 

(そんな・・・やっぱり本物だったのか・・・ごめんみんな・・・また振り出しだよ・・・)

 

 

 

実際一度も会ったことのない人物だったが、しかし、今回の処刑はこの女性の希望を打ち砕くのには十分すぎた。

 

 

 

(けど・・・こんなのおかしいじゃないか・・・天の御遣いっていったらみんなにとって乱世を救う英雄じゃないのか・・・なんでみんな

 

喜んでるんだよ・・・なんで一人残らず――――――あれ?)

 

 

 

しかしその時、その女性の瞳にとある違和感が映った。

 

その光景は普通であれば正常であるはずなのに、この異常な空間ではひときわ目立って異常な光景。

 

 

 

(あの娘たち・・・泣いているのか・・・?)

 

 

 

その女性の瞳に映ったのは、明らかに周囲とは一線を画し、涙を流しながら処刑台を眺める二人の幼い少女の姿だった。

 

 

 

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【豫州、潁川郡、許県・side高順】

 

 

<オレの名前は北郷一刀。聖フランチェスカ学園の2年生だ>

 

 

 

――――――これは初めて一刀様にお会いした時に聞いた第一声。

 

第一印象は、とても不思議な方といった感じでした・・・

 

 

 

<あの〜、そのマナって何デスカ?>

 

 

 

――――――まさか真名のことをご存じないとは、この瞬間、一刀様がこの世界の方ではないと実感させられたものです・・・。

 

 

 

<目指すならここからかなり遠いけど、益州あたりがいいんじゃないかな?>

 

 

 

――――――なぜ益州などという遠いところを、と思ったものですが、その考えを聞いて改めて只者ではないと思ったものです・・・。

 

 

 

<なな!!>

 

 

 

――――――自身を犠牲にして崖から落ちそうになった私を助けようとするなんて、

 

思えばこの時からすでに一刀様のお約束は発揮されていたのですね・・・

 

 

 

<毒を吸い出す。少し我慢してくれよ>

 

 

 

――――――これもそうです。

 

そもそも毒蛇に噛まれるなどという間抜けなことをしたのは私なのに、一切そのことは触れずに、

 

もしかしたら自分の体が毒に侵されていたかもしれないのに平気な顔をして、しかも口で直接吸い出すなど・・・口で・・・・・・。

 

 

 

<ななは絶対安静だよ。大丈夫、こういう時のために、オレは霞の鍛錬を受けてたんだからな>

 

 

 

――――――これもそうです。

 

雨宿りの最中、謎の来訪者が毒で動けぬ私を守るために空元気を。

 

たまたま華佗様だったからよかったものの、山賊などの類だったらどうなっていたことやら・・・

 

そういえば、この時初めて頭を撫でられたのでした・・・

 

 

 

<い、いや、心配なんかしてなかったよ!なんたってななはかの有名な陷陣営様だからな!>

 

 

 

――――――一刀様はいつも人の事ばかり心配して・・・そういえば、前の時は毒のせいでそれどころではありませんでしたが、

 

この時頭を撫でられたのは流石にグッとくるものがありましたね・・・

 

 

 

<オレにも手助けをさせろよな>

 

 

 

――――――一刀様に強引に背負ってもらったこの瞬間・・・

 

一刀様に甘えたいという私の心を見透かしたかのような一刀様の強引な心遣い・・・

 

一刀様に対する思いを意識し始めたのはこの日が境だったことは間違いありませんね・・・

 

 

 

<それじゃあ、まず目の前の人を助けないとな>

 

 

 

まだ客将の身分のとき、時間つぶしに成都をぶらぶらしていただけなのに、

 

飢えに苦しむ見ず知らずの子をすぐ救おうとするのは、本当に一刀様らしいです・・・。

 

 

 

<―――必ずこの戦いに勝ち、張魯を正し、漢中の民を苦しみから解放しよう!!みんなオレに力を貸してくれ!!!>

 

 

 

――――――初めて総大将になって大勢の前で演説なさった一刀様は、

 

慣れない様子ながらも立派にその役を果たされ、とても頼もしく、格好良かったものです・・・。

 

 

 

<勿論わかっているさ!でも、オレは安全地帯で仲間の死を見物しているぐらいなら、一緒に戦って死んだ方がマシだよ!>

 

 

 

――――――陽平関では初めての戦場にもかかわらず、一刀様はためらいなくいつも通り跳び出されていましたね・・・。

 

 

 

<ごめんなな。早く陽動隊を助けに行こう>

 

 

 

――――――傷つく兵を、ましてや目の前で苦しんでいる兵を目にして、一刀様なら一人残らずお助けしたかったでしょうに、

 

一刀様は私の諫言をすぐに受け入れられるほどの懐の深さをも持っていらっしゃいました・・・

 

 

 

<何とか間に合ったようだな>

 

 

 

――――――まさか本当に桔梗様を助けるために矢面に立たれるとは、果たして考えなしなのか、

 

それとも私の力を信じてくださっていたからなのか・・・恐らく前者なのでしょうが・・・

 

 

 

<仲間を見殺しにするくらいなら自分が死んだ方がましです、なんてかっこいいこと言えたらいいんでしょうけど、残念ながらオレは命

 

が惜しいですし、死にたくもありません。でも、体が勝手に動いてるんですよね、ははは>

 

 

 

――――――そして、戦場においてこのような言葉があっさりと出てくるのが、

 

この世界において一刀様の特殊性を表しており、危うさであり、また良さでもあるのですよね・・・

 

 

 

<ちょっと那々那さん!?そういうことはやる前に言ってもらわないと!>

 

 

 

――――――いや、まさかあれほど櫓の下敷きになりそうになるとは思ってませんでして、

 

これは本当に申し訳ないと思っていたのですが、状況が状況だけに知らない顔をしてしまいました。

 

・・・嫌われたりしてませんよね・・・

 

 

 

<―――力は及びませんけど、成都の領主、やらせてもらいます>

 

 

 

――――――難しい決断だったのでしょうけど、この瞬間、一刀様が君主という新たな体制が始まったのですね・・・

 

 

 

<もぉおおおおおお!!!!ななが不吉な事言うからぁああああああ!!!!>

 

 

<ちょっと那々那さん!?怖い怖い怖い!瞳の色が氷点下!?陥陣営モードMAXじゃないっスか!落ち着いて考えてくださいよ!焔耶

 

の一撃は確実に頭粉砕ですよ!?頭良くなるとかそういう次元じゃないですよ!?>

 

 

 

――――――諸葛亮を探している時の一刀様とのこういう妙なやり取りは、面倒くさいんですけど嫌いじゃないんですよね・・・

 

 

 

<―――で、ある時その子犬が畑を掘りながら『ここ掘れワンワン』って鳴くんだ。急に飼い犬がしゃべりだして驚いたお爺さんは、

 

とりあえず言われた通りそこを鋤で掘ってみると、そこから大量の大判小判、つまりお金なんだけど、それがたくさん見つかるんだ>

 

 

 

――――――一刀様の天のお話はどれも興味深いものですが、中でもこの大地から金銭が湧き出てくるお話は不思議でしたね・・・

 

 

 

<ふ、当然辛口だよ・・・麻婆だけにね・・・>

 

 

 

――――――そういえば一刀様はお忙しいせいか、合間を見て御一人で昼食を召し上がっていることが多かったですね・・・

 

あの時の得意顔は見ているこちらが恥ずかしくなりました・・・

 

 

 

<―――クーデレは普段はクールだけど、気になる人の前だとデレたり、逆に気になる人の前だとクールになったり、あとクールな性格

 

が徐々にデレに変わるってパターンもあるんだ。それで素直クールっていうのは、クールな状態のままデレるって言えばいいのな・・・

 

あ、ちなみにこの場合のデレは普通のデレと違って感情が希薄なデレなんだけど、とにかく大きな違いはツンデレみたいにギャップが

 

あるかないかだと理解すればいいよ>

 

 

 

――――――一刀様はよく成都の子供たちに天の知識を教えていらっしゃいましたね・・・

 

あ、そういえばまだくうでれについて子供たちに聞いていませんでした。

 

今度聞いてみましょう・・・

 

 

 

<へっちゃらさ!なんたって天の御遣いだからな!>

 

 

 

――――――この時も御身を投げ打って子供たちを助けていましたね・・・

 

恐らく、私が見ていないところでも同じように自己を犠牲に誰かを助けていたのでしょうね・・・

 

 

 

<皆さんは警邏の者を呼んできてください!オレは中の娘さんを助けに行きます!>

 

 

 

――――――この時もそうですね。

 

火の中に飛び込むなんて、本当に、一刀様は命知らずにもほどがあります・・・

 

 

 

<ありがとう、なな。こんなオレを慕ってくれて、ありがとう>

 

 

 

――――――その場の勢いとはいえ、妙な形での告白となってしまいましたが、

 

初めて一刀様に抱きしめてもらったのはこの時だったのですよね・・・

 

 

 

<いや、オレってななのこと大好きだし、ななに護衛してもらえるのなら嫌どころかむしろ大歓迎っていうかすごくうれしいかな〜

 

なんて思ったんだけど・・・ははは、何都合のいいこと言ってるんだろうなオレ>

 

 

 

――――――初めて一刀様に好きだと言われたときは恥ずかしながら抱き付いてしまいましたね・・・

 

ですが、この後の口づけは一生の思い出です・・・

 

 

 

<くっくっく、オレの世界では、それぞれの一族に家紋っていう紋があってだな、オレの場合は、この丸に十の紋なのだよ。これを世に

 

いう北郷十字というっ!>

 

 

 

――――――時たま出てくる一刀様の得意顔は面倒くさいの一言でしたが、

 

この面倒くさい一面もまた、一刀様の良さなのかもしれませんね・・・

 

 

 

<――――――ッみんな逃げ―――ッ!!>

 

 

 

――――――そして、これが最後に聞いた一刀様のお声・・・

 

 

 

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高順が北郷との追憶の彼方へと旅立って間もなく、現実に戻って来た時には、

 

依然罪人の処刑が執行されたことによる割れんばかりの大歓声が広場を覆い尽くしていた。

 

 

 

高順「どうして・・・・・・」

 

 

 

高順はただうわ言のように意味をなさない言葉をつぶやきながら処刑台の方を焦点の定まらない瞳でぼんやりと眺めていた。

 

そして、次第に意図せず涙が零れ落ち頬を伝う。

 

 

 

高順「どうして一刀様が・・・・・・」

 

 

 

その刹那、高順の揺れる瞳に映ったのは曹操の表情。

 

一瞬視線が交錯したのではという感覚に襲われたが、その表情は冷徹なる微笑み。

 

胴と首とが分断され、自身の血の海に沈む罪人を見下し、

 

その様を皆に見せつけられたことによる愉悦感さえ感じられる悍ましいものであった。

 

その瞬間、高順の頭の中は様々な感情で渦巻いていたが、やがて一つの感情へと集約されつつあった。

 

隣では陳宮が膝を折ってへたり込んでいたが、そんなことはどうでもいい、

 

そう思えるほどに今の高順には他を気にする余裕など一切なかった。

 

 

 

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<この曹孟徳、逆賊董卓を打ち取ったぞ!!!!>

 

 

 

――――――またか・・・

 

 

 

<賈駆?あぁ、あの逆賊に仕えていた無能な軍師の事かしら?ふふ、実に愚かで滑稽な最期だったわね>

 

 

 

――――――またなのか・・・

 

 

 

<?萌・・・・・・すいません・・・・・・>

 

 

<いやいや・・・順順さんは・・・悪くないでしょー・・・結局ワタシが・・・曹操の掌の上で・・・踊らされていた・・・だけっぽいん

 

だしねー・・・。まぁ・・・どうでも・・・いいんだけどねー・・・・・・・・・>

 

 

 

――――――またアイツらなのか・・・

 

 

 

<楽進・・・・・・・・・やれ>

 

<敵将成廉、曹孟徳が一番槍、楽文謙が討ち取った!!>

 

 

 

――――――またアイツらが私たちから大切なものを奪うのか・・・

 

 

 

<申し上げます!曹性将軍、敵将楽進との交戦の末、お討死!>

 

 

 

――――――いったいどれだけ私たちから大切なものを奪えば気が済むのか・・・

 

 

 

<刑を執行せよ>

 

 

 

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【豫州、潁川郡、許県】

 

 

高順「あぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 

 

高順は叫んだ。

 

自身の胸の内を渦巻いていた怒りやら悲しみやら無力感やら、

 

感情という感情のその全てを込めた、あらん限りの感情を声に乗せて咆哮した。

 

高順という人となりを知っている人にとって、今の高順の状態が異常であることは明らかであった。

 

 

 

高順「(許さない・・・!)」

 

 

 

高順の視界はすでに完全に涙で滲み、曹操の非情な表情は瞳に映らない。

 

 

 

高順「(おのれ・・・)」

 

 

 

――――――報復を・・・死には死を・・・完膚なきまでに・・・骨すら残してなるものか・・・!

 

高順の思考は曹操に対する殺意で埋め尽くされていた。

 

次第に高順の瞳が真っ赤に染まり、その目に映る世界が赤く染まる。

 

 

 

高順「おのれ・・・おのれ曹操ぉぉぉぉぉぉッッッ!!!」

 

 

 

しかし、幸か不幸か、高順の殺意に満ちた咆哮も、民衆の大歓声によってかき消されてしまった。

 

高順の豹変も、曹操は勿論のこと、周囲の民衆ですら気づきもしない。

 

そして、怒りと悲しみで理性が吹っ飛び、我を忘れた高順は、

 

心の折れた陳宮や、高順の豹変に腰を抜かしている衛兵たちなど目もくれず、

 

無駄に長い袖に手を突っ込むと、袂から大きな球状のものを無造作に取り出した。

 

それは、かつて陽平関にて張魯の仕掛けた“霧幻地獄”を攻略する際に霧を吹き飛ばし、

 

合肥にて孫権軍を分断するために小師橋を吹き飛ばした火薬玉であった。

 

当然、人間相手に使うような代物ではなく、死に至らしめることは勿論、

 

骨すら残らないとはいかないまでも、間違いなく肉体は粉々になるような威力を持つものである。

 

 

 

高順「曹操も!!一刀様を愚弄する愚かな民衆も!!みんな消し飛んでしまえ!!!」

 

 

 

そして、誰も高順の暴挙を止めるものがないまま、高順はそのまま手にした火薬玉に火をつけ、広場に向かって投げ放った。

 

投げられた火薬玉は一直線に処刑台へと投げ込まれ、轟音と共に大爆発を起こし、

 

曹操は勿論のこと、傍に控えていた夏候惇、刑を執行した兵士、罪人の遺体から周囲の民衆に至るまで多くを巻き込み、

 

広場を包む大歓声を悲鳴へと変え、大混乱を巻き起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腰を抜かした衛兵たちはそのような光景をこれから目の当たりにするのかと、耳をふさぎ、目を閉じていたが、しかし・・・

 

 

 

??「おい、やめないか!」

 

 

 

あと数瞬遅れていたら高順の手から火薬玉は離れていただろうギリギリのタイミングで、

 

高順の背後から何者かが高順の腕を掴み、導火線に付いた火を握って消化してしまった。

 

 

 

高順「誰だ!?放せ!ヤツらを殺す!全部吹き飛ばしてやる!思い知らせてやるんだ!ヤツらが奪ってきたものの意味を!そうしないと

 

―――!」

 

 

??「落ち着けよ!あんた、天の御遣いまで吹き飛ばす気なのか!?」

 

高順「ぁ・・・・・・」

 

 

 

突然背後から投擲を止められ、我を忘れている高順は激高するが、しかし、真っ赤な世界の中、

 

振り向きざまに目に入った、ポニーテイルに鎧姿の女性が言い放った一言に高順は続ける言葉を失った。

 

 

 

??「あんた、天の御遣いの関係者なんだろう?だったら、天の御遣いを巻き込んでまで、ここに集まっているいけ好かない奴らを殺す

 

ことよりも、他にやることがあるんじゃないのか?」

 

 

高順「ぁぁ・・・ぁぁぁぁ・・・・・・」

 

 

 

その女性がゆっくりと語り掛けていくごとに、不思議なことに高順の興奮が徐々に収まっていく。

 

世界が徐々に本来の色彩を取り戻していく。

 

 

 

??「こんな話を聞いたことがある。かつて、虎牢関で殺された董卓・賈駆は、本来晒されるはずの首が晒されなかった。袁紹のバカは

 

曹操がやりすぎたせいで晒すべき首の損傷が激しかったからなんて言っていたけど、本当は董卓軍の残党が首を奪ってしまっていたから、

 

晒す首がなかったからじゃないかってな」

 

 

高順「ぁぁ・・・ぁぁぁぁ・・・・・・ぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」

 

 

 

謎の女性の言葉を聞き、我を取り戻しつつある高順を次に襲ったのは、

 

もう少しで取り返しがつかなくなるところであったという恐怖と、罪人が処刑されてしまったという事実の現実味。

 

そして、そのことに対する圧倒的なる悲しみ。

 

 

 

??「そこで俯いているあんたは逆にもっと奮うべきだ。一度前を向くことを拒否してしまったら、二度と立ち上がれなくなるぞ」

 

陳宮「・・・ぇ・・・・・・?」

 

 

 

先ほどまで高順が騒ぎを起こしていた時には一切反応を見せなかった陳宮は、

 

謎の女性に突然声をかけられると、不思議のその女性の方を見ていた。

 

燃えるような赤毛をポニーテイルに結い、琥珀色の瞳には静動両方の色を感じる不思議な煌めきを放っている。

 

赤を基調にした服に紺のプリーツスカート、白のニーハイソックスに赤いロングブーツ。

 

そして白銀の鎧を身につけていたその女性を見ていると、

 

不思議と完全に沈みきっていた心が、物事を考えられる程度には回復しようとしていた。

 

 

 

??「傷心するのは、成すべきことを成してからでも遅くはないはずだ」

 

陳宮「・・・成すべき・・・こと・・・・・・?」

 

 

 

謎の女性の言葉に、もはや陳宮は完全に耳を傾け、すがるように聞く態勢に入っていた。

 

 

 

??「今後、天の御遣いの首は間違いなく晒されるだろう。そうなる前に天の御遣いの首を、亡骸を奪取することが、今あんた達のする

 

べきことじゃないのか?」

 

 

陳宮「一刀殿の・・・奪取・・・・・・」

 

 

 

謎の女性の最後の言葉が決め手になったのか、陳宮の瞳には再び光が灯り、女性の言った言葉を反芻していた。

 

 

 

高順「一刀様・・・一刀さま・・・かずとさまぁぁぁぁぁぁわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

 

 

一方、高順もその言葉が決め手になったのか、怒気が静まったことにより急激に悲しみの比率が心の大半を占め、

 

腕から力が抜けると火薬玉が地に転がり、膝から折れると無心に北郷の名前を叫びながら泣き崩れてしまった。

 

 

 

??「とりあえず、ここにいたら色々とやりにくいだろう。天の御遣いを奪取するにしても作戦や準備が必要だ。近くに私がとっている

 

宿があるから、まずはそこに移動しよう」

 

 

 

堰が外れたように泣き続ける高順に肩を貸してやると、謎の女性は陳宮と衛兵たちを自分の宿へと案内した。

 

 

 

【第七十七回 第五章A:御遣処刑編E・天の御遣いまで吹き飛ばす気なのか!? 終】

 

 

 

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あとあき

 

 

第七十七回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

さて、今回は第77回でななが大半という偶然だったわけでしたが内容が内容だけにあまり喜ばしくないという、、、汗

 

前回と今回でねねとななの回想が続いたわけですが、

 

前言撤回、ななも結構優遇されている方でしたね。厳顔さんとか桔梗さんとかに比べると、、、汗

 

並べてみるとやはりというか何というか、一刀君と共有した時間に共通するものもあれば、そうでないのもあるわけで、

 

共有している思い出なんかは、両者で感じ方が若干違うんだなぁなどと感じていただければ幸いです。

 

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

 

ようやく来たぜ赤毛ポニー女!!

 

 

説明
みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回はななの回想が大半ですが、最後にはとある女性が登場、、、?


それでは我が拙稿の極み、とくと御覧あれ・・・


※第七十二回 第五章A:御遣処刑編@・御遣い殿は真正の大馬鹿者と言えます<http://www.tinami.com/view/799206>
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コメント
>未奈兎様  どれだけその名が省かれようとも揺るがない存在感。それが彼女が生来持っているクオリティー。もっと評価されてほしいものです。(sts)
二度目失礼でもどうしても突っ込みたいどこまで省略するねーん!!(未奈兎)
>禁玉⇒金球様  m(ry(sts)
>M.N.F.様  彼女がいかに愛されているかということですね(sts)
赤毛ポニーといえばパイ◯ンかなぁ!(禁玉⇒金球)
ここまでのコメの流れ素敵;^^(M.N.F.)
>Fols様  ま(ry(sts)
ほう。とうとうハムさんの出番ですか。これは楽しみです。(Fols)
>未奈兎様  まだ(ry(sts)
>nao様  まだ白(ry(sts)
>黒鉄 刃様  まだ白蓮(ry(sts)
>霊皇様  さて、どうなのでしょうか・・・?(sts)
>神木ヒカリ様  確かに普段通りの冷静なななならそうしていたかもしれませんが、目の前でとんでもない事態が起きているだけに何もできなかったのでしょう。もちろん火薬玉は高価なもので大量に持っていないという事実もありますが…(sts)
>聖龍様  まだ白蓮かどうか(ry(sts)
>M.N.F.様  まだ白蓮かどうかわから―――でもこの機会をずっと待ってました!(sts)
おー此処で来たか(未奈兎)
まさかの白蓮きたぁ〜w奪取した後国をあげて報復ですな!首が本物ならな・・・偽者であってくれ^^;(nao)
公孫賛来たか!(黒鉄 刃)
あれ?なんか微妙に生存フラグが(霊皇)
そのまま、処刑台から離れた所に二・三発投げ込み、逃げる時も二・三発投げ込めば、奪取で来たような気もする。まぁ、それだけ火薬玉があればだけど。(神木ヒカリ)
白連、キターーー(織田裕二CM風)(聖龍)
白連の活躍の場きたああああああああああああwww(M.N.F.)
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