真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
『闇の副大将』斬魔の驚愕の策………
今回の戦いも所詮、捨て札という残虐なる策だった………!!!
そして、7日後に再びやってくるという
しかも今度は
総戦力でやってくるという………!!!
五節 〜やられたら…………?〜
一刀「…………………7日後……」
一刀は逃走した龍天達を見送った後、声を絞り出して言う
冥琳「………まずいな、状況は最悪に等しい……」
冥琳も険しい表題で言う
その時
兵S「………うぅ……」
翠「ん?お、おいっ!!?」
気がつくと地に戻ってきていた兵達が次々と呻き声を上げて倒れ込み始めていた
焔耶「ど、どうなってるんだっ!!?」
焔耶の言葉に左慈が
左慈「言っただろうが………
こいつらの戦闘能力値を底上げするために使った『限倒術』は、副作用として身体中の力を全て抜き取る……
立つことすら儘ならねぇってな」
于吉「亡くなることはありませんが、当分は動くことすら出来ないでしょう………」
于吉の哀しみの表情により、流琉は察する
流琉「っ!!!じゃ、じゃあ……次の絡繰人間の進軍の時は…」
貂蝉「誰一人、兵はいない形なのよん…………」
璃々(未来)「そ、そんな…………」
未来の璃々は膝から崩れ落ちる
次の『血光軍』は『龍天五獄隊』率いる本陣
今回より数倍に渡って戦闘能力値がズバ抜けて高い
それに比べ、こっちは兵が一人もいない
『限倒術』はもう使用出来ない
圧倒的不利の状況
正に絶体絶命の危機………
勝つ可能性は1%もない
秋蘭(未来)「く………くそ………!!!
私のせいで…………戦力が……!!!」
秋蘭はその場に崩れ落ち、握り拳で思いっきり地面を叩く
悔しさが握り拳から、瞳から流れ落ちる
忽ち、赤と透明の雫が地面を濡らしていく
春蘭「秋蘭…………」
春蘭も声をかけられず、その場で思い止まってしまう
一刀「…………秋蘭……」
一刀は未来の秋蘭に駆け寄り、秋蘭の目の前で屈む
秋蘭(未来)「一刀…………私は……」
未来の秋蘭は一刀を見て呟く
一刀「それ以上言わなくていいよ、秋蘭…………君のせいじゃない」
一刀は優しく問いかける
秋蘭(未来)「だが………………」
未来の秋蘭が何かを言う前に一刀が口を開く
一刀「秋蘭はよくやったよ
命からがら生き延び、奴等の襲撃について教えてくれたんだから………」
秋蘭(未来)「……………」
一刀「覆水盆に返らず………起こったことは元には戻らない
ならやることは、これからどうするか………だろ?」
秋蘭(未来)「…………一刀」
一刀の微笑みに未来の秋蘭によくやく笑みが戻る
一刀「立ち上がるんだ、秋蘭
もう一度立ち上がり、未来を守るんだ」
秋蘭(未来)「…あぁ……………そうだな!!!」
未来の秋蘭は真剣な表情となり、スッと立ち上がった
左慈「雰囲気は良くなったがな、北郷………問題は山積みだ」
左慈は雰囲気を壊す……元に戻す発言をする
一刀「あぁ、だから考えるんじゃないか」
左慈「とは言ってもなぁ…………
兵は使えねぇし、かといって未来に行ける訳でもねぇし………」
左慈は両腕を頭の後ろに組む
冥琳「管理者の力ではどうしようもないのか?」
于吉「それが可能ならばこんなまどろっこしい事はしませんよ、冥琳さん」
于吉は苦笑いで答える
卑弥呼「流石に管理者といえど、時間の流れを凌駕することは出来ぬ
時空に歪みを生じ、世界の均衡が崩れかれぬからの」
卑弥呼が真顔で頷く
翠「じゃあ、どうすんだよ?
奴等が来るまで『限界突破』の鍛練でもするのか?」
華琳「望み薄過ぎるわ、それこそ本末転倒よ
間に合わなかった時の危険性が高すぎるわ」
華琳が翠の案を却下する
霞「于吉の傀儡…………やったか?
それじゃ間に合わんのかいな?」
霞が案を出すも
于吉「流石に私も何十万の『白装束』を召喚したことはありませんよ
しかも、人間の敵兵ならまだしも相手が『絡繰人間』となると強化も必要です
管理者4人でも足りません」
于吉は苦笑いで言う
華琳「他の管理者への応援要請は出来ないの?」
貂蝉「出来なくはないけどぉ、恐らく他の外史の均衡を保つのに忙しいと思うわよん?
一応、要請してみるわねん」
貂蝉は背を向けて歩き出し、岩陰に隠れた
桔梗「仮に要請しても不可だったとして、他に方法はないのか?」
沙和「やっぱり、絡繰人間に備えるしかないの〜?」
真桜「沙和……さっき華琳様が言うたやん、本末転倒やって」
沙和「でも、それしか思い付かないの〜………」
凪「……沙和が言うのも仕方がないが、何か方法があるはずだ」
北郷隊三羽烏が次々と口を開く
朱里「そうは言っても、今度の戦闘能力値の高さが次元が違います
何せ『龍天五獄隊』の本隊となると、未来の璃々ちゃんが仰っていたように一筋縄ではいかない筈です」
愛紗「我々に『限倒術』をかけるのはどうだ?」
愛紗は左慈に聞くが、左慈は頭を横に振る
左慈「悪くはねぇが、それも危険性が高過ぎる
もし、『限倒術』の効力時間内に戦いを終わらせられなかったら終了だぞ?
そんな危険な賭けには乗られねぇな」
と、そこへ
貂蝉「連絡をとってみたけどぉ、やっぱり駄目らしいわん
どこも忙しいみたいでぇ………向かいたいのは山々らしいんだけどぉ」
于吉「そうなってくると……最悪『禁止術』に手を出すことになることも視野にいれなければなりません」
于吉の発言に蓮華が断固反対する
蓮華「それだけは却下だ
万が一、勝てたとしても今後の生活に支障を来すのならば意味がない、言語道断だ」
明命「そもそも禁止ならば扱ってはならないのです!!!」
明命も賛同する
于吉「もしも、の話しですよ
本気になさらないで下さい」
秋蘭(未来)「何か……何かないか………」
未来の秋蘭が徐に腰に手を当てて考え出した時だった
秋蘭(未来)「……ん?」
未来の秋蘭は腰に添えた右手に違和感を感じた
右手の小指に何かカサカサしたものが当たっている感覚があるのだ
未来の秋蘭は右腰に顔を向ける
見てみると服のポケットから紙のようなものの切れ端が顔を覗かせていた
秋蘭(未来)「何だ?これは…………」
未来の秋蘭は皆が討論しているのを尻目に、ポケットの紙を引っ張り出す
紙はクシャクシャの塊のようで、広げたら大きさはA4位はありそうだ
秋蘭(未来)「……………」
未来の秋蘭は無言でそれを広げる
だが、
秋蘭(未来)「…………白紙?」
紙の中身はまっ皿な白紙
文字一つ書かれていない
秋蘭(未来)「ただの雑紙か………」
未来の秋蘭はフッと溜め息をつき、紙を裏返すと
秋蘭(未来)「っ!!!」
何かが描かれていた
それは図面のようなものであった
秋蘭(未来)「………設計図か?
しかし何の………………っ!!?」
未来の秋蘭は紙の右下の端を見て目を見開き、絶句する
そこにはこう書かれていた
『第21版(最新版) 旧簡易型時空転送装置設計図面』
秋蘭(未来)「『時空転送装置』………何故こんなものが?」
未来の秋蘭は首を傾げ、少し考えて目を見開く
秋蘭(未来)「……………もしかして?」
未来の秋蘭は『ある情景』を思い出した
それは未来の秋蘭が過去に来る前
未来の秋蘭が『旧・第二時空転送装置室』に入り、追い詰められた時に手元にあった書類が恐らくこの設計図
そして、誤って起動させてパニックになっている時に未来の秋蘭はそのまま無意識にポケットに突っ込んだのだろうと
秋蘭(未来)「…………『時空転送装置』」
そこへ、未来の秋蘭の様子にようやく気がついた一刀は歩み寄る
一刀「ん?どうかしたの?」
秋蘭(未来)「……一刀、これ…………」
未来の秋蘭は震える手で設計図面を見せる
一刀「ん?っ!!?『時空転送装置設計図面』っ!!?」
一刀の驚きに満ちた大声は全員に伝わる
左慈「なに?」
冥琳「『時空転送装置』だと?」
全員が未来の秋蘭の廻りに集まる
于吉「…………これは、随分と細かく書かれていますね
恐らく完成図書でしょう、寸法や材質等全て記載されています」
一刀「……………于吉」
一刀は突然、于吉に声をかける
于吉「何ですか?」
于吉はキョトンとした表情で答える
一刀「これ、作れるか?」
于吉「これを?出来なくはありませんが……………まさか、北郷さん?」
于吉が恐る恐る一刀を見る
一刀の表情は悪戯を思い付いた子供のような表情をしている
ニヤリとした顔だ
一刀「皆、早急にこれを作るんだ」
一刀は未来の秋蘭が持つ『時空転送装置』を指差す
思春「なに?」
蓮華「これを?」
皆、首を傾げる中、管理者達は声を荒げる
左慈「正気か北郷っ!!?まさか過去から未来に行こうってんのかっ!!?」
貂蝉「ご主人様、悪いけど賛同しづらいわよん?
過去から未来だなんて時空軸に歪みを生じかねないわ
時間が倍以上に加速したり、逆に1/2以下に減速したりと不安定になりかねないわよん?
最悪、時間が二度と動かなくなるかもしれないわよん?」
卑弥呼「貂蝉の言う通りじゃ、ご主人様
そうなれば、修正力が働いてしまい消えてしまうぞ?」
于吉「…………………」
流石に管理者達は賛同の声をあげない
一刀「じゃあさ、何で未来から過去はオーケーなのに過去から未来は駄目なんだ?
それこそ修正力が働くだろ?」
一刀の質問に左慈は黙り込んでしまう
左慈「うっ……………」
于吉「確かに……………本来ならあのような芸当が現実になれば、外史の修正力が働くはず……」
于吉は顎に手を当てて考える
一刀「だろ?恐らく何らかの影響が生じて修正力が働かないんだろうな
流石にその原因までは分からないけど…………
つまり、俺が言いたいのは過去から未来へも行くことは可能ってこと」
雪蓮「…………随分と思いきっての大胆な発想ね♪」
雪蓮はワクワクした表情となっている
一刀「こっちは向こうの把握が出来ていなかった……だから、奇襲をかけられたんだ
それなら今度はこっちの番さ……やられっぱなしはゴメンだからな
今度はこっちから奇襲をかける」
左慈「…………まぁ、仮に未来に行ったと仮定するぞ?
それからどうすんだ?『龍天城』に突撃するってんのか?」
左慈は腕を組んで一刀に聞く
一刀「いや、それはやめたほうがいい
『龍天城』には『龍天五獄隊』の他にも全勢力が詰まってるからな
敵の数も多いうえ、俺達の体力が保たない」
翠「………ならどうすんだ?」
翠は頭の上に疑問符を浮かべる
一刀「あいつらが進軍して『龍天城』から離れたところを叩くんだ」
思春「…………確かにそれしかないようだな……」
春蘭「その時、我々は今度こそ『龍天五獄隊』を倒すっ!!!」
春蘭は握り拳を立てて闘志を燃やす
璃々(未来)「ですが、『血光軍』の本隊は10万人もいますよ?
しかも本隊は『龍天五獄隊』の直属の部隊の集合隊です…………『火炎軍』や『水氷軍』などの通常の絡繰人間ではなく特集な型の絡繰人間です
どう考えても戦闘能力値が足りませんよ?」
未来の璃々は心配そうな表情で言う
一刀「勿論、分かってるよ
でも、それは追々説明するとして………早速作業に取りかかろう」
一刀は左慈の顔を見る
左慈「……………止めても無駄っぽいな」
卑弥呼「左慈…………そうじゃな
今回だけは目を瞑ろう
修正力が働かないのなら寧ろ、好都合じゃしの」
管理者達は顔を見合わせて頷く
于吉「作成は私が中心となりましょう
あと、華琳さんと真桜さん、冥琳さんと未来の璃々さんと秋蘭さんも外せませんね」
華琳「分かったわ」
真桜「開発と言ったらウチの出番や!!!任しときっ!!!」
冥琳「よかろう、始めるか」
璃々(未来)「が、頑張りますっ!!!」
秋蘭(未来)「未来で璃々を過去に送るために一度作成したからある程度の知識は分かっているが………
今回のは型が違うので少し梃子摺りそうだ」
『時空転送装置』作成グループは意気込みを伝える
一刀「他の皆は材料調達や設計の補助で『時空転送装置』を完成させるんだ!!!」
全員「「「「御意っ!!!」」」」
『時空転送装置』を作成し、行き先は12年後の未来の大陸!!!
今、壮大な奇襲大作戦が始まるっ!!!
……終……
説明 | ||
『血光軍』副大将・斬魔の凶悪な捨て駒の作戦により全ての兵を失った一刀達……… 戦力が一気にダウンした一刀達に最早、勝機が微塵もなくなってしまった 絶体絶命の危機にどうする一刀…………!!? |
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