コートの上で |
ピピー!
「じゃあ、今日はここまでね!」
リコのホイッスルで本日の練習が終わる。
「ありがとうございました!」
部員たちがロッカールームへ歩く中、
「あ、日向くん!」
誠凛高校バスケットボール部主将、日向順平が呼び止められる。
「ん?なんだ?」
「あ、あのね、ちょっと話があるから、このあと残ってくれない?」
「話?なんだよ、話って。」
「それはあとで言うわ。残れる?」
「ん。わかった。じゃああとで。」
脳内に疑問符を浮かべながら、日向もロッカールームへ向かう。
その背中を見るリコの頬は赤く染まっていた。
10分後。しんと静まったコートの上で日向とリコの2人だけが向かい合って立っている。
「で、話って?」
「う、うん。あのね…好きなの。」
「へ?」
「日向くんのことが、好きなの。」
「っ!!」
驚きのあまり、動揺が隠せない。
まさかリコからそんな話を聞くとは思ってもいなかったのだ。
「日向くん?」
上目遣いで顔を覗き込まれた日向は、脳内が真っ白になっていた。
日向自身もリコが好きだ。
ただ、カントクとして、日々頑張っているリコにそんなことを言って邪魔したくないし、
元々は木吉の彼女だ。自分に好意を持つことはないと思っていた。
「あ、あの、返事は今すぐじゃなくてもいいんだ!だから…」
「ーも。」
「へ?」
「俺も、リコのことが、好きだ!」
「!!」
「俺と付き合ってくれないか。」
「!…うん。」
外がだんだんと闇の中に落ちていく。
「…じゃあ、もう帰ろっか。」
「ああ。」
2人は家に向かって歩き出す。
日向がリコの手を優しく握りしめる。
そして、リコもその手を優しく握り返した。
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順リコ作品です! | ||
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