真・恋姫†無双 天界旅行記 その3 |
買い物から帰ってくると部屋が散らかっていた。幸いにも電化製品に損傷はなく、渡しておいた情報雑誌がぶちまけてあったり、家具がズレて置かれていたりちょっと片付けが面倒な感じだった
犯人はわかっている、っていうか雪蓮しかいない。
買い物に出るとき冥琳が“今雪蓮が買い物に行くとかならず厄介事を引き起こし他人に迷惑がかかる”ということで留守番にしたが、これでも軽く被害が出てますよ〜と思う一刀。
当の本人は暴れ疲れたのかソファーで安らかな寝息を立てていた。
他のみんなは、穏は予想通り情報雑誌を読んでいた。もちろん体をクネクネさせて……(近づいたら何されるかわからないほど興奮状態)
明命は偶然やっていたテレビの猫特集の番組に完全に心を奪われており、テレビ画面を一生懸命タッチしている。
姿が見えない小蓮は家の中を探検しているのだろう。
一刀「とりあえず夕飯作るから祭さん手伝って」
祭「おう、わかった」
そう言って夕食を作り始める。
メニューは基本的には天の料理だが、好き嫌いがある可能性も考え中華も祭さんに作ってもらいちょっとしたパーティーが始まる。
みんな「カンパ〜イ」
食事を取りながら簡単な天の話をする。みんな楽しそうにしているのを見て早くもこの慰安旅行企画は大成功〜なんじゃないかと思う一刀。
雪蓮「か〜ずと」
背中に思いっきり胸を押し付けるように抱きつく雪蓮
一刀「ちょッ、雪蓮」
突然のことで口から酒を吹き出す一刀
雪蓮「あ〜ら。うれしいでしょ。おっぱい当たってて」
一刀「ま、まぁ、嬉しいけどこういうことは2人で居るときだけにしてほしいかなぁ〜」
やや苦笑気味に言う一刀。
雪蓮「何でよ?」
一刀「だって、蓮華すごく睨んでるし」
チラリと目を動かすと蓮華がすごく不機嫌そうにこちらを見ていた。
雪蓮「大丈夫よ」
一刀「大丈夫じゃない!!こうなると大抵、思春が“蓮華様を悲しませた”とか言って脅しに来るんだよ」
若干思春のモノマネを交えて説明する。
雪蓮「ハハハ、でも私には関係なぁ〜い」
そう言って全く離れる気配がない。お酒のせい買い物前の不機嫌が嘘のようだった。
蓮華「お姉様。ちょっと一刀とくっつくきすぎだと思うのですが……」
雪蓮「そんなことないわよ。愛し合っている者同士なら当然の距離よ」
蓮華「ぐッ……」
イマイチ人前だと素直に蓮華は口ごもる。そしてそんな蓮華の態度を見て追い討ちをかける雪蓮。徐々に一刀を忘れ姉妹の軽い口喧嘩に発展していった。
ヤレヤレと思っているとこの状況を狙っていたようにすーっと冥琳が一刀の隣の席に座り、お酌をする。
蓮華・雪蓮「冥琳!!」
冥琳「おや、もう喧嘩は終わりですか?」
雪蓮「それどころじゃなくなったのよ」
蓮華「そうよ。冥琳。あなた来たからね」
二人ともお酒のせいで態度がかなりでかい(特に蓮華)
そんなたわいのない言い争いをしていると今度は祭さんがやってきた。
祭「おい、北郷。天の酒はウマいんじゃが、少々弱くてのう。もっと強い酒はないか?」
そう言って祭さんは空の一升瓶を持ちながらやって来た。
一刀「あるよ。ちょっと面白いお酒がね」
祭 「面白い酒?」
一刀「そう。世界最強の酒が」
祭 「フフフ、確かに面白そうだな。よし、それ持ってこい」
そう言う祭さんに背を向けてキッチンに向かう。
世界最強の酒と言う言葉に反応した雪蓮。
雪蓮「言い争い何てやっても意味ないわ。そこで勝負を提案する」
冥琳「で、方法は?」
雪蓮「さっき一刀と祭が話してた世界最強の酒の飲み比べ」
蓮華「そんなの姉様が有利じゃない」
雪蓮「そうね〜。蓮華は私の半分飲んだら勝ちでいいわよ。冥琳は……」
冥琳「私は大丈夫だ。普通の勝負で構わない」
雪蓮「勝ったら今夜一刀と一緒に自由に過ごせる」
祭「それは面白そうだな。儂も参加するぞ」
一刀「おいおい、なんだかいろいろ勝手に話が決まっているんだが……」
そこへ、酒とショットグラス、レモンを持った一刀がやってきた。
雪蓮「もう決まっちゃたもんね。諦めてね」
結局この勝負を止めることはできない一刀はことの成行きを静かに見守ることにした。
一刀「このお酒はスピリタス。世界最強のお酒と言われている。最初に言っとくけど無理はしないでね」
そう言って小さなショットグラスにスピリタスを入れていく。ついでに飲み方も教えておく。
祭「ずいぶん少ないのう」
雪蓮「杯が小さいぃ〜」
一刀「まぁ飲んでみな」
そう言うとまずは蓮華が杯に口をつけた。
蓮華「あ゛はッ、あ〜〜〜〜」
軽く咽た後舌を出し足をジタバタさせ悶絶する蓮華に一刀はレモンと水を渡す。
一刀「どうだった? 相当キツイと思うけど……」
蓮華「あーーー! なんだ、これは!!」
驚愕する蓮華に何を大げさなと思っていた他の三人もいっせいに杯に口をつけ、同時にむせ返る。
雪蓮「ゲホッ、ゲホッ、す、すごいわね〜このお酒」
冥琳「世界最強の酒の名はだてじゃないと言った所か」
祭 「確かに喉が焼けるように熱くなるが、癖になりそうな感じの酒だな」
さすがに酒豪の雪蓮と祭さんはまだ行けると意気込んでいる。冥林もまだ平気そうだが、蓮華の様子はすこしボーッとしていておかしい。
一刀「蓮華、無理はしないでもうやめな」
蓮華「で、でも…」
一刀「せっかく、天に来たのに具合が悪いなんてもったいないだろ? それに……」
蓮華「それに? 」
蓮華にだけ聞こえるように耳元で
一刀「この勝負は決着がついた時、自由に行動できるほどこの酒は甘くないんだよ」
そう言うと蓮華はおとなしく棄権した。
雪蓮「あら、蓮華ったらもう棄権? 我が妹ながら情けないわねぇ〜」
祭 「まぁそう言うな、策殿」
蓮華が棄権してからは随分ハイペースでことは進んでいった。意外に冥琳が粘っていたが、呉の酒豪の前にショットグラス7杯で脱落。
意識ははっきりしていたが若干千鳥足の冥琳を布団まで連れて行き、残り2人。一刀争奪戦もいよいよ終わりが見えてきた。
雪蓮「かずとはわたしが〜☆■※@▼●∀」
祭 「ほんごう、もういっ※@▼●☆■〜〜」
最早呂律の回らない2人にもうおしまいということを伝える。そうすると一言「そう」と言って琴切れたように眠りに着く二人。
結局2人は14杯で引き分け。よく飲めるもんだと一刀は感心していた。
この戦いに参加していなかった亜莎や小蓮たちも好奇心から一口飲んだり、舐めたりといろいろ盛り上がっていたみたいで知らないうちに酔いが回り眠りについていた。
この状況では明日の事を話し合うこともできないなぁ〜どうしよう? などと思いながらも仕方なく天界旅行初日は幕を閉じた。
あとがき
見習いは卒業らしいのですが、相変わらず完成度か低くすみません。
徐々に上げていこうとは思っているのですが、なかなか上手くいかないものですねぇ〜。
頭の弱い作者で書き洩らしが多々ありますが、少しずつ更新していこうと思っております。
よかったらまた次回も読んでくれるとうれしいです。
前回コメントをくださった皆様ありがとうございます。
「文字読めないんじゃない?」というコメントですが、都合上最低限読めるってことでよろしくお願いします。
あと、武器に関しては、武器は天界に来る前の着替えで回収したってことにしておいてください。
ということで、また次回お会いしましょう。
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投稿三回目 拙い文章ですが、暇だったら読んでみてください。 誤字脱字がありましたら報告お願いします。 |
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コメント | ||
孫権=酒乱 このネタを持ってこなかったのは意外性があってGJ!(XOP) 面白いですね〜 三国志時代の酒はほとんど水みたいなものだと聞きましたが、まぁこれは外史の話ですしね〜(ふもふも) 世界最強のお酒・・・・ なぜそんな物を一刀が・・・(キラ・リョウ) うん、さすが空気を読まない雪蓮クオリティwいろんな意味であなたが最強だwしかし世界最強の酒は(古代)中国の人間なら合うのだろうか?(まーくん) スピリタスって普通は割って飲むものらしいけどな。友人が気付けに飲んだら一発KOだった。(mame) どんな肝臓してんだこいつらww普通なら特急で昇天ですなww(ルーデル) あれ?蓮華いきてんでないの?(motomaru) 世界最強・・・ググってみよっと。 一刀久しぶりに帰ってきたんだからマンガとか日本食とか食べたいとか思わないのかなぁ〜・・・・・できたら読ませたり食べさせてあげて。次回楽しみに待ってま〜ス (スターダスト) たしかスピリタスって96度か97度じゃなかったかな。酒に弱い人なら病院に直行です。(ブックマン) 誤字報告P2 世界最強の酒の名はだけじゃない→だてじゃない では?1日から飛ばしすぎww普通二日酔いで次の日動けなくなるだろww(sin) むしろ常人が逝けるだけ飲んでも潰れるだけで済む雪蓮と祭は恐ろしい酒豪ですねぇ ( ̄▽ ̄;(cheat) 世界最強のお酒ですか〜。お酒に詳しいんですね(三好八人衆) 何か酒を飲みたくなってきた。ビール有ったかな?(トーヤ) お酒に詳しくない自分にとってはトリビアでした。(摩天楼銀河) |
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