スマブラ Abandon World 42「ゼルダを救え!」 |
「……終わったようだな」
ようやく、ゼルダがぽつりと呟いた。
何が終わったのだろうか……リンクはその事が少し気になっていたが、
今はゼルダを止める事を優先し彼女に近付く。
「ネールの愛」
「ぐぁぁっ!」
だが、ゼルダはリンクをネールの愛で弾き飛ばす。
それでもリンクは諦めず、次に魔法を放とうとしたゼルダの腕を押さえ込んだ。
「くっ……何をする!」
「みんな、今のうちにクラウド達を助けてくれ!」
「うん!」
リンクとゼルダが取っ組み合いになっている間に、マリオ達は捕まっている三人の縄を外した。
自由になったクラウドとカムイ、そしてベヨネッタはゆっくりと倒れ込む。
リンク以外の全員は大急ぎで三人に駆け寄った。
「大丈夫か、クラウド」
「カムカム! しっかりして!」
「ベヨネッタ……」
気を失っている三人に、マリオ、カービィ、フォックスは声をかけた。
「ああ……マリオ、か」
「クラウド!」
最初に目を覚ましたのは、クラウドだった。
「こ、こは、どこ、だ」
「穴の中、と言ったら単純だよな。お前はここに捕まっていたんだ」
「うぅ、そうか……。自由にしてくれて、ありが……と、っ」
立ち上がろうとしたクラウドが再び意識を手放そうとする。
マリオはクラウドを抱きかかえ、安全な場所に彼を寝かせた。
「カービィさん、あれ……ここは?」
「おっはよ〜! カムカム!」
こんな危険な状況なのにも関わらず、カービィは明るくカムイに挨拶する。
「よかった……私、生きてるんですね……」
生きているのを確認したカムイはほっとする。
「あっ、そうだ。ベヨネッタさんは?」
「カムカム、無茶しちゃダメ! ベヨ姉は生きてるよ!」
「本当……ですか?」
「本当だよ! 僕を疑う気!?」
カービィの言葉と表情に裏表はなかった。
カムイは「よかった」と言って、その場で気絶するように寝た。
ゼルダが洗脳され、ベヨネッタが火あぶりにされ、自分も捕まって殺されそうになった。
今、その状況から解放されたため、カムイはすっかり安心したのだろう。
「……ぅ……わ……私、は……?」
先ほど、ゼルダに火あぶりにされたベヨネッタがゆっくりと起き上がる。
彼女の服はボロボロになっていて、身体中に火傷の跡がついていた。
「ベヨネッタ……生きていて、よかった」
「……私が、あんなんで、死ぬわけ、な……」
「何を言ってるんだ! マリオ達が助けなければ、お前は死んでたんだぞ!」
フォックスはウルフの悲劇を見た事から、仲間を助ける事に専念している。
しかし、自分一人だけでは仲間を助ける事はできなかった。
この言葉も、マリオ達仲間がいたからこそ言えたのだ。
「クラウド、カムイ、ベヨネッタ。お前達は無理をしないで休め。ゼルダは、俺達が相手する」
「応援してますよ!」
マリオ、カービィ、ピカチュウ、フォックス、ブラックピットは、
三人を安全な場所に匿わせてリンクのところに行った。
一方のリンクはというと、今もゼルダと取っ組み合いになっていた。
「ゼルダ……俺達がここに来たのは、お前を元に戻すためでもあるんだ」
今、ゼルダはハオスに洗脳されている。
つまり、望んで三人を捕らえたわけではない。
「ただ『正気に戻れ』と言っただけじゃダメだよな。
俺は……ゼルダが戻ってきてくれればいい。ゼルダ、お前は……何がしたいんだ?」
「……」
リンクの言葉に反応しないゼルダ。
ゼルダはリンクの手を振りほどいた後、魔法を詠唱すると、無数のグールが現れた。
「ならば、貴様はここで死ね!」
ゼルダの指示と共にグールがリンクに襲い掛かってきた、その時。
「はぁぁぁぁぁっ!」
マリオが飛び蹴りを放ち、グールの群れを地に伏せた。
「リンク! ゼルダは俺達と一緒に元に戻すぞ!」
「みんなでやれば、ゼル姉は元に戻るよね!」
「俺達スマブラ四天王の力を見せてやろうぜ!」
「ファルコ……ウルフ……力を貸してくれ。あの悲劇を起こさないために!」
「へっ。こんな化け物、一網打尽にしてやるよ」
ブラックピットがやる気満々でブラピの狙杖を構える。
「待ってくれ……ゼルダ。お前は、俺が絶対に連れ戻す!」
リンクは、真剣な表情でマスターソードを握り締める。
そして、ゼルダに向かって叫ぶと戦闘が始まった。
「まずはグールを倒そうぜ! アイアンテール!」
ピカチュウが鋼のように固くした尾をグールの群れに叩きつける。
「ディンの炎」
「うおっ!?」
ゼルダは一瞬無防備になったピカチュウに火炎弾を放つ。
火炎弾は爆発し、ピカチュウに大きなダメージを与えた。
「はっ!」
「えーい!」
マリオとカービィのハンマーが、グール達を一撃で倒した。
「貫け!」
「くっ!」
ブラックピットはブラピの狙杖を構え、そこから光線を放ってゼルダを撃ち抜く。
「ゼルダ! 俺の声が聞こえるか!?」
リンクがゼルダをマスターソードで斬りつける。
いくら彼女が操られているといっても、手加減をしては殺されてしまう。
なので、まずは大ダメージを与えた後、気絶させる作戦で戦う事にした。
「ウァァァァァァ……!」
「よっと!」
フォックスはグールの攻撃をかわし、回し蹴りでグールを一掃した。
その後にブラスターを連射しグールを全滅させた。
「グールなど、所詮は駒に過ぎない。……私が貴様らを皆殺しにする! マジカルカッター!」
ゼルダは魔法で刃を形成し、リンクに斬りつける。
普段のマジカルカッターは光り輝いていたが、洗脳の影響で禍々しい黒に染まっていた。
リンクは盾でこれを防ぎ、ゼルダを連続で斬りつけた。
「俺を大切に思うゼルダは、まだいる。俺はそれを信じて、お前と戦う。
たとえご都合主義であっても、ハッピーエンドは絶対に掴み取る!」
「黙れぇぇっ! シャイニングパームショット!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ゼルダは手から閃光を放ち、リンクに大ダメージを与えた。
「くっ……ゼルダ……俺が、分からないのか……!? もう、俺の存在は、見えないのか……!?」
もうゼルダは元に戻らないのか、とリンクは絶望した。
だが、この時マリオは見ていた。
魔法を放つゼルダの手が、僅かに震えていたところを。
「リンク!」
「どうした、マリオ?」
「ゼルダは今、自分を縛っている闇に必死で抵抗しているんだ!
このまま攻撃を続ければ、きっと思い出せるかもしれない!」
「そっか……ありがとよ!」
そう言ってリンクはゼルダに近付こうとするが、ゼルダはネールの愛で拒絶する。
「私に近付くな……!」
「でんきショック!」
「そんなもの! ネールの愛!」
ピカチュウのでんきショックをネールの愛で跳ね返すゼルダ。
しかし、これは隙を作るための囮であった。
フォックスはゼルダに突っ込んで蹴りを浴びせ、さらにマリオが零距離でファイア掌底を叩き込む。
「く……何を、する……!」
急な出来事に対応できず、どんどんダメージを受け続けるゼルダ。
「くそ……やめろ……!」
「お〜っと、俺も忘れるなよ!」
「目を逸らせはしない!」
さらに、ブラックピットが神弓シルバーリップでゼルダを攻撃し、
目を逸らそうとした彼女をフォックスのブラスターが阻止する。
「ゼルダ……俺の目を……見ろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そして、リンクの剣がゼルダを捉え――
「……リン、ク……」
――彼女を、倒した。
説明 | ||
いよいよリンクとゼルダが対決します。 果たして、リンクはゼルダを元に戻す事ができるのでしょうか。 |
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