真・恋姫†無双〜絶対なる無双の黒き鬼〜02
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支援してくださり、誠にありがとうございます。

 

 

注意です。この作品に関してですが、駄文、ダメな内容、雑なストーリー、ゴミなキャラ設定などが存在します。これらがダメな方はブラウザーバックを推奨いたします。

 

 

 

 

 

オリ主が纏っている鎧はSDガンダム三国伝の呂布トールギスと

真・三國無双マルチレイドの呂布の鎧を合体させた感じとなっておりますのでご理解の程お願いします。あと主人公の能力付けたしでワンピースの覇気も追加しました。

 

それと此処で、オリ主のちょびっとなプロフィールです。

 

オリジナル主人公: ((晋武古龍|しんぶこりゅう))

 

年齢:27歳

 

身長:210センチ

 

イメージCV:細谷 佳正

 

外見:ストライク・オブ・ブラッドの暁 古城に白髪で長くした感じ。

 

肌は褐色、額に紋章がある。髪色は白髪

 

眼の色は赤

 

性格:基本クールで寡黙、冷徹、時には敵に対し冷酷にして残酷、かなりの現実主義者で理想主義を嫌い、極度の戦闘狂と言って良い。

 

だが同時に大切な者たちには優しさを見せる一面を持つ。

 

 

 

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第二章 物語の始まり

 

 

 

 

男は、夢を見ていた。

 

それは嘗て自分の大切な娘と...そして初めて愛した掛け替えの無い愛する妻と何気ない日々を過ごす...

...そんな普通であり大切だった幸せなモノだった...

 

 

 

晋武の娘「お父さん!見て見て!ほらぁ蝶々さんだよぉ!綺麗でしょ?」

 

 

晋武「...ああ、綺麗だな。よかったな...唯衣」

 

 

唯衣「うん!」

 

 

 

晋武は、娘が自分に対し蝶を見せる姿に微笑ながら見ていた。

 

 

 

晋武の妻「ホント綺麗。でもね唯衣、そのままだと蝶々さんが可哀そうだから逃がしてあげないと...ね」

 

 

唯衣「え?可哀そう?どうして?」

 

 

 

晋武の妻であり唯衣の母親でもある彼女の言葉に、娘の唯衣は不思議に思う様な表情を浮かべた。

 

そんな娘に対し、晋武も...

 

 

 

晋武「...そうだな。捕まえたままだと蝶が可哀そうだから、逃がしてあげよう。唯衣」

 

 

 

父の言葉に唯衣が困った顔を見せる。

 

 

 

唯衣「え?でもぉ」

 

 

 

そんな娘に晋武は微笑ながら膝を曲げて、目線を娘と合わせて言う。

 

 

 

晋武「お父さんとお母さんはもう十分見せて貰ったから、蝶々さんをお家に帰してあげよう...ね?唯衣」

 

 

唯衣「うん!分かった!蝶々さんをお家に帰す!」

 

 

 

晋武の言葉に笑顔で返してから、両手の中に包み込んでいる蝶を逃がしてあげた。

 

 

 

晋武「...うん、唯衣は偉いなぁ。お父さんの自慢の娘だ」

 

 

その言葉と共に娘の頭を撫でてあげ、娘の唯衣も嬉しそうに頬を赤く染める。

 

 

唯衣「えへへ///」

 

 

そんな様子を見ていた晋武の妻は、頬を膨らまし彼に抱き着いた。

 

 

晋武の妻「あなたぁ!唯衣にばかり甘やかして酷いわぁ!」

 

 

晋武「...自分の娘に嫉妬してどうする... 玲紀」

 

 

 

晋武は妻の嫉妬に対し呆れながら言うが、それでも彼女の言葉は止まらない。

 

 

 

玲紀「だって、あなた!確かに唯衣は私たちの娘だけど、それでもこの子は1人の女なのよ!何かの拍子で父親に恋をするかもしれないわ!」

 

 

晋武「...アホか」

 

 

玲紀「アホではないわ!」

 

 

 

そんな夫婦の姿に娘は...

 

 

 

唯衣「お母さんばっかりズルい!唯衣もお父さんにべったりするぅ〜」

 

 

玲紀「ダメぇ〜!お父さんはお母さんの物なのぉ〜!」

 

 

晋武「...まったく、仕方ない...」

 

 

 

 

そう言いながらも、晋武は笑っていた。

 

 

 

 

 

 

...しかし、そこから夢が変化して、自分の傍にいた妻と娘は変わり果てた姿で死んでいた...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は膝を崩し、震えながら手を伸ばす。

 

 

 

晋武「...れ..いき...ゆ...い.......あ..あああ..ああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで彼の夢は終わった......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晋武『はっ!!!...はぁ...はぁ...はぁ...はぁ...夢...か...俺は...死んだ...のだった...な』

 

 

晋武は自身が最後を迎えた事を思い出しながら立ち上がり周りを見渡す。周りの風景は山や木など、自然に溢れる所に彼は居た。

 

 

晋武『...此処は地獄...か?いや...違うか...なら此処は何処だ...俺は...死んだではなかったのか?』

 

 

 

彼は確かに死んだ...しかし、何者かによって自分が異世界にいる事は彼は気づいていない...そんな時...。

 

 

 

???「おい!そこのデカい鎧の兄ちゃんよぉ!」

 

 

 

晋武『...ん?』

 

 

 

晋武は自分を呼んだであろう声の人物の方へ振り向くと...

 

 

 

 

賊A「ちと悪いんだけどよぉ、アンタの持っている物全部俺たちに渡して貰おうかぁ?」

 

賊B「へへへへっ」

 

賊C「さっさと寄越しやがれ!!」

 

 

 

彼の前に賊が現れた。それも三人などではない、有に300人は居た。

 

 

普通の人間ならここで金目の物を差出し、某世紀末アニメの様に命乞いをしながら怯えたりするのだが.....可哀そうなのは賊たちの方だ。何故なら.....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晋武『.....くだらん』

 

 

賊A「あん?何だと?もういっぺん言ってみやg...ぐぼぉ!!」

 

 

賊の1人が晋武に怒鳴ろうとしたが、その前に男は晋武から放たれた方天画戟の神速の一撃で

首が飛び、代わりに夥しい量の血しぶきを上げて倒れる。

 

その光景に残り大勢の賊らは、一瞬で怯えてた。

 

 

 

賊B「くっ!怯えるな!相手は1人!こっちは大勢だぞ!!かかれぇー!」

 

 

 

 

その言葉に乗じ、大勢の賊たちは晋武に向かって突撃した。

 

 

 

 

 

しかし....

 

 

 

 

 

 

晋武『...虫けら共がぁ...死に果てろ』

 

 

 

その言葉と同時に、今度は方天画戟を横向きに大きく一閃を描いた瞬間近づいて来た賊たちは、虚しく次々と死んでいった。

 

今度は晋武が賊たちを攻め立てる。容赦なく慈悲も与えず、美しい自然の風景が彼の猛り狂う武によって、その場が地獄絵図なったのは言うまでもない。

 

賊の中で、ある者は心臓ごと串刺しされ、ある者は一瞬で細切れになり、ある者は晋武の拳一発で

上半身を粉々にされた。

 

そんな残酷な光景が続き、いつの間にか賊は全滅し、辺り一面は血の海と屍の山となり、そして自身が纏う禍々しい鎧が、賊らの大量の返り血によってその恐ろしさが増した。

 

賊たちはあっという間に全滅し、残ったのは晋武ただ一人となったその時、背後から馬の蹄の音が響く、大きく重みがある。その音がする方を見ると、そこには背丈が3メートルはある巨大な汗馬にして、己が愛馬...雷轟だった。

 

 

 

晋武『...雷轟、お前...』

 

 

雷轟「ヒヒンッ!!」

 

 

 

雷轟は晋武の姿を見た途端、彼に一気に駆け寄り、自身の頭で彼の身体にすり寄るのだった。まるで、ようやく親を見つけて甘える迷子の子供のようだ。そんな愛馬に対して晋武は、鎧の中で呆れながらも笑みを零して雷轟の頭を撫でてやった。

 

 

 

晋武『まったく、お前は...』

 

 

雷轟「バフン...ッ」

 

 

晋武『フッ...それにしても、此処は何処だ?』

 

 

雷轟「バフンッ!!」

 

 

晋武『よしよし...。俺は確かに劉光の刃によって死んだ筈だ。それがどうして...?それに劉光が天下人となったのなら、このような賊どもなどが存在する筈が...ん!』

 

 

雷轟「!」

 

 

 

突如、晋武の様子がおかしい。その事に気付いた雷轟は瞬時に戦う姿勢を取り、唸り始める。そんな愛馬の頭を撫でながら、晋武は己の視界に映す木に向かって呟く。

 

 

 

晋武『...出て来い』

 

 

???「....」

 

 

すると、彼の言葉に答えるかのように木から1人の人物が現れた。その者は、凛とした綺麗な顔、歳は外見からして17くらいか、美しい黒髪で、それを束ねたサイドテール。胸も大きく、体つきも全ての男の性欲を掻き立てる程に出来ている。だが彼女の手には龍の絵柄が刻まれた偃月刀がある。っとそんな彼女が晋武に話しかける。

 

 

 

???「あの!貴方様が賊に囲まれていた所を、助太刀しようとしたのですが...無用でしたね...」

 

 

晋武『...貴様、見ていたのか?先ほどのモノを...』

 

 

 

 

晋武は無意識に殺気を彼女に飛ばしてしまった。これに彼女は慌てながら晋武の傍まで駆け寄って、そのまま口を開いた。

 

 

 

???「わ、私は関羽!字は雲長と申します!!決して敵では御座いません!!」

 

 

晋武『....』

 

 

???「あ、あの....」

 

 

 

彼女は内心緊張している。目の前には大勢の賊を意図も容易く、((悉|ことごと))く皆殺しにしたのだから、それに現在、頭から足にかけて纏う禍々しい黒い鬼神のような鎧姿に畏れを抱いてしまっている。すると彼の鎧が...。

 

 

 

関羽「え...?」

 

 

 

彼が纏う鎧が体中で行き成り、形を崩し始めた。これには余りの事に驚愕し、関羽は動揺する。

 

 

 

関羽「はぁ!!え!?い、一体!!?」

 

 

 

そして鎧は無数の黒い小さい生き物のように動きだし、そこから段々中の人物の姿が見え始める。そして鎧から無数の黒い小さい生き物たちは、晋武の掌の上で一つの黒い鋼の塊へと変化し、それを彼は....。

 

 

 

晋武「....」

 

 

 

関羽「えー!!?」

 

 

 

関羽は更に驚きの声を出す。何故なら、晋武が小さい黒い鋼の塊を自身の心臓が位置する胸に当てると、ズブズブと入っていき、そして塊は完全に彼の身体の中へと消えてしまった。その光景に関羽は更に我を忘れて、晋武に問いかけた。

 

 

 

関羽「ああああああああの!!大丈夫なのですかぁ!!?」

 

 

晋武「...ああ、別に何処も悪くは無い」

 

 

 

だが関羽の問いに、晋武はどうでもいいと言わんばかりにこれを流す。

 

 

 

関羽「そ、そう、ですか...(それにしても...)」

 

 

 

彼女は晋武が一体何もか気になる所ではあるが、それ以上に鎧を解いた彼の姿につい見入ってしまう。彼の姿...白髪で長め、肌は褐色、額には何かの文様が刻まれ、着物は赤色と黒色が混ざった陣羽織状のロングコート、黒の裁付袴、黒の脛当、身長もまた高く200以上はあろう。そして瞳は血の様に赤く、そして何処か虚ろに見える。

 

それに彼の素顔は、中々に良い男である為、彼女はつい見惚れてしまっている。そんな関羽に晋武が声をかける。

 

 

関羽「...///」

 

 

 

晋武「...おい」

 

 

関羽「は、はい!!」

 

 

晋武「...ここから近くに町は在るか?在るならば案内してくれ」

 

 

関羽「は、はい!!分かりました!!」

 

 

晋武「...良かった。ならば今から俺の愛馬に共に乗せてやる」

 

 

関羽「そ、その、大きな黒い馬にですよね...?」

 

 

 

彼女が恐る恐る雷轟に指差す。それに対して晋武は淡々とした態度で、彼女に返した。

 

 

 

晋武「...そうだ。こいつの名は雷轟、俺と共に地平を駆け抜けてきてくれた愛馬であり、友であり、そして家族だ」

 

 

関羽「家族、そうですか...。それにしても見事な汗馬ですね?」

 

 

晋武「...まぁな。それよりもだ、これより雷轟に乗り町に向かうぞ」

 

 

関羽「え!?今からですか?!」

 

 

晋武「...今以外いつだ。ほら行くぞ」

 

 

 

そう言いながら晋武は関羽の腕を掴み、彼女を先に雷轟の背に乗せて、自身も跨り手綱を握る。この時、関羽は晋武の後ろではなく、彼の前...つまり晋武が関羽の後ろから手綱を掴んでいるのだ。これに彼女は突然の事に胸の動悸を激しくして、とても落ち着いてはいられない。

 

 

 

関羽「///」

 

 

晋武「....」

 

 

関羽「(こ、このような///まさか男性にこのようにされるとは...///)」

 

 

晋武「...そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺の名は晋武、字は古龍だ」

 

 

関羽「晋武殿、ですか。よろしくお願いいたします///」

 

 

晋武「...それから、事前に注意しておく。雷轟は他の馬とは違って速さが異常だ、だから途中お前が気絶する可能性がある。そうなる前に言え、速さを弱めてやる」

 

 

関羽「む!余り見くびらないでください!私も武人!馬程度の速さで気絶する筈がありません!!」

 

 

 

晋武の忠告に、関羽はむきになって反論する。そんな彼女にこれ以上は無用と思い、口にするのを止めて雷轟に目的地まで走るよう命を下す。

 

 

 

晋武「駆け抜けろ!!雷轟!!ハァッ!!」

 

 

 

雷轟「バフンッ!!ヒヒィ―――――ンッ!!!」

 

 

 

 

晋武が掛け声と共に手綱を振る。主の声に力強く嘶き、雷轟はその大きな蹄で地を蹴り走り出した。駆けだした最初は普通の馬並みの速さではあったが、それが直ぐに変化し、風をも切り裂く程の豪速へとなった。

 

因みに雷轟の速度は、通常の軍馬とは比較にならない程の規格外で、三国志に出てくる呂布の愛馬...赤兎馬が一日に千里を駆けるのに対し、この雷轟は一日に五千里を駆け抜けるなどのとんでもないチート級の化け物馬である。

 

 

 

 

関羽「え?!こ、こんな!!きゃ、キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ―――――っ!!!!」

 

 

 

 

 

関羽の叫びが木霊する中、雷轟はまるで音速をも超すのでは?っと思わせる驚異的な速度で、関羽が案内してくれる町へと向かう。

 

 

 

 

 

 

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そして雷轟に乗り、目的地である町に晋武は辿り着いた。因みに関羽は、雷轟のとんでもない速度に耐えながら辛うじて案内したが、結局気絶してしまった。その為今彼女は、晋武によって抱きかかえられている....それもお姫様だっこで...。(余談だが、雷轟は町の厩舎に預けた。その時雷轟の巨大さに、厩舎の従業員らは眼を丸くして唖然としていた。)

 

 

関羽「う〜....」(気絶中&お姫様だっこをされている)

 

 

晋武「はぁ....」(自分にあれ程強気で言っていた癖に、今の様に呆れている)

 

 

 

 

晋武は呆れて溜息を吐く。だが周囲の者たちから見ると、お姫様だっこされている関羽、その彼女を抱きかかえている晋武。この二人の姿に男たちは、彼女を抱きかかえている晋武に対して嫉妬の眼差しを、女たちはそんな彼にお姫様だっこされている関羽に対して羨望の眼差しを向けていた。

 

 

 

 

晋武「(まったく...これからどうするんだ)」

 

 

 

 

っと、その時である。

 

 

 

 

 

???「愛紗ちゃーん!!」

 

 

 

晋武「ん?」

 

 

 

町の奥から誰かが別の誰かを呼ぶ声した。

 

 

 

???「あ!愛紗ちゃん!!どうしちゃったの!?」

 

 

桃色髪で背丈と胸の大きさも関羽と同じの少女が此方を見て驚いて近づいて来た。

 

 

これを見た晋武は内心...。

 

 

 

晋武「(愛紗?...もしや関羽の事か?...と言う事は愛紗と言うのは、((真名|しんめい))か)」

 

 

 

そう考えていた時、彼女が慌てて駆け寄ってきた。

 

 

 

???「あの!うちの愛紗ちゃんがどうして気を失っているんですか!それに貴方は?!」

 

 

晋武「...すまない。彼女には道案内を頼んで俺の愛馬に乗せて来たのだが、この町に着いた時には、

この通り気を失ったようだ。どうやら雷轟の速さに耐え切れずこうなったのだろう...」

 

 

???「そうだったのですか...でも雷轟って...もしかして後ろ居るそのでっかいお馬さん...ですか?」

 

 

 

彼女は恐る恐る指差して雷轟を見る。まぁ、通常の馬なんかよりも巨大な馬なんて異常なのだろう。

 

 

 

 

晋武「...ん?ああ、そうだ。俺の唯一家族だ...」

 

 

???「家族...ですか。誤解しちゃってごめんなさい。てっきり...」

 

 

晋武「...いやいい、まだ名乗って無かったな。俺の名は晋武、字は古龍だ」

 

 

???「晋武さん...私は劉備、字は玄徳といいます♪」

 

 

 

彼女...劉備が名乗った時である、ようやく関羽が目を覚ました。

 

 

 

関羽「ん?...あれ?私は...確か、晋武殿に道案内をする為に雷轟に乗せて貰って、

それで...「眼が覚めたな?関羽」...え?」

 

 

関羽は自分を呼ぶ晋武の声に反応し、そこに向いたと同時に自分が彼にお姫様抱っこをされているのに気づき、頬を赤く染めて慌てはじめる。

 

 

 

関羽「...え///!?晋武殿///!!何故私///...貴方に抱きかかえ///「お前が雷轟の走りに耐え切れず、気絶したからだ」...そうだったのですか///...すみません///!!」

 

 

 

その時、他に近寄る者が現れた。

 

 

 

???「おーい!おねえちゃーん、あいしゃー!」

 

 

劉備「あ!鈴々ちゃんだ!」

 

 

関羽「え!鈴々!あ、あの!!晋武殿、もう大丈夫ですから降ろして下さい///!!」

 

 

 

彼女は堪らず晋武に降ろして欲しいと懇願する。これに晋武も頷き、彼女を丁重にゆっくりと降ろしてあげた。その時に新たに来た者が、劉備と関羽に話しかける。

 

 

 

???「お姉ちゃん!愛紗!」

 

 

劉備「鈴々ちゃん、どうしたの?」

 

 

???「どうしたの、じゃあないのだ!いきなりお姉ちゃんたちが居ないのだから、心配して探してたのだ!」

 

 

関羽「そうだったのか...それはすまなかったな、鈴々」

 

 

劉備「ごめんねぇ、鈴々ちゃん」

 

 

???「いいのだ!ん?」

 

 

晋武「...何だ」

 

 

 

晋武の存在に気付いた少女は、赤いショートヘアーで猫の髪留めを付けて、手にはその小さな体とは似合わない位の長物の武器を携えていた。

 

 

 

劉備「晋武さん、この子は張飛ちゃん。私と愛紗ちゃんの末の義妹なんです」

 

 

晋武「...つまりお前たちは義兄弟、ということか?」

 

 

関羽「はい、そうです。私たちは共に旅をしているんです」

 

 

張飛「なのだ!それにしてもぉ...」

 

 

 

張飛は再び晋武を凝視する。これにどうも居心地が悪いのか、晋武が問いかけた。

 

 

 

晋武「...何だ、さっきから」

 

 

張飛「おじちゃん、見ていてカッコいいのだぁ♪」

 

 

晋武「........」

 

 

 

張飛は無邪気に笑い言うが、これに関羽と劉備が慌てながらに弁明する。

 

 

 

関羽「も!申し訳ありません!!」

 

 

劉備「鈴々ちゃんまだ子供で、時折失礼な事を言っちゃうんです〜!」

 

 

張飛「鈴々、子供じゃないのだぁ!」

 

 

 

子供扱いされてる事に張飛は頬を膨らまして文句を言う。そんな光景に晋武は.....

 

 

 

晋武「.....」

 

 

 

怒ってはおらず、寧ろ何かを懐かしんでいる。

 

 

 

晋武「...義、兄弟」

 

 

 

 

彼は何かを思いだしている様だ...。

 

 

 

 

 

....((義兄者|あにじゃ))、如何しましたか?

 

 

....((義兄ぃ|あに))、釣りにてこのように大量の魚を釣れましたぞ!

 

 

 

 

晋武「(((関威|かんい))...((張義|ちょうぎ))...)」

 

 

 

どうやら彼にも義兄弟と呼べる者たちが居たようだ。そんな彼の様子に劉備が不思議そうに声をかける。

 

 

 

劉備「晋武さん...?」

 

 

晋武「.....ん?どうした」

 

 

劉備「あ、いえ、晋武さんが何か黙ってしまっているから、その、気になって...」

 

 

晋武「....そうか、だが無用だ。別になんでもない」

 

 

劉備「ホント、ですか...?」

 

 

晋武「あぁ」

 

 

劉備「....」

 

 

 

彼女はどうやら晋武の雰囲気に、気になってしまったようだ。しかし晋武の表情は表に出る訳では無く、無愛想なもので眉間にしわがよっている。そこへ突如、劉備の人差し指が晋武の眉間にトンっと突く。

 

 

 

晋武「....何のつもりだ」

 

 

 

険しい表情で劉備に問いかけるが、彼女は悪びれもせず笑顔で言う。

 

 

 

劉備「えへへへ///晋武さん、そんなに眉間にシワを寄せると幸せが逃げちゃいますよぉ?フフッ」

 

 

晋武「....アホか」

 

 

劉備「でも本当にそんな怒ったような顔じゃ、周りの人が逃げちゃいますよ?」

 

 

晋武「...逃げればいい。俺は別に誰かと仲良くしたい訳ではない...」

 

 

張飛「それじゃあ寂しいのだ!」

 

 

関羽「そうですね...他者との馴れあいを拒否するなど、確かに寂しいものですね...」

 

 

 

いつの間にか関羽と張飛も二人の話しに混ざり、晋武の話に異を唱えるが彼は変わる気もなく言い返す。

 

 

 

晋武「...そんなのは孤独に居るのに耐え切れない奴が、誰かとの繋がりを求めるだけだ。俺はそういうのを好まないし、寧ろ嫌う....」

 

 

関羽「晋武殿....」

 

 

晋武「...もういいか?ではな...」

 

 

 

そう言って、晋武は旅籠を探す為に劉備たちから離れようし、それに関羽が待ったを掛けた。

 

 

 

関羽「晋武殿、どちらへ...?」

 

 

晋武「...旅籠だ。関羽、案内礼を言う。ではな...」

 

 

劉備「晋武さん....」

 

 

関羽「晋武殿...」

 

 

 

そのまま彼は、劉備たちと別れた...。

 

 

 

 

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晋武が居る町から東に離れた場所に、賊たちが巣食っている砦があった。

 

 

 

頭目「ぶひひ!!ほら酒だぁ!!もっと酒を注げぃ!!ぶっひひひひぃ!!」

 

 

 

女性「はい...」

 

 

 

そこには多くの賊たちが、何処かの街から略奪したと思われる食糧、金目の物、そして奴らによって拉致された女性たち....。そんな彼女たちを侍らせるように、酒を飲み、肉を喰らう身の丈3メートルもの肥え太った賊の頭目。

 

 

賊「頭ぁ!この後は如何しやすかい?」

 

 

頭目「ん?そうだぁねぇ....まぁ、斥候どもの報告待ちだぁなぁ...ぶひひひ!!」

 

 

賊「分かりやしたぁ!しかしそれにしても遅いっすねぇ...」

 

 

 

部下がそう呟いた時、1人の賊が覚束ない足取りで周囲の者達の視界に現れた。その者何処かボロボロで、全身から血を流して今にも死にかけている。そしてとうとう倒れてしまい、仲間の1人が駆け寄り問いかけた。

 

 

 

賊「おい!一体どうしたぁ!?」

 

 

「そ、それがぁ....とんでもない.....奴に.....仲間が...殺ろされた...」

 

 

賊「誰だ!?そいつはぁ!?」

 

 

「わからねぇ...そいつは全身に真っ黒な鎧をまとって...いて...とても強かった.....みんなぁ...」

 

 

 

仲間からの途切れ途切れの報告に、頭目は盃を投げて部下に怒鳴る。

 

 

 

頭目「おい!!そいつは今何処に居るぅ!!」

 

 

「おれたちが.....そいつを見つけたのは......ここから東の町近くの森で.....」

 

 

頭目「ってことわぁ...そいつはもう町にいるわけだぁなぁ...ぶひひひ!!」

 

 

賊「お頭!」

 

 

頭目「てめぇらぁ!!今からその野郎を殺しに行くぞォ!!ついでに町も潰すぅ...ぶひひひ!!」

 

 

 

 

「「「「「「「オオオオオオオオーーーっ!!!」」」」」」」

 

 

 

賊「頭ぁ!人数は如何しやすかい?!」

 

 

頭目「そうだぁなぁ....まぁ全員で行っても良いなぁ、ぶひひひ!よぉし!総員三万で攻めるぞぉ!!ぶひひひひひひひひひひひひひひひひっっっ!!!!!」

 

 

 

 

 

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その頃町の方では、晋武と別れた劉備たちが昼ご飯にあり着いている。末の義妹である張飛は、小さい体をしていてそれに見合わないぐらいの食欲でラーメンにガブリつく。その中で関羽と劉備は、何処か複雑な面持ちで頼んだ料理を未だ完食していない。

 

 

関羽「....」

 

 

劉備「....」

 

 

張飛「ん?二人ともどうしたのだぁ?」

 

 

劉備「え...?う、うん...晋武さんが気になって....愛紗ちゃんも、だよね?」

 

 

関羽「はい....あの御仁の事がどうしても気になって....それに」

 

 

張飛「ん?それに何なのだぁ?」

 

 

 

関羽は自身と晋武の出会いを話した、彼が1人で大勢の賊たちを意図も容易く打倒した事を....。この話を聞いた劉備と張飛は驚きの感想を漏らす。

 

 

 

劉備「すっごぉい!!晋武さんってそんなに強いんだぁ〜!!」

 

 

張飛「でもあのおじ...お兄ちゃん、鎧なんて着てなかったのだ」

 

 

関羽「それは....アレは流石に見ないと信じられない....」

 

 

「「?」」

 

 

 

2人が関羽の話に?マークを浮かべたその時、料亭の外で何やら騒々しい。

 

 

 

劉備「外が騒がしいね?」

 

 

関羽「はい、なんでしょうか?」

 

 

張飛「行ってみるのだ!」

 

 

 

三人は急ぎ店から出て行き、町の広場へと足を進める。すると段々と人々が不安と恐怖の表情を浮かべている。気になった関羽が近くにいた男性に問いかける。

 

 

 

関羽「すまない!これは一体何が遭ったのだ?」

 

 

「賊だよ!それも千や二千って数じゃあねぇ!万の軍勢だよ!!」

 

 

劉備「そんな!!?」

 

 

張飛「そんなにいるのだぁ?!」

 

 

「あぁ!このままだと皆殺しにされちまう!!」

 

 

関羽「この町には自警団は?」

 

 

「そいつらはもう!とっくに逃げたよ!!」

 

 

劉備「そんなぁ....」

 

 

 

その時、劉備の背後から呼び声が聞える。

 

 

 

晋武「...おい」

 

 

劉備「晋武さん!」

 

 

関羽「晋武殿!」

 

 

 

二人は彼を見て、何かの安心感を抱く。そんなのを構う事無く、晋武は事の説明を要求する。

 

 

 

晋武「...何があったのだ?この騒ぎは?」

 

 

関羽「晋武殿、実は...!!」

 

 

 

関羽が、彼に事の最悪さを説明する。これを聞いた晋武は、険しい表情を浮かべる。すると....

 

 

 

晋武「...恐らく今から来る奴らは、俺が殺した連中の仲間やもしれんな...」

 

 

関羽「もしそうなら晋武殿が此処に居るのを感づき、報復に来たのでは....」

 

 

晋武「...そうかもな「ちょっと待てよ!!」...ん?」

 

 

 

一連の会話を聞いた賊が攻めてきたことを教えてくれたた住人が晋武に食って掛かった。

 

 

 

「つうことは何か!?アンタの所為でこの町は襲われる訳か!!」

 

 

関羽「何を言っている!!もしかしたら初めから此処を攻めるかもしれないのだぞ!!」

 

 

 

町の住人が晋武に食って掛かるのに対し、関羽が彼を庇う。だが、他の住人たちもこれを聞き、皆晋武に出て行く様に抗議した。余りの恐怖、そして不安の声は、晋武に対して八つ当たりの如く降り注いだ。

 

 

 

 

「出て行け!!」「疫病神!!」「此処から消えろぉー!!」「居るだけで災いを持ってきやがってー!!」

 

 

 

劉備と張飛も、関羽に倣い晋武を庇い、そして住人らを落ち着かせようとする。

 

 

 

 

劉備「皆さん!!落ち着いてください!!冷静に!!」

 

 

張飛「そうなのだ!!」

 

 

 

そんな中、住人の1人が劉備に殴り掛かる。

 

 

 

「うるせぇ!!!」

 

 

劉備「きゃあ!!」

 

 

関羽「桃香さま!!」

 

 

張飛「おねえちゃん!!」

 

 

 

劉備は眼を閉じた。しかし一向に殴られる痛みが来ない...それもその筈だ、何故ならその前に、晋武が彼女を庇い、住人の男性の拳を片手で止めたからだ。

 

 

 

劉備「...え?...っ!!!晋武さん!!!」

 

 

 

男性は晋武によって拳を防がれただけではない。彼の強力な握力によって今にも握りつぶされそうな激痛を味合わされている。

 

 

 

「ぐ!!いだだだだだだだだだだだだだっ!!!!」

 

 

晋武「...女に手を上げる余裕があるならば、俺にやれ。だが俺はその女とは違い、容赦はないぞ?」

 

 

「ひぃ!!」

 

 

 

晋武から放たれた殺気にビビり、男性は直ぐに何も言えず引き下がり、これを見ていた周りの者達も押し黙ったのだった。その時....

 

 

 

???「やめなさい」

 

 

住人「長老...」

 

 

 

人ごみの中から、1人の老人が現れた。どうやらこの町に長く住んでいる長老のようだ。彼は周りの者たちを一度じっくりと一瞥してから、穏やかな口調で話す。

 

 

 

長老「御仁よ、申し訳ありません。皆の衆、止すのじゃ。疑心に駆られて暴力を行うなど賊と同類じゃぞ?それにもしかしたらこの御仁が居らずとも、この町は狙われる可能性があったやもしれん...」

 

 

 

住人たち「......」

 

 

 

 

長老の言に皆深く反省したように黙って頭を俯いてしまった。そんな中、晋武が行動に出た。彼は1人、己の愛馬が居る厩舎の方へと向かおうとしていた。それを見た関羽が彼を呼び止める。

 

 

 

関羽「晋武殿!何処に行くのですか?!」

 

 

晋武「...」

 

 

彼は関羽の方へは振り向く事無く、背を見せたまま答えた。

 

 

晋武「...知れたこと、己の撒いた種は己の手で摘み取る...それだけだ」

 

 

 

その言葉の意味を瞬時に理解した関羽は、直ぐに彼を止める。

 

 

 

関羽「お待ち下さい晋武殿!!まさかお一人で大群の賊を相手になさるのですか!?」

 

 

 

劉備と張飛「「っ!!?」」

 

 

 

これには劉備と張飛も、関羽と共に彼を思い留まらせる為、説得する。

 

 

 

劉備「晋武さん、ダメです!!そんな真似は止めてください!!晋武さんが強い事は、愛紗ちゃんから聞きました!!でも危険すぎます!!!」

 

 

張飛「そうなのだ!!おにいちゃん、やめてなのだぁ!!」

 

 

関羽「晋武殿!どうか...考え直してください!!」

 

 

 

必死に彼を行かせたくない三人...しかし...

 

 

 

晋武「...悪いが一度決めた事に関して俺は曲げるつもりは無い。それにこう言った多勢に無勢の

戦には慣れてるし、一番俺が好む事だ...ではな」

 

 

 

関羽「晋武殿....」

 

 

 

関羽は確信してしまった。今この男を止める事は出来ぬ、と.....。そして彼はそのまま愛馬が待つ厩舎へと向かった。

 

 

 

-6ページ-

 

 

 

厩舎に辿り着いた晋武は、既に厩舎の外に居て自分のことを待ってくれている雷轟の姿を確認した。雷轟の背後には、ごり押しで破壊して出たと思われる出入り口が、見事に粉砕されている。その厩舎の無残な姿を見た晋武は、呆れたように笑い、そして雷轟の毛並を撫でてやった。

 

 

 

晋武「雷轟...お前はまったく...」

 

 

雷轟「バフンッ!!」

 

 

 

雷轟の瞳は「まさか俺抜きで暴れるつもりか?友よ」っと語っているようだ。しかし馬は喋る事はない、だが晋武にはそう感じた。だから彼は、雷轟を安心させるように言う。

 

 

 

晋武「...大丈夫、これからは共に一緒だ。何があろうと俺とお前は人馬一体、二つで一つだ」

 

 

 

そう言って、晋武は雷轟の背に跨り、そして己の獲物である羅刹方天画戟を携えて合図する。

 

 

 

晋武「駆け抜けろ!!雷轟ぉ!!!ハァっ!!!」

 

 

 

ヒヒ―――――ンッ!!!

 

 

 

その鳴き声と共に凄まじい速さで、先ほど通った町正面の出入り口に向かった。

 

 

 

-7ページ-

 

 

 

 

 

一方、晋武と別れてしまった劉備たちは、思い悩んでいた。

 

 

 

劉備「晋武さん....」

 

 

張飛「にゃ....」

 

 

関羽「........」

 

 

 

思い悩む中、関羽は直ぐに腹を決め、意を決して青竜偃月刀の柄を強く握り締めて歩き出す。それを見た劉備が彼女に問いかけた。

 

 

 

劉備「愛紗ちゃん、どうするの...?」

 

 

関羽「決まっています....晋武殿の跡を追うのです!」

 

 

劉備「愛紗ちゃん....」

 

 

 

すると張飛も関羽に感化されたのか、自らの得物たる((蛇矛|だぼう))という長物を持ち、彼女と行動しようとする。

 

 

 

張飛「鈴々も行くのだ!!」

 

 

劉備「鈴々ちゃん....」

 

 

張飛「鈴々、あのお兄ちゃんがどういう人かはまだしれないのだ。でも!鈴々は、お兄ちゃんを放っておけない!!」

 

 

劉備「鈴々ちゃん...うん!!そうだよね!!」

 

 

 

そして劉備も気持ちを同じくして、二人と共に行こうとする。

 

 

 

劉備「二人共、行こう!!」

 

 

「「応!!」」

 

 

三人は直ぐに晋武の跡を追って走って行った。それを見た住人たちは自分たちも戦うべきかと悩むが、その時長老が口を開いた。

 

 

 

長老「お前達、怖いか?ワシも怖いよ。じゃがな?あの男...晋武殿という御仁は、きっとワシらを御救いしてくださる...」

 

 

「長老...どうしてですか...?」

 

 

長老「さぁ、じゃがそう思えるのだよ。不安ならば見に行きなさい」

 

 

 

そう促されて住人たちも彼らを追うように次々と走って行く....。

 

 

 

 

-8ページ-

 

 

 

その頃、雷轟に乗って町を出た晋武は、既に賊の大群と会敵していた。

 

 

賊を率いてた頭は自身のデブな体に見合うデカい輿に座り、その輿を多くの手下によって動かしている。

 

 

頭目「ぶひひひひっ、お前か?俺の可愛い手下たちを殺してくれたのは?」

 

 

晋武「...だったら如何した?仇討でもしに来たのか?」

 

 

賊軍の頭の殺気が混じった質問に、晋武は何処吹く風といった様子で愛馬に乗った状態で言った。

 

しかし今回の賊の数は前回の100人とは訳が違い、数えるだけで3万は居る。

 

 

賊軍の頭「ぶひひひひひひひひひひひっ!!それもあるが、もう一つある。それはな...お前さんの背後にある町だ。あそこを俺たちの拠点にするのさぁ!ぶひひひっ!」

 

 

 

手下たち『ぎゃはははははははははははははははははっ!!』

 

 

 

 

 

その時、晋武が背を向ける町から、劉備たち三人、そして住人らまでも追いかけてきた。彼らは出入り口付近で止まる。

 

 

劉備「晋武さん!!」

 

 

張飛「お兄ちゃん!!」

 

 

関羽「晋武殿!!」

 

 

 

 

しかし晋武は振り向く事はせず、聞き流していた。

 

 

 

そんな中、賊の頭目が醜悪な笑みを浮かべて話す。

 

 

 

 

頭目「男と老人、それにガキは邪魔だから殺す。だが...女は...ぶひひひひひっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

....俺たちのぶひひひ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

....性欲処理のぶひひひ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

....愛玩肉人形だぁ!!ぶひひひひひっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を聞いた瞬間、晋武の脳内に嘗ての死んだ妻と娘の映像が流れた。

 

 

 

 

 

ブチっ!!!....っと何かがキレた....。そして彼はすぐさま己の得物である羅刹方天画戟を天に向かって高く上げる。この行動に、劉備たちや、町の人たち、そして賊軍も皆不思議がる。

 

 

 

頭目「おいてめぇ、なぁんのマネだぁ?ぶひひ」

 

 

 

しかし晋武は無視して、彼にとって、いや彼の世界の武人にとっての“儀式”が始まる....。

 

 

 

晋武「((来陣|らいじん))せよ...我が内に宿りし((禍|まが))つ鎧...((黒王|こくおう))((修羅|しゅら))...」

 

 

その瞬間、晋武の体から黒い小さく光る鋼の塊が透き通るように出てきた。

 

 

これに関羽や劉備と張飛は驚き、町のたち、賊共も動揺した。

 

 

そして...鋼の塊は、晋武の目の前で爆ぜる様に砕け、彼の肉体に全ての破片が食い込んだ。

 

 

劉備「晋武さん!!!」

 

 

この異常な光景に、劉備は耐え切れず晋武の傍まで駆け寄ろうとする。だが...

 

 

 

 

晋武「来るなぁ!!」

 

 

劉備「っ!!?」

 

 

関羽「晋武殿....」

 

 

 

晋武「来るな!!良く見ていろぉ!!これが人を捨て、修羅となった者の姿だぁ!!」

 

 

 

劉備「晋武さん....」

 

 

関羽「晋武殿.....」

 

 

次の瞬間、黒い鋼の破片は生き物の様に晋武の体中を侵食するように動き回る。

 

 

そしてそれは段々形を成して行った...それは関羽が知るあの禍々しい漆黒の鎧にへと...

 

 

晋武『うう.....うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――――!!!』

 

 

声も鎧を纏った時の掠れるような声に変わり、そして咆哮をあげた。

 

 

関羽「晋武殿...」

 

 

晋武が居た外史の世界には、人智を超えた力を有する“鎧”がある。その鎧と使用者が一体となる事で途方もない強さを手に出来る。その“鎧”と使用者の力が合わされば正に無双...正に最凶...。だが同時に人の心や体を蝕み、気を許せば直ぐに“鎧に喰われてしまう”そう、この鎧は意思を持つ、この鎧は人を狂わせる、この鎧は人を人では無くす物、その名を総称で...((天狂鎧|てんきょうがい))。

 

 

 

そして彼が纏う天狂鎧は、全ての鎧の中でも一番の凶悪な存在...((黒王修羅|こくおうしゅら))。他の全てを殺しつくす、最凶最悪の鎧である。

 

 

晋武がこの鎧を纏う姿を見た者たちは皆恐れおののき、誰もまともに喋る事が出来なかった。その時、いつの間にか居る長老が、黒王修羅の姿の晋武を見て、眼を大きく開いて呟いた。

 

 

 

長老「こ、このような.....ま、まさか.....」

 

 

住人の1人が、長老に問いかけた。

 

 

「如何しましたか?長老」

 

 

長老「...以前、この町にいらした管路という占い師が、儂に教えてくれた事を思いだしておったのじゃ。晋武殿の変わりようの姿が、その占いのものとそっくりなのじゃ....」

 

 

「そ、それは一体....」

 

 

 

住人の質問に長老は答えた。

 

 

 

長老「世が乱れし時、その者天空より光来し、禍々しい漆黒の鎧を纏いて、巨大な汗馬と共に乱世を駆け抜ける...

 

...その者、弱き者たちの為に猛り狂う修羅となり、邪悪で混沌とした世を救う者なり...

 

 

...その者...絶対なる無双の黒き天の御使いなり...と、管路殿の占いに在った。

 

 

あの御方の予言は外れた事は無い。ならば...あの御仁こそが...」

 

 

住人「...まさか...漆黒の天の御使いさま!!」

 

 

 

彼らの話を聞いてしまった関羽が呟いた。

 

 

 

 

関羽「晋武殿が....天の御使い....」

 

 

 

 

 

 

 

 

【イメージBGM:アニメ蒼天航路OP:909】

 

 

 

とうとう手下の1人が晋武の姿に怯え始めた。そしてそれは周りの手下たちにも伝播し、皆恐怖の表情を浮かべて自ら武器を捨て、逃げ出す者たちも現れ、中でも大半の者たちが気絶し意識を失ってしまった。

 

 

頭は自分の手下たちの急変に動揺し始めた。

 

 

頭「おい!!おめぇらどうした!!おい逃げるな!!相手は1人!こっちは三万だぞ!?」

 

 

頭の問い掛けに手下の1人が震えながら答える。

 

 

手下「あれを見てくだせい!!」

 

 

 

頭「ん?なにいって......ひっ!!!」

 

 

頭は瞬時に怯えた...何故なら....

 

 

 

 

 

晋武『...貴様等ぁぁぁ...きさまらぁぁぁぁ!!!』

 

 

晋武の体から((夥|おびただ))しい程のオーラの様なモノが溢れていた。

 

それは“覇気”という、晋武の世界にいる武人たちが使う力である。

 

生き物には常に気が存在している。それを操り己が武器、防具と化す事が出来る。

 

中でも覇王色の覇気は、絶対なる王の資質を持つ者にしか扱えず、この覇気に受けた者は、瞬時に耐え切れず気絶する。

 

そしてその覇王色の覇気を限界まで高めた者が放つ一撃は、絶対なる破壊力を持ち、

 

多勢に無勢であってもそれを見事無視し、敵を瞬時に消滅させる。

 

 

そして今、晋武の怒り一撃が放たれる.....

 

 

 

 

晋武『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――――!!!!!!魂いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい――――――――――!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

頭「ひいい!!」

 

 

これには当然頭も逃げようとする...しかし時すでに遅し...

 

 

 

 

 

 

晋武『旋風ウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーッ!!!!!爆裂衝オオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーッ!!!!!!!』

 

 

 

 

晋武が放ったその技は、大地に向かって自身の方天画戟を叩きつけ、そこから発生する大規模の衝撃波は、多数の敵を呑みこみ粉々にしていった。

 

 

 

この結果、三万もいた賊軍は頭と共に一瞬で消滅した.....

 

 

 

この光景を町の出入り口を出た関羽たちは、晋武の神すら殺す力に驚愕して誰も喋れないでいた。

 

 

 

そしてその一週間後、大陸中にこう知れ渡った....黒き天の御使い降臨....っと

 

 

 

 

 

-9ページ-

 

 

 

後書き

 

 

 

今回余りに不出来な仕上がりで誠に申し訳ありません。ですがこれからもどうか慈愛みちた眼で呼んでいただけると幸いです。それではまた次回にて....。

 

説明
皆さん、寒い季節如何お過ごすでしょうか...。私は現在、熱が38°にてベッドで寝込んでいます。皆さんも風邪には気を付けてください。
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