真・恋姫外史 がんばれ一刀お笑い道中〜僕が外史に降りた理由〜 第二十四話
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曹操軍に戻ってきた夏侯惇、夏侯淵は事のあらましを告げ、主に対し頭を下げていた。

 

「申し訳ありません華琳様!」

 

「我らの力が足りぬばかりに・・・・・・」

 

「貴方達のせいじゃないわ。頭を上げなさい」

 

そう言いながら、曹操は悟っていた。

 

勝利への道は閉ざされたのだと。

 

「華琳様・・・・・・」

 

「桂花。一応聞いておくけど、挽回の策はあるかしら?」

 

「・・・・・・いいえ」

 

首を横に振る荀ケ。

 

「ここに至っては、袁術軍の囲みを破って落ち延びるか、降伏するか、あるいは徹底抗戦の末に討ち死にするか・・・・・・」

 

「どれを選んでも敗北しかないわね。だったら・・・・・・」

 

曹操がその先を言う前に、自軍の兵士が駆けてきた。

 

「曹操様!袁紹軍から使いの者が来ております!」

 

「・・・・・・用件は?」

 

「それが、袁紹軍は共に袁術を叩くため、こちらに向かっているらしいです」

 

「董卓軍はどうしたの?」

 

「袁紹軍を後背から追撃中です」

 

「でしょうね。本当にあの馬鹿は・・・・・・」

 

「華琳様。いかがいたしますか?」

 

「・・・・・・公孫?と馬超を呼んで」

 

 

 

 

 

 

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しばらくして、袁紹は曹操の陣にたどりついた。

 

そこには曹操だけでなく、公孫?、馬超が沈痛な面持ちで立っていた。

 

「華琳さん!戦況は!?」

 

「良いとは言えないわね。時間さえあれば何とかできると思うけど、貴女、董卓軍相手に尻尾を巻いて逃げてきたのよね。おかげでこのままでは挟撃されるはめになったわ。どうするつもり?」

 

「とにかく美羽さんを倒す事が先決ですわ!」

 

「袁術を迅速に打ち破る策があるの?」

 

「全軍突撃ですわ!やられる前にやる!簡単な事でしょう!」

 

「だから、その前に挟撃されると言っているでしょう。袁術だけを標的にするなら、董卓軍を抑える方法がないと・・・・・・」

 

「それなら心配いりませんわ」

 

「・・・・・・何ですって?」

 

「進軍を遅らせる方法は既に実行済みです。まあ、こんな状況になるまでこの方法を思いつかなかった私も私ですけど・・・・・・」

 

「いったいどんな手を使ったんだ?」

 

公孫?の質問に、袁紹は胸を張って答えた。

 

「全軍に盾を使うよう命令しただけですわ」

 

「盾?」

 

「ええ」

 

「おいおい。盾だけで抑えきれる訳ないだろう?」

 

「それが出来るのですわ。特別製ですから。さあ、まずは裏切者の美羽さんを・・・・・・」

 

「待って」

 

「何ですの?この一刻を争う時に」

 

「ちゃんと答えなさい。貴女、どんな盾を使っているの?」

 

そう袁紹に訊ねる曹操の表情は硬かった。

 

「仕方ありませんわね・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

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袁紹軍後方、董卓軍は追いこそすれ、攻撃をすることはためらわされていた。

 

それもそのはず。

 

何故なら、袁紹軍の使っている特別製の盾とは・・・・・・

 

「むご〜〜!!」

 

「ふむ!ふが〜〜!!」

 

「・・・・・・」

 

布や縄で口を塞がれた董卓軍の捕虜、そして既に息を引き取った董卓軍兵士たちの死体だったのだ。

 

もっとも、袁紹軍の兵士達も当然嬉々としてやっている訳ではないので、士気は大いに下がっていた。

 

「まさかこんな戦法を取ってくるとはね」

 

「策殿。これは戦法などではありませぬ。戦の・・・・・・いや、人の道を外れた、まさに畜生にも劣る行為」

 

「こんな真似しくさって・・・・・・ただではすまさんで」

 

「絶対に許さないのです!」

 

「・・・・・・」

 

董卓陣営の者達は、一様に憤怒の表情を浮かべていた。

 

「・・・・・・つまらない事をしたもんだ」

 

そんな中、一刀だけは怒りではなく哀れみを込めた視線を袁紹軍に送っていた・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「まさかとは思ったけど・・・・・・」

 

袁紹から盾の詳細を聞いた曹操はその答えを予想していたようで、厳しい表情こそすれ、驚いた表情は見せなかった。

 

しかし、彼女と袁紹軍の者達以外は驚愕の表情と共に絶句していた。

 

「さあ。説明は終わりましたわ。早く美羽さんを倒しますわよ」

 

事も無げに言い放つ袁紹。

 

自分のした事を何とも思っていないようだ。

 

「一応聞いておくけど、貴女何とも思わないの?」

 

「敵の兵士がどうなろうと知った事ではありませんわ。このまま負けてしまっては、裏切者である美羽さんの一人勝ち・・・・・・そんな事許されませんわ!」

 

「麗羽、お前・・・・・・」

 

「第一、私達は極悪非道の董卓から民を開放するために戦っているのですから、どんな手を使ってでも勝たなければいけないのです!」

 

清々しいまでの自分勝手な自己正当化。

 

追い詰められ、怒りと怨みに支配された袁紹の瞳には狂気すら感じ取れた。

 

「・・・・・・」

 

曹操は無言で公孫?と馬超に視線を送った。

 

その視線に頷く二人。

 

「良く分かったわ。貴女がどう考えているか」

 

「やっとですの?全く、一刻を争うこの時に、手間をかけさせてくれますわね・・・・・・」

 

「ええ、悪かったわ」

 

「分かったのならさっさと動きなさいな」

 

「そうするわ。春蘭、秋蘭」

 

「「はっ!」」

 

「この狂人を捕らえなさい」

 

「「ただちに!」」

 

夏侯惇、夏侯淵はすぐさま袁紹を拘束した。

 

「ちょ、何を・・・・・・華琳さん!いったいどういうつもりですの!?」

 

「どうもこうもないわ。あなたを捕縛して、董卓軍に降伏するのよ」

 

「あなたも私を裏切るんですの!?」

 

「先に私達を裏切ったのはあなたよ。あんな真似をして、連合軍の威信を地に落としておいて・・・・・・」

 

「全ては勝つためですわ!勝ちさえすれば威信なんていくらでも・・・・・・」

 

「取り返せると?信用を落とすのは簡単だけど、取り戻すのは容易ではないのよ?」

 

「・・・・・・麗羽。今回ばかりは私もかばいきれないな。こんな手で勝っても、誰も喜ばない」

 

「右に同じだ。死んでいった兵士達には顔向けできないし、今、命がけで戦ってる兵士達もこんなやり方望んでないだろうからな」

 

袁紹に冷ややかな目を向ける曹操、公孫?、馬超。

 

「そんな目で見るんじゃありません!あなた達!何をぼさっとしてますの!?早く私を助けなさい!」

 

部下に怒声を浴びせる袁紹。

 

「・・・・・・」

 

だが、袁紹配下の者達は袁紹を助けようとはせず、無言で武器を捨てていった。

 

袁紹には分からなかったのだろう。

 

自分の行為で部下たちの心がどれほど自分から離れたのかが。

 

「ここで無駄な争いをしなくてすんだようね。桂花。全軍に戦闘停止命令を」

 

「はい・・・・・・」

 

 

 

 

その後、袁紹軍を含む反董卓連合軍は全面降伏を宣言

 

 

 

 

結局この争いは

 

 

 

連合軍の内部崩壊という形で

 

 

 

幕をとじたのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

さすがにやりすぎかとも思ったのですが、よく考えれば麗羽は初代恋姫で璃々ちゃん人質に取るという外道な行いしてますし・・・・・・

 

何はともあれ、決着はつきましたね。

 

戦後処理はどうなることやら。

 

では、また次回・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
勝てば官軍・・・・・・?
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コメント
D.Aさん:個人の妬みでこれだけ大事になるのですから、怖いですねえ。本当に(アキナス)
未奈兎さん:そして敗北後は何もかも放り出してお供と旅に・・・・・・好き放題やってましたね(アキナス)
mokiti1976-2010さん:ここまでやったのだから、それ相応の処罰が下るでしょうね(アキナス)
劉邦柾棟さん:恋姫において袁家は基本的に甘やかされた馬鹿と言う印象が強いですね(アキナス)
そもそもこの反董卓連合自体が麗羽の妬みからだしなぁ(D.A)
無印だと白蓮さん殺してるしあとがきの通り幼女人質に取るしで実は結構史実董卓までとは言わんが中々に奸雄だったよなぁ(未奈兎)
とりあえず麗羽以外がまともで何より。後はこの狂人をどう始末するかですね。(mokiti1976-2010)
麗羽はやってはならない事をやらかしたな。 これで袁家の当主だってんだから始末が悪いよ。 ホント。(劉邦柾棟)
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