真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間 |
その全ては宝鈴の極悪非道の策であった事を知った未来の一刀の感情は憤怒一色になった
怒り狂う未来の一刀は意図せず『負の限界突破』を発動させ
宝鈴へ襲い掛かった!!!
五節 〜焼き尽くす怒〜
宝鈴「がはっ!!!ぐあぁぁぁぁ…………!!!」
未来の一刀の鉄拳を喰らった宝鈴は、岩にめり込んだ状態のまま、嗚咽していた
機器音声「損傷率:2割8分1厘」
宝鈴「……た、たった…一撃で………」
めり込んだ岩山から無理矢理、体を動かし脱出する
宝鈴「くっ………『癒療再生装置』起動…………」
ギュオォォォォッ!!!
自動で回復する装置『癒療再生装置』を起動させる宝鈴
しかも、『龍天五獄隊』や宝鈴、龍天は特別製の装置の為、回復量や速度が異常に早い
宝鈴の歪んだ顔や、傷がみるみる治っていき、結果完治した
宝鈴「ふ〜………」
完治した宝鈴は一度、ため息をつくと怒りの形相となる
宝鈴「おのれ北郷一刀っ!!!!!!
この宝鈴の右半身を奪っただけでは飽きたらず、有ろうことか顔を殴るなど…………!!!
許さん……許さん、許さんっ!!!!!!絶対に許さんぞっ!!!ゴミクズめがっ!!!」
わなわなと体を震わせる宝鈴の元に
一刀(未来)「どの口がほざきやがるっ!!!!!!宝鈴っ!!!!!!」
未来の一刀がこれまた怒りながら現れる
宝鈴「この下衆が………!!!
この宝鈴に楯突いた事を後悔させてやるっ!!!
『負の限界突破』など、たかが『限界突破』の失敗策っ!!!
貴様は失敗策なんだっ!!!」
ギュオォォォォッ!!!
絡繰人間ではあり得ない気が放出される
更には憎悪に塗れた真っ黒な気だった
宝鈴「ぶっ殺してやるからなっ!!!
たかが人間の分際がっ!!!外史の創造主である管理者を敵に回すとどうなるか、教えてやるっ!!!」
一刀(未来)「黙れっ!!!元・管理者風情がっ!!!
お前は俺に殺されるっ!!!それは確定事項だっ!!!」
未来の一刀は宝鈴に向かって駆け出した
宝鈴「クズがっ!!!召喚獣共っ!!!あの下等人種をぶち殺せっ!!!」
宝鈴は右手を開いた状態で突き出すと、3体の大きな影が現れる
1体目はかつて一刀に倒された巨大な斧を持つ処刑人・『徘徊者』
2体目は体が水のようになっている巨大な蜘蛛
そして、3体目は深緑色をした毒々しい巨大な蜈蚣
貂蝉「あれは『溺死大蜘蛛(ブルースパイダー)』とぉ、『奪命毒蟲(ポイズンセンチュリオン)』ねん」
左慈「特殊な個体だったな、確か……
『海蜘蛛(うみぐも)』と『森蜈蚣(もりむかで)』って名称だったかね………」
音々音「ううぅ……趣味が悪いのです……」
音々音は眉間に皺を寄せて嫌がる
海蜘蛛「シャーーーーっ!!!」
森蜈蚣「キシャーーーーっ!!!」
徘徊者「………………」
各召喚獣達は威嚇しながら、未来の一刀へ接近していく
一刀(未来)「雑兵共が………邪魔をするなっ!!!!!!」
未来の一刀は臆する事なく、召喚獣達に向かって駆け出した
森蜈蚣「キシャーーーーっ!!!」
海蜘蛛「シャーーーーっ!!!」
2匹の毒蟲は未来の一刀目掛けて毒液を吐き出した
徘徊者「……………」
更に徘徊者が追い討ちとして巨大な斧を振り翳す
一刀(未来)「目障りだ………消えろっ!!!!!!」
未来の一刀は『負の限界突破』になって初めて血塗られた『龍終』を引き抜く
一刀(未来)「『北郷流・屍斃の刈鎌(しへいのかりかま)』っ!!!!!!」
フォンッ!!!
ゴオォォォッ!!!
未来の一刀が大きく『龍終』を振り回すと、これまた大きな剣圧が放たれた
その剣圧は毒液を吹き飛ばし、3体の召喚獣達を蹴散らした
森蜈蚣「キシャーーーーっ!!?」
海蜘蛛「シャーーーーっ!!?」
徘徊者「………………っ!!?」
蹴散らした召喚獣達からは生々しく肉が千切れ、潰れる音が反響した
一刀「っ!!!あれは『屍斃の刈鎌』………くそっ!!!」
一刀は驚きつつ、眉間に皺を寄せる
焔耶「なんだ?その『屍斃の刈鎌』とは………」
一刀「『北郷流』は元々、人殺しの剣術………
その中でも、古来より色濃く殺人に結び付く剣術も受け継がれているんだ
『殺剣(さつけん)』て云われていて、その内の1つがあの『屍斃の刈鎌』………
剣圧に斬撃を纏わせて放つ技で、その剣圧を受けた者は如何なる者でも粉々に斬り刻まれる」
思春「確かに説明通りバラバラだ……恐ろしい剣術だな……」
思春も思わず冷や汗を垂らす
一刀(未来)「小賢しいんだよ、宝鈴っ!!!!!!」
未来の一刀は足を早め、宝鈴へ接近する
宝鈴「それで勝った気になるなよっ!!?集まれっ!!!」
宝鈴は左手の人差し指と中指を立たせ、顔の前で構える
すると、バラバラにされた3体の召喚獣達がグチャグチャと音を立てて集まり出した
宝鈴「誕生せよ、新たな召喚獣っ!!!融合っ!!!」
再び宝鈴が声を張り上げると、徘徊者をベースに森蜈蚣と海蜘蛛の体の部分が接着し始めた
顔が3つあり、森蜈蚣の尻尾が生え、海蜘蛛の足が脇腹に腕のようになり、合計8本の腕が生えた状態となる
一刀「キメラか…………?」
于吉「やることは外道ですよ……
生き物を何だと思っているのか………!!!」
于吉の静かな怒りは、宝鈴へ直接伝わる
宝鈴「命を粗末にはしていませんがねっ!!?
さぁ、徘徊者・合成獣版だっ!!!醜く死ねっ!!!」
徘徊者「オォグオォォっ!!!」
元々、喋ることは出来ない徘徊者だが、3つの声が重なり獣にも似た叫び声を上げて未来の一刀へ襲いかかる
両手に持つ斧の刃先には、先程の毒液が染み込んでいる
掠っただけで即死だろう
だが、未来の一刀は引くどころか前へ進む
一刀(未来)「その場しのぎのゴミを集めただけで、俺を止められると思うなよっ!!!!!!」
未来の一刀は『龍終』を強く握り締め
一刀(未来)「『北郷流・終天(しゅうてん)』っ!!!!!!」
大きく技名を発する
だが、その時には何故か徘徊者の背後に『龍終』を振り下ろした状態で立っていた
徘徊者「………………オグオォ……っ!!?」
徘徊者が振り向こうとした時、徘徊者の四肢が根元から崩れ落ちた
そして、最終的には3つの顔も斬り落とされ絶命した
一刀「『終天』…………あれも『殺剣』だ………
恐らく、宝鈴と戦っている間に出す技全てが『殺剣』になるだろう……」
一刀のこの悲しい予想は的中してしまう事となる
宝鈴「くっ!!!使えん奴らめっ!!!」
ここでも宝鈴の下衆っぷりが発動される
一刀(未来)「次から次へと………本っ当にうざってぇなっ!!!!!!」
未来の一刀の怒りは更に強くなる
宝鈴「こうなれば、『制限解除』だっ!!!」
機器音声「声紋認証完了。『制限解除』を実行します。」
機器音声により、宝鈴の『制限解除』が発動される
愛紗「今まで絡繰人間と異なり、言葉だけで『制限解除』を?」
愛紗は眉を顰めて宝鈴を見る
左慈「とんだ科学力だな………」
機器音声「『制限解除』完了。戦闘を再開してください。」
宝鈴「長引くと私も危なそうだからな………
『制限解除』状態の『零這玉』を喰らわせてやろう………」
『零這玉(れいげんだま)』とは、宝鈴の最終奥義のこと
過去に一刀と于吉で打ち合いをした事がある
宝鈴「少なくとも、12年前より威力が段違いに上がっている……
更には『制限解除』を重ね合わせてある………
これで、終わらせてやるっ!!!」
宝鈴は両手を前に突き出す
両掌からドス黒い色をしたバスケットボール程の球体が現れる
宝鈴「ふははははっ!!!貴様はもう終わりだっ!!!!!!北郷一刀っ!!!!!!」
一刀(未来)「ふざけんなっ!!!!!!それは、こっちの台詞だっ!!!!!!」
怒号を浴びせると、未来の一刀は構わず歩き続ける
宝鈴「ふははははっ!!!愚か者めがっ!!!
こんな無価値な国ごと……皆、死んでしまえーーーーーーーっ!!!!!!」
ゴオォォォッ!!!
宝鈴は醜く嗤いながら、未来の一刀目掛けて『零這玉』を放った
ギュオォォォォッ!!!
未来の一刀は歩きながら、即座に気を右手に溜め出す
一刀(未来)「死ぬのは………」
未来の一刀はその場で止まり、右手を大きく突き出した
一刀(未来)「てめぇだーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
ゴオォォォッ!!!
未来の一刀の右手から極太の『闇龍破』を放った
『闇龍破』と『零這玉』が激しく衝突する
宝鈴「おぉ…のぉ…れぇーーーーーーー!!!」
宝鈴はフルパワーで『闇龍破』を破壊しようと、力を込める
だが
一刀(未来)「くたばれ……………」
未来の一刀が一際、大きく力を込める
一刀(未来)「宝鈴ーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
すると、
ゴオォォォッ!!!
『闇龍破』は一瞬で倍以上の太さになり、『零這玉』を押し上げていった
宝鈴「なっ!!?ば、馬鹿なっ!!!」
そして
ゴオォォォッ!!!
『零這玉』は『闇龍破』の力に耐えきれず、弾け散った
『闇龍破』はそのまま、宝鈴へと放たれる
宝鈴「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
『闇龍破』に包まれた宝鈴は叫び声を上げる
蓮華「当たったっ!!!」
鈴々「直撃なのだっ!!!」
宝鈴が直撃したであろう周辺には土煙が立ち上る
思春「やったか?」
思春の言葉に対して雪蓮が返答する
雪蓮「………まだのようね」
明命「へ?」
土煙の中から、人影が動き出す
秋蘭「しぶといな…………」
そして、土煙の中から宝鈴が現れる
宝鈴「ぐぐ…………ぬぐぐぐっ!!!」
桃香「ひっ!!!」
その姿を見た桃香は、思わず一刀の背中へ隠れる
愛紗「右半身が…ない…………?」
春蘭「恐らく、奴の『零這玉』が『闇龍破』の軌道を逸らしたのだろうな………
それが幻術で創られた宝鈴の右半身に直撃したのだろう」
春蘭の推理は当たっていた
宝鈴「お………の…れ……!!!」
機器音声「損傷率:8割9分1厘」
美羽「あの者の戦闘は不可能……未来の主様の勝利じゃの」
七乃「ですね〜」
機器音声を聞いた者達は安堵する
『これで、未来の一刀が元に戻る』と…………
だが
一刀(未来)「…………目障りだ」
シュンッ!!!
宝鈴「うぬぅっ!!?」
未来の一刀は『空走』により、宝鈴の目の前に現れ
一刀(未来)「………………」
フォンッ!!!
ザシュッ!!!
宝鈴「がっは…………!!?」
無言で宝鈴の胴体に右手を貫通させた
一刀(未来)「『体術・手刀(しゅとう)』……………」
宝鈴「き、貴様……………!!!」
未来の一刀は無情に右手を引き抜く
右腕は宝鈴の血に塗れ、深紅に染まっていた
宝鈴は静かにその場に、膝から崩れ落ちる
一刀(未来)「お前には…………『怒り』をくれてやる…!!!」
宝鈴「な、に…………?」
辛うじて喋られる宝鈴は未来の一刀の言葉に疑問符を浮かべる
未来の一刀は徐に右手に力を込める
すると
ボオォォォォッ!!!
右手に赤い玉が作られた
その赤い玉は宝鈴の腹部にも同じ物が作られていた
宝鈴「な、なんだ…これは………!!?
あ、熱いっ!!!」
左慈「あれは……………」
一刀(未来)「喰らって逝け………これが国の……皆の………!!!」
宝鈴「ひっ!!!あぁっ!!!あああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
一刀(未来)「俺の怒りだあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
ボオォォォォッ!!!
未来の一刀が右手に力を込めると、宝鈴を中心に天を焼き尽くす程の火柱が立ち上ったのだった………
……終……
説明 | ||
怒りが爆発し、『負の限界突破』を発動した未来の一刀は宝鈴に怒り狂いながら迫っていく その覇気にたじろぐ宝鈴も、反撃するも 虚しく、殴り飛ばされたのだった |
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